この章では、Sun Cluster インターコネクトとパブリックネットワークのソフトウェア上の作業手順について説明します。
クラスタインターコネクトとパブリックネットワークの管理には、ハードウェア上の作業とソフトウェア上の作業が含まれます。通常、初めてクラスタをインストールおよび構成するときには、IP ネットワークマルチパス (IP Network Multipathing) グループを含むクラスタインターコネクトとパブリックネットワークを構成します。あとで、クラスタインターコネクトネットワーク構成を変更する必要が生じた場合は、この章のソフトウェア手順を使用します。クラスタ内に IP Network Multipathing グループを構成する方法については、「パブリックネットワークの管理」の節を参照してください。
この章で説明する手順は次のとおりです。
この章の関連手順の概要は、表 6–1 と表 6–3 を参照してください。
クラスタインターコネクトとパブリックネットワークの背景情報や概要については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。
この節では、クラスタトランスポートアダプタやクラスタトランスポートケーブルなどのクラスタインターコネクトの再構成手順について説明します。これらの手順では、Sun Cluster ソフトウェアをインストールする必要があります。
通常、scsetup(1M) ユーティリティーを使用して、クラスタインターコネクトのクラスタトランスポートを管理できます。詳細は、scsetup のマニュアルページを参照してください。
クラスタソフトウェアをインストールする手順については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。クラスタハードウェアコンポーネントをサービスする手順については、『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。
クラスタインターコネクト手順中、通常は、(適切であれば) デフォルトのポート名を選択してもかまいません。デフォルトのポート名は、ケーブルのアダプタ側が接続されているノードの内部ノード ID 番号と同じです。ただし、SCI などの特定の種類のアダプタではデフォルトのポート名は使用できません。
タスク |
参照箇所 |
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クラスタトランスポートの管理 - scsetup(1M) を使用します | |
クラスタインターコネクトの状態の確認 - scstat を使用 | |
クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタまたは、トランスポート接続点の削除 - scstat(1M) を使用します | |
クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタまたは、トランスポート接続点の削除 - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブルの有効化 - scsetup を使用します。 | |
クラスタトランスポートケーブルの無効化 - scsetup を使用します。 | |
トランスポートアダプタのインスタンス番号の確認 |
クラスタインターコネクト上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考慮する必要があります。
Solaris の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は Sun Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティング環境での休止操作をしない場合を除く)。したがって、Sun Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前に、必ず、Solaris の DR 機能についての説明を参照してください。特に、DR Detach 操作中に、ネットワークに接続されていない入出力デバイスに影響する問題について確認してください。
Sun Cluster は、アクティブなプライベートインターコネクトインタフェース上で実行された DR ボード削除操作を拒否します。
DR のボード削除操作によってアクティブなプライベートインターコネクトインタフェースに影響がある場合には、Sun Cluster は操作を拒否し、操作によって影響を受けるインタフェースを特定します。
Sun Cluster の個々のクラスタノードには、他のすべてのクラスタノードに対する有効なパスが、少なくとも 1 つは存在していなければなりません。したがって、個々のクラスタノードへの最後のパスをサポートするプライベートインターコネクトインタフェースを無効にしないでください。
パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行するときは、次の手順をその順番どおりに行います。
表 6–2 Task Map: パブリックネットワークインタフェースでの動的再構成
タスク |
参照箇所 |
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1. アクティブなインターコネクトからインタフェースを無効にして削除 | |
2. パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行 |
『Sun Enterprise 10000 DR Configuration Guide』 「Solaris 8 on Sun Hardware」コレクションと「Solaris 9 on Sun Hardware」コレクションの『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』 |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
この手順を実行するためにスーパーユーザーとしてログインする必要はありません。
クラスタインターコネクトの状態を確認します。
# scstat -W |
一般的な状態メッセージについては、以下を参照してください。
状態メッセージ |
説明および可能な処置 |
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Path online |
パスが現在正常に機能しています。処置は必要ありません。 |
Path waiting |
パスが現在初期化中です。処置は必要ありません。 |
Path faulted |
パスが機能していません。これは、パスが一時的に待機状態とオンライン状態の中間にある状態の可能性があります。再び scstat -W を実行してもメッセージが繰り返される場合は、適切な処置を行ってください。 |
次に、正常に機能しているクラスタインターコネクトの状態の例を示します。
# scstat -W -- クラスタトランスポートパス -- エンドポイント エンドポイント 状態 ------ -------- ------ トランスポートパス: phys-schost-1:qfe1 phys-schost-2:qfe1 Path online トランスポートパス: phys-schost-1:qfe0 phys-schost-2:qfe0 Path online トランスポートパス: phys-schost-1:qfe1 phys-schost-3:qfe1 Path online トランスポートパス: phys-schost-1:qfe0 phys-schost-3:qfe0 Path online トランスポートパス: phys-schost-2:qfe1 phys-schost-3:qfe1 Path online トランスポートパス: phys-schost-2:qfe0 phys-schost-3:qfe0 Path online |
クラスタ固有のトランスポートの要件については、『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』の「Interconnect Requirements and Restrictions」を参照してください。
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
クラスタトランスポートケーブルが物理的に取り付けられていることを確認します。
クラスタトランスポートケーブル のインストール手順については、『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
メインメニューが表示されます。
4 (クラスタインターコネクト) を入力して、「クラスタインターコネクトメニュー」にアクセスします。
SCI アダプタを使用する構成では、この手順の「Add (追加)」部分において表示されるアダプタ接続 (ポート名) のデフォルトを受け入れてはいけません。その代わりに、ノードに物理的に (ケーブルで) 接続されている、Dolphin スイッチ上のポート名 (0、1、2、または 3) を指定します。
1 (トランスポートケーブルを追加) を選択してトランスポートケーブルを追加します。
指示に従い、必要な情報を入力します。
2 (トランスポートアダプタをノードに追加) を選択してトランスポートアダプタを追加します。
指示に従い、必要な情報を入力します。
3(トランスポート接続点を追加) を選択してトランスポート接続点を追加します。
指示に従い、必要な情報を入力します。
クラスタトランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポート接続点が追加されたことを確認します。
# scconf -p | grep cable # scconf -p | grep adapter # scconf -p | grep junction |
次に、scsetup コマンドを使用し、トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、トランスポート接続点をノードに追加する例を示します。
[ケーブルがインストールされているか確認する] # scsetup クラスタインターコネクトを選択する 「トランスポートケーブルを追加」、「トランスポートアダプタをノードに追加」、 「トランスポート接続点を追加」の中からいずれかを選択する プロンプトが表示されたら質問に答える 必須: 例: ノード名 phys-schost-1 アダプタ名 qfe2 接続点名 hub2 トランスポートタイプ dlpi [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する] コマンドが正常に完了しました scsetup クラスタインターコネクトメニューとメインメニューを停止する [ケーブル、アダプタ、接続点が追加されたことを確認する:] # scconf -p | grep "ケーブル" トランスポートケーブル: phys-schost-2:qfe0@1 ethernet-1@2 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled # scconf -p | grep "ノードのトランスポートアダプタ" ノードのトランスポートアダプタ: qfe2 hme1 qfe0 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 qfe2 hme1 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 qfe2 hme1 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 # scconf -p | grep "クラスタのトランスポート接続点" クラスタのトランスポート接続点: hub0 hub1 hub2 クラスタのトランスポート接続点: hub0 クラスタのトランスポート接続点: hub1 クラスタのトランスポート接続点: hub2 |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
次の手順を使用して、クラスタトランスポートケーブル、クラスタトランスポートアダプタ、およびトランスポート接続点をノード構成から削除します。ケーブルを無効にした場合、このケーブルの 2 つのエンドポイントは構成されたままになります。トランスポートケーブルの終端として使用されているアダプタは削除できません。
各クラスタノードには、他のすべてのクラスタノードに対する (機能している) トランスポートパスが少なくとも 1 つずつ必要です。2 つのノードは必ず接続されており、お互いに分離されているノードは存在しません。ケーブルを無効にする前には、必ず、ノードのクラスタインターコネクトの状態を確認してください。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。ノードの最後の機能しているケーブルを無効にすると、そのノードはクラスタメンバーシップから外れます。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
残りのクラスタトランスポートパスの状態を確認します。
# scstat -W |
2 ノードクラスタのいずれかのノードを削除しようとして「パス障害 (Path faulted)」などのエラーメッセージが表示された場合、この手順を続ける前に問題を調査してください。このような問題は、ノードパスが利用できないことを示しています。残りの正常なパスを削除すると、このノードはクラスタメンバーシップから外れ、クラスタが再構成されます。
scsetup ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
メインメニューが表示されます。
4 (クラスタインターコネクト) を入力して、「クラスタインターコネクトメニュー」にアクセスします。
4 (トランスポートケーブルを削除) を選択して、ケーブルを削除します。
指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、および接続点名を知っておく必要があります。
物理的にケーブル接続を解除する場合は、ポートと宛先デバイスをつないでいるケーブルを切り離します。
アダプタを削除するには、5 (トランスポートアダプタをノードから削除) を選択します。
指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、および接続点名を知っておく必要があります。
アダプタをノードから物理的に取り外す場合のハードウェアサービス手順については、『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。
接続点を削除するには、6 (トランスポート接続点を削除) を選択します。
指示に従い、必要な情報を入力します。アプリケーションのノード名、アダプタ名、および接続点名を知っておく必要があります。
ポートがトランスポートケーブルの終端として使用されている場合、接続点は削除できません。
ケーブルまたはアダプタが削除されたことを確認します。
# scconf -p | grep cable # scconf -p | grep adapter # scconf -p | grep junction |
ノードからトランスポートケーブルやトランスポートアダプタが削除された場合は、このコマンドの出力には表示されません。
次に、scsetup コマンドを使用して、トランスポートケーブル、トランスポートアダプタ、またはトランスポート接続点を削除する例を示します。
[クラスタ内の任意のノードでスーパーユーザーになる] [ユーティリティーを入力する:] # scsetup 4 (クラスタインターコネクト) を入力 「トランスポートケーブルを削除」、「トランスポートアダプタをノードから削除」、 「トランスポート接続点を削除」の中からいずれかを選択する プロンプトが表示されたら質問に答える 必須: 例: ノード名 phys-schost-1 アダプタ名 qfe1 ジャンクション名 hub1 [ scconf コマンドが正常に完了したことを確認する:] コマンドの実行が正常に完了しました scsetup クラスタインターコネクトメニューとメインメニューを停止する [ケーブル、アダプタ、接続点が取り除かれたことを確認する:] # scconf -p | grep "ケーブル" トランスポートケーブル: phys-schost-2:qfe0@1 ethernet-1@2 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled # scconf -p | grep "ノードのトランスポートアダプタ" ノードのトランスポートアダプタ: qfe2 hme1 qfe0 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 qfe2 hme1 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 qfe2 hme1 ノードのトランスポートアダプタ: qfe0 # scconf -p | grep "クラスタのトランスポート接続点" クラスタのトランスポート接続点: hub0 hub2 クラスタのトランスポート接続点: hub0 クラスタのトランスポート接続点: hub2 |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
このオプションを使用し、既存のクラスタトランスポートケーブルを有効にします。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup(1M) ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
メインメニューが表示されます。
4 (クラスタインターコネクト) を入力して、「クラスタインターコネクトメニュー」にアクセスします。
7 (トランポートケーブルを有効化) を選択して、トランスポートケーブルを有効にします。
プロンプトが表示されたなら、指示に従います。ケーブルのいずれかの終端のノード名およびアダプタ名の両方を入力する必要があります。
ケーブルが有効になっていることを確認します。
# scconf -p |
次に、ノード phys-schost-2 にあるアダプタ qfe-1 のクラスタトランスポートケーブルを有効にする例を示します。
[すべてのノードでスーパーユーザーになる] [scsetup ユーティリティーを入力する:] # scsetup 「クラスタインターコネクト」、続いて「トランスポートケーブルを有効化」を選択する プロンプトが表示されたら質問に答える 以下の情報が必要となる 必須: 例: ノード名 phys-schost-2 アダプタ名 qfe1 接続点名 hub1 [ scconf コマンドが正常に終了したことを確認する:] scconf -c -m endpoint=phys-schost-2:qfe1,state=enabled コマンドの実行が正常に完了しました。 scsetup クラスタインターコネクトメニューとメインメニューを停止する [ケーブルが有効であることを確認する:] # scconf -p | grep "トランスポートケーブル" トランスポートケーブル: phys-schost-2:qfe1@0 ethernet-1@2 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled |
この手順は、SunPlex Manager GUI を使用しても実行できます。詳細については、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
クラスタトランスポートケーブルを無効にし、クラスタインターコネクトパスを一時的に停止する必要があることがあります。これは、クラスタインターコネクトで発生する問題の解決や、クラスタインターコネクトのハードウェアの交換に便利です。
ケーブルを無効にした場合、このケーブルの 2 つのエンドポイントは構成されたままになります。トランスポートケーブルの終端として使用されているアダプタは削除できません。
各クラスタノードには、他のすべてのクラスタノードに対する (機能している) トランスポートパスが少なくとも 1 つずつ必要です。2 つのノードは必ず接続されており、お互いに分離されているノードは存在しません。ケーブルを無効にする前には、必ず、ノードのクラスタインターコネクトの状態を確認してください。状態が冗長な場合、つまり別の接続が使用できる場合だけ、ケーブル接続を無効にします。ノードの最後の機能しているケーブルを無効にすると、そのノードはクラスタメンバーシップから外れます。
クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。
ケーブルを無効にする前に、クラスタインターコネクトの状態を確認します。
# scstat -W |
2 ノードクラスタのいずれかのノードを削除しようとして「パス障害 (Path faulted)」などのエラーメッセージが表示された場合、この手順を続ける前に問題を調査してください。このような問題は、ノードパスが利用できないことを示しています。残りの正常なパスを削除すると、このノードはクラスタメンバーシップから外れ、クラスタが再構成されます。
scsetup(1M) ユーティリティーを実行します。
# scsetup |
メインメニューが表示されます。
4 (クラスタインターコネクト) を入力して、「クラスタインターコネクトメニュー」にアクセスします。
8 (トランスポートケーブルを無効化) を選択してケーブルを無効にします。
指示に従い、必要な情報を入力します。このクラスタインターコネクトのすべてのコンポーネントは無効になります。ケーブルのいずれかの終端のノード名およびアダプタ名の両方を入力する必要があります。
ケーブルが無効になっていることを確認します。
# scconf -p |
次に、ノード phys-schost-2 にあるアダプタ qfe-1 のクラスタトランスポートケーブルを無効にする例を示します。
[すべてのノードでスーパーユーザーになる] [scsetup ユーティリティーを入力する:] # scsetup 「クラスタインターコネクト」、続いて「トランスポートケーブルを無効化」を選択する プロンプトが表示されたら質問に答える 以下の情報が必要になる 必須: 例: ノード名 phys-schost-2 アダプタ名 qfe1 接続点名 hub1 [ scconf コマンドが正常に完了したことを確認する:] scconf -c -m endpoint=phys-schost-2:qfe1,state=disabled コマンドの実行が正常に完了しました。 scsetup クラスタインターコネクトメニューとメインメニューを停止する [ケーブルが無効化されたことを確認する:] # scconf -p | grep "トランスポートケーブル" トランスポートケーブル: phys-schost-2:qfe1@0 ethernet-1@2 Disabled トランスポートケーブル: phys-schost-3:qfe0@1 ethernet-1@3 Enabled トランスポートケーブル: phys-schost-1:qfe0@0 ethernet-1@1 Enabled |
scsetup コマンドを使用して正しいトランスポートアダプタの追加と削除を行うには、トランスポートアダプタのインスタンス番号を確認する必要があります。アダプタ名は、アダプタの種類とアダプタのインスタンス番号を組み合わせたものです。この作業では、SCI-PCI アダプタを例として使用しています。
スロット番号にもとづき、アダプタの名前を確認してください。
次の画面は例であり、個々のハードウェアと一致しない可能性があります。
# prtdiag ... ========================= IO Cards ========================= Bus Max IO Port Bus Freq Bus Dev, Type ID Side Slot MHz Freq Func State Name Model ---- ---- ---- ---- ---- ---- ---- ----- -------------------------------- PCI 8 B 2 33 33 2,0 ok pci11c8,0-pci11c8,d665.11c8.0.0 PCI 8 B 3 33 33 3,0 ok pci11c8,0-pci11c8,d665.11c8.0.0 ... |
アダプタの名前とスロット番号を使用してアダプタのインスタンス番号を確認してください。
次の画面は例であり、個々のハードウェアと一致しない可能性があります。
# prtconf ... pci, instance #0 pci11c8,0, instance #0 pci11c8,0, instance #1 ... |
Sun Cluster 3.1 4/04 はパブリックネットワークの IP (Internet Protocol) ネットワークマルチパスの Solaris 実装をサポートします。IP ネットワークマルチパスの基本的な管理は、クラスタ環境でも非クラスタ環境でも同じです。マルチパスの管理については、適切な Solaris のマニュアルを参照してください。ただし、Sun Cluster 環境で IP ネットワークマルチパスを管理する前には、以下のガイドラインを熟読してください。
IP ネットワークマルチパス手順をクラスタ上で実行する前に、次のガイドラインについて考慮してください。
各パブリックネットワークアダプタは、マルチパスグループに属している必要があります。
local-mac-address? 変数には、Ethernet アダプタの値として true が指定されていなければなりません。
次に示すタイプのマルチパスグループ内に存在するアダプタごとにテスト IP アドレスを設定する必要があります。
Solaris 8 OS で稼働しているクラスタ内のすべてのマルチパスグループ
Solaris 9 または Solaris 10 OS で稼働しているクラスタ内のすべてのマルチアダプタマルチパスグループSolaris 9 または Solaris 10 OS 上のシングルアダプタマルチパスグループは、テスト IP アドレスを必要としません。
同一マルチパスグループ内のすべてのアダプタ用のテスト IP アドレスは、単一の IP サブネットに属する必要があります。
テスト IP アドレスは高可用性でないため、通常のアプリケーションが使用しないようにします。
マルチパスグループの命名に制限はありません。しかし、リソースグループを構成するとき、netiflist には、任意のマルチパス名にノード ID 番号またはノード名が続くものを指定します。たとえば、マルチパスグループの名前が sc_ipmp0 であるとき、ノード ID が 1 である phys-schost-1 というノード上にアダプタが存在する場合、netiflist には sc_ipmp0@1 または sc_ipmp0@phys-schost-1 のどちらを指定してもかまいません。
あらかじめ IP アドレスをグループ内の削除する予定のアダプタから代替アダプタにスイッチオーバーせずに、IP ネットワークマルチパスグループのアダプタを構成解除 (アンプラム) または停止しないようにします (つまり、 if_mpadm(1M) コマンドを使用)。
個々のマルチパスグループから削除する前に、アダプタを別のサブネットに配線しないようにします。
論理アダプタ操作は、マルチパスグループで監視中の場合でもアダプタに対して行うことができます。
クラスタ内の各ノードについて、最低 1 つのパブリックネットワーク接続を維持しなければなりません。クラスタは、パブリックネットワーク接続がないとアクセスできません。
クラスタ上の IP ネットワークマルチパスグループの状態を表示するには、scstat(1M) に -i オプションを指定して実行します。
IP ネットワークマルチパスの詳細については、Solaris システム管理マニュアルセットの適切なマニュアルを参照してください。
表 6–3 Task Map: パブリックネットワークの管理
Solaris オペレーティングシステムリリース |
参照箇所 |
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Solaris 8 オペレーティングシステム |
『IP ネットワークマルチパスの管理』 |
Solaris 9 オペレーティングシステム |
『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 |
クラスタソフトウェアをインストールする手順については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。パブリックネットワークハードウェアコンポーネントをサービスする手順については、『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。
クラスタ内のパブリックネットワークインタフェース上で動的再構成 (DR) を実行するときには、いくつかの問題を考える必要があります。
Solaris の DR 機能の説明で述べられているすべての必要条件、手順、制限は Sun Cluster の DR サポートにも適用されます (オペレーティング環境での休止操作をしない場合を除く)。したがって、Sun Cluster ソフトウェアで DR 機能を使用する前に、必ず、Solaris の DR 機能についての説明を参照してください。特に、DR Detach 操作中に、ネットワークに接続されていない入出力デバイスに影響する問題について確認してください。
DR ボード削除操作は、パブリックネットワークインタフェースがアクティブでないときだけ成功します。アクティブなパブリックネットワークインタフェースを削除する前に、if_mpadm(1M) コマンドを使用して、削除するアダプタからマルチパスグループ内の別のアダプタに IP アドレスを切り換えます。
アクティブなネットワークインタフェースを適切に無効にせずにパブリックネットワークインタフェースカードを削除しようとした場合、Sun Clusterはその操作を拒否して、その操作から影響を受けるインタフェースを識別します。
2 つのアダプタを持つマルチパスグループの場合、無効にしたネットワークアダプタ上で DR 削除操作を実行している間に残りのネットワークアダプタに障害が発生すると、可用性に影響が生じます。これは、DR 操作の間は、残りのネットワークアダプタのフェイルオーバー先が存在しないためです。
パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行するときは、次の手順をその順番どおりに行います。
表 6–4 Task Map: パブリックネットワークインタフェースでの動的再構成
タスク |
参照箇所 |
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1. if_mpadm を使用して、IP アドレスをマルチパスグループ内の削除する予定のアダプタから代替アダプタへの切り換えを実行 |
if_mpadm(1M)のマニュアルページ 適切な Solaris のマニュアル: Solaris 8: 『IP ネットワークマルチパスの管理』 Solaris 9: 『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 |
2. ifconfig コマンドを使用して、マルチパスグループからアダプタを削除 |
適切な Solaris のマニュアル: Solaris 8: 『IP ネットワークマルチパスの管理』 Solaris 9: 『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」 ifconfig(1M) のマニュアルページ。 |
3. パブリックネットワークインタフェース上で DR 操作を実行 |
『Sun Enterprise 10000 DR Configuration Guide』および「Solaris 8 on Sun Hardware」コレクションと「Solaris 9 on Sun Hardware」コレクションの『Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration リファレンスマニュアル』 |