このマニュアルでは、RMAPI (Resource Management (リソース管理) API) を使用して、SPARC® と x86 ベースシステムの両方で SunTMCluster データサービスを開発する方法について説明します。
このマニュアルでは、「x86」という用語は、Intel 32 ビット系列のマイクロプロセッサチップ、および AMD が提供する互換マイクロプロセッサチップを意味します。
Sun Cluster ソフトウェアは、SPARC と x86 の 2 つのプラットフォーム上で稼動します。このマニュアル内の情報は、章、節、注、箇条書き項目、図、表、または例などで特に明記されていない限り両方に適用されます。
このマニュアルは、Sun のソフトウェアとハードウェアについて豊富な知識を持っている経験のある開発者を対象にしています。このマニュアルの情報は、Solaris オペレーティングシステムの知識があることを前提としています。
このマニュアルは、次の章と付録で構成されています。
第 1 章「リソース管理の概要」では、データサービスを開発するのに必要な概念について説明します。
第 2 章「データサービスの開発」では、データサービスの開発に関する詳細な情報を説明します。
第 3 章「Resource Management API リファレンス」では、Resource Management API (RMAPI) を構成するアクセス関数とコールバックメソッドに関する情報を説明します。
第 4 章「リソースタイプの変更」では、リソースタイプを変更するために理解しておく必要がある問題点を説明します。また、クラスタ管理者がリソースを更新できるようにする手段についても説明します。
第 5 章「サンプルデータサービス」では、in.named アプリケーション用の Sun Cluster データサービスの例を示します。
第 6 章「Data Service Development Library」では、Data Services Development Library (DSDL) を形成するアプリケーションプログラミングインタフェースの概要を説明します。
第 7 章「リソースタイプの設計。」では、リソースタイプの設計と実装における DSDL の代表的な使用例について説明します。
第 8 章「サンプル DSDL リソースタイプの実装」では、DSDL により実装されるリソースタイプの例を説明します。
第 9 章「SunPlex Agent Builder」では、 SunPlexTM Agent Builder について説明します。
第 10 章「汎用データサービス」では、一般的なデータサービスの作成方法について説明します。
第 11 章「DSDL API 関数」では、DSDL API 関数について説明します。
第 12 章「クラスタ再構成通知プロトコル」では、Cluster Reconfiguration Notification Protocol (CRNP) について説明します。CRNP を使用することで、フェイルオーバー用のアプリケーションや拡張性のあるアプリケーションを「クラスタ対応」として設定できます。
付録 A 「標準プロパティー」では、標準リソースタイプ、リソース、およびリソースグループのプロパティーについて説明します。
付録 B 「データサービスのコード例」では、データサービスの例について、それぞれのメソッドの完全なコードを示します。
付録 C 「サンプル DSDL リソースタイプのコード例」では、SUNW.xfnts リソースタイプにおける各メソッドの完全なコードを示します。
付録 D 「有効な RGM 名と値」では、Resource Group Manager (RGM) の名前と値についての文字の要件を説明します。
付録 E 「非クラスタ対応のアプリケーションの要件」では、クラスタに対応していない、通常のアプリケーションを高可用性に適用させる要件を説明します。
付録 F 「CRNP のドキュメントタイプ定義」では、CRNP のドキュメントタイプ定義を説明します。
付録 G 「CrnpClient.java アプリケーション」では、第 12 章「クラスタ再構成通知プロトコル」で説明されている CrnpClient.java の完全なアプリケーションを示します。
関連する Sun Cluster トピックについての情報は、以下の表に示すマニュアルを参照してください。Sun Cluster マニュアルは、http://docs.sun.com で参照できます。
トピック |
マニュアル |
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概要 | |
概念 | |
ハードウェアの設計と管理 |
『Sun Cluster 3.0-3.1 Hardware Administration Manual for Solaris OS』 各ハードウェア管理ガイド |
ソフトウェアのインストール | |
データサービスのインストールと管理 |
『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』 各データサービスガイド |
データサービスの開発 | |
システム管理 | |
エラーメッセージ | |
コマンドと関数のリファレンス |
Sun Cluster のマニュアルの完全なリストについては、お使いの Sun Cluster ソフトウェアのリリースノートを http://docs.sun.com で参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアのインストールや使用に関して問題がある場合は、以下の情報をご用意の上、担当のサービスプロバイダにお問い合わせください。
名前と電子メールアドレス
会社名、住所、および電話番号
システムのモデルとシリアル番号
オペレーティングシステムのバージョン番号 (例: Solaris 10)
Sun Cluster のバージョン番号 (例: Sun Cluster 3.1)
次のコマンドを使用し、システムに関して、サービスプロバイダに必要な情報を収集してください。
コマンド |
機能 |
---|---|
prtconf -v |
システムメモリーのサイズと周辺デバイス情報を表示します |
psrinfo -v |
プロセッサの情報を表示する |
showrev -p |
インストールされているパッチを報告する |
SPARC:prtdiag -v |
システム診断情報を表示する |
/usr/cluster/bin/scinstall -pv |
Sun Cluster のリリースとパッケージバージョン情報を表示する |
上記の情報にあわせて、/var/adm/messages ファイルの内容もご購入先にお知らせください。
Sun のサービス |
URL |
内容 |
---|---|---|
マニュアル |
PDF 文書および HTML 文書をダウンロードできます。 |
|
サポートおよびトレーニング |
技術サポート、パッチのダウンロード、および Sun のトレーニングコース情報を提供します。 |
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
|
---|---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
|
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
|
コード例は次のように表示されます。
C シェル
machine_name% command y|n [filename] |
C シェルのスーパーユーザー
machine_name# command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェル
$ command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー
# command y|n [filename] |
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。