リソースタイプ HAStorage と HAStoragePlus は、次のオプションの設定に使用できます。
ディスクデバイスとリソースグループの起動の順番を調整します。HAStorage または HAStoragePlus リソースを含むリソースグループのそのほかのリソースがオンラインになるのは、ディスクデバイスリソースが利用可能になったあとに限られます。
AffinityOn を True に設定することで、リソースグループとディスクデバイスグループを同一ノード上に配置します。このような配置により、ディスクに負荷をかけるデータサービスのパフォーマンスが向上します。
また、HAStoragePlus は、マウントされていない状態であるグローバルファイルシステムをマウントすることもできます。詳細については、「クラスタファイルシステムの構成の計画」を参照してください。
HAStorage または HAStoragePlus リソースがオンラインの間にデバイスグループが別のノードに切り替えられた場合、AffinityOn の設定は効果がありません。リソースグループはデバイスグループとともに移行することはありません。一方、リソースグループが別のノードに切り替わった場合、AffinityOn が True に設定されていると、デバイスグループはリソースグループと一緒に新しいノードに移動します。
ディスクデバイスグループとリソースグループ間の関係については、「リソースグループとディスクデバイスグループ間での起動の同期」を参照してください。追加情報は、SUNW.HAStorage(5) と SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページにあります。
VxFS などのファイルシステムをローカルモードでマウントする方法については、「高可用性ローカルファイルシステムの有効化」を参照してください。詳細は、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。
次のタイプのデータサービスには、HAStorage または HAStoragePlus が必要です。
記憶装置に直接接続されていないノードを持つデータサービス
ディスクに負荷をかけるデータサービス
データサービスのリソースグループのノードリストにあるノードの中には、記憶装置に直接接続されていないものがある場合があります。このような状況では、記憶装置とデータサービス間の起動の順番を調整する必要があります。この要件を満たすには、リソースグループを次のように構成します。
リソースグループで HAStorage リソースまたは HAStoragePlus リソースを構成します。
そのほかのデータサービスリソースの依存性を HAStorage リソースまたは HAStoragePlus リソースに設定します。
Sun Cluster HA for Oracle や Sun Cluster HA for NFS など、データサービスの中にはディスクに負荷をかけるものがあります。ディスクに負荷をかけるデータサービスの場合、リソースグループとディスクデバイスグループを同じノード上に配置します。この要件を満たすには、次の作業を行います。
HAStorage リソースまたは HAStoragePlus リソースをデータリソースグループに追加します。
HAStorage リソースまたは HAStoragePlus リソースをオンラインに切り替えます。
データサービスリソースの依存性を HAStorage リソースまたは HAStoragePlus リソースに設定します。
AffinityOn を True に設定します。
フェイルバック設定は、リソースグループとデバイスグループで同一にする必要があります。
データサービスの中にはディスクに負荷をかけないものもあります。たとえば Sun Cluster HA for DNS は、起動時にファイルをすべて読み込むため、ディスクに負荷をかけません。データサービスがディスクに負荷をかけない場合、HAStorage リソースタイプまたは HAStoragePlus リソースタイプの構成を省略することもできます。
データサービスリソースグループ内で HAStorage リソースと HAStoragePlus リソースのどちらを作成すべきかを決定するには、以下の基準を考慮してください。
Sun Cluster 3.0 5/02 または Sun Cluster 3.1 を使用している場合は、HAStoragePlus を使用してください。
Sun Cluster 3.0 12/01 以前を使用している場合は、HAStorage を使用してください。
フェイルオーバー用に構成された Sun Cluster 環境にローカルにファイルシステムを統合するには、HAStoragePlus リソースタイプを使用します。詳細については、「クラスタファイルシステムの構成の計画」を参照してください。Sun Cluster 3.0 12/01 またはそれ以前を使用している場合は、まず Sun Cluster 3.0 5/02 または Sun Cluster 3.1 にアップグレードする必要があります。