Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)

付録  A 標準プロパティー

この付録では、標準リソースタイプ、リソース、リソースグループプロパティーについて説明します。また、システム定義プロパティーの変更および拡張プロパティーの作成に使用するリソースプロパティー属性についても説明します。


注 –

リソースタイプ、リソース、リソースグループのプロパティー名は、大文字と小文字が区別されません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。


この付録の内容は、次のとおりです。

リソースタイププロパティー

以下に、Sun Cluster ソフトウェアにより定義されるリソースタイププロパティーを示します。プロパティー値は以下のように分類されます。

RTR ファイルでは宣言できないため、クラスタ管理者により設定される必要がある Installed_nodesRT_system を除き、リソースタイププロパティーは管理ユーティリティーでは更新できません。

以下にプロパティー名とその説明を示します。


注 –

API_versionBoot などのリソースタイププロパティー名では、大文字と小文字が区別されません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。


API_version (integer)

このリソースタイプの実装のサポートに必要なリソース管理 API の最小バージョン。

次に、Sun Cluster の各リリースがサポートする API_version の最大値を要約します。

3.1 以前

2

3.1 10/03

3

3.1 4/04

4

3.1 9/04

5

3.1 3/05

6

RTR ファイルにおいて API_version2 より大きな値を宣言した場合、そのリソースタイプは、宣言した値より小さな最大バージョンしかサポートしないバージョンの Sun Cluster にはインストールされません。たとえば、あるリソースタイプに API_version=5 を宣言すると、このリソースタイプは、3.1 9/04 より前にリリースされた Sun Cluster のバージョンにはインストールされません。


注 –

このプロパティーを宣言しないか、このプロパティーをデフォルト値 (2) に設定すると、データサービスは Sun Cluster 3.0 以降の Sun Cluster の任意のバージョンにインストールできます。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

2

調整:

NONE

Boot (string)

任意のコールバックメソッド。RGM がノード上で実行するプログラムのパスを指定します。このプログラムは、このリソースタイプが管理対象になっているとき、クラスタの結合または再結合を行います。このメソッドは、Init メソッドと同様に、このタイプのリソースを初期化します。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Failover (boolean)

TRUE の場合、複数のノード上で同時にオンラインにできるグループ内にこの型のリソースを構成することはできません。

次の表に、このリソースタイププロパティーと Scalable リソースプロパティーを組み合わせて使用する方法を示します。

Failover リソースタイプの値

Scalable リソースの値

説明 

TRUE

TRUE

この非論理的な組み合わせは指定しないでください。 

TRUE

FALSE

この組み合わせは、フェイルオーバーサービスに対して指定します。 

FALSE

TRUE

この組み合わせは、ネットワーク負荷分散に SharedAddress リソースを使用するスケーラブルサービスに指定します。

SharedAddress の詳細については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

FALSE

FALSE

この組み合わせは一般的ではありませんが、ネットワーク負荷均衡を使用しないマルチマスターサービスを選択するときに使用できます。 

Scalable の詳細については、r_properties(5) のマニュアルページと、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』の第 3 章「重要な概念 - システム管理者とアプリケーション開発者」を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

NONE

Fini (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理の対象外にするときに、RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Init (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースを RGM 管理対象にするときに、RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Init_nodes (enum)

RGM が InitFiniBootValidate メソッドをコールするノードを示します。指定できる値は、RG_PRIMARIES (リソースをマスターできるノードのみ) または RT_INSTALLED_NODES (このリソースタイプがインストールされる全てのノード) のいずれかです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

RG_PRIMARIES

調整:

NONE

Installed_nodes (string_array)

リソースタイプを実行できるクラスタノードの名前のリスト。このプロパティーは RGM によって自動的に作成されます。クラスタ管理者は値を設定できます。RTR ファイル内には宣言できません。

カテゴリ:

クラスタ管理者による構成が可能です。

デフォルト:

すべてのクラスタノード

調整:

ANYTIME

Is_logical_hostname (boolean

TRUEは、このリソースタイプが、フェイルオーバーインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理するLogicalHostname リソースタイプのいずれかのバージョンであることを示します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Is_shared_address (boolean)

TRUE は、このリソースタイプが、 フェイルオーバーインターネットプロトコル (IP) アドレスを管理する共有アドレスリソースタイプのいずれかのバージョンであることを示します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Monitor_check (string)

任意のコールバックメソッド。障害モニターの要求によってこのリソースタイプのフェイルオーバーを実行する前に、RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Monitor_start (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースの障害モニターを起動するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Monitor_stop (string)

Monitor_start が設定されている場合、必須のコールバックメソッドになります。この型のリソースの障害モニターを停止するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Pkglist (string_array)

リソースタイプのインストールに含まれている任意のパッケージリストです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Postnet_stop (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースのStopメソッドの呼び出し後に RGM によって実行されるプログラムのパスです。ネットワークインタフェースが停止するように構成されたあと、このメソッドは Stop アクションを実行する必要があります。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Prenet_start (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースがネットワークアドレスリソースに依存している場合、このネットワークアドレスリソースの Start メソッドの呼び出し前に RGM によって実行されるプログラムのパスです。このメソッドは、ネットワークインタフェースが構成される前に必要な Start アクションを行います。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Resource_list (string_array)

リソースタイプの全リソースのリストです。クラスタ管理者はこのプロパティーを直接設定しません。ただし、クラスタ管理者がこの型のリソースをリソースグループに追加したり、リソースグループから削除した場合、RGM はこのプロパティーを更新します。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

空のリスト

調整:

NONE

Resource_type (string)

リソースタイプの名前です。現在登録されているリソースタイプ名を表示するには、次のコマンドを使用します。

scrgadm -p

Sun Cluster 3.1 以降のリリースでは、リソースタイプ名にバージョンが含まれます (必須)。

vendor-id.resource-type: rt-version

リソースタイプ名は RTR ファイル内に指定された 3 つのプロパティー vendor-idresource-type rt-version で構成されます。scrgadm コマンドは、ピリオド (.コロン (:) の区切り文字を挿入します。リソースタイプの名前の最後の部分、rt-version には、RT_version プロパティーと同じ値が入ります。vendor-id が一意であることを保証するためには、リソースタイプを作成した会社の株式の略号を使用します。Sun Cluster 3.1 以前に登録されたリソースタイプ名では、引き続き次の構文を使用します。

vendor-id.resource-type

カテゴリ:

必須

デフォルト:

空の文字列

調整:

NONE

RT_basedir (string)

コールバックメソッドの相対パスを補完するディレクトリパスです。このパスは、リソースタイプパッケージのインストールディレクトリに設定する必要があります。このパスには、スラッシュ (/) で開始する完全なパスを指定する必要があります。

カテゴリ:

必須 (絶対パスでないメソッドパスがある場合)

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RT_description (string)

リソースタイプの簡単な説明です。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

空の文字列

調整:

NONE

RT_system (boolean)

リソースタイプの RT_system プロパティーが TRUE の場合、そのリソースタイプは削除できません (scrgadm -r -t resource-type-name)。このプロパティーは、LogicalHostname など、クラスタのインフラをサポートするリソースタイプを間違って削除してしまうことを防ぎます。しかし、RT_system プロパティーはどのリソースタイプにも適用できます。

RT_system プロパティーが TRUE に設定されたリソースタイプを削除するには、まず、このプロパティーを FALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースを持つリソースタイプを削除するときには注意してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

RT_version (string)

Sun Cluster 3.1 以降では、このリソースタイプの実装の必須バージョン文字列。RT_version は、完全なリソースタイプ名の末尾の部分です。RT_version プロパティーは Sun Cluster 3.0 では任意でしたが、Sun Cluster 3.1 以降のリリースでは必須です。

カテゴリ:

条件付き/明示または必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Single_instance (boolean)

TRUE は、この型のリソースがクラスタ内に 1 つだけ存在できることを示します。この型のリソースが実行されるのは、クラスタ全体で 1 箇所だけです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

NONE

Start (string)

コールバックメソッド。この型のリソースを起動するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

RTR ファイルで Prenet_start メソッドが宣言されていないかぎり必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Stop (string)

コールバックメソッド。この型のリソースを停止するために RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

RTR ファイルで Postnet_stop メソッドが宣言されていないかぎり必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Update (string)

任意のコールバックメソッド。この型の実行中のリソースのプロパティーが変更されたときに、RGM によって実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Validate (string)

任意のコールバックメソッド。この型のリソースのプロパティー値を検査するために RGM により実行されるプログラムのパスです。

カテゴリ:

条件付/明示

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Vendor_ID (string)

Resource_type を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

リソースのプロパティー

この節では、Sun Cluster ソフトウェアで定義されているリソースプロパティーについて説明します。プロパティー値は以下のように分類されます。

「リソースプロパティーの属性」で説明されている Tunable 属性は、次のように、リソースプロパティーを更新できるかどうか、および、いつ更新できるかを示します。

FALSE または NONE

不可

TRUE または ANYTIME

任意の時点 (Anytime)

AT_CREATION

リソースをクラスタに追加するとき

WHEN_DISABLED

リソースが無効なとき

以下にプロパティー名とその説明を示します。

Affinity_timeout (integer)

リソース内のサービスのクライアント IP アドレスからの接続は、この時間 (秒数) 内に同じサーバーノードに送信されます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinityFALSE に設定されている必要があります。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Boot_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Cheap_probe_interval (integer)

リソースの即時障害検証の呼び出しの間隔 (秒数)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

拡張プロパティー

そのリソースのタイプの RTR ファイルで宣言される拡張プロパティー。リソースタイプの実装によって、これらのプロパティーを定義します。拡張プロパティーに設定可能な各属性については、「リソースプロパティーの属性」を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

特定のプロパティーに依存

Failover_mode (enum)

リソースが正常に開始または停止できなかった場合、またはリソースモニターが正常ではないリソースを検出し、その結果再起動またはフェイルオーバーを要求する場合に RGM が取る回復アクションを変更します。

NONESOFT、または HARD (メソッドの失敗)

これらの設定は、起動または停止メソッド ( Prenet_startStartMonitor_stop StopPostnet_stop) が失敗した場合にのみフェイルオーバー動作に影響します。リソースが正常に起動すれば、NONESOFT、および HARD は、リソースモニターが scha_control コマンドまたは scha_control() 関数で開始したこれ以降のリソースの再起動またはギブオーバーの動作には影響しません。scha_control(1HA) および scha_control(3HA) のマニュアルページを参照してください。NONE は、前に示した起動または停止メソッドが失敗した場合、RGM は回復アクションを行わないことを示します。SOFT または HARD は、Start または Prenet_start メソッドが失敗した場合、RGM はリソースのグループを別のノードに再配置することを示します。Start または Prenet_start の失敗については、SOFTHARD は同じになります。

停止メソッド (Monitor_stopStop、または Postnet_stop) の失敗の場合、SOFTNONE と同じになります。これらの停止メソッドのいずれかが失敗した場合に、Failover_modeHARD に設定されていれば、RGM はノードを再起動してリソースグループを強制的にオフラインにします。これにより RGM は別のノードでグループの起動を試みることが可能になります。

RESTART_ONLY または LOG_ONLY

起動メソッドまたは停止メソッドが失敗した場合にフェイルオーバー動作に影響する NONESOFT、および HARD とは異なり、RESTART_ONLY LOG_ONLY はすべてのフェイルオーバー動作に影響します。フェイルオーバー動作には、モニター (scha_control) が開始するリソースおよびリソースグループの再起動と、リソースモニター (scha_control) により開始されるギブオーバーが含まれます。RESTART_ONLY は、モニターが scha_control を実行してリソースまたはリソースグループを再起動できることを示します。RGM では、Retry_interval の間に Retry_count 回数だけ再起動を試行できます。Retry_count の回数を超えると、それ以上の再起動は許可されません。Failover_modeLOG_ONLY に設定されている場合、リソースの再起動またはギブオーバーは許可されます。Failover_modeLOG_ONLY に設定することは、Retry_count をゼロに設定した状態で Failover_modeRESTART_ONLY に設定することと同じです。

RESTART_ONLY または LOG_ONLY (メソッドの失敗)

Prenet_startStartMonitor_stop Stop、または Postnet_stop メソッドが失敗した場合、 RESTART_ONLYLOG_ONLYNONE と同じになります。つまり、ノードのフェイルオーバーやリブートはどちらも行われません。

データサービスに対する Failover_mode 設定の影響

Failover_mode の各設定がデータサービスに及ぼす影響は、データサービスが監視されているかどうか、およびデータサービスが Data Services Development Library (DSDL) に基づいているかどうかによって決まります。

  • データサービスが監視されるのは、データサービスが Monitor_start メソッドを実装し、リソースの監視が有効になっている場合です。RGM は、リソースそれ自体を起動した後で Monitor_start メソッドを実行することにより、リソースモニターを起動します。リソースモニターはリソースが正常であるかどうかを検証します。検証が失敗した場合、リソースモニターは、scha_control() 関数を呼び出すことで再起動またはフェイルオーバーを要求する場合があります。DSDL ベースのリソースの場合、検証によりデータサービスの部分的な障害 (機能低下) または完全な障害が明らかになる場合があります。部分的な障害が繰り返し蓄積されると、完全な障害になります。

  • データサービスが監視されないのは、データサービスが Monitor_start メソッドを提供しないか、リソースの監視が無効になっている場合です。

  • DSDL ベースのデータサービスには、Agent Builder や GDS により開発されたデータサービス、または DSDL を直接使用して開発されたデータサービスが含まれます。HA Oracle など一部のデータサービスは、DSDL を使用せずに開発されています。

NONESOFT、または HARD (検証の失敗)

Failover_modeNONESOFT、または HARD に設定され、データサービスが監視対象の DSDL ベースのサービスであり、また検証が完全に失敗した場合、モニターは scha_control () 関数を呼び出してリソースの再起動を要求します。検証が失敗し続ける場合、リソースは Retry_interval 期間内の Retry_count の最大回数まで再起動されます。Retry_count の再起動数に到達した後も検証が再び失敗した場合、モニターは別のノードに対してリソースのグループのフェイルオーバーを要求します。

Failover_modeNONESOFT、または HARD に設定され、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスである場合、検出される唯一の障害はリソースのプロセスツリーの故障のみです。リソースのプロセスツリーが故障すると、リソースが再起動されます。

データサービスが DSDL ベースのサービスではない場合、再起動またはフェイルオーバー動作は、リソースモニターがどのようにコード化されているかによって決まります。たとえば Oracle リソースモニターは、リソースまたはリソースグループを再起動するか、リソースグループのフェイルオーバーを行うことで回復します。

RESTART_ONLY (検証の失敗)

Failover_modeRESTART_ONLY に設定され、データサービスが監視対象の DSDL ベースのサービスである場合、検証が完全に失敗すると、リソースは Retry_interval の期間内に Retry_count の回数再起動されます。ただし、Retry_count の回数を超えると、リソースモニターは終了し、リソースの状態を FAULTED に設定して、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。

Failover_modeRESTART_ONLY に設定され、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスである場合、プロセスツリーが故障すると、リソースは再起動されません。

監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_modeRESTART_ONLY に設定されている場合、リソースまたはリソースグループは、Retry_interval の期間内に Retry_count の回数だけ scha_control() 関数の呼び出しにより再起動できます。リソースモニターが Retry_count を超えると、再起動の試みは失敗します。モニターが scha_control() 関数を呼び出してフェイルオーバーを要求する場合、その要求も同様に失敗します。

LOG_ONLY (検証の失敗)

Failover_mode がデータサービスに対して LOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() はリソースまたはリソースグループの再起動を要求するか、除外されているグループのフェイルオーバーを要求します。データサービスが DSDL ベースである場合、検証が完全に失敗した場合メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。検証が Retry_interval の期間内に Retry_count の回数以上完全に失敗した場合、リソースモニターは終了し、リソースの状態を FAULTED に設定して、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。

Failover_modeLOG_ONLY に設定されていて、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスであり、プロセスツリーが故障した場合、メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。

監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_modeLOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() 要求はリソースまたはリソースグループを再起動するか、グループの障害をフェイルオーバーします。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

NONE

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Fini_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Init_timeout ( integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Load_balancing_policy (string)

使用する負荷均衡ポリシーを定義する文字列。このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Load_balancing_policy には次の値を設定できます。

Lb_weighted (デフォルト)。Load_balancing_weights プロパティーで設定されているウエイトに従って、さまざまなノードに負荷が分散されます。

Lb_sticky。スケーラブルサービスの指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、常に同じクラスタノードに送信されます。

Lb_sticky_wild。ワイルドスティッキーサービスの IP アドレスに接続する Lb_sticky_wild で指定されたクライアントの IP アドレスは、IP アドレスが到着するポート番号とは無関係に、常に同じクラスタノードに送られます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

Lb_weighted

調整:

AT_CREATION

Load_balancing_weights (string_array)

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。形式は、「weight@node, weight@node」になります。weight は指定のノード (node) に対する負荷分散の相対的な割り当てを示す整数になります。ノードに分散される負荷の割合は、すべてのウエイトの合計でこのノードのウエイトを割った値になります。たとえば 1@1,3@2 は、ノード 1 が負荷の 1/4 を受け取り、ノード 2 が負荷の 3/4 を受け取ることを指定します。デフォルトの空の文字列 ("") は、一定の分散を指定します。明示的にウエイトを割り当てられていないノードのウエイトは、デフォルトで 1 になります。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は ANYTIME になります。このプロパティーを変更すると、新しい接続時にのみ分散が変更されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

空の文字列 (“”)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Monitor_check_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Monitor_start_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Monitor_stop_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Monitored_switch (enum)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってモニターを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。Disabled に設定されている場合、リソースの監視は停止されますが、リソースそれ自体はオンラインのままになります。監視が再度有効になるまで、Monitor_start メソッドは呼び出されません。リソースが、モニターのコールバックメソッドを持っていない場合は、このプロパティーは存在しません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Network_resources_used (string_array)

リソースが使用する論理ホスト名または共有アドレスネットワークリソースのリスト。スケーラブルサービスの場合、このプロパティーは別のリソースグループに存在する共有アドレスリソースを参照する必要があります。フェイルオーバーサービスの場合、このプロパティーは同じリソースグループに存在する論理ホスト名または共有アドレスを参照します。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Scalable が RTR ファイルで宣言されていない場合、Network_resources_used は RTR ファイルで明示的に宣言されていない限り使用できません。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は AT_CREATION になります。


注 –

このプロパティーを CRNP 向けに設定する方法については、SUNW.Event(5) のマニュアルページを参照してください。


カテゴリ:

条件付き/必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

各クラスタノード上の Num_resource_restarts (integer )

このプロパティーを直接設定することはできません。このプロパティーは、RGM によって、このノード上のこのリソースに対して過去 n 秒以内に行われたscha_controlResource_restart、またはResource_is_restarted の呼び出し回数に設定されます。n はリソースの Retry_interval プロパティーの値です。このリソースが scha_control ギブオーバーを実行した場合は常に、ギブオーバーが成功または失敗したかに関わらず、リソースの再起動カウンタは RGM によってゼロ (0) にリセットされます。

リソースタイプが Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

各クラスタノード上の Num_rg_restarts (integer)

このプロパティーを直接設定することはできません。このプロパティーは、RGM によって、リソースを含むリソースグループに対してリソースがこのノード上で過去 n 秒以内に行った scha_control Restart の呼び出し回数に設定されます。n は、リソースの Retry_interval プロパティーの値です。リソースタイプが Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、このタイプのリソースには Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

On_off_switch (enum)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってリソースを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。無効に設定されている場合、リソースはオフラインにされ、再度有効にされるまでコールバックは実行されません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Port_list (string_array)

サーバーが待機するポートの番号リストです。各ポート番号の後ろには、スラッシュ (/) とそのポートが使用しているプロトコルが続きます (たとえば、Port_list=80/tcp または Port_list=80/tcp6,40/udp6)。プロトコルには、次のものを指定できます。

  • tcp (TCP IPv4)

  • tcp6 (TCP IPv6)

  • udp (UDP IPv4)

  • udp6 (UDP IPv6)

Scalable プロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合、RGM は自動的に Port_list を作成します。それ以外の場合、このプロパティーは RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。

Apache 用にこのプロパティーを設定する方法は、『Sun Cluster Data Service for Apache ガイド (Solaris OS 版)』を参照してください。

カテゴリ:

条件付き/必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Postnet_stop_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Prenet_start_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

R_description (string)

リソースの簡単な説明。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies (string_array)

Resource_dependencies リソースが強い依存関係を持っている同じグループまたは異なるグループ内のリソースのリスト。このリソースを起動するためには、リストのすべてのリソースがオンラインになっていなければなりません。このリソースとリスト内のリソースの 1 つが同時に起動する場合、RGM は、リスト内のリソースが起動するまで待機してから、このリソースを起動します。このリソースの Resource_dependenciesリスト内のリソースが起動しない場合、このリソースはオフラインのままになります。リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであるか、START_FAILED 状態であるために、このリソースのリスト内のリソースが起動しない可能性があります。起動に失敗した異なるリソースグループのリソースに対する依存関係により、このリソースがオフラインのままである場合、このリソースのグループは PENDING_ONLINE_BLOCKED 状態に入ります。

このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。ただし、このリソースがオンラインのままであったり、停止に失敗した場合でも、異なるリソースグループに属するリストのリソースは停止されます。このリソースが先に無効にならなければ、リスト内のリソースは無効にできません。

同じリソースグループ内では、デフォルトとして、アプリケーションリソースがネットワークアドレスリソースに対して暗黙的に強いリソース依存性を持っています。詳細については、「 リソースグループのプロパティー」Implicit_network_dependencies を参照してください。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに、依存関係順に実行されます。異なるリソースグループでは、依存しているリソースは、依存されているリソースが Prenet_start および Start を完了するまで待機してから、Prenet_start を実行します。依存されているリソースは、依存しているリソースグループが Stop および Postnet_stop を完了するまで待機してから、Stop を実行します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_restart (string_array)

Resource_dependencies_restart リソースが再起動の依存関係を持っている、同じグループまたは異なるグループ内のリソースのリスト。

このプロパティーの動作は Resource_dependencies とよく似ていますが、1 点例外があります。再起動の依存関係リスト内にある任意のリソースが再起動した場合、このリソースは再起動されます。リスト内のリソースがオンラインに戻ったあと、RGM はこのリソースを再起動します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_weak (string_array)

Resource_dependencies_weak リソースが弱い依存関係を持っている、同じグループまたは異なるグループ内のリソースのリスト。弱い依存関係は、メソッド呼び出しの順序を決定します。RGM は、このリスト内のリソースの Start メソッドを呼び出してから、このリソースの Start メソッドを呼び出します。そして、RGM は、このリソースの Stop メソッドを呼び出してから、このリスト内のリソースの Stop メソッドを呼び出します。リスト内のリソースが始動に失敗したりオフラインのままであっても、リソースは起動されます。

このリソースとその Resource_dependencies_weak リスト内のリソースが同時に起動する場合、RGM は、リスト内のリソースが起動するまで待機してから、このリソースを起動します。リスト内のリソースが起動しない場合 (たとえば、リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内のリソースが START_FAILED 状態である場合)、このリソースは起動します。このリソースの Resource_dependencies_weak リスト内のリソースが起動すると、このリソースのリソースグループは一時的に PENDING_ONLINE_BLOCKED 状態に入ることがあります。リストのすべてのリソースが起動した時点、または起動に失敗した時点で、このリソースは起動し、そのグループは再度 PENDING_ONLINE 状態になります。

このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。このリソースがオンラインのままであったり、停止に失敗した場合でも、リストのリソースは停止されます。リストのリソースを無効にするためには、このリソースをまず無効にする必要があります。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに、依存関係順に実行されます。異なるリソースグループでは、依存しているリソースは、依存されているリソースが Prenet_start および Start を完了するまで待機してから、Prenet_start を実行します。依存されているリソースは、依存しているリソースグループが Stop および Postnet_stop を完了するまで待機してから、Stop を実行します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_name (string)

リソースインスタンスの名前です。この名前はクラスタ構成内で一意にする必要があります。リソースが作成されたあとで変更はできません。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Resource_project_name (string)

リソースに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースをオンラインにすると、このプロジェクト名を持つ関連プロセスを起動します。このプロパティーが指定されなかった場合、リソースを含むリソースグループの RG_project_name プロパティーからプロジェクト名が決定されます (rg_properties(5) のマニュアルページを参照)。どちらのプロパティーも指定されなかった場合、RGM は事前定義済みのプロジェクト名 default を使用します。指定されたプロジェクト名は、プロジェクトデータベースに存在する必要があります (projects(1) のマニュアルページ、および『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照)。

このプロパティーは Solaris 9 以降でサポートされます。


注 –

このプロパティーへの変更は、リソースが次回起動されるときに有効になります。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

Null

調整:

ANYTIME

各クラスタノード上の Resource_state (enum)

RGM が判断した各クラスタノード上のリソースの状態。使用可能な状態は、ONLINEOFFLINESTART_FAILEDSTOP_FAILEDMONITOR_FAILEDONLINE_NOT_MONITOREDSTARTING、および STOPPING です。

ユーザーはこのプロパティーを構成できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Retry_count (integer)

起動に失敗したリソースをモニターが再起動する回数です。Retry_count を超えると、特定のデータサービス、および Failover_mode プロパティーの設定に応じて、モニターは次のいずれかのアクションを実行します。

  • リソースが障害状態であったとしても、リソースグループが現在の主ノード上にとどまることを許可する

  • 別のノードヘのリソースグループのフェイルオーバーを要求する

このプロパティーは RGM によって作成されます。このプロパティーは RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。


注 –

このプロパティーにマイナスの値を指定すると、モニターは無限回リソースの再起動を試みます。


カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

上記を参照

調整:

WHEN_DISABLED

Retry_interval (integer)

失敗したリソースを再起動するまでの秒数。リソースモニターは、このプロパティーと Retry_count を組み合わせて使用します。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし (上記を参照)

調整:

WHEN_DISABLED

Scalable (boolean)

リソースがスケーラブルであるかどうか、つまり、リソースが Sun Cluster ソフトウェアのネットワーキング負荷分散機能を使用するかどうかを表します。

このプロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合は、そのタイプのリソースに対して、RGM は、次のスケーラブルサービスプロパティーを自動的に作成します。Affinity_timeout Load_balancing_policyLoad_balancing_weightsNetwork_resources_usedPort_listUDP_affinity、および Weak_affinity。これらのプロパティーは、RTR ファイル内で明示的に宣言されない限り、デフォルト値を持ちます。RTR ファイルで宣言されている場合、Scalable のデフォルトは TRUE です。

RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されている場合、AT_CREATION 以外の Tunable 属性の割り当ては許可されません。

RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されていない場合、このリソースはスケーラブルではないため、このプロパティーを調整することはできません。RGM は、スケーラビブルサービスプロパティーをいっさい設定しません。ただし、Network_resources_used および Port_list プロパティーは、RTR ファイルで明示的に宣言できます。これらのプロパティーは、スケーラブルサービスでも非スケーラブルサービスでも有用です。

このリソースプロパティーを Failover リソースタイププロパティーと組み合わせて使用する方法の詳細については、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

各コールバックメソッドの Start_timeout ( integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各クラスタノード上の Status (enum)

リソースモニターにより scha_resource_setstatus コマンドまたは scha_resource_setstatus() 関数で設定されます。指定可能な値は、OKdegradedfaultedunknown、および offline です。リソースがオンラインまたはオフラインになったとき、RGM は自動的に Status 値を設定します ( Status 値をリソースのモニターまたはメソッドが設定していない場合)。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

各クラスタノード上の Status_msg (string)

リソースモニターによって、Status プロパティーと同時に設定されます。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は自動的にこのプロパティーを空文字列でリセットします。ただし、このプロパティーがリソースのメソッドによって設定される場合を除きます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

各コールバックメソッドの Stop_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Thorough_probe_interval (integer)

高オーバーヘッドのリソース障害検証の呼び出し間隔 (秒)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Type (string)

このリソースがインスタントであるリソースタイプ。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Type_version (string)

現在このリソースに関連付けられているリソースタイプのバージョンを指定します。このプロパティーは RTR ファイル内に宣言できません。したがって、RGM によって自動的に作成されます。このプロパティーの値は、リソースタイプの RT_version プロパティーと等しくなります。リソースの作成時、Type_version プロパティーはリソースタイプ名の接尾辞として表示されるだけで、明示的には指定されません。リソースを編集すると、Type_version プロパティーが新しい値に変更されることがあります。

このプロパティーの調整については、次の情報から判断されます。

  • 現在のリソースタイプのバージョン

  • RTR ファイル内の #$upgrade_from ディレクティブ

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

説明を参照

UDP_affinity (boolean)

このプロパティーが TRUE に設定されている場合、指定のクライアントからの UDP トラフィックはすべて、現在クライアントのすべての TCP トラフィックを処理している同じサーバーノードに送信されます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinityFALSE に設定されている必要があります。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

各コールバックメソッドの Update_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Validate_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Weak_affinity (boolean)

このプロパティーが TRUE に設定されている場合、このプロパティーにより弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になります。弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になっている場合、特定のクライアントからの接続は、次の場合を除き、同じサーバーノードに送信されます。

  • たとえば、障害モニターが再起動したとき、リソースがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーしたとき、あるいは、ノードが障害の後にクラスタに参加し直したときにサーバーのリスナーが起動する場合。

  • クラスタ管理者により管理アクションが実行されたため、スケーラブルリソースの Load_balancing_weights が変更された場合。

弱いアフィニティーはメモリーの消費とプロセッササイクルの点で、デフォルトの形式よりもオーバーヘッドを低く抑えられます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

リソースグループのプロパティー

以下に、Sun Cluster ソフトウェアにより定義されるリソースグループのプロパティーを示します。プロパティー値は以下のように分類されます。

以下にプロパティー名とその説明を示します。

Auto_start_on_new_cluster (boolean)

このプロパティーは、新しいクラスタの形成時にリソースグループマネージャー (RGM) が自動的にリソースグループを起動するかどうかを制御します。デフォルトは TRUE です。

TRUE に設定した場合、クラスタの全てのノードが同時に再起動すると、RGM はリソースグループを自動的に起動して Desired_primaries を取得しようとします。

FALSE に設定されていると、クラスタが再起動されたとき、リソースグループは自動的には起動しません。scswitch コマンドまたは同等の GUI 指令を使用して、最初にリソースグループが手動でオンラインに切り替えられるまで、リソースグループはオフラインのままになります。その後、このリソースグループは通常のフェイルオーバー動作を再開します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

TRUE

調整:

ANYTIME

Desired_primaries (integer)

グループが同時に実行できるノード数として望ましい値。

デフォルトは 1 です。RG_mode プロパティーが Failover である場合、このプロパティーの値は 1 以下である必要があります。RG_mode プロパティーが Scalable である場合、1 より大きな値に設定できます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

1

調整:

ANYTIME

Failback (boolean)

クラスタのメンバーシップが変更されたとき、グループがオンラインになっているノードセットを再計算するかどうかを示すブール値です。再計算により、RGM は優先度の低いノードをオフラインにし、優先度の高いノードをオンラインにすることができます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

Global_resources_used (string_array)

クラスタファイルシステムがこのリソースグループ内のリソースによって使用されるかどうかを指定します。クラスタ管理者はアスタリスク (*) か空文字列 (“”) を指定できます。すべてのグローバルリソースを指定するときはアスタリスク、グローバルリソースを一切指定しない場合は空文字列を指定します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

すべてのグローバルリソース

調整:

ANYTIME

Implicit_network_dependencies (boolean)

TRUE の場合、 RGM は、グループ内のネットワークアドレスリソースで非ネットワークアドレスリソースに対する強い依存を強制します。このとき、RGM は、すべてのネットワークアドレスリソースを起動してからその他のリソースを起動します。また、グループ内のその他のすべてのリソースを停止してからネットワークアドレスリソースを停止します。ネットワークアドレスリソースには、論理ホスト名と共有アドレスリソースタイプがあります。

スケーラブルなリソースグループ内では、このプロパティーの影響はありません。これは、スケーラブルなリソースグループにはネットワークアドレスリソースが含まれないからです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

TRUE

調整:

ANYTIME

Maximum_primaries (integer)

グループを同時にオンラインにできるノードの最大数です。

RG_mode プロパティーが Failover である場合、このプロパティーの値は 1 以下である必要があります。RG_mode プロパティーが Scalable である場合、1 より大きな値に設定できます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

1

調整:

ANYTIME

Nodelist (string_array)

グループを優先度順にオンラインにできるクラスタノードのリストです。これらのノードは、リソースグループの潜在的主ノードまたはマスターです。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

すべてのクラスタノードの順不同のリスト

調整:

ANYTIME

Pathprefix (string)

リソースグループ内のリソースが重要な管理ファイルを書き込むことができるクラスタファイルシステム内のディレクトリ。一部のリソースの必須プロパティーです。各リソースグループの Pathprefix は、一意にする必要があります。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

Pingpong_interval (integer)

次の条件で、RGM がリソースグループをオンラインにする場所を決定するときに使用する負でない整数値 (秒)。

  • 再構成が発生している場合

  • scha_control GIVEOVER コマンドまたは関数の実行の結果として

再構成が発生したときは、Pingpong_interval で指定した秒数内に特定のノード上で複数回、リソースグループがオンラインになれない場合があります。この障害が発生した原因は、リソースの Start または Prenet_start メソッドがゼロ以外で終了したか、タイムアウトしたかのどちらかです。その結果、そのノードはリソースグループのホストとしては不適切と判断され、RGM は別のマスターを探します。

scha_control コマンドまたは scha_control GIVEOVER コマンドが特定のノード上でリソースによって実行され、それによりそのリソースグループが別のノードにフェイルオーバーした場合、Pingpong_interval 秒が経過するまで、(scha_control コマンドが実行された) 最初のノードは、同じリソースによる別の scha_control GIVEOVER の宛先になることはできません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Resource_list (string_array)

グループ内に含まれるリソースのリストです。クラスタ管理者はこのプロパティーを直接設定しません。このプロパティーは、クラスタ管理者がリソースグループにリソースを追加したりリソースグループからリソースを削除したりすると、RGM により自動的に更新されます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_affinities (string)

RGM は、別の特定のリソースグループの現在のマスターであるノードにリソースグループを配置するか (肯定的なアフィニティーの場合)、あるいは、特定のリソースグループの現在のマスターでないノード上にリソースグループを配置 (否定的なアフィニティーの場合) しようとします。

RG_affinities には次の文字列を設定できます。

  • ++ (強い肯定的なアフィニティー)

  • + (弱い肯定的なアフィニティー)

  • - (弱い否定的なアフィニティー)

  • -- (強い否定的なアフィニティー)

  • +++ (フェイルオーバー委託付きの強い肯定的なアフィニティー)

たとえば、RG_affinities=+RG2,--RG3 は、このリソースグループが RG2 に対しては弱い肯定的なアフィニティーを持っており、RG3 に対しては強い否定的なアフィニティーを持っていることを示します。

RG_affinities の使用法については、第 2 章「データサービスリソースの管理」を参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

RG_dependencies (string_array)

同じノード上の別のグループをオンライン/オフラインにするときの優先順位を示すリソースグループのリスト (任意)。すべての強い RG_affinities (肯定的と否定的) と RG_dependencies が一緒のグループは、サイクルを含むことが許されません。

たとえば、リソースグループ RG2 がリソースグループ RG1 の RG_dependencies リスト内に含まれると仮定します。言い換えると、RG1 が RG2 にリソースグループ依存関係を持っていると仮定します。次のリストに、このリソースグループ依存関係の効果を要約します。

  • ノードがクラスタに結合されると、そのノードでは、RG2 のすべてのリソースに対する Boot メソッドが終わってから、 RG1 のリソースに対する Boot メソッドが実行されます。

  • RG1 と RG2 が両方とも同じノード上で同時に PENDING_ONLINE 状態である場合、RG2 内のすべてのリソースが自分の開始メソッドを完了するまで、RG1 内のどのリソースでも開始メソッド (Prenet_start または Start) は実行されません。

  • RG1 と RG2 が両方とも同じノード上で同時に PENDING_OFFLINE 状態である場合、RG1 内のすべてのリソースが自分の停止メソッドを完了するまで、RG2 内のどのリソースでも停止メソッド(Stop または Postnet_stop) は実行されません。

  • RG1 または RG2 の主ノードをスイッチする場合、それによって RG1 がいずれかのノードでオンラインに、RG2 がすべてのノードでオフラインになる場合は、このスイッチは失敗します。詳細については、scswitch(1M) および scsetup(1M) のマニュアルページを参照してください。

  • RG2 上で Desired_primaries プロパティーをゼロに設定した場合、RG1 上で Desired_primaries プロパティーをゼロより大きな値に設定することは許可されません。

  • RG2 に対する Auto_start_on_new_cluster FALSE に設定されている場合は、RG1 に対する Auto_start_on_new_cluster プロパティーを TRUE に設定することはできません。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

RG_description (string)

リソースグループの簡単な説明です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

RG_is_frozen (boolean)

あるリソースグループが依存している大域デバイスをスイッチオーバーするかどうかを表します。このプロパティーが TRUE に設定されている場合、大域デバイスはスイッチオーバーされます。このプロパティーが FALSE に設定されている場合、大域デバイスはスイッチオーバーされません。リソースグループが大域デバイスに依存するかどうかは、Global_resources_used プロパティーの設定によります。

RG_is_frozen プロパティーをユーザーが直接設定することはありません。RG_is_frozen プロパティーは、大域デバイスのステータスが変わったときに、RGM によって更新されます。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_mode (enum)

リソースグループがフェイルオーバーグループなのか、スケーラブルグループなのかを指定します。この値が Failover であれば、 RGM はグループの Maximum_primaries プロパティーの値を 1 に設定し、リソースグループのマスターを単一のノードに制限します。

このプロパティーの値が Scalable であれば、Maximum_primaries プロパティーは 1 より大きな値に設定されることがあります。その結果、このグループのマスターが同時に複数存在する可能性があります。Failover プロパティーの値が TRUE であるリソースを、RG_mode の値が Scalable のリソースグループに追加することはできません。

Maximum_primaries が 1 である場合、デフォルトは Failover です。Maximum_primaries が 1 より大きい場合、デフォルトは Scalable です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

Maximum_primaries の値によります。

調整:

NONE

RG_name (string)

リソースグループの名前。これは必須プロパティーです。この値は、クラスタ内で一意でなければなりません。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_project_name (string)

リソースグループに関連付けられた Solaris プロジェクト名 (projects(1) のマニュアルページを参照)。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースグループをオンラインにすると、Resource_project_name プロパティーセットを持たないリソース用として、このプロジェクト名下で関連プロセスを起動します (r_properties(5) のマニュアルページを参照)。指定されたプロジェクト名は、プロジェクトデータベースに存在する必要があります (projects(1) のマニュアルページ、および『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照)。

このプロパティーは Solaris 9 以降でサポートされます。


注 –

このプロパティーへの変更は、リソースの次回起動時に有効になります。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

テキスト文字列「default

調整:

ANYTIME

各クラスタノード上の RG_state (enum)

RGM により UNMANAGEDONLINEOFFLINEPENDING_ONLINEPENDING_OFFLINEERROR_STOP_FAILEDONLINE_FAULTED、または PENDING_ONLINE_BLOCKED に設定され、各クラスタノード上のグループの状態を表します。

ユーザーはこのプロパティーを構成できません。しかし、scswitch コマンドを実行することによって、あるいは同等の scsetup や SunPlex Manager コマンドを使用して、このプロパティーを間接的に設定することは可能です。RGM の制御下にないときは、グループは UNMANAGED 状態で存在することができます。

各状態の説明は次のとおりです。


注 –

すべてのノードに適用される UNMANAGED 状態を除き、状態は個別のノードにのみ適用されます。たとえば、リソースグループがノード A では OFFLINE であり、ノード B では PENDING_ONLINE である場合があります。


UNMANAGED

新しく作成されたリソースグループの最初の状態や、前に管理されていたリソースグループの状態。そのグループのリソースに対して Init メソッドがまだ実行されていないか、そのグループのリソースに対して Fini メソッドがすでに実行されています。

このグループは RGM によって管理されていません。

ONLINE

リソースグループはノード上ですでに起動されています。つまり、各リソースに適用可能な起動メソッド Prenet_startStart、および Monitor_start は、グループ内のすべての有効なリソースに対して正常に実行されました。

OFFLINE

リソースグループはノードですでに停止されています。つまり、各リソースに適用可能な停止メソッド Monitor_stopStop、および Postnet_stop はグループ内のすべての有効なリソースに対して正常に実行されました。さらに、リソースグループがノードで最初に起動されるまでは、グループにこの状態が適用されます。

PENDING_ONLINE

リソースグループはノードで起動されようとしています。各リソースに適用可能な起動メソッド Prenet_startStart、および Monitor_start はグループ内の有効なリソースに対して実行中です。

PENDING_OFFLINE

リソースグループはノードで停止されようとしています。各リソースに適用可能な停止メソッド Monitor_stopStop、および Postnet_stop はグループ内の有効なリソースに対して実行中です。

ERROR_STOP_FAILED

リソースグループ内の 1 つまたは複数のリソースが停止に失敗し、Stop_failed 状態になっています。グループのほかのリソースがオンラインまたはオフラインである可能性があります。ERROR_STOP_FAILED 状態がクリアされるまで、このリソースグループはノード上での起動が許可されません。

scswitch - c などの管理コマンドを使用して Stop_failed リソースを手動で終了させ、その状態を OFFLINE に再設定する必要があります。

ONLINE_FAULTED

リソースグループは PENDING_ONLINE で、このノード上での起動が完了しています。ただし、1 つまたは複数のリソースが Start_failed 状態または Faulted 状態で終了しています。

PENDING_ONLINE_BLOCKED

リソースグループは、完全な起動を行うことに失敗しました。これは、リソースグループの 1 つまたは複数のリソースが、ほかのリソースグループのリソースに対して強いリソース依存性があり、それが満たされていないためです。このようなリソースは OFFLINE のままになります。リソースの依存関係が満たされている場合、リソースグループは自動的に PENDING_ONLINE 状態に戻ります。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

RG_system (boolean)

リソースグループの RG_system プロパティーの値が TRUE の場合、そのリソースグループとそのリソースグループ内のリソースに関する特定の操作が制限されます。この制限は、重要なリソースグループやリソースを間違って変更または削除してしまうことを防ぐためにあります。このプロパティーの影響を受けるのは scrgadm コマンドと scswitch コマンドのみです。scha_control(1HA) および scha_control(3HA) に関する操作は影響を受けません。

リソースグループ (またはリソースグループ内のリソース) の制限操作を実行する前には、まず、リソースグループの RG_system プロパティーをFALSE に設定する必要があります。クラスタサービスをサポートするリソースグループ (または、リソースグループ内のリソース) を変更または削除するときには注意してください。

操作 

サンプル 

リソースグループを削除する 

scrgadm -r -g RG1

リソースグループプロパティーを編集する (RG_system を除く)

scrgadm -c -t RG1 -y nodelist=...

リソースグループへソースを追加する 

scrgadm -a -j R1 -g RG1

リソースグループからリソースを削除する 

scrgadm -r -j R1 -g RG1

リソースグループに属するリソースのプロパティーを編集する 

scrgadm -c -j R1

リソースグループをオフラインに切り替える 

scswitch -F -g RG1

リソースグループを管理する 

scswitch -o -g RG1

リソースグループを管理しない 

scswitch -u -g RG1

リソースを使用可能にする 

scswitch -e -j R1

リソースの監視を有効にする 

scswitch -e -M -j R1

リソースを使用不可にする 

scswitch -n -j R1

リソースの監視を無効にする 

scswitch -n -M -j R1

リソースグループの RG_system プロパティーの値が TRUE の場合、そのリソースグループで編集可能な唯一のプロパティーは RG_system プロパティー自身です。つまり、RG_system プロパティーの編集は無制限です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

FALSE

調整:

ANYTIME

リソースプロパティーの属性

この節では、システム定義プロパティーの変更または拡張プロパティーの作成に使用できるリソースプロパティーの属性について説明します。


注意 – 注意 –

booleanenumint タイプのデフォルト値に、Null または空の文字列 ("") は指定できません。


以下にプロパティー名とその説明を示します。

Array_maxsize

stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最大数。

Array_minsize

stringarray タイプの場合、設定できる配列要素の最小数。

Default

プロパティーのデフォルト値を示します。

Description

プロパティーを簡潔に記述した注記 (文字列)。RTR ファイル内でシステム定義プロパティーに対する Description 属性を設定することはできません。

Enumlist

enum タイプの場合、プロパティーに設定できる文字列値のセット。

Extension

リソースタイプの実装によって定義された拡張プロパティーが RTR ファイルのエントリで宣言されていることを示します。拡張プロパティーが使用されていない場合、そのエントリはシステム定義プロパティーです。

Max

int タイプの場合、プロパティーに設定できる最大値。

Maxlength

string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の長さの最大値。

Min

int タイプの場合、プロパティーに設定できる最小値。

Minlength

string および stringarray タイプの場合、設定できる文字列の長さの最小値。

Property

リソースプロパティーの名前。

Tunable

クラスタ管理者がリソースのプロパティー値をいつ設定できるかを示します。クラスタ管理者にプロパティーの設定を許可しない場合は、NONE または FALSE に設定します。クラスタ管理者にプロパティーの調整を許可する値には、TRUE または ANYTIME (任意の時点)、AT_CREATION (リソースの作成時のみ)、または WHEN_DISABLED (リソースが無効のとき) があります。「いつ監視を無効にするか」や「いつオフラインにするか」などのそのほかの条件を確立するには、この属性を ANYTIME に設定して Validate メソッドでリソースの状態を検証します。

デフォルトは、次のエントリに示すように、標準リソースプロパティーごとに異なります。RTR ファイルで特に指定していない限り、拡張プロパティーを調整する設定のデフォルトは TRUE (ANYTIME) です。

プロパティーの型

指定可能な型は、stringbooleanintegerenumstringarray です。RTR ファイル内で、システム定義プロパティーの型の属性を設定することはできません。タイプは、RTR ファイルのエントリに登録できる、指定可能なプロパティー値とタイプ固有の属性を決定します。enum タイプは、文字列値のセットです。