Sun Cluster Data Service for Apache ガイド (Solaris OS 版)

Sun Cluster HA for Apache 障害モニターの調整

Sun Cluster HA for Apache 障害モニターは、リソースタイプが SUNW.apache であるリソースに含まれます。

障害モニターの動作は、リソースのシステムプロパティーと拡張プロパティーによって制御されます。事前に設定された障害モニターの動作は、これらのプロパティーのデフォルト値に基づいています。現在の動作は、ほとんどの Sun Cluster システムに適しているはずです。したがって、Sun Cluster HA for Apache 障害モニターを調整するのは、事前に設定されたこの動作を変更したい場合「だけに」留めるべきです。

Sun Cluster HA for Apache 障害モニターの調整では次のことを行います。

これらの作業を実施する上で必要となる、Sun Cluster HA for Apache 障害モニターについての情報は、このあとの項を参照してください。

Sun Cluster HA for Apache の登録と構成を行う際には、Sun Cluster HA for Apache 障害モニターを調整してください。詳細は、「Sun Cluster HA for Apache のインストールと構成」を参照してください。

詳しい情報については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster データサービス用に障害モニターを調整する」を参照してください。

Sun Cluster HA for Apache 障害モニターの動作

Sun Cluster HA for Apache の検証機能は、Apache サーバーの状態を照会する要求をサーバーに送信します。

検証前の障害モニターの動作

Apache サーバーを照会する前に、検証機能はネットワークリソースがこの Apache リソース用に構成されているかをチェックして確認します。ネットワークリソースが構成されていない場合は、エラーメッセージ (No network resources found for resource.) が記録され、検証はエラー終了します。

非セキュア Webserver の場合の処理

非セキュア Webserver については、Apache サーバーに接続し、HTTP 要求を送信して応答を受け取ることで HTTP 1.0 HEAD 検査を実行します。検証機能は、各 IP アドレスとポートの組み合わせで Apache サーバーに順番に接続します。

この照会の結果は、異常か正常のどちらかになります。検証機能が Apache サーバーからの応答を正常に受信した場合、検証機能は無限ループに戻り、検証と休止の次のサイクルを開始します。

照会は、ネットワークトラフィックの混雑、過剰なシステム負荷、不適切な構成など、さまざまな理由によって失敗します。構成の不備は、検証中のすべての IP アドレスとポートのペアで待機するように Apache サーバーを構成しなかった場合に発生します。Apache サーバーは、このリソースに指定した各 IP アドレスに対し、それぞれポートを提供する必要があります。

致命的な異常とみなされる検証異常は、以下のとおりです。

モニターは Retry_interval リソースプロパティーで指定した期間内に、部分的な異常が 2 つ累積した場合、これらを 1 つの致命的な異常としてカウントします。

部分的に異常とみなされる検証の障害は次のとおりです。

監視対象 URI リストの場合の処理

Monitor_Uri_List 拡張プロパティー URI を構成している場合、検証機能は Sun Cluster HA for Apache サーバーに接続し、Monitor_Uri_List 内の各 URI に対して、HTTP 要求を送信して応答を受け取ることで HTTP 1.1 GET 検査を実行します。HTTP サーバーのリターンコードが 500 (Internal Server Error) となるか接続に失敗した場合、検証は対応処置を実行します。

HTTP 要求の結果は、失敗または成功のどちらかです。すべての要求で Sun Cluster HA for Apache サーバーからの応答を正常に受信した場合、検証機能はサイクルに戻り、検証と休止の次のサイクルを開始します。

大量のネットワークトラフィック、大きなシステム負荷、不正な構成は、HTTP GET 検証の失敗の原因になります。Monitor_Uri_List の URI に無効なポートまたはホスト名が含まれていた場合、Monitor_Uri_List の構成ミスは障害の原因になります。たとえば、Web サーバーのインスタンスが論理ホストの schost-1 で待機しており、URI は http://schost-2/servlet/monitor として指定されている場合、検証機能は /servlet/monitor を要求するために schost-2 に問い合わせようとします。

セキュア Webserver の場合の処理

セキュア Webserver については、検証機能は各 IP アドレスとポートの組み合わせに接続します。この接続試行に成功した場合、検証機能は接続を切断して、成功状態を返します。これ以上の検査は行われません。

障害発生時の応答アクション

異常履歴に基づいて、データサービスのローカルでの再起動、またはデータサービスのフェイルオーバーのいずれかを実行します。詳しい情報については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster データサービス用に障害モニターを調整する」を参照してください。