Sun Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド (Solaris OS 版)

第 3 章 クラスタでの Oracle Real Application Clusters の動作を有効にする

この章では、Sun Cluster ノードでの Oracle Real Application Clusters の動作を有効にする方法について説明します。

クラスタでの Oracle Real Application Clusters の動作を有効にするための作業の概要

表 3–1 は、クラスタでの Oracle Real Application Clusters の動作を有効にするための作業を要約したものです。

これらの作業は、表に示す順序で行う必要があります。

表 3–1 クラスタでの Oracle Real Application Clusters の動作を有効にするための作業

タスク 

参照先 

Oracle Real Application Clusters ソフトウェアのインストール 

「Oracle Real Application Clusters ソフトウェアのインストール」

使用する Oracle のマニュアル 

Oracle Real Application Clusters ソフトウェアのインストールの確認 

「Oracle Real Application Clusters のインストールの確認」

Oracle データベースの作成 

「Oracle データベースの作成」

Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters ソフトウェアが必要とするノード固有のファイルとディレクトリの作成 

「共有ファイルシステム用にノード固有のファイルとディレクトリを作成する」

(Oracle 10g には不要) Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスの起動と停止の自動化 

「Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスの起動と停止の自動化」

Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストールと構成の確認 

「Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストールと構成の確認」

Oracle Real Application Clusters ソフトウェアのインストール

Oracle Real Application Clusters をインストールするための詳細な手順については、お使いの Oracle のマニュアルを参照してください。

デフォルトでは、Oracle インストーラはクラスタ内のすべてのノードに CRS をインストールします。Sun Cluster ノードのサブセットに CRS をインストールするための作業手順は、Oracle MetaLink web site で参照できます。Oracle メタリンクノート「280589.1 How to install Oracle 10g CRS on a cluster where one or more nodes are not to be configured to run CRS」を参照してください。

Oracle Real Application Clusters ソフトウェアのインストール後、ソフトウェアのインストールを確認します。詳細は、「Oracle Real Application Clusters のインストールの確認」を参照してください。

Oracle Real Application Clusters のインストールの確認

Oracle Real Application Clusters をインストールしたら、インストールが正常に行われたか確認します。この確認は、Oracle データベースを作成する前に行なってください。Real Application Clusters データベースインスタンスを自動的に起動、停止できるかどうかは確認されません

ProcedureOracle Real Application Clusters のインストールを確認するには

手順
  1. $ORACLE_HOME/bin/oracle ファイルの所有者、グループ、モードが次のとおりであるかを確認します。

    • 所有者: oracle

    • グループ: dba

    • モード: -rwsr-s--x


    # ls -l $ORACLE_HOME/bin/oracle
    
  2. Oracle リスナー用のバイナリファイルが $ORACLE_HOME/bin ディレクトリに存在するかを確認します。

次の手順

「Oracle データベースの作成」に進みます。

Oracle データベースの作成

この作業では、Sun Cluster 環境に最初の Oracle データベースを作成し、構成します。追加のデータベースを作成および構成する場合には、この作業を繰り返す必要はありません。

ProcedureOracle データベースを作成する

手順
  1. init$ORACLE_SID.ora ファイルや config$ORACLE_SID.ora ファイルに、制御ファイルや警告ファイルの場所が正しく指定されているかを確認します。

    これらのファイルの場所は、次のキーワードで指定されます。

    • 制御ファイルの場所は control_files キーワードで指定されます。

    • 警告ファイルの場所は background_dump_dest キーワードで指定されます。

  2. データベースログインに Solaris 認証を使用する場合は、init$ORACLE_SID.ora ファイルの remote_os_authent 変数を True に設定します。

  3. データベースに関連するすべてのファイルが正しい場所にあるか確認します。

  4. 次のリストからコマンドのどれかを使ってデータベースの作成を始めます。

    • Oracle dbca コマンド

    • Oracle sqlplus コマンド

  5. 制御ファイルのファイル名が、構成ファイル内のファイル名と一致していることを確認します。

次の手順

次の手順は、Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルの場所によって異なります。次の表を参照してください。

保存場所 

次の手順 

共有ファイルシステム 

「共有ファイルシステム用にノード固有のファイルとディレクトリを作成する」

各ノードのローカルディスク 

「Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスの起動と停止の自動化」

共有ファイルシステム用にノード固有のファイルとディレクトリを作成する

Oracle システムの保守を簡単にするために、Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを共有ファイルシステムにインストールできます。次の共有ファイルシステムがサポートされています。

Oracle ソフトウェアが共有ファイルシステムにインストールされている場合、ORACLE_HOME 環境変数で指定されているディレクトリ内のすべてのファイルは、すべてのクラスタノードからアクセスできます。ただし、一部の Oracle ファイルやディレクトリでは、ノード固有の情報を維持する必要があります。

Oracle ソフトウェアを共有ファイルシステムにインストールする場合は、ファイルやディレクトリのローカルコピーを作成し、そこにノード固有の情報を保持する必要があります。これらのファイルやディレクトリにすべてのクラスタノードからアクセスできるようにするためにシンボリックリンクを使用します。シンボリックリンクのターゲットは、ノード内のファイルシステム上にあるファイルやディレクトリです。このようなファイルシステムは、共有ファイルシステムの一部ではありません。

シンボリックリンクをこのような目的で使用する場合、ローカルファイルシステム上に領域を割り当てる必要があります。Oracle アプリケーションが、この領域内のファイルに対してシンボリックリンクを作成するためには、アプリケーションがこの領域内のファイルにアクセスできる必要があります。シンボリックリンクは共有ファイルシステム上に存在するため、リンクへのすべての参照は、すべてのノードで同じになります。したがって、すべてのノードが、ローカルファイルシステム上のその領域用に同じネーム空間を持つ必要があります。

共有ファイルシステム用のノード固有ディレクトリの作成

次の手順は、ノード固有の情報を保持する各ディレクトリに対して実行します。以下に、ノード固有の情報の保持に必要となる典型的なディレクトリを示します。

ノード固有の情報を保持するために必要となるほかのディレクトリについては、Oracle のマニュアルを参照してください。

Procedure共有ファイルシステム用にノード固有ディレクトリを作成する

手順
  1. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を保持するためのローカルディレクトリを作成します。

    作成するローカルディレクトリ構造は、ノード固有の情報を含むグローバルディレクトリ構造と一致するようにしてください。たとえば、グローバルディレクトリの /global/oracle/network/agent には、/local ディレクトリ下にローカルに格納する必要のあるノード固有の情報が含まれていることがあります。このような場合、/local/oracle/network/agent という名前のディレクトリを作成します。


    # mkdir -p local-dir
    
    -p

    存在しない親ディレクトリをすべて最初に作成することを指定します。

    local-dir

    作成するディレクトリのフルパス名を指定します。

  2. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を保持するグローバルディレクトリのローカルコピーを作成します。

    ノード固有の情報のローカルコピーは、手順 1 で作成したローカルディレクトリに含まれるようにしてください。


    # cp -pr global-dir local-dir-parent
    
    -p

    所有者、グループ、許可モード、修正時刻、アクセス時刻、およびアクセス制御リストが保護されることを指定します。

    -r

    ディレクトリとそのすべてのファイル (サブディレクトリとそのファイルを含む) がコピーされることを指定します。

    global-dir

    コピーするグローバルディレクトリのフルパスを指定します。このディレクトリは、ORACLE_HOME 環境変数で指定されるディレクトリ下で、共有ファイルシステム上に存在します。

    local-dir-parent

    ローカルコピーを含む、ローカルノード上のディレクトリを指定します。このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリの親ディレクトリです。

  3. 手順 2 でコピーしたグローバルディレクトリを、グローバルディレクトリのローカルコピーへのシンボリックリンクで置き換えます。

    1. 任意のクラスタノードから、手順 2 でコピーしたグローバルディレクトリを削除します。


      # rm -r global-dir
      
      -r

      ディレクトリとそのすべてのファイル (サブディレクトリとそのファイルを含む) が削除されることを指定します。

      global-dir

      削除するファイル名とグローバルディレクトリのフルパスを指定します。このディレクトリは、手順 2 でコピーしたグローバルディレクトリになります。

    2. 任意のクラスタノードで、ディレクトリのローカルコピーから、手順 a で削除したグローバルディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。


      # ln -s local-dir global-dir
      
      -s

      リンクがシンボリックリンクであることを指定します。

      local-dir

      手順 1 で作成したローカルディレクトリがリンク元であることを指定します。

      global-dir

      手順 a で削除したグローバルディレクトリがリンク先であることを指定します。


例 3–1 ノード固有ディレクトリの作成

この例では、ノード固有ディレクトリを 2 ノードクラスタで作成するための操作手順を示しています。このクラスタは、以下のように構成されています。

各クラスタノードで、以下の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、必要なディレクトリをローカルファイルシステムに作成します。


    # mkdir -p /local/oracle/network/agent
    

    # mkdir -p /local/oracle/network/log
    

    # mkdir -p /local/oracle/network/trace
    

    # mkdir -p /local/oracle/srvm/log
    

    # mkdir -p /local/oracle/apache
    
  2. 次のコマンドを実行して、ノード固有の情報を保持するグローバルディレクトリのローカルコピーを作成します。


    # cp -pr $ORACLE_HOME/network/agent /local/oracle/network/.
    

    # cp -pr $ORACLE_HOME/network/log /local/oracle/network/.
    

    # cp -pr $ORACLE_HOME/network/trace /local/oracle/network/.
    

    # cp -pr $ORACLE_HOME/srvm/log /local/oracle/srvm/.
    

    # cp -pr $ORACLE_HOME/apache /local/oracle/.
    

以下の手順は、1 つのノードでのみ実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、グローバルディレクトリを削除します。


    # rm -r $ORACLE_HOME/network/agent
    

    # rm -r $ORACLE_HOME/network/log
    

    # rm -r $ORACLE_HOME/network/trace
    

    # rm -r $ORACLE_HOME/srvm/log
    

    # rm -r $ORACLE_HOME/apache
    
  2. 次のコマンドを実行して、ローカルディレクトリから、対応するグローバルディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。


    # ln -s /local/oracle/network/agent $ORACLE_HOME/network/agent 
    

    # ln -s /local/oracle/network/log $ORACLE_HOME/network/log
    

    # ln -s /local/oracle/network/trace $ORACLE_HOME/network/trace
    

    # ln -s /local/oracle/srvm/log $ORACLE_HOME/srvm/log
    

    # ln -s /local/oracle/apache $ORACLE_HOME/apache
    

共有ファイルシステム用のノード固有ファイルの作成

次の手順は、ノード固有の情報を保持する各ファイルに対して実行します。以下に、ノード固有の情報の保持に必要となる典型的なファイルを示します。

ノード固有の情報を保持するために必要となるほかのファイルについては、Oracle のマニュアルを参照してください。

Procedure共有ファイルシステム用にノード固有ファイルを作成する

手順
  1. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を保持するファイルを含むローカルディレクトリを作成します。


    # mkdir -p local-dir
    
    -p

    存在しない親ディレクトリをすべて最初に作成することを指定します。

    local-dir

    作成するディレクトリのフルパス名を指定します。

  2. 各クラスタノードで、ノード固有の情報を保持するグローバルファイルのローカルコピーを作成します。


    # cp -p global-file local-dir
    
    -p

    所有者、グループ、許可モード、修正時刻、アクセス時刻、およびアクセス制御リストが保護されることを指定します。

    global-file

    コピーするファイル名とグローバルファイルのフルパスを指定します。このファイルは、ORACLE_HOME 環境変数で指定されるディレクトリ下で、共有ファイルシステム上にインストールされています。

    local-dir

    ファイルのローカルコピーを含むディレクトリを指定します。このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリになります。

  3. 手順 2 でコピーしたグローバルファイルを、そのファイルのローカルコピーへのシンボリックリンクで置き換えます。

    1. 任意のクラスタノードから、手順 2 でコピーしたグローバルファイルを削除します。


      # rm global-file
      
      global-file

      削除するファイル名とグローバルファイルのフルパスを指定します。このファイルは、手順 2 でコピーしたグローバルファイルになります。

    2. 任意のクラスタノードで、ファイルのローカルコピーから、手順 a で削除したグローバルファイルへのシンボリックリンクを作成します。


      # ln -s local-file global-file
      
      -s

      リンクがシンボリックリンクであることを指定します。

      local-file

      手順 2 でコピーしたファイルが、リンク元であることを指定します。

      global-file

      手順 a で削除したファイルのグローバルバージョンが、リンク先であることを指定します。


例 3–2 ノード固有ファイルの作成

この例では、ノード固有ファイルを 2 ノードクラスタで作成するための操作手順を示しています。このクラスタは、以下のように構成されています。

各クラスタノードで、以下の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、ノード固有の情報を保持するファイルを含むローカルディレクトリを作成します。


    # mkdir -p /local/oracle/network/admin
    
  2. 次のコマンドを実行して、ノード固有の情報を保持するグローバルファイルのローカルコピーを作成します。


    # cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora \
      /local/oracle/network/admin/.
    

    # cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora \
      /local/oracle/network/admin/.
    

以下の手順は、1 つのノードでのみ実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、グローバルファイルを削除します。


    # rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora
    

    # rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
    
  2. 次のコマンドを実行して、ファイルのローカルコピーから、対応するグローバルファイルへのシンボリックリンクを作成します。


    # ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_ro.ora \
      $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
    

    # ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_rw.ora \
      $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
    

次の手順

「Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスの起動と停止の自動化」に進みます。

Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスの起動と停止の自動化


注 –

Oracle 10g を使用している場合、この作業は省略してください。Oracle 10g では、Oracle CRS が Oracle Real Application Clusters データベースの起動と停止を行います。


Real Application Clusters データベースインスタンスの起動と停止を自動化するためには、次のリソースの登録と構成が必要です。

Oracle RAC サーバーリソースは障害監視を行いますが、この機能は、Sun Cluster ユーティリティーで Oracle Real Application Clusters リソースのステータスを監視できるようにするだけです。これらのリソースには、障害回復を自動的に行う機能はありません。

以下の各手順ではリソースの登録と構成について説明します。これらの説明は、設定が必要な Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters の拡張プロパティーに限られています。ただし、そのほかの拡張プロパティーを使ってデフォルト値を上書きすることもできます。詳細は、次の項目を参照してください。

Oracle RAC サーバーリソースの登録と構成

SUNW.oracle_rac_server リソースタイプは、Sun Cluster 構成の Oracle RAC サーバーを表しています。Oracle RAC サーバーの各インスタンスは、単一の SUNW.oracle_rac_server リソースで表されます。

個々の SUNW.oracle_rac_server インスタンスを、1 つのノードでしか実行できない単一インスタンスリソースとして構成します。この制限は次の方法で指定できます。

RAC フレームワークがクラスタノードで使用可能になってから、Oracle RAC サーバーインスタンスを起動するべきです。この要件を満たすために次のアフィニティーと依存関係を設定します。

Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムを使用する場合は、必ず各インスタンスの Sun StorEdge QFS リソースがクラスタノードで起動されてから、個々の Oracle サーバーインスタンスを起動してください。この要件を満たすために、Oracle RAC サーバーリソースとそれに関連する Sun StorEdge QFS リソース間の依存関係を設定します。

ProcedureOracle RAC サーバーリソースを登録および構成するには

手順
  1. クラスタの 1 つのノード上で、スーパーユーザーになります。

  2. SUNW.oracle_rac_server リソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.oracle_rac_server
    
  3. Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters が実行される可能性のあるノードごとに、リソースグループと、Oracle RAC サーバーのリソースを作成します。

    1. Oracle RAC サーバーリソースを包含するフェイルオーバーリソースグループを作成します。


      # scrgadm -a -g rac-server-rg -h node \
      -y RG_AFFINITIES=++rac-fmwk-rg \
      [-y RG_DEPENDENCIES=sqfs-rg-list]
      
      -g rac-server-rg

      リソースグループに割り当てる名前を指定します。

      -h node

      作成するリソースグループのノードを指定します。ノードは 1 つしか指定できません。

      -y RG_AFFINITIES=++ rac-fmwk-rg

      RAC フレームワークリソースグループに対する強い肯定的なアフィニティーを作成します。RAC フレームワークリソースグループ が scsetup ユーティリティーで作成されている場合は、RAC フレームワークリソースグループの名前が rac-framework-rg となります。

      -y RG_DEPENDENCIES= sqfs-rg-list

      この Oracle RAC サーバーインスタンスが依存する Sun StorEdge QFS リソースグループをコンマで区切って指定します。これらのリソースグループは、Sun StorEdge QFS メタデータサーバー用のデータサービスを登録および構成する際に作成されます。これらのリソースについては、「構成計画に関する質問」を参照してください。この依存関係を作成する必要があるのは、Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム を使用する場合だけです。

    2. SUNW.oracle_rac_server リソースタイプのインスタンスを、手順 a で作成したリソースグループに追加します。

      このリソースを作成する際には、リソースに関する次の情報を指定します。

      • Oracle ホームディレクトリ。Oracle ホームディレクトリには、Oracle ソフトウェアのバイナリファイルやログファイル、パラメータファイルが含まれています。

      • Oracle システム識別子この識別子は Oracle データベースインスタンスの名前です。


      # scrgadm -a -j rac-server-resource -g rac-server-rg \
      -t SUNW.oracle_rac_server \
      -y RESOURCE_DEPENDENCIES=rac-fmwk-rs[, sqfs-rs-list] \
      -x ORACLE_SID=ora-sid \
      -x ORACLE_HOME=ora-home
      
      -j rac-server-resource

      SUNW.oracle_rac_server リソースに割り当てる名前を指定します。

      -g rac-server-rg

      リソースを追加するリソースグループを指定します。このリソースグループは、手順 a で作成したリソースグループである必要があります。

      -y RESOURCE_DEPENDENCIES= rac-fmwk-rs[, sqfs-rs-list]

      この Oracle RAC サーバーインスタンスが依存しているリソースを指定します。

      RAC フレームワークリソースを指定する必要があります。RAC フレームワークリソースグループが scsetup ユーティリティーで作成されている場合は、このリソースの名前が rac_framework となります。

      Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム を使用する場合は、さらに、Sun StorEdge QFS リソースをコンマで区切って指定する必要があります。これらのリソースは、Sun StorEdge QFS メタデータサーバー用のデータサービスを登録および構成する際に作成されます。これらのリソースについては、「SPARC: Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムのリソース」を参照してください。

      -x ORACLE_SID= ora-sid

      Oracle システム識別子を指定します。この識別子は Oracle データベースインスタンスの名前です。

      -x ORACLE_HOME= ora-home

      Oracle ホームディレクトリへのパスを指定します。Oracle ホームディレクトリには、Oracle ソフトウェアのバイナリファイルやログファイル、パラメータファイルが含まれています。


例 3–3 Oracle RAC サーバーリソースの登録と構成

この例は、Oracle RAC サーバーリソースを 2 ノードクラスタ用に登録および構成するの際に必要な一連の操作を表しています。

この例では、rac-framework-rg という名前の RAC フレームワークリソースグループが作成されていると仮定します。さらに、このリソースグループには、rac_framework という名前の SUNW.rac_framework リソースが含まれているものとします。

  1. SUNW.oracle_rac_server リソースタイプを登録するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -t SUNW.oracle_rac_server
    
  2. ノード node1 用の RAC1-rg リソースグループを作成するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -g RAC1-rg -h node1 \
    -y RG_AFFINITIES=++rac-framework-rg
    
  3. ノード node2 用の RAC2-rg リソースグループを作成するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -g RAC2-rg -h node2 \
    -y RG_AFFINITIES=++rac-framework-rg
    
  4. ノード node1 用の RAC1-rg リソースグループに RAC1-rs リソースを作成するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -j RAC1-rs -g RAC1-rg \
    -t SUNW.oracle_rac_server \
    -y RESOURCE_DEPENDENCIES=rac_framework \
    -x ORACLE_SID=RAC1 \
    -x ORACLE_HOME=/oracle
    
  5. ノード node2 用の RAC2-rg リソースグループに RAC2-rs リソースを作成するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -j RAC2-rs -g  RAC2-rg \
    -t SUNW.oracle_rac_server \
    -y RESOURCE_DEPENDENCIES=rac_framework \
    -x ORACLE_SID=RAC2 \
    -x ORACLE_HOME=/oracle
    

次の手順

「Oracle リスナーリソースの登録と構成」に進みます。

Oracle リスナーリソースの登録と構成

Oracle リスナーリソースをどのように構成するかは、Oracle リスナーが Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスをどのようにサポートする必要があるかによって異なります。詳細は、「Oracle リスナーリソースのリソースグループ」を参照してください。

ProcedureOracle リスナーリソースを登録および構成するには

手順
  1. クラスタの 1 つのノード上で、スーパーユーザーになります。

  2. SUNW.oracle_listener リソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.oracle_listener
    
  3. Oracle リスナーの構成で別個のリソースグループが必要な場合は、そのリスナーリソースのフェイルオーバーリソースグループを作成します。

    このリソースグループを作成するのは、Oracle リスナーの構成で別個のリソースグループが必要な場合だけにしてください。このリソースグループを作成する場合、使用している構成で必要な他のリソースグループで依存関係を作成します。詳細は、「Oracle リスナーリソースのリソースグループ」を参照してください。


    # scrgadm -a -g rac-listener-rg \
    [-y RG_DEPENDENCIES=rg-list]\
    -h nodelist
    
    -g rac-listener-rg

    リソースグループに割り当てる名前を指定します。

    -y RG_DEPENDENCIES= rg-list

    このリソースグループが依存するリソースグループをコンマで区切って指定します。Oracle ホームディレクトリが Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム にある場合は、rg-list に、そのファイルシステムの Sun StorEdge QFS メータデータサーバーのリソースグループを指定する必要があります。

    リスナーリソースのリスナーグループがほかのリソースグループに依存していない場合は、このオプションを省略します。

    -h nodelist

    このリソースグループをオンラインにできるノードをコマンドで区切って指定します。このリストには複数のノードを指定できますが、それは、LogicalHostname リソースを使用するようにリスナーを構成する場合に限ります。それ以外の場合は、ノードを 1 つだけ指定します。

  4. SUNW.oracle_listener リソースを入れる個々のリソースグループに SUNW.oracle_listener リソースのインスタンスを追加します。

    このリソースを作成する際には、リソースに関する次の情報を指定します。

    • Oracle リスナーの名前この名前は、listener.ora ファイル内の対応するエントリに一致する必要があります。

    • Oracle ホームディレクトリ。Oracle ホームディレクトリには、Oracle ソフトウェアのバイナリファイルやログファイル、パラメータファイルが含まれています。


    # scrgadm -a -j listener-resource -g listener-rg \
    -t SUNW.oracle_listener \
    [-y RESOURCE_DEPENDENCIES=sqfs-rs-list] \
    -x LISTENER_NAME=listener \ 
    -x ORACLE_HOME=oracle-home
    
    -j listener-resource

    SUNW.oracle_listener リソースに割り当てる名前を指定します。

    -g listener-rg

    リソースを追加するリソースグループを指定します。

    -y RESOURCE_DEPENDENCIES= sqfs-rs-list

    この Oracle リスナーインスタンスが依存する Sun StorEdge QFS リソースをコンマで区切って指定します。これらのリソースは、Sun StorEdge QFS メタデータサーバー用のデータサービスを登録および構成する際に作成されます。これらのリソースについては、「SPARC: Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムのリソース」を参照してください。この依存関係を作成するのは、Oracle ホームディレクトリが Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムにある場合に限ります。

    -x LISTENER_NAME= listener

    Oracle リスナーインスタンスの名前を指定します。この名前は、listener.ora ファイル内の対応するエントリに一致する必要があります。

    -x ORACLE_HOME= ora-home

    Oracle ホームディレクトリへのパスを指定します。Oracle ホームディレクトリには、Oracle ソフトウェアのバイナリファイルやログファイル、パラメータファイルが含まれています。

  5. 「Oracle RAC サーバーリソースを登録および構成するには」で作成した各 RAC サーバーリソースグループをオンラインにします。

    リソースグループごとに次のコマンドを入力します。


    # scswitch -Z -g rac-server-rg
    
    -Z

    リソースグループを MANAGED 状態にして、オンラインにします。

    -g rac-server-rg

    「Oracle RAC サーバーリソースを登録および構成するには」で作成したリソースグループが管理状態に移行し、オンラインになるように指定します。

  6. 手順 3 で Oracle リスナーリソースグループを作成した場合は、これらのリソースグループをオンラインにします。

    作成したリソースグループごとに次のコマンドを入力します。


    # scswitch -Z -g rac-listener-rg
    
    -Z

    リソースグループを MANAGED 状態にして、オンラインにします。

    -g rac-listener-rg

    手順 3 で作成したリソースグループが管理状態に移行し、オンラインになるように指定します。


例 3–4 Oracle リスナーリソースの登録と構成

この例は、Oracle RAC リスナーリソースを 2 ノードクラスタ用に登録および構成する際に必要な一連の操作を表しています。

この例では、各リスナーが 1 つの Real Application Clusters インスタンスのみをサポートします。リスナーをフェイルオーバーすることはできません。

この例では、RAC1-rgRAC2-rg という名前の RAC サーバーリソースグループがすでに作成されているものとします (例 3–3 を参照)。

  1. SUNW.oracle_listener リソースタイプを登録するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -t SUNW.oracle_listener
    
  2. ノード node1 用の RAC1-rg リソースグループに LRAC1-rs リソースを作成するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -j LRAC1-rs -g RAC1-rg \
    -t SUNW.oracle_listener \
    -x LISTENER_NAME=LRAC1 \
    -x ORACLE_HOME=/oracle
    
  3. ノード node2 用の RAC2-rg リソースグループに LRAC2-rs リソースを作成するために次のコマンドを実行します。


    # scrgadm -a -j LRAC2-rs -g RAC2-rg \
    -t SUNW.oracle_listener \
    -x LISTENER_NAME=LRAC2 \
    -x ORACLE_HOME=/oracle
    

次の手順

「Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストールと構成の確認」に進みます。

Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストールと構成の確認

Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストール、登録、構成が終わったら、そのインストールと構成を確認します。Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストールと構成を確認すると、Real Application Clusters データベースインスタンスの起動や停止を自動的に行えるかどうかがわかります。

ProcedureSun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters のインストールと構成を確認する

スーパーユーザーとして、「Oracle RAC サーバーリソースの登録と構成」の手順を実行した際に作成したOracle RAC サーバーリソースグループごとにこの作業を行います。

手順
  1. Oracle RAC サーバーリソースグループが正しく構成されているか確認します。


    # scrgadm -pv -g rac-server-rg
    
    -g rac-server-rg

    このノード用の Oracle RAC サーバーリソースグループの名前を指定します。

  2. Oracle RAC サーバーリソースグループをオンラインにします。


    # scswitch -Z -g rac-server-rg
    
    -g rac-server-rg

    このノード用の Oracle RAC サーバーリソースグループの名前を指定します。

  3. Oracle RAC サーバーリソースグループとそのリソースがオンラインになっているか確認します。


    # scstat -g
    
  4. Oracle RAC サーバーリソースグループをオフラインにします。


    # scswitch -F -g rac-server-rg
    
    -g rac-server-rg

    このノード用の Oracle RAC サーバーリソースグループの名前を指定します。

  5. Oracle RAC サーバーリソースグループとそのリソースがオフラインになっているか確認します。


    # scstat -g
    
  6. Oracle RAC サーバーリソースグループを再びオンラインにします。


    # scswitch -Z -g rac-server-rg
    
    -g rac-server-rg

    このノード用の Oracle RAC サーバーリソースグループの名前を指定します。

  7. Oracle RAC サーバーリソースグループとそのリソースがオンラインになっているか確認します。


    # scstat -g