Sun Cluster Support for Oracle Real Application Clusters を使用すると、次の表に示す Oracle ファイル用のストレージ管理スキーマを使用できます。この表は、各ストレージ管理スキーマが格納できる Oracle ファイルの種類を要約したものです。すべての種類の Oracle ファイルを格納できるストレージ管理スキーマの組み合わせを選択してください。
表 1–2 Oracle ファイルのストレージ管理スキーマ
Oracle ファイルの種類 |
ストレージ管理スキーマ |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Solaris Volume Manager for Sun Cluster |
VxVM |
ハードウェア RAID |
Sun StorEdge QFS |
Network Appliance NAS デバイス |
ASM |
クラスタファイルシステム |
ローカルディスク |
|
RDBMS バイナリファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
可 |
CRS バイナリファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
可 |
構成ファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
可 |
システムパラメータファイル (SPFILE) |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
警告ファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
可 |
トレースファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
可 |
データファイル |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
不可 |
コントロールファイル |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
不可 |
オンライン再実行ログファイル |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
不可 |
保存された再実行ログファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
フラッシュバックログファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
回復ファイル |
不可 |
不可 |
不可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
不可 |
OCR ファイル |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
不可 |
CRS 投票ディスク |
可 |
可 |
可 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
不可 |
一部の種類のファイルは、Oracle Real Application Clusters のすべてのリリースに含まれているわけではありません。ご使用のリリースにどの種類のファイルが含まれているかについては、Oracle のマニュアルを参照してください。
Oracle Real Application Clusters データベースには、次のストレージ管理スキーマが使用できます。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster
Solaris Volume Manager for Sun Cluster は Oracle Real Application Clusters だけでサポートされます。Solaris Volume Manager for Sun Cluster は Oracle Parallel Server ではサポートされません。
クラスタ機能を備えた VERITAS Volume Manager (VxVM)
VxVM は SPARC プラットフォームだけでサポートされます。
ハードウェア RAID(redundant array of independent disks)サポート
ハードウェア RAID をサポートする Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム
Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム は SPARC プラットフォームだけでサポートされます。
Network Appliance ネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス
Oracle Automatic Storage Management (ASM)
Oracle バイナリファイルおよび Oracle 構成ファイルは、次のいずれかの場所にインストールできます。
各クラスタノードのローカルディスク
次のいずれかの共有ファイルシステム
Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム
クラスタファイルシステム
Network Appliance NAS デバイス上のファイルシステム
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを個別のクラスタノード上に置くと、後でデータサービスをシャットダウンせずに Oracle アプリケーションをアップグレードできます。
この場合の短所は、Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルの複数のコピーを維持し、管理しなければならない点です。
Oracle システムの保守を簡単にするために、Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを共有ファイルシステムにインストールできます。次の共有ファイルシステムがサポートされています。
Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステム
クラスタファイルシステム
クラスタファイルシステムを使用する場合は、どちらのボリュームマネージャーを使用するかを決めます。
Solaris ボリュームマネージャー
クラスタ機能のない VxVM
VxVM は SPARC プラットフォームだけでサポートされます。
Network Appliance NAS デバイス上のファイルシステム
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを共有ファイルシステム上に置く場合、維持管理するコピーは 1 つだけです。しかし、Oracle アプリケーションをアップグレードするには、クラスタ全体でデータサービスを停止する必要があります。アップグレードする場合に多少の停止時間が生じても構わない場合は、Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルの 1 つのコピーを共有ファイルシステム上に置きます。
Oracle Real Application Clusters に関連するすべてのファイルを Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムに格納できます。
Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムの作成方法については、Sun StorEdge QFS の次のマニュアルを参照してください。
『Sun StorEdge QFS and Sun StorEdge SAM-FS Software Installation and Configuration Guide』
Sun StorEdge QFS and Sun StorEdge SAM-FS File System Administration Guide
次に説明するように、これらのファイルをいくつかのファイルシステムに分散します。
RDBMS バイナリファイルと関連ファイルの場合は、クラスタ内に 1 つのファイルシステムを作成してファイルを格納します。
RDBMS バイナリファイルと関連ファイルには次のものがあります。
Oracle リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) バイナリファイル
Oracle 構成ファイル (たとえば、init.ora、tnsnames.ora、listener.ora、sqlnet.ora)
システムパラメータファイル (SPFILE)
警告ファイル (たとえば、alert_ sid.log)
追跡ファイル (*.trc)
Oracle Cluster Ready Services (CRS) バイナリファイル
データベースファイルと関連ファイルの場合は、各データベースに 1 つのファイルシステムが必要であるか、複数のファイルシステムが必要であるかどうかを決定します。
構成とメンテナンスを容易にするには、1 つのファイルシステムを作成して、データベースのすべての Oracle Real Application Clusters インスタンスのファイルを格納します。
将来の拡張を容易にするには、複数のファイルシステムを作成して、データベースのすべての Oracle Real Application Clusters インスタンスのファイルを格納します。
既存のデータベース用のストレージを追加する場合は、追加するストレージ用の追加のファイルシステムを作成する必要があります。このような場合、データベースに使用するファイルシステム間で、データベースファイルと関連ファイルを分散します。
データベースファイルと関連ファイル用に作成する各ファイルシステムには、独自のメタデータサーバーが必要です。メタデータサーバーに必要なリソースの詳細については、「SPARC: Sun StorEdge QFS 共有ファイルシステムのリソース」を参照してください。
データベースファイルと関連ファイルには次のものがあります。
データファイル
コントロールファイル
オンライン再実行ログファイル
保存された再実行ログファイル
フラッシュバックログファイル
回復ファイル
Oracle クラスタレジストリ (OCR) ファイル
Oracle CRS 投票ディスク
クラスタファイルシステムに格納できるのは、Oracle Real Application Clusters と関連付けられた次のファイルだけです。
Oracle RDBMS バイナリファイル
Oracle CRS バイナリファイル
Oracle 構成ファイル (たとえば、init.ora、tnsnames.ora、listener.ora、sqlnet.ora)
システムパラメータファイル (SPFILE)
警告ファイル (たとえば、alert_ sid.log)
追跡ファイル (*.trc)
保存された再実行ログファイル
フラッシュバックログファイル
Oracle クラスタレジストリ (OCR) ファイル
Oracle CRS 投票ディスク
クラスタファイルシステムには、データファイル、コントロールファイル、オンライン再実行ログファイル、Oracle 回復ファイルを格納してはいけません。
保存された再実行ログファイルに書き込む際の入出力性能は、保存された再実行ログファイルのデバイスグループがどこにあるかによって異なります。パフォーマンスを最適にするために、保存された再実行ログファイル用のプライマリのデバイスグループは、Oracle Real Application Clusters データベースインスタンスと同じノード上に置くようにしてください。このデバイスグループには、データベースインスタンスの保存された再実行ログを保持するファイルシステムが含まれています。
クラスタファイルシステムと Sun Cluster 3.1 を併用している場合は、デバイスグループの二次ノードの望ましい数を増やすことを検討してください。デバイスグループの二次ノードの望ましい数を増やすことで、クラスタの可用性を改善できます。デバイスグループの二次ノードの望ましい数を増やすには、numsecondaries プロパティーを変更します。詳細は、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』の「多重ポートディスクデバイスグループ」を参照してください。
クラスタファイルシステムの作成方法の詳細は、次のマニュアルを参照してください。