SAP DB データベースの可用性を最大限に高めるためには、SAP DB データベースインスタンスが起動される前に、 Sun Cluster HA for SAP DB のために必要となるリソースが使用可能でなければなりません。たとえば、SAP DB 実行時環境のプログラムやライブラリが格納されているファイルシステムはこのようなリソースの例です。このようなリソースを確保するためには、Sun Cluster HA for SAP DB で使用する HAStoragePlus リソースタイプを構成する必要があります。
リソースグループとディスクデバイスグループの関係については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースグループとディスクデバイスグループの関係」を参照してください。
Sun Cluster HA for SAP DB で使用する HAStoragePlus リソースタイプを構成するためには、次の操作が必要です。
リソースタイプとディスクデバイスグループの起動を同期化する。これについては、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースグループとディスクデバイスグループ間での起動の同期」を参照してください。
HAStoragePlus リソースの登録と構成を行う。
SUNW.HAStoragePlus というリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus |
SAP DB がインストールされている広域デバイスグループの HAStoragePlus リソースを作成します。
このリソースを SAP DB リソースグループに作成します。このリソースは、このリソース用に定義されているすべての広域デバイスに対してアフィニティースイッチオーバーを行う必要があります。
# scrgadm -a -j hsp-resource -g sapdb-rg \ -t SUNW.HAStoragePlus -x filesystemmountpoints=mountpoint-list \ -x globaldevicepaths=sapdb-device-group -x affinityon=TRUE |
新しい構成を追加します。
作成するリソースの名前は hsp-resource です。
このリソースを SAP DB リソースグループに追加します。
このリソースは、SUNW.HAStoragePlus リソースタイプのインスタンスです。
ファイルシステムの有効なマウントポイントを列挙します。詳細については、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。
SAP DB ソフトウェアがインストールされている広域デバイスグループの名前を指定します。
このリソースは、このリソース用に定義されているすべての広域デバイスに対してアフィニティースイッチオーバーを行います。
手順 2 で作成した HAStoragePlus リソースを有効にします。
# scswitch -ej hsp-resource |
手順 2 で作成した HAStoragePlus リソースを有効にします。
# scrgadm -a -j hsprs -g sapdbrg \ -t SUNW.HAStoragePlus -x filesystemmountpoints=/global/sapdbdata \ -x globaldevicepaths=sapdbdg -x affinityon=TRUE |
この例で作成される SUNW.HAStoragePlus リソースは、次の特性を持っています。
このリソースの名前は hsprs です。
このリソースは、 sapdbrg という名前のリソースグループのメンバーです。このリソースグループの作成については、例 5 を参照してください。
このリソースは、SUNW.HAStoragePlus リソースタイプのインスタンスです。この例には、このリソースタイプの登録はありません。
このファイルシステムのマウントポイントは /global/sapdbdata です。
SAP DB ソフトウェアは、sapdbdg という名前の広域デバイスグループにインストールされています。
hsprs リソースは、このリソース用に定義されているすべての広域デバイスに対してアフィニティースイッチーバーを行います。