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Sun Cluster Data Service for SAP liveCache ガイド (Solaris OS 版)

Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターの調節

Sun Cluster HA for SAP liveCache データサービスの障害監視は、以下の障害モニターによって行われます。

それぞれの障害モニターは、次の表に示すリソースタイプを持つリソースに含まれています。

表 3 Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターのリソースタイプ

障害モニター 

リソースタイプ 

SAP liveCache 

SUNW.sap_livecache

SAP xserver 

SUNW.sap_xserver

障害モニターの動作は、これらのリソースのシステムプロパティーと拡張プロパティーによって制御されます。事前に設定された障害モニターの動作は、これらのプロパティーのデフォルト値に基づいています。現在の動作は、ほとんどの Sun Cluster システムに適しているはずです。したがって、Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターを調整するのは、事前に設定されたこの動作を変更したい場合「だけに」留めるべきです。

Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターの調整では次のことを行います。

詳細は、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster データサービス用に障害モニターを調整する」を参照してください。これらのことを行う際に必要になる Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターの情報については、以下の各項で説明します。

Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターの調整は、Sun Cluster HA for SAP liveCache の登録と構成を行うときに実施します。詳細は、「Sun Cluster HA for SAP liveCache の登録と構成」を参照してください。

障害モニターの検証間隔に影響を及ぼす諸要素

SAP xserver や SAP liveCache データベースインスタンスが正常に動作しているか調べるために、Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターは、これらのリソースを周期的に検証します。障害モニターの最適な検証間隔は、リソースの障害への対応にどの程度の時間が必要かによって異なります。この時間は、リソースの複雑さが、リソースの再起動などの操作にかかる時間にどのような影響を及ぼすかに依存します。

Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターによる検証

障害モニターによる検証に最適なタイムアウト値は、障害モニターがリソースに対してどのような検証を行うかによって異なります。

SAP liveCache 障害モニターによる検証

SAP liveCache 障害モニターは検証の中で次の操作を行います。

  1. SAP liveCache がオンラインかどうかを判定します。

  2. liveCache がオンラインである場合、SAP liveCache 障害モニターは、liveCache 親プロセスが動作しているかどうかを判定します。

  3. liveCache がオンラインでない場合、SAP liveCache 障害モニターは、ユーザーが Sun Cluster の制御外で liveCache を停止したかどうかを判定します。

    ユーザーは、LC10 の Stop liveCache ボタンまたは lcinit コマンドを使用することによって、liveCache を停止できます。

  4. ユーザーが Sun Cluster の制御外で liveCache を停止していなかった場合、SAP liveCache 障害モニターは SAP xserver が利用可能であるかどうかを判定します。

SAP xserver 障害モニターによる検証

SAP xserver 障害モニターは、SAP xserver が使用可能かどうかを検証の中で判定します。

Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターによって検出される障害

Sun Cluster HA for SAP liveCache 障害モニターによって検出される障害を次の各項で説明します。

SAP liveCache 障害モニターによって検出される障害

SAP liveCache 障害モニターは、SAP liveCache の中で発生する次の障害を検出します。

SAP liveCache を停止または再起動できるのは、SAP xserver が利用可能な場合だけです。したがって、SAP liveCache 障害モニターは SAP xserver の使用不能も検出できます。この障害監視は、SAP xserver 障害モニターによる障害監視を補足するものです。この障害監視の追加によって、SAP xserver と SAP liveCache 間で相互参照グループリソースの依存関係が強化されます。

SAP xserver 障害モニターによって検出される障害

SAP xserver 障害モニターは次の障害を検出します。

検出された障害に対する回復アクション

リソースの一時的な障害による混乱を最小限にするため、このような障害が発生した場合、障害モニターはそのリソースを再起動します。継続的な障害の場合は、リソースの再起動よりも複雑なアクションをとる必要があります。

ユーザーによる liveCache の終了の監視

SAP liveCache 障害モニターは、ユーザーが Sun Cluster の制御外で liveCache を停止したかどうかを監視します。ユーザーは、LC10 の Stop liveCache ボタンまたは lcinit コマンドを使用することによって、liveCache を停止できます。

この状況では、liveCache 障害モニターは liveCache リソースの状態を更新して、liveCache が停止したことを示します。しかし、liveCache 障害モニターはなんの回復アクションも実行しません。

ユーザーが liveCache を再起動した場合、liveCache 障害モニターは liveCache リソースの状態を更新して、liveCache が再び動作していることを示します。