ここでは、Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成の計画について説明します。
SAP のマニュアルをまだ読んでいない場合は、Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成を計画する前に読んでください。SAP のマニュアルには、Sun Cluster のマニュアルに記載されておらず、Sun Cluster ソフトウェアでも指示されない構成上の制約事項や要件が含まれています。
次の要件を満たさないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。
ここで説明する要件を検討して、Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成の計画を行なってください。これらの要件が適用されるのは、Sun Cluster HA for SAP liveCache だけです。Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成を始める前に、次の要件を満たしておく必要があります。
すべてのデータサービスに適用される要件については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。
SAP liveCache バージョン 7.4 またはそれと互換性のあるバージョンを使用してください。
liveCache リソースのフェイルオーバー先になりえるすべてのノードで SAP xserver が起動するように、SAP xserver を構成してください。この構成を実行するには、リソースとリソースグループを次のように構成してください。
SAP xserver リソースグループと liveCache リソースグループのノードリストに同じノードが指定されていなければなりません。
SAP xserver リソースの desired_primaries と maximum_primaries の値が liveCache の nodelist パラメータで指定されたノード数と一致していなければなりません。
詳細は、「Sun Cluster HA for SAP liveCache を登録して構成する」を参照してください。
SAP xserver が動作しているノードだけで SAP liveCache が起動するように、SAP liveCache を構成してください。この構成を実行するには、リソースとリソースグループを次のように構成してください。
SAP xserver リソースに依存するように、liveCache リソースを設定します。
SAP xserver リソースグループに対する強いポジティブアフィニティーを liveCache リソースグループに作成します。
詳細は、「Sun Cluster HA for SAP liveCache を登録して構成する」を参照してください。
ここで説明する標準構成を使用して、Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成の計画を行なってください。Sun Cluster HA for SAP liveCache は、ここで紹介する標準構成をサポートします。Sun Cluster HA for SAP liveCache は、他の構成もサポートする場合があります。ただし、Sun サービスプロバイダに連絡し、他の構成に関する情報を得る必要があります。
図 2に、SAP APO セントラルインスタンス、APO アプリケーションサーバー、データベース、および liveCache を使用する 4 ノードのクラスタを示します。APO セントラルインスタンス、データベース、および liveCache は、フェイルオーバーデータサービスとして構成されています。SAP xserver を構成できるのは、スケーラブルデータサービスとしてだけです。APO アプリケーションサーバーは、スケーラブルデータサービスとしてでも、フェイルオーバーデータサービスとしてでも構成できます。
ここで説明する考慮事項を検討して、Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成の計画を行なってください。Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成に関する決定が、どのような影響をもたらすかについて考える必要があります。
liveCache は、APO Oracle データベースと SAP R/3 ソフトウェア用の広域デバイスグループとは別個の、専用の広域デバイスグループにインストールします。liveCache に別個の広域デバイスグループを用意することによって、liveCache リソースは liveCache 専用の HAStoragePlus リソースに依存できるようになります。
ユーザー root 以外のユーザーとして SAP xserver を実行する場合は、SAP xserver が動作するすべてのノード上でそのユーザーを作成し、Xserver_User 拡張プロパティーでそのユーザーを定義します。SAP xserver の起動と停止は、この拡張プロパティーで定義したユーザーに基づいて行われます。この拡張プロパティーの初期値はユーザー root です。
ここで示す質問に基づいて、Sun Cluster HA for SAP liveCache のインストールと構成の計画を行なってください。質問の答えは、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「構成のワークシート」のデータサービスワークシートに記入してください。これらの質問については、「構成上の考慮事項」を参照してください。
ネットワークアドレスとアプリケーションリソースにどのリソースグループを使用しますか。また、それらの間にはどのような依存関係がありますか。
データサービスへのアクセスにクライアントが使用する論理ホスト名 (liveCache リソースの場合) はどのように指定しますか。
システム構成ファイルはどこに置きますか。
クラスタファイルシステムではなく、ローカルファイルシステムに liveCache のバイナリを置いておくメリットとデメリットについては、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。