この手順では、scrgadm コマンドを使用して、一度に複数のノードでマスターされるリソースとして Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server EE (HADB) データサービスを登録および構成する方法について説明します。
データサービスを登録および構成できるようにする追加オプションの詳細については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「データサービスリソースを管理するためのツール」を参照してください。
この手順を実行するには、構成に関する次の情報が必要になります。
SUNW.hadb であるSun Cluster HA for Sun Java System Application Server EE のリソースタイプの名前 (4.4 より前の HADB サポートバージョン)
データサービスをマスターできるクラスタノードの名前
以下の各項では、Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server EE (HADB) のリソースの登録と構成について説明します。拡張プロパティーの詳細については、付録 B 「Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server EE (4.4 より前の HADB バージョン) のプロパティー」を参照してください。「調整可能」の欄には、そのプロパティーをいつ変更できるかが示されています。
Sun Cluster のすべてのプロパティーの詳細については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の付録 A「標準プロパティ」を参照してください。
リソースの拡張プロパティーを設定するには、リソースを作成または変更する scrgadm(1M) コマンドに次のオプションを含めます。
-x property=value |
設定する拡張プロパティーを指定します。
設定する拡張プロパティーの値を指定します。
『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の第 2 章「データサービスリソースの管理」の手順を使用して、リソースが作成されたあとにリソースを構成することもできます。
構成を完了するには次の手順を実行します。
クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。
Sun Java System Application Server EE (HADB) のリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.hadb |
Sun Java System Application Server EE (HADB) のリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g resource_group \ -y Maximum_primaries=nodes_in_rg \ -y Desired_primaries=nodes_in_rg \ -h nodelist |
作成するリソースグループを指定します。
作成するリソースグループの名前を指定します。
リソースを起動できる最大ノード数を指定します。Desired_primaries プロパティーの値と同じ数を指定する必要があります。
リソースを起動する希望ノード数を指定します。Maximum_primaries プロパティーの値と同じ数を指定する必要があります。
Sun Java System Application Server EE (HADB) を実行するクラスタノードのコンマ区切りサブセットを指定します。このオプションを省略すると、すべてのクラスタノードが Sun Java System Application Server EE (HADB) を実行します。ノードリスト名を検索するには、scconf -p | less コマンドを使用します。
自動検出を使用して、または自動検出を使用しないで、Sun Java System Application Server EE (HADB) のリソースを作成します。
自動検出機能が不要な場合は、次のコマンドを実行します。
# scrgadm -a -j resource -g resource_group -t SUNW.hadb \ -x Confdir_list=config_directory_list \ -x HADB_ROOT=install_directory \ -x DB_name=database_name |
データサービスリソースを作成することを指定します。
作成するリソースの名前は resource です。
resource_group という名前のリソースグループにリソースを追加することを指定します。
事前に定義したリソースタイプ名を指定します。
構成ディレクトリへのパスを指定します。
インストールディレクトリを指定します。
HADB データベースの名前を指定します。
自動検出機能を使用する場合は、次のコマンドを実行します。
# scrgadm -a -j resource -g resource_group -t SUNW.hadb \ -x Confdir_list=config_directory_list \ -x HADB_ROOT=install_directory \ -x DB_name=database_name \ -x Auto_recovery=TRUE \ -x Auto_recovery_command=command \ -x DB_password_file=password_file |
自動検出機能を使用することを指定します。
データベースの検出後に実行するコマンドを指定します。この拡張プロパティーは、Auto_recovery プロパティーの値にかかわらず任意です。
HADB がデータベースパスワードを読み取るファイルを指定します。パスワードファイルの形式と内容については、Sun Java System Application Server のマニュアルを参照してください。
自動検出コマンドとデータベースパスワードファイルは両方、各ノードのローカルファイルシステムになければなりません。
# scswitch -Z -g resource_group |
リソースとそのモニターを有効にします。
有効になっているアプリケーションリソースグループの名前を指定します。
リソースグループと HADB リソースがオンラインであることを確認します。
# scstat -g # ps -ef |
Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server EE (HADB) を正しくインストールおよび構成したことを確認するには、次のコマンドを実行します。
# hadbm status database_name --nodes |
指定したデータベースを実行中であることが出力されるはずです。
この例では、自動検出を使用した SUNW.hadb リソースの作成を示します。
この例では、リソースには次のような特徴があります。
このリソースの名前は hadb-rs です。
このリソースは、hadb-rg という名前のリソースグループのメンバーです。
このリソースは、SUNW.hadb リソースタイプのインスタンスです。この例には、このリソース型の登録はありません。
構成ディレクトリの場所は、/etc/opt/SUNWhadb/dbdef/hadb です。
インストールディレクトリの場所は、/opt/SUNWappserver7/SUNWhadb/4 です。
このリソースと関連付けられている HADB データベースインスタンスの名前は hadb です。
自動検出機能はオンになっています。
自動検出後に実行するコマンドへの完全パスは /usr/local/etc/create-session-store です。
HADB のパスワードファイルは /usr/local/etc/hadb-password-file です。
scrgadm -a -j hadb-rs -g hadb-rg -t SUNW.hadb \ -x Confdir_list=/etc/opt/SUNWhadb/dbdef/hadb \ -x HADB_ROOT=/opt/SUNWappserver7/SUNWhadb/4 \ -x DB_name=hadb \ -x Auto_recovery=true \ -x Auto_recovery_command=/usr/local/etc/create-session-store \ -x DB_password_file=/usr/local/etc/hadb-password-file |