この節の情報は、Sun Cluster Apache Tomcat HA パラメータファイルの内容について理解するために使用してください。ここでは、Sun Cluster Apache Tomcat HA パラメータファイルの構造と内容、さらに変数の選択方法について説明します。
Apache Tomcat HA は、パラメータファイルを使用して起動、停止、および検証を行う各コマンドにパラメータを渡します。このパラメータファイルは、いくつかの変数を設定する有効な Korn シェルスクリプトにする必要があります。このファイルの構造を、表 6 に示します。パラメータファイルの例は、「Sun Cluster HA for Apache Tomcat の登録と構成」を参照してください。
表 6 Apache Tomcat HA パラメータファイルの構造
変数 |
意味 |
---|---|
EnvScript |
これは、Apache Tomcat を所有するユーザー名のログインシェルによって決まる、ksh スクリプトまたは csh スクリプトです。このスクリプトは、Apache Tomcat インスタンスの起動と停止を行うために必要な Apache Tomcat 固有の環境変数を設定するために使用されます。 |
ユーザー |
Apache Tomcat インスタンスの所有者。 |
Basepath |
Basepath は、Tomcat bin ディレクトリが置かれているディレクトリの絶対パスです。通常、TOMCAT_HOME (3.x) または CATALINA_HOME (4.x) です。 |
Host |
Host 変数は、Apache Tomcat サーバープロセスの機能をテストするホストです。テストは Host: Port への接続によって実行されます。 |
Port |
Apache Tomcat がサービスを行うポート。このポートをホストと組み合わせて使用し、Apache Tomcat サーバープロセスの機能をテストします。 |
TestCmd |
この変数は、Apache Tomcat サーバープロセスの健全性を調べるためにそのプロセスに渡されるコマンドを示します。 |
ReturnString |
変数 ReturnString は、TestCmd に対する応答内に存在する必要がある文字列を示します。「Connection refused」は、Apache Tomcat サーバープロセスが稼動していない場合に応答内で使用される文字列なので、指定できません。 |
Startwait |
この変数は、Apache Tomcat の起動コマンドが完了したあと待機する時間を秒数で指定するために使用します。Apache Tomcat サーバープロセスが完全に動作可能になるまでの時間です。実際の秒数は、ハードウェアの速度と負荷によって異なります。通常は、10 秒から 20 秒の間を指定することをお勧めします。 |
表 6 内のパラメータは、任意の時点で変更できます。変更がどの時点で有効になるかが異なるだけです。
Apache Tomcat HA パラメータファイルの次のパラメータは、Apache Tomcat の起動と停止に使用されます。これらのパラメータに対する変更は、Apache Tomcat リソースを再起動するたびに、または無効にしてから有効にするたびに適用されます。
EnvScript
User
Basepath
Startwait
Apache Tomcat HA パラメータファイルの次のパラメータは、障害モニター内部で使用されます。これらのパラメータに対する変更は、Thorough_probe_interval ごとに適用されます。
Host
Port
TestCmd
ReturnString
アプリケーションの起動ページを利用し、TestCmd に get /start_page を設定します。さらに、ReturnString を起動ページに含まれる文字列に設定します。この方法で、Apache Tomcat がユーザーのアプリケーションに対してサービスを提供していることを確認できます。
Apache Tomcat のデフォルトの起動ページを使用し、TestCmd に get /default-startpage を設定します。この場合、ReturnString を起動ページに含まれる文字列に設定します。この文字列は、配備された Apache Tomcat バージョンによって異なります。3.x の場合は Tomcat home であり、4.x の場合は CATALINA です。この方法では、Apache Tomcat がデフォルトのアプリケーションにサービスを提供しているかどうかを監視します。
Apache Tomcat にテスト用のアプリケーションを配備します。(Sun Cluster Apache Tomcat エージェントには付属していません)get /startpage-of-the-application を TestCmd に設定します。この場合、ReturnString を起動ページに含まれる文字列に設定します。この方法で、Apache Tomcat がユーザーのテストアプリケーションに対してサービスを提供していることを確認できます。
上記のどの方法も適切でない場合は、get /a-page-which-does-not-exists を TestCmd に設定します。この場合は、Error Page に含まれる文字列を ReturnString に設定します。この方法では、存在しないページを配信しなければならないことが登録されるので、Apache Tomcat が動作可能かどうかを監視できます。
ブラウザで「ホスト名: ポート番号」を指定して接続し、異なるページを指定することによって、これらを評価できます。