Sun Cluster HA for Sun Grid Engine は、Sun Cluster HA for Sun Grid Engine リソースの構成と削除のプロセスを自動化するスクリプトを提供します。これらのスクリプトは、/opt/SUNWscsge/util/ ディレクトリにある sge_config ファイルから構成パラメータを取得します。Sun Cluster HA for Sun Grid Engine リソース用の構成パラメータを指定するには、sge_config ファイルを編集します。
sge_config ファイルの各構成パラメータは、キーワードと値のペアとして定義されます。sge_config ファイルには、すでに、必要なキーワードと等号記号が含まれます。詳細は、「sge_config のリスト」を参照してください。sge_config ファイルを編集するときには、各キーワードに必要な値を追加します。「構成計画に関する質問」で特定した値を使用してください。
sge_config ファイルのキーワードと値のペアは、次のとおりです。
COMMDRS=sge-commd-rs QMASTERRS=sge-qmaster-rs SCHEDDRS=sge-schedd-rs MASTERRG=sge-rg MASTERLH=sge-lh-rs MASTERPORT=portno SGE_ROOT=sge-root-dir SGE_CELL=cell-name SGE_VER=6.0|5.3
sge_config ファイルのキーワードの意味と使用できる値は、次のとおりです。
Sun Grid Engine 通信デーモン sge_commd 用のリソースに割り当てる名前を指定します。この指定が必要となるのは Sun Grid Engine 5.3 の場合だけであり、Sun Grid Engine 6.0 の場合は空のままにすることができます。
Sun Grid Engine 待ち行列マスターデーモン sge_qmaster 用のリソースに割り当てる名前を指定します。これは必須キーワードです。
Sun Grid Engine スケジューリングデーモン sge_schedd 用のリソースに割り当てる名前を指定します。これは必須キーワードです。
Sun Cluster HA for Sun Grid Engine リソースが含まれるリソースグループの名前を指定します。この名前は、「Sun Grid Engine をクラスタで実行するには」でリソースグループを作成したときに割り当てた名前である必要があります。これは必須キーワードです。
Sun Grid Engine 用の論理ホスト名リソースの名前を指定します。この名前は、「Sun Grid Engine をクラスタで実行するには」でリソースを作成したときに割り当てた名前である必要があります。これは必須キーワードです。
/etc/inet/services で sge_qmaster に構成されているポート番号を指定します (通常は 536)。この値は Sun Cluster HA for Sun Grid Engine データサービスで使用されませんが、ここに記載しておきます。この値は必須キーワードであり、整数でなければなりません。
Sun Grid Engine ファイルシステムのルートディレクトリを指定します。このディレクトリは、「ノードとディスクの準備」で作成した Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリである必要があります。これは必須キーワードです。
Sun Grid Engine が参照するセルを指定します。これは必須キーワードです。
インストールされている Sun Grid Engine 構成のバージョンを指定します。これは必須キーワードであり、値として "5.3" または "6.0" を指定します。
次の例では、sge_config ファイルの構成パラメータは次のように設定されています。
Sun Grid Engine 通信デーモン sge_commd 用のリソースの名前は、Sun Grid Engine 6.0 では不要であるため、未設定を意味する "" です。
Sun Grid Engine 待ち行列マスターデーモン sge_qmaster 用のリソースの名前は、sge_qmaster-rs です。
Sun Grid Engine スケジューリングデーモン sge_schedd 用のリソースの名前は、sge_schedd-rs です。
Sun Cluster HA for Sun Grid Engine リソースが含まれるリソースグループの名前は、 sge-rg です。
Sun Grid Engine 用の論理ホスト名リソースの名前は、sge-lh-rs です。
Sun Grid Engine ファイルシステムのルートディレクトリは、/global/gridmaster です。
Sun Grid Engine はデフォルトのセルを参照します。
ポート番号は 536 に設定されます。この番号は無視されます。
Sun Grid Engine のバージョンは 6.0 に設定されます。
COMMDRS="" QMASTERRS=sge_qmaster-rs SCHEDDRS=sge_schedd-rs MASTERRG=sge-rg MASTERLH=sge-lh-rs MASTERPORT=536 SGE_ROOT=/global/gridmaster SGE_CELL=default SGE_VER=6.0