Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理

ハートビートのプロパティーの調整

デフォルトのハートビートは、パートナーシップの作成時に作成されます。カスタムハートビートを使用する場合は、パートナーシップを作成する前にカスタムハートビートを作成するべきです。geohb set-prop コマンドを使用すると、デフォルトのハートビートまたはカスタムハートビートのプロパティーを変更できます。このコマンドについては、geohb(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

カスタムハートビートは特殊な用途向けであり、構成時には注意が必要です。使用中のシステムでカスタムハートビートを使用する必要がある場合は、Sun の技術担当者に問い合わせてください。


Query_interval プロパティーのデフォルト値を変更する場合、照会間隔が十分な長さになるようにしてください。間隔が短すぎると、論理ホスト名リソースが利用できる状態になる前にタイムアウトとハートビート喪失イベントが発生します。このようなフェイルオーバーは、ハートビート要求に対して応答がない状態が 2 回を超えない結果となるはずです。query_interval のデフォルト値を 120 秒、heartbeat.retries パラメタのデフォルトを 3 に設定すると、ピアクラスタは障害の誤報告を表示することなく 6 分間 (120 * 3 ) 応答しなくなります。

heartbeat.retries パラメタは、com.sun.cluster.agent.geocontol.xml ファイルで指定されます。

Query_interval プロパティーの遅延設定を調整する場合は、次の条件を満たすように調整するべきです。


Query_interval > worst-case logical-host failover time / 2

該当のクラスタの論理ホストフェイルオーバー時間は、経験から判断する必要があります。

障害の誤報告を防ぐには、次の条件を満たす必要があります。


Query_interval > worst-case logical-host failover time / 3

通常、heartbeat.retries 値を変更する必要はありません。heartbeat.retries プロパティーのデフォルト値を変更する場合は、ご購入先に問い合わせてください。

Procedureハートビートのプロパティーを変更する方法

手順
  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. ハートビートのプロパティーを変更します。


    # geohb set-prop -p property-setting \
    [-p...] heartbeat-name
    
    -p property-setting

    ハートビートのデフォルトのプロパティーを設定します

    ハートビートプロパティーに値を割り当てるには、name=statement のペアを使用します。複数の文を使用することで、複数のプロパティーを一度に設定できます。

    設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    heartbeat-name

    ハートビート設定の識別子を指定します

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値については、付録 B 「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geohb コマンドについては、geohb(1M) のマニュアルページを参照してください。


例 12–7 ハートビートのデフォルトのプロパティーの変更

次に、cluster-pariscluster-newyork 間のデフォルトのハートビートの設定を変更する例を示します。


# geohb set-prop -p Query_interval=60 hb_cluster-paris~cluster-newyork