Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理

第 6 章 Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアによるデータ複製

データ複製中、主クラスタのデータはバックアップクラスタまたは二次クラスタにコピーされます。二次クラスタは、主クラスタから地理的に離れていてもかまいません。この距離は、使用しているデータ複製製品がサポートする距離に依存します。

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 リモートミラーソフトウェアによるデータ複製をサポートします。Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアを使用してデータを複製するためには、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 のマニュアルによく目を通し、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 製品と最新の Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 パッチを、使用しているシステムにインストールする必要があります。Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアと最新のパッチをインストールする方法については、『Sun StorEdge Availability Suite 3.2 ソフトウェアインストールマニュアル』を参照してください。

この章では、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアを使用してデータ複製を構成する手順について説明します。この節の内容は次のとおりです。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループ内のデータを複製する作業の概要

この節では、保護グループにおける Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製を構成する手順を要約します。

表 6–1 Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製の管理作業

作業 

説明 

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアの初期構成を実行します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアの初期構成」を参照してください。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製が行えるように構成した保護グループを作成します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループを作成して構成する方法」を参照してください。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 が制御するデバイスグループを追加します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループにデータ複製デバイスグループを追加する方法」を参照してください。

保護グループにアプリケーションリソースグループを追加します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループにアプリケーションリソースグループを追加する方法」を参照してください。

保護グループの構成を二次クラスタに複製します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループ構成をパートナークラスタに複製する方法」を参照してください。

保護グループを有効にします。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループを有効にする方法」を参照してください。

保護グループ構成を検証します。 

システムをオンラインにする前に、スイッチオーバーまたはテイクオーバーを試行し、単純な障害ケースをいくつかテストします。第 8 章「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製を使用するサービスの移行」を参照してください。

複製の実行時状態を検査します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製の実行時状態の検査」を参照してください。

障害を検出します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製を使用するシステム上でのクラスタの障害の検出」を参照してください。

スイッチオーバーを使用してサービスを移行します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用するサービスをスイッチオーバーで移行する」を参照してください。

テイクオーバーを使用してサービスを移行します。 

「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用するシステム上での強制テイクオーバー」を参照してください。

テイクオーバーの強制実行のあと、データを回復します 

「テイクオーバー後の Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データの回復」を参照してください。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 データ複製の概要

この節では、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 リソースグループの概要を示し、3 つ以上のノードから構成されるクラスタ上で Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用して複製を実施する場合の主な制限事項について説明します。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 軽量リソースグループ

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 で制御されるデバイスグループが保護グループに追加されることがあります。この場合、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、デバイスグループごとに軽量リソースグループを作成します。軽量リソースグループの名前の書式は次のとおりです。

AVS-device-group-name-stor-rg

たとえば、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアで制御される avsdg というデバイスグループの場合、avsdg-stor-rg という軽量リソースグループが作成されます。

軽量リソースグループは、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 リモートミラーソフトウェアを使用したデータ複製に必要な論理ホストとデバイスグループを配置します。

各軽量リソースグループには次の 2 つのリソースが含まれます。

軽量リソースグループについては、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 のマニュアルを参照してください。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 複製リソースグループ

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアで制御されるデバイスグループを保護グループに追加すると、軽量リソースグループのほかに、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによってそのデバイスグループ用の特殊な複製リソースが複製リソースグループに作成されます。これらの複製リソースグループを監視することにより、複製の全体的な状態を監視できます。各保護グループには、複製リソースを 1 つ持つ複製リソースグループが 1 つ作成されます。

複製リソースグループの名前の書式は次のとおりです。

AVS-protection-group-name-rep-rg

複製リソースグループ内の複製リソースは、ローカルクラスタ上のデバイスグループの複製状態を監視します。その結果は、 Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 リモートミラーソフトウェアによって報告されます。

複製リソースの名前の書式は次のとおりです。

AVS-device-group-name-rep-rs

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアの初期構成

この節では、Sun Cluster Geographic Edition 製品内で Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 による複製を構成する前に行う必要がある当初の作業について説明します。

この節では、 2 つのクラスタ cluster-pariscluster-newyork からなるパートナーシップに対して構成される、保護グループ avspg の例を使用します。apprg1 リソースグループ内にカプセル化されたアプリケーションは、avspg 保護グループによって保護されます。アプリケーションデータは、avsdg デバイスグループ内のボリュームに保持されます。これらのボリュームは、Solaris ボリュームマネージャーボリューム、VERITAS Volume Manager ボリューム、または raw デバイスボリュームのいずれかです。

リソースグループ apprg1 とデバイスグループ avsdg は、cluster-pariscluster-newyork のどちらのクラスタ上にも存在します。avspg によるアプリケーションデータの保護は、cluster-pariscluster-newyork 間のデータ複製を通して行われます。


注 –

デバイスグループを個別に複製するには、論理ホストがローカルクラスタ上とパートナークラスタ上に 1 つずつ必要です。


Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは、クラスタタグ内でスラッシュ (/) を使用することはできません。raw DID デバイスを使用している場合、あらかじめ定義された DID デバイスグループ名 (dsk/s3 など) を使用することはできません。

raw デバイスグループに DID を使用する場合は、次の作業を行なってください。

Sun StorEdge Availability Suite ボリュームセット

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームセットを定義するには、次のものを決定する必要があります。

volset ファイルは、保護グループの主クラスタおよび二次クラスタに含まれる全ノード上に /var/cluster/geo/avs/device-group-name-volset.ini という名前で作成されます。たとえば、デバイスグループ avsdgvolset ファイルは、/var/cluster/geo/avs/avsdg-volset.ini です。

次の表では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアで処理されるボリュームセットファイルのフィールドについて説明します。ボリュームセットのその他のパラメタ (ディスクキュー、メモリーキューのサイズ、非同期スレッドの数など) は、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは処理されません。これらのパラメタは、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 コマンドで手動で調整する必要があります。

フィールド 

意味 

説明 

phost

主ホスト 

主ボリュームが存在するサーバーの論理ホスト。 

pdev

主デバイス 

主ボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 

pbitmap

主ビットマップ 

主パーティションのビットマップが格納されるボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 

shost

二次ホスト 

二次ボリュームが存在するサーバーの論理ホスト。 

sdev

二次デバイス 

二次ボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 

sbitmap

二次ビットマップ 

二次パーティションのビットマップが格納されるボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 

ip

ネットワーク転送プロトコル 

IP を指定します。 

sync | async

動作モード 

sync モードでは、二次クラスタ上のボリュームが更新されるまで、入出力操作が完了したとは見なされません。

async モードでは、二次クラスタ上のボリュームが更新される前に、主ホストの入出力操作が完了したと見なされます。

g io-groupname

入出力グループ名 

入出力グループ名は、文字 g を使用して指定できます。このセットは、主クラスタおよび二次クラスタ両方の上の同じ入出力グループ内に構成する必要があります。

C タグ 

ボリューム名からデバイスグループ名が判断できない場合、ローカルデータおよびビットマップボリュームのデバイスグループ名またはリソースタグを指定します。たとえば、/dev/md/avsset/rdsk/vol からは、デバイスグループ名が avsset であることがわかります。また、/dev/vx/rdsk/avsdg/vol からは、デバイスグループ名が avsdg であることがわかります。

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 パラメタの値は変更されません。このソフトウェアでは、スイッチオーバーとテイクオーバーの操作中に、ボリュームセットの役割が制御されるだけです。

ボリュームセットファイルの書式については、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 のマニュアルを参照してください。

Procedureraw デバイスグループで DID を使用する

手順
  1. あらかじめ定義されている DID デバイスグループから、使用する DID をすべて削除します。

  2. スラッシュを含まない名前を持つ raw デバイスグループにそれらの DID を追加します。

  3. このグループ名をパートナーシップの各クラスタ上に作成します。各クラスタで同じ DID を使用することができます。

  4. デバイスグループ名が必要な場合には、この新しい名前を使用してください。

ProcedureSun Cluster で Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームを構成する方法

この手順では、Sun Cluster で Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームを構成する例を示します。これらのボリュームは、Solaris ボリュームマネージャーボリューム、VERITAS Volume Manager ボリューム、または raw デバイスボリュームのいずれかです。

ボリュームは、Sun Cluster のデバイスグループレベルでカプセル化されます。Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアは、このデバイスグループインタフェースを介して、Solaris ボリュームマネージャーディスクセット、VERITAS Volume Manager ディスクグループ、または raw デバイスと対話します。ボリュームのパスは、次の表に示すように、ボリュームタイプによって異なります。

ボリュームタイプ 

パス 

Solaris ボリュームマネージャー 

/dev/md/diskset-name /rdsk/d# (# は 1 桁の数字)

VERITAS Volume Manager 

/dev/vx/rdsk/disk-group-name /volume-name

raw デバイス 

/dev/did/rdsk/d#s#

手順
  1. Solaris ボリュームマネージャーまたはディスクグループ avsdg のどちらか、VERITAS Volume Manager、または cluster-pariscluster-newyork 上の raw デバイスのどちらかを使用し、ディスクセット avsset を作成します。

    たとえば、raw デバイスを使用してボリュームを構成する場合は、cluster-pariscluster-newyork 上の raw デバイスグループ dsk/d3 を選択します。

  2. cluster-paris 上のディスクセットまたはディスクグループ内にボリュームを 2 つ作成します。

    システムがロギングモードの場合、Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアはデータボリュームの変更を追跡するため、データボリュームごとに専用のビットマップボリュームを必要とします。

    raw デバイスを使用してボリュームを構成する場合は、cluster-paris 上のデバイス /dev/did/rdsk/d3 に、/dev/did/rdsk/d3s3/dev/did/rdsk/d3s4 の 2 つのパーティションを作成します。

  3. cluster-newyork 上のディスクセットまたはディスクグループ内にボリュームを 2 つ作成します。

    raw デバイスを使用してボリュームを構成する場合は、cluster-paris 上のデバイス /dev/did/rdsk/d3 に、/dev/did/rdsk/d3s5/dev/did/rdsk/d3s6 の 2 つのパーティションを作成します。

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームセットの有効化

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームセットは、次の 2 つの方法で有効にできます。

Solaris ボリュームマネージャーボリュームセットの自動的な有効化

この例では、主クラスタを cluster-paris、Solaris ボリュームマネージャーディスクセットを含むデバイスグループを avsset と想定します。


例 6–1 Solaris ボリュームマネージャーボリュームセットの自動的な有効化

この例では、/var/cluster/geo/avs/avsset-volset.ini に次のエントリが入っていると想定します。


logicalhost-paris-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 
logicalhost-newyork-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 
ip async g - C avsset

avsset-volset.ini ファイルには、次のエントリがあります。

このサンプル構成ファイルに定義されているボリュームセットは、このファイル内に指定されているビットマップボリュームと論理ホスト名を使用して、cluster-parisd100cluster-newyorkd100 に複製します。


VERITAS Volume Manager ボリュームセットの自動的な有効化

この例では、主クラスタを cluster-paris、VERITAS Volume Manager ディスクグループを含むデバイスグループを avsdg と想定します。


例 6–2 VERITAS Volume Manager ボリュームセットの自動的な有効化

この例では、/var/cluster/geo/avs/avsdg-volset.ini ファイルに次のエントリが入っていると想定します。


logicalhost-paris-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris \
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-paris 
logicalhost-newyork-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-newyork \
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-ny 
ip async g - C avsdg

avsdg-volset.ini ファイルには、次のエントリがあります。

このサンプル構成ファイルに定義されているボリュームセットは、cluster-parisvol-data-pariscluster-newyorkvol-data-newyork に複製します。このボリュームセットは、ファイル内に指定されているビットマップボリュームと論理ホスト名を使用します。


raw デバイスボリュームセットの自動的な有効化

この例では、主クラスタを cluster-paris、raw デバイスディスクグループ /dev/did/rdsk/d3 を含むデバイスグループの名前を rawdg と想定します。


例 6–3 raw デバイスボリュームセットの自動的な有効化

この例では、/var/cluster/geo/avs/avsdg-volset.ini ファイルに次のエントリが入っていると想定します。


logicalhost-paris-1 /dev/did/rdsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s4 
logicalhost-newyork-1 /dev/did/rdsk/d3s5 /dev/did/rdsk/d3s6 
ip async g - C rawdg

そして、rawdg-volset.ini ファイルには次のエントリがあるとします。

このサンプル構成ファイルに定義されているボリュームセットは、cluster-parisd3s3cluster-newyorkd3s5 に複製します。このボリュームセットは、ファイル内に指定されているビットマップボリュームと論理ホスト名を使用します。


ボリュームセットの手動による有効化

保護グループ avspg にデバイスグループを追加したところで、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームセットを手動で有効にすることができます。


例 6–4 Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ボリュームセットの手動による有効化

次に、Solaris ボリュームマネージャーボリュームセットを手動で有効にする例を示します。


phys-paris-1# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \
/dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 \
logicalhost-newyork-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 \
/dev/md/avsset/rdsk/d101 ip async C avsset


例 6–5 VERITAS Volume Manager ボリュームセットの手動による有効化

次に、VERITAS Volume Manager ボリュームセットを手動で有効にする例を示します。


phys-paris-1# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-paris 
logicalhost-newyork-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-newyork 
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-newyork ip async C avsdg


例 6–6 raw デバイスボリュームセットの手動による有効化

次に、raw デバイスボリュームセットを手動で有効にする例を示します。


phys-paris-1# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 
/dev/did/rdsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s4 logicalhost-newyork-1 /dev/did/rdsk/d3s5 
/dev/did/rdsk/d3s6 ip async C dsk/d3

sndradm コマンドの実行に関する情報は、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ログファイル /var/opt/SUNWesm/ds.log に出力されます。ボリュームセットを手動で有効にする過程でエラーが発生した場合は、このファイルを参照してください。

ProcedureSun StorEdge Availability Suite 3.2.1 で制御される Sun Cluster デバイスグループを構成する方法

Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 ソフトウェアは、Solaris ボリュームマネージャー、VERITAS Volume Manager、および raw デバイスボリュームをサポートします。

手順
  1. 複製するボリュームセットを含むデバイスグループが Sun Cluster に登録されていることを確認します。

    これらのコマンドについては、scsetup(1M) または scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

  2. VERITAS Volume Manager デバイスグループを使用している場合は、Sun Cluster コマンドの 1 つ (scsetup または scconf) を使用して VERITAS Volume Manager 構成を同期させます。

  3. デバイスグループの構成後、scstat -D コマンドを実行すると、その出力に構成内容が表示されます。

    このコマンドの詳細については、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. cluster-pariscluster-newyork の両方で、手順 1 〜 3 を繰り返します。

ProcedureSun StorEdge Availability Suite 3.2.1 用の高可用性クラスタグローバルファイルシステムを構成する方法

手順
  1. 前の手順で作成したボリュームセット vol-data-paris 上に、必要なファイルシステムを作成します。

    アプリケーションは、このファイルシステムに書き込みを行います。

  2. マウント位置などの情報を含む /etc/vfstab ファイルにエントリを追加します。


    注 –

    このファイル内の mount at boot フィールドの値は no に設定する必要があります。この値を設定することによって、クラスタの起動時、ファイルシステムは二次クラスタにマウントされないようになります。代わりに、Sun Cluster ソフトウェアと Sun Cluster Geographic Edition フレームワークは、主クラスタ上でアプリケーションがオンラインになる場合に HAStoragePlus リソースを使用してファイルシステムをマウントします。二次クラスタにはデータをマウントしないでください。二次クラスタにデータをマウントすると、主クラスタ上のデータは二次クラスタに複製されなくなります。この方法以外では、主クラスタから二次クラスタへのデータ複製は行われません。


  3. 新しいファイルシステムを処理するには、アプリケーションリソースグループ apprg1HAStoragePlus リソースを追加します。

    このリソースを追加することで、必要なファイルシステムがアプリケーションの起動前に再マウントされます。

    HAStoragePlus リソースタイプについての詳細は、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』を参照してください。

  4. cluster-pariscluster-newyork の両方で、手順 1 〜 3 を繰り返します。


例 6–7 Solaris ボリュームマネージャーボリューム用の高可用性クラスタグローバルファイルシステムの構成

この例では、リソースグループ apprg1 がすでに存在すると仮定します。

  1. UNIX ファイルシステム (UFS) を作成します。


    phys-paris-1# newfs /dev/md/avsset/rdsk/d100
  2. /etc/vfstab ファイル内に、次のようにエントリが作成されます。


    /dev/md/avsset/dsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d100 
    /global/sample ufs 2 no logging
  3. HAStoragePlus リソースを追加します。


    phys-paris-1# scrgadm -a -j rs-hasp -g apprg1 -t SUNW.HAStoragePlus 
    -x FilesystemMountPoints=/global/sample -x AffinityOn=TRUE 


例 6–8 VERITAS Volume Manager ボリューム用の高可用性クラスタグローバルファイルシステムの構成

この例では、apprg1 リソースグループがすでに存在すると仮定します。

  1. UNIX ファイルシステム (UFS) を作成します。


    phys-paris-1# newfs /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris
  2. /etc/vfstab ファイル内に、次のようにエントリが作成されます。


    /dev/vx/dsk/avsdg/vol-data-paris /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris 
    /global/sample ufs 2 no logging
  3. HAStoragePlus リソースを追加します。


    phys-paris-1# scrgadm -a -j rs-hasp -g apprg1 -t SUNW.HAStoragePlus 
    -x FilesystemMountPoints=/global/sample -x AffinityOn=TRUE 


例 6–9 raw デバイスボリューム用の高可用性クラスタグローバルファイルシステムの構成

この例では、apprg1 リソースグループがすでに存在すると仮定します。

  1. UNIX ファイルシステム (UFS) を作成します。


    phys-paris-1# newfs /dev/did/rdsk/d3s3
  2. /etc/vfstab ファイル内に、次のようにエントリが作成されます。


    /dev/did/dsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s3 
    /global/sample ufs 2 no logging
  3. HAStoragePlus リソースを追加します。


    phys-paris-1# scrgadm -a -j rs-hasp -g apprg1 -t SUNW.HAStoragePlus 
    -x FilesystemMountPoints=/global/sample -x AffinityOn=TRUE