スイッチオーバーを行うには、主クラスタと二次クラスタ間のデータ複製が有効になっている必要があります。また、これら 2 つのクラスタ上のデータボリュームが同期している必要があります。
主クラスタから二次クラスタへ保護グループのスイッチオーバーを行うには、次の条件が満たされている必要があります。
両方のクラスタで Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアが起動し、動作している。
二次クラスタがパートナーシップのメンバーである。
両方のクラスタパートナーが互いに到達可能である。
保護グループの全体的な状態が OK になっている。
クラスタノードの 1 つにログインします。
この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。
スイッチオーバーを開始します。
スイッチオーバーでは、保護グループに属するアプリケーションリソースグループの停止と起動が行われます。
# geopg switchover [-f] -m new-primary-cluster protection-group-name |
ユーザーに確認することなく、強制的にコマンドを実行します
保護グループの主クラスタにするクラスタの名前を指定します。
保護グループの名前を指定します
次に、二次クラスタにスイッチオーバーする例を示します。
# geopg switchover -f -m cluster-newyork avspg |
geopg switchover コマンドを実行すると、ソフトウェアにより、デバイスグループと関連付けられているボリュームセットの状態が replicating になっているかが確認されます。その後、元の主クラスタに対して、次の処理が実行されます。
保護グループ内のすべてのアプリケーションリソースグループと内部リソースグループ (軽量リソースグループなど) 間のアフィニティーとリソースの依存関係を削除します
アプリケーションリソースグループをオフラインにし、unmanaged 状態にします
書き込みが完了するまで待機します
保護グループ内のデバイスグループに対応する主ボリュームのマウントを解除します
すべてのボリュームセットをロギングモードにして、データ複製を停止します
すべてのボリュームセットの役割を逆転させます
元の二次クラスタでは、同じコマンドによって次の処理が行われます。
すべてのボリュームセットをロギングモードにします
すべてのボリュームセットの役割を逆転させます
自動同期機能を有効にして更新同期を行い、データ複製を開始します
RoleChange_ActionCmd プロパティーに定義されているスクリプトを実行します
すべてのアプリケーションリソースグループをオンラインにし、アプリケーションリソースグループと内部リソースグループ (軽量リソースグループなど) 間にアフィニティーを追加します
コマンドが正常に実行された場合、二次クラスタ cluster-newyork が保護グループの新しい主クラスタになります。元の主クラスタ cluster-paris は新しい二次クラスタになります。ローカルクラスタ上の保護グループの役割に従って、保護グループのデバイスグループと関連付けられているボリュームセットの役割が逆転します。新しい主クラスタのアプリケーションリソースグループがオンラインになります。新しい主クラスタから新しい二次クラスタへのデータ複製が開始されます。
このコマンドは、それまでの操作のうち 1 つでも失敗したものがあると、エラーを返します。個々のコンポーネントの状態を表示するには、geoadm status コマンドを実行します。失敗の原因によっては、保護グループの Configuration の状態が Error に設定されることがあります。保護グループは、有効になっている場合と無効になっている場合があります。
保護グループの Configuration の状態が Error に設定されている場合は、「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループを検証する方法」の手順に従って、保護グループを再評価します。
個々のパートナークラスタ上で保護グループの構成が一致していない場合は、「Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 保護グループを再同期させる方法」の手順に従って、構成を再同期させる必要があります。