geohb(1M)

名前 | 形式 | 説明 | サブコマンド | オプション | 詳細説明 | 終了状態 | 属性 | 参照

名前

geohb– ハートビートメカニズムの構成と管理を行う

形式

新しいプラグインのハートビートへの関連付け。

geohb add-plugin heartbeat-name plugin-name --property property-setting [--property...]
geohb add-plugin heartbeat-name plugin-name -p property-setting [-p...]


ハートビートメカニズムの作成。

geohb create heartbeat-name --remote-cluster cluster-list [- -property property-setting] [- -property...]
geohb create heartbeat-name -r cluster-list [-p property-setting] [-p...]


ハートビートの削除。

geohb delete heartbeat-name


ハートビート構成の出力。

geohb list heartbeat-name ...


ハートビートまたはハートビートプラグイン上の構成の変更。

geohb modify-plugin heartbeat-name plugin-name --property property-setting [--property...]
geohb modify-plugin heartbeat-name plugin-name -p property-setting [-p...]


ハートビートプラグインの削除。

geohb remove-plugin heartbeat-name plugin-name


ハートビートのプロパティーの変更。

geohb set-prop heartbeat-name --property property-setting [--property...]
geohb set-prop heartbeat-name [-p property-setting] [-p...]


バージョン情報の出力。

geohb --version
geohb -V


ヘルプ情報の表示。

geohb --help
geohb -?

説明

geohb コマンドを使用すると、ハートビートメカニズムの構成と管理を行うことができます。

ハートビートとは、2 つのクラスタ、つまり要求側クラスタと応答側クラスタの間のモニターです。パートナーシップを作成することで、1 方向に 1 つ、2 つのハートビートが確立されます。たとえば、主クラスタ cluster-paris と二次クラスタ cluster-newyork 間のパートナーシップには、2 つのハートビートが含まれます。一方のハートビートには、クラスタ cluster-paris が要求側として記録され、クラスタ cluster-newyork が応答側として記録されます。他方のハートビートには、クラスタ cluster-newyork が要求側として記録され、クラスタ cluster-newyork が応答側として記録されます。

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、主ソースである TCP/UDP プラグインとバックアップである ping プラグインに基づく、デフォルトのハートビートメカニズムを提供しています。geohb コマンドを使用すると、ハートビートの構成と維持を行うことができます。たとえば、次のような作業を行えます。

• パートナーシップに参加するクラスタ間のハートビートの構成。ハートビートの構成には、関連するプラグインの構成が含まれます。

• ハートビート設定の作成または削除。

• ハートビート設定に関連付けられたプラグインの追加、変更、および削除。

• ハートビートおよびそれに関連付けられたプラグインの現在の構成の取得。

geohb コマンドは、パートナーシップに対して有効になっているクラスタ上で使用します。

geohb コマンドを使用してハートビートメカニズムの構成と管理を行うには、コマンド実行者に、適切な、役割に基づくアクセス制御 (Role-Based Access Control、BAC) 権利のプロファイルが割り当てられている必要があります。

ルートアクセス権を持っている場合は、あらゆる処理を行う権限があります。ルートアクセス権を持っていない場合は、次の RBAC 権が適用されます。

• 基本的な Solaris ユーザー。Sun Cluster Geographic Edition エンティティーについての情報は、geopg list、geohb list、geops list などのコマンドを使用して確認できます。

• Geo 管理。「基本的な Solaris ユーザー」アクセス権を持つユーザーに認められているあらゆる読み取り処理が行えます。また、geohb add-plugin、geopg switchover、geoadm start、geoadm stop などの管理作業や構成作業も行えます。

詳細については、rbac(5) のマニュアルページと『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

paris-to-newyork という名前のハートビートを作成するには、次のコマンドを使用します。

# geohb create paris-to-newyork -r cluster-newyork

command1 という名前のハートビートプラグインを作成するには、次のコマンドを使用します。

# geohb add-plugin -p Query_comd=/usr/bin/hb/ command1 paris-to-newyork

サブコマンド

サブコマンドは、コマンドにより実行されるアクションを指定します。コマンド行で指定できるサブコマンドは 1 つだけです。

サポートされるサブコマンドには次のものがあります。

add-plugin

ハートビートとプラグインを関連付けます。カスタムプラグインを指定する場合は、Query_cmd プロパティーを使用してカスタムプラグインコマンドへのパスも指定する必要があります。

create

ハートビートを作成します。ハートビートの状態を監視するには、geoadm(1M) コマンドを使用します。ハートビートを動作させるには、リモートクラスタを構成する必要があります。

delete

ハートビートを削除します。

list

既存の構成情報を表示します。

modify-plugin

ハートビートプラグインのプロパティーを変更します。

remove-plugin

ハートビートプラグインを削除します。

set-prop

ハートビートプロパティーを変更します。

オプション

次のオプションがサポートされています。

heartbeat-name

ローカルクラスタ上のハートビート設定に識別子を指定します。新しいハートビートを作成しようとして、指定した識別子がすでに存在する場合、geohb create コマンドは失敗します。

-p property-setting | --property property-setting

ハートビートまたはハートビートプラグインのプロパティーを指定します。

ハートビートプロパティーに値を割り当てるには、name=statement ペアを使用します。複数の文を使用することで、複数のプロパティーを一度に設定できます。

これらのプロパティーの値は作成時に割り当てられ、実行時にチューニング可能です。

現在定義されているプロパティーについては、詳細説明の節を参照してください。

plugin-name

ハートビートプラグインの名前を指定します。

-r cluster-list | --remote-cluster cluster-list

ローカルクラスタがハートビート監視を確立する必要がある相手のリモートクラスタの名前を指定します。

-V | --version

バージョン情報を表示します。このオプションにより、後続の引数の解釈が停止されます。

-? | --help

ヘルプ情報を表示します。このオプションにより、後続の引数の解釈が停止されます。

一部のシェルでは、疑問符は特別な文字として解釈される場合があります。引用符 (-"?") またはエスケープ文字を使用して、パターンマッチングを回避します。

詳細説明

次の節では、ハートビートとハートビートプラグインのプロパティーを説明します。

ハートビートのプロパティー

次のハートビートのプロパティーを指定できます。

Query_interval

ハートビート状態要求間の遅延を秒単位で指定します。応答がないまま 3 つの Query_interval 期間が経過すると、プラグインは emergency モードとなります。応答がないままさらに Query_interval 期間が経過すると、プラグインはタイムアウトとなり、error モードとなります。

オプションのプロパティーです。

タイプ: 整数型。

チューニングの推奨事項: このプロパティーの値は作成時に割り当てられ、実行時に調整ができます。

デフォルト値 : 120 秒。

ハートビートプラグインのプロパティー

ハートビートプラグインのプロパティーは、ハートビートがどのように機能するかを決定します。

Plugin_properties

プラグインに固有のプロパティー文字列を指定します。

オプションのプロパティーです。

タイプ: 文字列型。

チューニングの推奨事項: このプロパティーの値は作成時に割り当てられ、実行時に調整ができます。

デフォルト値 : なし。ただしデフォルトのハートビートプラグイン tcp_udp_plugin と ping-plugin を使用するハートビートを除く。

tcp_udp_plugin プラグインの場合、この文字列の形式は、「remote_IP_address /UDP/8765[[/ipsec]],remote_IP_address/TCP/8765[[/ipsec]]」と事前に定義されています。remote_IP_address 引数はパートナークラスタの IP アドレスを指定します。オプションの /ipsec 文字列は、プラグインが IPsec を使用することを示しています。

ping-plugin の場合、この文字列の形式は、「remote_IP_address」と事前に定義されています。remote_IP_address はパートナークラスタの IP アドレスを指定します。

Query_cmd

ハートビート状態要求を行うコマンドのパスを指定します。

プラグインが事前に定義されたプラグインを指定していない場合、必須プロパティーです。

タイプ: 文字列型。

チューニングの推奨事項: このプロパティーの値は作成時に割り当てられ、実行時に調整ができます。

デフォルト値 : 必要ない

Requester_agent

要求元エージェントへの絶対パスを指定します。

オプションのプロパティーです。

タイプ: 文字列型。

チューニングの推奨事項: デフォルトプラグイン用のこのプロパティーの値は、テスト目的以外には調整しないでください。

デフォルト値 : 必要ない

Responder_agent

応答側エージェントへの絶対パスを指定します。

オプションのプロパティーです。

タイプ: 文字列型。

チューニングの推奨事項: デフォルトプラグイン用のこのプロパティーの値は、テスト目的以外には調整しないでください。

デフォルト値 : 必要ない

Type

プラグインのタイプを指定します。Primary または Backup のいずれかに設定します。

必須プロパティーです。

タイプ: 列挙型。

チューニングの推奨事項: このプロパティーの値は作成時に割り当てられ、実行時に調整ができます。

デフォルト値 : なし。ただしデフォルトのハートビート名 ping_plugin を持つハートビートを除く。この場合、デフォルト値は Backup です。

終了状態

次の終了値が返されます。

0

コマンドは正常に実行され、リモートクラスタが有効であることを示しています。

0 以外

エラーが発生し、リモートクラスタがハートビートチェックに応答しなかったことを意味しています。

属性

次の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。

属性タイプ	属性値
アーキテクチャー	SPARC
使用可能	SUNWscgctl
インタフェースの安定性	発展中

参照

rbac(5)、geops(1M)

Sun Cluster Geographic Edition 3.1 8/05  最終更新日 2005 年 8 月

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