アプリケーションの実行中、サンプリングコレクタは、動作データを収集して、それを実験と呼ばれるファイルに書き込みます。
動作データを収集する場合、次のものを定義することができます。
実験データを書き込むディレクトリとファイルの名前。
データの標本を収集する期間。
収集するデータの型。
最善の結果を得るために、-g オプションを使用してアプリケーションをコンパイルする必要があります。このオプションを使用すると、コンパイラは、より詳細な情報を提供してコレクタに収集させることができます。
詳細については、Sun WorkShop オンラインヘルプのパフォーマンスデータの収集に関する項目、および『プログラムのパフォーマンス解析』マニュアルを参照してください。
この章は次の各節から構成されています。
データを収集するにあたっては、実行時検査をオフにしておく必要があります。
一連のコレクタコマンドを、パフォーマンスデータの収集に使用できます。
collector sample mode continuous collector sample mode manual
マルチスレッドを使用しないアプリケーションでは、実行中にプロファイルをオンにし、適切な位置でそれをオフにすることによって、コードの指定領域についてのプロファイルを得ることができます。すべての実行中にプロファイルをオンにできない制約がある場合は、次のようにして、指定領域のコードのプロファイルを獲得することができます。
マルチスレッドアプリケーションもデータ収集がサポートされています。マルチスレッド収集では、次のようないくつかの制約と限界があります。
共有ライブラリの初期化セクションで実行されるコードについての情報を収集することはできません (a.out は可能です)。
プロファイルには、いくつかの制約があります。
Solaris 2.5、2.6 または 7 でのみサポートされています。
実行中にプロファイルを開始することはできません。プロファイルは、最初から開始する必要があります。ただし、プロファイルを実行中に無効にして、再度有効にすることはできます。
実行中にプロファイルタイマーを変更することはできません。
collectormt
collector collector_commands
データの収集を停止するには、次のいずれかのコマンドを使用します。
collector sample mode off quit
1 つまたは複数のカテゴリの設定を表示するには、次のように入力します。
collector show options
オプションなし |
すべての設定を表示します。 |
profile |
プロファイルの設定を表示します。 |
sample |
標本の設定を表示します。 |
store |
ストアに関する設定を表示します。 |
working_set |
ワーキングセットの設定を表示します。 |
collector show
プロファイルオプションを指定するには、次のように入力します。
collector profile options
mode stack|pc_only|off |
プロファイルデータ収集モードを指定します。 |
timer milliseconds |
パフォーマンスデータの収集を停止します。 |
collector profile mode stack
1 つまたは複数の標本オプションを指定するには、次のように入力します。
collector sample options
mode continuous|manual|off |
データ収集モードを指定します。 |
timer milliseconds |
データ収集期間を指定します。 |
collector sample timer 20
現在の実験に関する状態を照会するには、次のように入力します。
collector status
格納された実験のディレクトリ名またはファイル名を検索するには、次のように入力します。
collector store options
directory string |
実験が格納されているディレクトリを指定します。 |
filename string |
実験ファイル名を指定します。 |
collector store directory “.test.z.er”
ワーキングセットオプションを指定するには、次のように入力します。
collector working_set options
mode on|off |
データ収集モードを指定します。 |
collector working_set mode off