dbx コマンドによるデバッグ

第 15 章 データの収集

アプリケーションの実行中、サンプリングコレクタは、動作データを収集して、それを実験と呼ばれるファイルに書き込みます。

動作データを収集する場合、次のものを定義することができます。

最善の結果を得るために、-g オプションを使用してアプリケーションをコンパイルする必要があります。このオプションを使用すると、コンパイラは、より詳細な情報を提供してコレクタに収集させることができます。

詳細については、Sun WorkShop オンラインヘルプのパフォーマンスデータの収集に関する項目、および『プログラムのパフォーマンス解析』マニュアルを参照してください。

この章は次の各節から構成されています。

サンプリングコレクタの使用

データを収集するにあたっては、実行時検査をオフにしておく必要があります。

一連のコレクタコマンドを、パフォーマンスデータの収集に使用できます。

データの収集を開始するには、次のいずれかを使用します。


collector sample mode continuous
collector sample mode manual

プロファイル

マルチスレッドを使用しないアプリケーションでは、実行中にプロファイルをオンにし、適切な位置でそれをオフにすることによって、コードの指定領域についてのプロファイルを得ることができます。すべての実行中にプロファイルをオンにできない制約がある場合は、次のようにして、指定領域のコードのプロファイルを獲得することができます。

プログラムが実行を開始すると、
これを設定することはできません。

アプリケーション全体のプロファイル
は要求しないでください。

これは、プログラムの実行前に設定
されているため問題ありません。
collector sample mode [ manual | continuous ]
collector profile mode [ pc_only | stack ]
stop in main
run
collector profile mode off 
....

# プロファイルを行いたい所に到達したら

collector profile mode [ pc_only | stack ]
....
# プロファイルを終わらせたい所に到達したら

collector profile mode off

マルチスレッドアプリケーションについてのデータの収集

マルチスレッドアプリケーションもデータ収集がサポートされています。マルチスレッド収集では、次のようないくつかの制約と限界があります。

マルチスレッド収集を行うには、次のように入力します。


collectormt

コマンド参照

コマンドの構文は次のとおりです。


collector collector_commands

データの収集を停止するには、次のいずれかのコマンドを使用します。


collector sample mode off
quit

1 つまたは複数のカテゴリの設定を表示するには、次のように入力します。


collector show options

options には、次のいずれかを指定できます。

オプションなし 

すべての設定を表示します。 

profile

プロファイルの設定を表示します。 

sample

標本の設定を表示します。 

store

ストアに関する設定を表示します。 

working_set

ワーキングセットの設定を表示します。 

例 :


collector show

プロファイルオプションを指定するには、次のように入力します。


collector profile options

options には、次のいずれかを指定できます。

mode stack|pc_only|off

プロファイルデータ収集モードを指定します。 

timer milliseconds

パフォーマンスデータの収集を停止します。 

例 :


collector profile mode stack

1 つまたは複数の標本オプションを指定するには、次のように入力します。


collector sample options

options には、次のいずれかを指定できます。

mode continuous|manual|off

データ収集モードを指定します。 

timer milliseconds

データ収集期間を指定します。 

例 :


collector sample timer 20

現在の実験に関する状態を照会するには、次のように入力します。


collector status

格納された実験のディレクトリ名またはファイル名を検索するには、次のように入力します。


collector store options

options には、次のいずれかを指定できます。

directory string

実験が格納されているディレクトリを指定します。 

filename string

実験ファイル名を指定します。 

例 :


collector store directory “.test.z.er”

ワーキングセットオプションを指定するには、次のように入力します。


collector working_set options

options には、次のいずれかを指定できます。

mode on|off

データ収集モードを指定します。 

例 :


collector working_set mode off