dbx コマンドによるデバッグ

はじめに

ild はリンクエディタ ld の増補版で、ld の代替としてプログラムのリンクに使用されます。ild を使用すると、開発シーケンス (編集、コンパイル、リンク、デバッグループ) を効率的に進めることができ、標準のリンカーを使用するよりも作業時間を短縮できます。また、「修正継続機能 (fixcontinue)」を使用すれば、再リンク作業を完全に排除することもできます。dbx の機能の 1 つである修正継続機能 (fixcontinue) によって、再リンクの不要な作業が実現します。しかし、再リンクが必要になっても、ild を使用していればプロセスを短時間で終了できます。

ild は、未修正のオブジェクトファイルを再リンクしなくても、以前に作成した実行可能ファイルに修正済みのオブジェクトコードを挿入できるよう、インクリメンタルなリンクを行います。再リンクに必要な時間は、修正したコードの量によって決まります。アプリケーションを構築するたび、リンクに常に同じだけの時間がかかるわけではありません。コードの変更が少なければ、再リンクもすぐに終了します。

最初のリンクには、ild の場合も ld と同じくらいの時間がかかります。しかし、次のリンクからは、ld のリンクよりもかなり時間が短縮されます。リンク時間が短縮される分、実行ファイルのサイズが大きくなります。