ild は、共有オブジェクトを作成するために起動されると、ld を起動してリンクを行います。
多くのオブジェクトファイルを変更すると、ild のパフォーマンスも大きく影響されます。ild は、かなりの比率で変更されたファイルを検出した場合、自動的に完全再リンクを実行します。
出荷用の最終的な製品コードを作成する場合は、ild を使用しないでください。プログラムの各部がパディングによって広げられるため、ファイルが大きくなってしまいます。パディングによるファイルの肥大とリンクに要する余分な時間を考えると、-xildon オプションを製品コードに使用することはお薦めできません。-g オプションが使用されている場合は、リンクの行で -xildoff を使用してください。
ild を小さなプログラムに使用しても、処理時間はさほど短縮されず、かえって大きなプログラムよりも実行可能ファイルのサイズが増大してしまうことがあります。
実行可能ファイルで動作する他社のツールを使用すると、ild で作成したバイナリファイルに予期せぬ結果が生じることがあります。
strip や mcs などのように、実行可能ファイルを修正するプログラムは、ild によるインクリメンタルリンクの実行機能に影響を及ぼす可能性があります。このような場合、ild はメッセージを出力し、完全再リンクを実行します。詳細については、「完全再リンクの要因」、および 「例 2: strip を実行した場合」を参照してください。