dbx コマンドによるデバッグ

環境変数

LD_LIBRARY_PATH

-l オプションで指定されたライブラリの検索先ディレクトリのリストです。複数のディレクトリを指定する場合は、コロンで区切ります。最も一般的には、次に示すように、2 つのディレクトリのリストをセミコロンで区切って指定します。

dirlist1; dirlist2

ild が、次のように複数の -L オプションのインスタンスで呼び出された場合、

ild ...-Lpath1 ... -Lpathn ...

検索パスの順序は次のようになります。

dirlist1 path1 ... pathn dirlist2 LIBPATH

ディレクトリのリストにセミコロンが使用されていない場合は、dirlist2 と解釈されます。

LD_LIBRARY_PATH は、実行時リンカーに対するライブラリ検索ディレクトリの指定にも使用されます。すなわち、環境変数に LD_LIBRARY_PATH が含まれていれば、実行時リンカーは、まずその変数に指定されたディレクトリで、実行時にプログラムにリンクさせる共有オブジェクトを検索し、その後、デフォルトのディレクトリを検索します。


注 -

set-user-ID または set-group-ID プログラムを実行しているときは、実行時リンカーは /usr/lib 内でしかライブラリを検索しません。実行時リンカーは、実行可能ファイル内に指定されたフルパス名も検索します。フルパス名は、実行可能ファイルが組み立てられたときに指定される実行パスで構成されます。相対パス名として指定されたライブラリの従属物は、事前通告なく無視されます。


LD_OPTIONS

ild のデフォルトのオプションセットです。LD_OPTIONS は、次に示すように、コマンド行で、あたかも ild の呼び出しに使用された名前の直後に値が挿入されていたかのように、ild によって解釈されます。 ild$LD_OPTIONS ... other-arguments ...

LD_PRELOAD

実行時リンカーによって解釈される共有オブジェクトのリストです。指定された共有オブジェクトは、実行されるプログラムと、そのプログラムが参照するほかの共有オブジェクトとの間にリンクされます。


注 -

set-user-ID または set-group-ID プログラムを実行しているときは、このオプションは事前通告なく無視されます。


LD_RUN_PATH

リンクエディタに対する実行パスを指定するための代替メカニズムです (-R オプションを参照)。LD_RUN_PATH-R オプションの両方が指定されている場合は、-R オプションが適用されます。

LD_DEBUG

ild ではサポートされていません。実行時リンカーにデバッグ情報を標準エラーとして出力させるトークンのリストを指定します。特殊トークンの help は、使用できるすべてのトークンリストを示します。


注 -

LD_」で始まる環境変数名は、ld の将来的な機能拡張に備えて予約されています。また、「ILD_」で始まる環境変数名は、ild の機能拡張に備えて予約されています。