tcov 用にプログラムをコンパイルし、そのプログラムを実行すると、実行プログラムはプロファイルバケットを生成します。既にプロファイルバケットが存在している場合、プログラムはそのプロファイルバケットを使用します。プロファイルバケットが存在していない場合は、プロファイルバケットを生成します。
プロファイルバケットは、プロファイル出力が生成されるディレクトリを指定します。プロファイル出力の名前と場所は、環境変数で指定可能なデフォルトの設定によって制御されます。
tcov は、プロファイルフィードバックを集めるために使用したコンパイラオプション -xprofile=collect と -xprofile=use によって使用される同じデフォルトと環境変数を使用します。これらのコンパイラオプションの詳細については、ご使用のコンパイラのマニュアルを参照してください。
プログラムが生成するデフォルトのプロファイルバケットの名前は、実行可能ファイル名 + .profile となり、実行可能ファイルが実行されるディレクトリに生成されます。そのため、カレントディレクトリが /home/joe で、/usr/bin/xyz というプログラムを実行すると、デフォルト動作としては、/home/joe に xyz.profile という名前のプロファイルバケットが生成されます。
デフォルトを変更するための環境変数を以下に示します。
SUN_PROFDATA
実行時のプロファイルバケットの名前の指定に使用できます。この変数の値は、常に SUN_PROFDATA_DIR の値に追加されます (両方の変数が設定されている場合)。
SUN_PROFDATA_DIR
プロファイルバケットを含むディレクトリの名前の指定に使用できます。これは実行時および tcov コマンドにおいて使用されます。
TCOVDIR
TCOVDIR は、下方互換性を維持するため、SUN_PROFDATA_DIR の同類の環境変数としてサポートされています。SUN_PROFDATA_DIR が設定されている場合、TCOVDIR は無視されます。TCOVDIR と SUN_PROFDATA_DIR の両者が設定されていると、プロファイルバケットが生成された時点で、警告が表示されます。
TCOVDIR は、 -xprofile=tcov を使用してコンパイルされたプログラムの実行時にに使用され、さらに tcov コマンドによって使用されます。