Sun Management Center の Performance Reporting Manager (PRM) アドオンを使用すると、Sun Management Center エージェントが監視している任意のデータプロパティーに関して、その履歴的な傾向を追跡したり、レポートを生成したりできます。PRM アドオンは大量のデータを収集および処理できるので、Sun Management Center サーバーのサイジング要件に大きな影響を与える可能性があります。
PRM アドオンの影響は、図 C–1 の PRM 部分に示されています。一般に、管理作業と PRM が追跡するデータープロパティーの総数が増えるほど、Sun Management Center サーバーが管理できるエージェント数は減ります。
PRM アドオンを持つ Sun Management Center サーバーの要件を判断するには、2 つのステップが必要です。
図 C–1 を参照しながら、PRM アドオンがインストールされている Sun Management Center サーバーが管理するエージェントの総数にもとづいて、必要なマシンのクラスを判断します。
収集するPRM データプロパティーのおおよその数にもとづいて、適切な PRM 構成を判断します(次項を参照)。
Sun Management Center の設定では、次の表に示す PRM 構成の種類のから 1 つを選択することができます。「アーキテクチャー」列は、表 C–4 に示したマシンのアーキテクチャーを指します。
表 C–5 PRM 構成の種類の要件| PRM 構成の種類 | ディスク容量 | PRM プロパティーの総数 | エージェント数の例 | エージェント当たりのプロパティー数の例 | アーキテクチャー | 
|---|---|---|---|---|---|
| 小規模 PRM | 5G バイト | 50,000 | 100 | 300 | 小 | 
| 
 | 
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 | 400 | 100 | 中 | 
| 中規模 PRM | 12G バイト | 150,000 | 300 | 300 | 中 | 
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 | 500 | 300 | 大 | 
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 | 750 | 200 | 超大 | 
| 大規模 PRM | 24G バイト | 240,000 | 600 | 300 | 大 | 
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 | 750 | 300 | 超大 | 
通常、小型の Sun Management Center サーバーは小規模 PRM 構成に使用されます。中型サーバーは中規模 PRM 構成に使用されます。そして、大型サーバーと超大型サーバーは大規模 PRM 構成に使用されます。超大型の Sun Management Center サーバーは小規模および中規模 PRM にも使用できますが、利用できるディスク容量や予想される PRM データ収集要件によって条件は変わります。
次の表に、アーキテクチャーの種類ごとに管理できるエージェント数の例を示します。この例では、各エージェントが PRM ごとに平均 300 個のデータプロパティーを収集するとを仮定しています。「1 時間当たりデータ収集」列は、1 時間当たりにデータの収集に要する概算時間を示しています。「夜間処理」列は、収集したデータを処理するのに必要な概算時間を示しています。データを収集および処理するのに必要な時間は、サーバーのハードウェア、サーバーの活動、およびデータベース内の PRM データ数によって変わります。
表 C–6 サーバーの例: 管理対象のエージェント数| アーキテクチャー | エージェント数 | PRM プロパティーの総数 | PRM 構成の種類 | 1 時間当たりデータ収集 | 夜間処理 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 小 | 100 | 30,000 | 小 | 2 分 | 1 〜 2 時間 | 
| 中 | 300 | 90,000 | 中 | 7 分 | 3 〜 4 時間 | 
| 大 | 600 | 180,000 | 大 | 7 分 | 3 〜 6 時間 | 
| 超大 | 750 | 225,000 | 大 | 6 分 | 3 〜 6 時間 | 
さまざまなエージェント数、データプロパティー数、およびレポート期間 (4 時間から1 か月など) を指定することによって、さまざまなレポートを生成できます。
通常のレポートの生成に要する時間は、数秒から数分です。実際にかかる時間は、次の要因によって変わります。
レポートに含める実際のデータポイント数
データポイントの最大数はレポート 1 つあたり約 10,000 個です。
データベース内にある Performance Reporting Manager のデータ数
サーバーの性能と活動
複数の Performance Reporting Manager レポートの並行生成
たとえば、Performance Reporting Manager アドオンが構成されている中型の Sun Management Center サーバーで、比較的簡単なレポート、たとえば 1 つのエージェントの 5 つのデータプロパティーを 24 時間調べたレポートを生成するには、約 20 秒かかります。より複雑なレポート、たとえば、5 つのエージェントの 5 つのデータプロパティーを 7 日間調べたレポートになると、生成するのに約 10 分かかります。
ここで、Performance Reporting Manager アドオンがインストールされている中型の Sun Management Center サーバーとは、450 MHz の UltraSPARC II CPU 2 基と 1G バイトの RAM、および 1G バイトのスワップ領域を持つ SunFire-280R を想定しています。また、この SunFire-280R は Performance Reporting Manager のために 300 個のエージェントを監視しており、エージェントごとに 300 個のデータプロパティーを収集するものと仮定します。
レポートを生成するのに 30 分以上もかかる場合、午前 4:00 から午前 8:00 までの間にレポートを実行するようにスケジュールする方が賢明です。大きなレポートの生成を午前 4:00 以降に実行するようにスケジュールすることによって、通常の営業時間における Sun Management Center サーバーの負荷を下げることができます。また、そうすることによって、通常、午前 12:00 から午前 4:00 までの間にスケジュールされる Sun Management Center の夜間作業と Performance Reporting Manager の作業が競合する可能性を少なくすることもできます。