ここでは、 es-inst コマンドを使用して、Sun Management Center 3.6 をネットワークファイルシステムアクセス可能な (NFS マウントされた) 遠隔マシンにインストールする手順について説明します。この手順では、ネットワーク上の CD イメージディレクトリから Sun Management Center をインストールすることを前提にしています。詳細は、「CD インストールイメージの作成」を参照してください。
遠隔マシンに Sun Management Center をインストールするには、ソフトウェアをインストールする前に、その遠隔マシンの準備作業を行う必要があります。また、ローカルマシンが Solaris 2.6、Solaris 7 、または Solaris 8 ソフトウェアのいずれかを使用している場合は、パッチをインストールする必要があります (「pkgadd のパッチをインストールする」を参照)。
ここで説明する作業では、例として次のマシン名が使用されています。
admin-host は、遠隔マシンに対してインストールを実行するために使用されるローカルマシンです。
remote は、Sun Management Center のインストール先となる遠隔マシンです。
遠隔マシンが Solaris 10 マシンである場合は、遠隔インストールはできません。
ローカルマシンが Solaris 2.6、Solaris 7、または Solaris 8 ソフトウェアを使用している場合は、それぞれの OS バージョン専用の pkgadd パッチがローカルマシンにインストールされている必要があります。このパッチをあらかじめインストールしてから、ローカルマシンを使用して遠隔マシンに Sun Management Center 3.6 をインストールする必要があります。
ローカルマシンが Solaris 9 リリースを使用している場合、パッチのインストールは必要ありません。「遠隔マシンを準備する」に進みます。
ローカルマシンにスーパーユーザーとしてログインします。
OS のパッチレベルが最新であるかどうかを確認します。
パッチがすでにインストールされているかどうかを確認するには、コマンド showrev -p | grep patchnum を使用します。patchnum には、必要な OS パッチを次のように指定します。
Solaris 2.6: 106292
Solaris 7: 107443
Solaris 8: 110934
たとえば、ローカルマシンが Solaris 8 リリースを使用している場合は次のように入力します。
admin-host# showrev -p | grep 110934 admin-host# |
上記の例では、パッチはインストールされません。パッチのダウンロードとインストールは、 手順 3 に示す方法で行う必要があります。
パッチがインストールされていると、次のような一覧が表示されます。
admin-host# showrev -p | grep 110934 admin-host# Patch: 110934-13 Obsoletes: Requires: Incompatibles: Packages: pkgtrans, pkgadd, pkgchk |
ローカルマシンで動作している Solaris に必要なパッチがすでにインストールされている場合は、「遠隔マシンを準備する」に進みます。
必要に応じ OS パッチをインストールします。
遠隔マシンにスーパーユーザーとしてログインします。
Sun Management Center データベースアクセスグループとユーザーアカウントを作成します。
groupadd コマンドを使用し、アクセスグループ smcorag を作成します。
remote# /usr/sbin/groupadd smcorag |
/var/opt/SUNWsymon ディレクトリを作成します。
このディレクトリは、データベースユーザーアカウントが置かれる場所です。
remote# mkdir -p /var/opt/SUNWsymon |
useradd を使用してデータベースユーザーアカウント smcorau を作成し、続いてこのユーザーアカウントをグループ smcorag に追加します。
remote# /usr/sbin/useradd \ ...-d /var/opt/SUNWsymon/smcorau \ -m -g smcorag -s /bin/sh smcorau |
NFS デーモン mountd を停止します。
remote# /etc/init.d/nfs.server stop |
遠隔ホスト上の /etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。
次の行を追加します。
share —F nfs —o rw=admin-host,root=admin-host /
admin-host は、遠隔ホストに対して Sun Management Center をインストールするマシンの名前です。
たとえば、遠隔ホスト名が remote-server で、この遠隔ホストに Sun Management Center をインストールするために使用するマシンの名前が adminserver の場合、remote-server 上の /etc/dfs/dfstab ファイルのエントリは次のようになります。
share —F nfs —o rw=adminserver ,root=adminserver
遠隔マシンの dfstab ファイル内のこのエントリは、マシン adminserver にログインしたルートユーザーアカウントにだけ遠隔の読み取り権限および書き込み権限を与えます。
/etc/dfs/dfstab を保存して閉じます。
NFS デーモン mountd を起動します。
remote# /etc/init.d/nfs.server start |
遠隔マシンで稼働している Solaris のバージョンを確認します。
remote# /usr/bin/uname -r |
遠隔ホストへの Sun Management Center のインストールの場合、es-inst スクリプトによって遠隔ホストで稼働している Solaris のバージョンの入力を求められます。
遠隔ホストへの Sun Management Center のインストールの場合、es-inst スクリプトによって遠隔マシンタイプの入力を求められます。
遠隔ホストマシンに関して es-inst が必要とするこの情報は、次のコマンドで得られます。
remote# /usr/platform/platform/sbin/prtdiag | /usr/bin/head -1 \ | /usr/bin/cut -f2 -d: |
platform は、コマンド uname -i の出力です。
次に例を示します。
remote# /usr/bin/uname -i SUNW,Ultra remote# /usr/platform/SUNW,Ultra/sbin/prtdiag | /usr/bin/head -1 | /usr/bin/cut -f2 -d: Sun Microsystems sun4u Sun Ultra UPA/PCI (UltraSPARC-IIi 333 MHz) |
遠隔ホストマシンタイプの情報をローカルホスト上の一時ファイルにコピーします。コピーしておくことで、es-inst による遠隔ホストマシンタイプの入力の要求の際にその情報をペーストできます。
遠隔マシンからログオフします。
以上の操作が終わると、次に示す方法で遠隔ホストに Sun Management Center をインストールできるようになります。
ローカルマシンにスーパーユーザーとしてログインします。
Sun Management Center Installation Disk 1 の sbin ディレクトリへ移動します。
CD-ROM からのインストールの場合は、/c <DiskMountDir>/sbin ディレクトリに移動します。
選択した内容によっては、インストールの作業中に CD を入れ替えるように求めるメッセージが表示される場合があります。
CD イメージからのインストールの場合は、/ cd-image-dir/disk1/sbin ディレクトリに移動します。cd-image-dir はインストール CD をコピーしたディレクトリ、または Web からインストールイメージをダウンロードしたディレクトリです。
-R path/remote パラメータで遠隔ホストマシンを指定して es-inst インストールスクリプトを実行します。
#./es-inst -R path/remote |
path/remote には、遠隔マシンのフルパスを指定します。たとえば、遠隔ホストのパスと名前が /net/remote-server の場合は、次のように入力します。
local-machine# ./es-inst -R /net/remote-server |
遠隔マシン上で稼動している Solaris のバージョンの入力を求めるメッセージが表示されます。
遠隔マシンで稼動している Solaris バージョンを入力します。
「遠隔マシンを準備する」の手順 7 を参照してください。
遠隔ホストマシンのタイプを入力するように求めるメッセージが表示されます。
遠隔ホストのマシンタイプを入力します。
「遠隔マシンを準備する」、手順 8 で得たマシンタイプの文字列を入力します。生成したテキストをローカルホスト上のファイルにコピーした場合は、プロンプトでそのマシンタイプ文字列をペーストしてもかまいません。
遠隔ホストに対して Sun Management Center インストールを行うために必要な作業は、デフォルトの Sun Management Center インストールに必要な作業と同じです。
インストールが完了します。
システム上に Sun Management Center 2.x または 3.0 がインストールされている場合は、その Sun Management Center バージョンからデータを移行するか問い合わせがあります。「es-inst スクリプトを使用してインストールする」の手順 7 に進みます。
システムに旧バージョンの Sun Management Center がインストールされていない場合は、対象ディレクトリの入力を求めるメッセージが表示されます。「es-inst スクリプトを使用してインストールする」の手順 8 に進みます。
Solaris 10 システムへの遠隔インストールは、別の Solaris 10 システムからのみ行うことができます。