Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド

付録  C 必要なハードウェアリソースの確認

この付録では、Sun Management Center の基本管理フレームワークとベースアドオン製品に適したサイズのハードウェアを選択するためのガイドラインを示します。Sun Management Center の基本管理フレームワークと各ベースアドオン製品をインストールするには、Sun Management Center の中核レイヤーであるエージェント、サーバー、およびコンソールに特定のディスク容量が必要です。

この章では、次の内容について説明します。


注 –

この節の内容は、Sun 以外のモジュールを考慮したものではありません。また、サイズ情報を示した図表にも Sun 以外のモジュールは含められていません。


エージェントレイヤーのリソース

高度な管理および 監視機能を確立するには、ネットワーク内のすべての管理対象ノードに Sun Management Center 3.6 エージェントをインストールする必要があります。Sun Management Center エージェントは、Solaris バージョン 2.6、Solaris バージョン 7、Solaris バージョン 8、Solaris バージョン 9、Solaris バージョン 10 のいずれかが動作するすべての SPARC プラットフォームワークステーションおよびサーバーでサポートされます。Sun Management Center エージェントはまた、Solaris オペレーティングシステム (Solaris 9 または Solaris 10) の x86 プラットフォーム 版もあり、Linux でも使用できます。

x86 エージェントの制限事項


注 –

Linux エージェントにも、同じ制限が適用されます。


Solaris x86 エージェントはハードウェア専用のアドオンをサポートしません。x86 エージェントのホストの「詳細」ウィンドウの「モジュールブラウザ」タブには「オペレーティングシステム」、「ローカルアプリケーション」、および「遠隔システム」カテゴリがあります。Solaris x86 プラットフォームでは、「物理表示」、「論理表示」、「ハードウェア診断」、および「構成リーダ」モジュールは利用できません。

Java コンソールウィンドウでは、すべての x86 プラットフォームが同じ x86 アイコンになります。たとえば、Sun Cobalt LX50 と Sun Fire V60x という異なる 2 つの x86 プラットフォームでもアイコンは同じです。

検出機能、ジョブの管理機能、または PRM アドオンを使用すると、フィルタでプラットフォームの種類を絞り込むことができます。x86 プラットフォームで絞り込むには、プラットフォームオプションとして x86 を選択します。

Performance Reporting Manager (PRM) アドオンの場合、システムレポートとハードウェア構成レポートは利用できません。

CPU リソース

Sun Management Center エージェントがホストシステムに与える演算負荷は、最小限のものです。演算負荷は、定期的なデータ収集、アラーム規則の処理、アラーム予告、アラームアクションの実行、クライアント要求の処理といった通常の管理オペレーションによって引き起こされます。

負荷の量は、データの収集の頻度、収集されるデータ量、検出されるアラームの数、ユーザー要求の数などに比例します。したがって、消費される CPU リソースの割合は、システムに読み込まれるモジュールの数と種類、これらのモジュールの構成、およびホストシステムの演算能力によって決まります。

総合的なモジュールセットが読み込まれた、管理処理の多いローエンドマシンの場合でも、エージェントは CPU リソースのごく一部しか消費しません。

次の表に、各システムにおけるエージェントの CPU と RAM の概算使用率を示します。x86 エージェントについての情報もあります。

表 C–1 各システムにおけるエージェントの CPU と RAM の概算使用率

 

 

CPU 使用率 

RAM 使用率 

 

 

 

サーバーの種類 

構成 (「重い」または「軽い」) 

最大 

最小 

平均 

平均サイズ 

平均常駐サイズ 

Sun Blade 100 

軽い 

0.10% 

0.00% 

0.21% 

8.77M バイト 

7.02M バイト 

Sun Fire 280R 

軽い 

0.10% 

0.00% 

0.10% 

10.47M バイト 

8.49M バイト 

Sun Blade 2000 

軽い 

0.20% 

0.00% 

0.05% 

8.89M バイト 

7.06M バイト 

Sun Fire 880 

軽い 

0.00% 

0.00% 

0.00% 

8.97M バイト 

7.31M バイト 

Sun Blade 100 

重い 

1.20% 

0.50% 

0.79% 

14.83M バイト 

12.99M バイト 

Sun Fire 280R 

重い 

2.60% 

0.10% 

0.81% 

16.22M バイト 

13.92M バイト 

Sun Blade 2000 

重い 

0.30% 

0.20% 

0.20% 

14.45M バイト 

12.76M バイト 

Sun Fire 880 

重い 

4.40% 

0.10% 

0.88% 

16.15M バイト 

14.41M バイト 

軽い構成は、次のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

重い構成は、次のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

  • 構成リーダ

  • 状態モニター

  • カーネルリーダ

  • MIB-II 計測

  • ディレクトリサイズモニタリング

  • ファイル走査

  • Hardware Diagnostics Suite

  • スクリプト起動用ウィンドウ

  • HP JetDirect

  • エージェント統計情報

  • MIB-II プロキシモニタリング

  • その他の各種モジュール (カスタムモジュールなど)

重い構成は、必要以上に重くなる可能性があります。一般に、マシンのサイズが大きいほどプロセッサとディスクが増え、ハードウェア構成が大規模になります。これらの構成では、大規模マシンで動作するエージェントのメモリー消費量が多大なものとなります。

仮想メモリー要件

エージェントが使用する仮想メモリーは、いくつかの要因によって決まります。とりわけ重要なのは、読み込まれる管理モジュールの数と、それらのモジュールによって監視される情報の量です。1 つのエージェントに多数のモジュールを読み込む場合は、必要となるメモリーが増えます。同様に、大規模ディスクアレイを始めとする拡張性の高い資産を抱えるホストを管理するエージェントの場合、より多くの仮想メモリーを必要とします。これは、エージェントを通して渡される管理情報の量が増えるためです。

一般に、デフォルトの管理モジュールセットが読み込まれたベースエージェントはサイズが 10M バイト未満であり、物理メモリー内に常駐させる必要があるのは、10M バイトのうちのわずか 50 〜 60% です。

特定ハードウェア向けモジュールの可用性

Sun Management Center 管理モジュールのほとんどは、Sun Management Center エージェントを使用したあらゆる SPARC プラットフォームシステム間で移植できます。しかし、特定ハードウェア向けの高度な Sun Management Center モジュールの中には一部の Sun ハードウェアでサポートされていないものがあります。たとえば、プラットフォームに付属の構成リーダモジュールや動的再構成 (DR) モジュールはそのハードウェアプラットフォームを管理する高度な機能を提供しますが、それらのモジュールの機能が Sun 製品ファミリ内のあらゆるハードウェアシステムに適用できるとはかぎりません。

次の表に、各ハードウェア プラットフォームにおける Sun Management Center 管理モジュールの可用性を簡単に示します。

表 C–2 特定ハードウェア向けモジュールの可用性

ハードウェア 

構成リーダモジュール 

DR モジュール 

その他のすべての Sun Management Center モジュール 

SPARCStation 1、2、5、10、20 

不可 

不可 

可 

Sun Ultra 1, 450 

可 

不可 

可 

Sun Enterprise 5, 10, 150, Sun Fire 280R, Sun Fire V480 

可 

不可 

可 

SPARCserver 1000, 1000E 

可 

不可 

可 

SPARCcenter 2000、2000E 

可 

不可 

可 

Sun StorEdge A5x00、T3 

可 

不可 

可 

Netra T1120-1125, T1400-T1405 

可 

不可 

可 

Sun Blade 100, 1000, 1500, 2500 

可 

不可 

可 

Sun Fire 3800, 4800, 4810, 6800, V210, V240, V250, V440, V880, E25K, E20K, E6900, E4900 

可 

可 

可 

管理モジュールのリソース

管理モジュールのリソース要件は、次の要因によって決まります。

次の表に、Sun Management Center 管理モジュールのリソース影響について概要を示します。

表 C–3 Sun Management Center 管理モジュールのシステムに対する影響

モジュール 

影響 

エージェント統計情報

フットプリントと CPU 負荷にわずかな増大を引き起こします。 

構成リーダ

管理対象ノードのハードウェア構成の複雑さに応じて CPU とメモリーを使用します。 

データロギングレジストリ

ログされるデータ値の量に応じて、フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こします。 

ディレクトリサイズモニタリング

監視対象のディレクトリの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こします。監視対象となるディレクトリの数とそれらのディレクトリ内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こします。 

動的再構成 (DR) 

フットプリントに対する影響がわずかであり、再構成処理を実施する場合のみ CPU を利用します。 

ファイルモニタリング

監視対象となるファイルの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こします。監視されるファイルの数とそれらのファイル内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こします。 

ファイル走査 (System Log)

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こします。 

状態モニター

リソースに対する影響が比較的小さい。 

HP JetDirect

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こします。 

IPV6 計測

ネットワークインタフェースの数に応じ、CPU 負荷のわずかな増大と、 低から中程度のフットプリント増大を引き起こします。 

カーネルリーダ

管理対象であるファイルシステムや CPU などのシステムリソースの数と、この情報の更新頻度に応じ、CPU とメモリーに影響を与えます。Simple Kernel Reader よりも多くのリソースを消費します。 

カーネルリーダ (簡易) 

CPU とメモリーにわずかな影響を与えます。 

MIB-II 計測

ネットワークインタフェースの数、経路テーブル、ARP テーブル、および関連するシステムテーブルのサイズに応じ、わずかな CPU 負荷と低から中程度のフットプリント増大を引き起こします。 

MIB-II プロキシモニタリング 

プロキシで監視された SNMP エージェントの MIB サイズに応じ、中程度のフットプリント増大を引き起こします。プロキシで監視された SNMP エージェント内の管理対象オブジェクトの数に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こします。 

MIB-II システム (簡易)

CPU 負荷はほとんど起きず、フットプリントはシステムインタフェース、IP 転送、および IP アドレステーブルのサイズに応じてごくわずか増大します。 

NFS ファイルシステム

ホストマシンにマウントされているネットワークファイルシステムの数に応じてフットプリントのわずかな増大を引き起こします。CPU 負荷はわずかです。 

NFS 統計情報

フットプリントのわずかな増大と低から中程度の CPU 負荷を引き起こします。 

プリントスプーラ

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こします。 

Solaris プロセス詳細

監視対象のプロセスの数に応じ、フットプリントのわずかな増大を引き起こします。監視対象のプロセスの数とプロセスの開始と停止の頻度に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こします。 

Sun StorEdge A5x00 Array, Sun StorEdge T3 Array

ストレージデバイスのサイズに応じ、フットプリントと負荷の中程度の増大を引き起こします。 

サーバーレイヤーのリソース

サーバーレイヤーは、Sun Management Center ソフトウェアの中核です。サーバーレイヤーのホストに適切なハードウェアを指定することは、Sun Management Center において応答性に優れた確実な処理を実現する上で重要な意味を持ちます。Sun Management Center サーバーレイヤーのハードウェア要件は、エージェントの要件よりもはるかに厳しいものです。Sun Management Center 3.6 サーバーレイヤーのシステム要件は、Sun Management Center2.x および 3.0 サーバーレイヤーのハードウェア要件よりも厳しいものです。Version 2.x または 3.0 サーバーホストは、必ずしも Sun Management Center 3.6 のシステム要件を満たしていません。

Sun Management Center サーバーレイヤーは、Solaris バージョン 8 かバージョン 9、バージョン 10 を使用している SPARC プラットフォームデスクトップとサーバーのうち、この節で説明している最小のハードウェア要件を満たすマシンでサポートされます。


注 –

最大限のパフォーマンスを得るためには、サーバーレイヤーのアプリケーションだけを実行する専用マシンに Sun Management Center 3.6 サーバーレイヤーをインストールしてください。


サーバーとして推奨されるハードウェアプラットフォーム

次の表に、Sun Management Center サーバーのプラットフォームとして使用できるマシンの 4 つのクラスとそのハードウェア構成を示します。各ケースとも、代替マシン構成で同等のパフォーマンスを提供できます。

表 C–4 Sun Management Center サーバーとして推奨されるハードウェアプラットフォーム

アーキテクチャ 

マシンの種類 

CPU タイプ 

RAM 

スワップ領域 

小型サーバー 

Sun Blade 100 (または同等のマシン) 

502 MHz UltraSPARC IIe CPU (またはこれ以上) x 1  

1G バイト 

最小 512M バイト、1G バイトを推奨 

中型サーバー 

Sun Fire 280R 

750 MHz UltraSPARC II CPU (またはこれ以上) x 2 

1G バイト 

最小 512M バイト、1G バイトを推奨 

大型サーバー 

Sun Blade 2000 

1015 Mhz UltraSPARC III CPU (またはこれ以上) x 2 

1G バイト 

最小 512M バイト、1G バイトを推奨 

超大型サーバー 

Sun Fire 880 

900 Mhz UltraSPARC III CPU (またはこれ以上) x 4 

2G バイト 

1G バイト 

サイジング要件

Sun Management Server のホストサイジング要件は、サーバーレイヤーで管理されるエージェントの数とそれらのエージェント上の管理作業に大いに左右されます。管理作業には、システムによって生成される作業 (イベント生成など) とユーザーによって開始される作業 (データのブラウジング、ネットワーク検出、グループ処理、システム監視および診断など) があります。

管理作業の影響のため、サイジング要件は、サーバーにインストールされている Sun Management Center アドオンパッケージの数、種類、および構成、そして管理ノード の数によって変わります。一般には、使用中のアドオンの数が多いほど管理作業の量が多く、サーバーのハードウェア要件も厳しくなります。

次の図に、Sun Management Center サーバーとして推奨されるマシンのクラスを、管理対象となるエージェント数とおおよその管理作業の関数として示します。この図では、サーバー上で Sun Management Center コンソールが動作していないことを前提にしています。また、小型サーバーの場合は 5 個の遠隔コンソールセッション、中型サーバーの場合は 10 個の遠隔コンソールセッション、また大型サーバーと超大型サーバーの場合は 15 個の遠隔コンソールセッションが存在するものとします。

図 C–1 イベントごとに示した Sun Management Center サーバーの 1 日当たりの負荷と管理対象オブジェクトの数

イベントごとに示した Sun Management Center サーバーの 1 日当たりの負荷と管理対象オブジェクトの数

上図に示したマシンのクラスは、同様な性能を持つホストの代表的なクラスを示します。


注意 – 注意 –

Sun Management Center コンソールアプリケーションをサーバーレイヤーホスト上で実行することによって、サーバーは性能に影響を受けます。さらに、この影響はアクティブなコンソールセッションの数によっても変わります。サーバーホストがサーバーレイヤーコンポーネントをサポートできる余裕がない場合は、Sun Management Center コンソールをサーバーマシンで実行しないでください。


Sun Management Center サーバーと Performance Reporting Manager アドオン

Sun Management Center の Performance Reporting Manager (PRM) アドオンを使用すると、Sun Management Center Center エージェントが監視している任意のデータプロパティに関して、その履歴的な傾向を追跡したり、レポートを生成したりできます。PRM アドオンは大量のデータを収集および処理できるので、Sun Management Center サーバーのサイジング要件に大きな影響を与える可能性があります。

PRM アドオンの影響は、図 C–1 の PRM 部分に示されています。一般的に、管理作業と PRM が追跡するデータープロパティの総数が増えるほど、Sun Management Center サーバーが管理できるエージェント数は減ります。

PRM アドオンを持つ Sun Management Center サーバーの要件を判断するには、2 つのステップが必要です。

  1. 図 C–1 を参照しながら、PRM アドオンがインストールされている Sun Management Center サーバーが管理するエージェントの総数にもとづいて、必要なマシンのクラスを判断します。

  2. 収集する PRM データプロパティのおおよその数にもとづいて、適切な PRM 構成を判断します (次項を参照)。

PRM 構成の種類

Sun Management Center の設定では、次の表に示す PRM 構成の種類のから 1 つを選択することができます。「アーキテクチャ」列は、表 C–4 に示したマシンのアーキテクチャを指します。

表 C–5 PRM 構成の種類の要件

PRM 構成の種類 

ディスク容量 

PRM プロパティの総数 

エージェント数の例 

エージェント当たりのプロパティ数の例 

アーキテクチャ 

小型 PRM 

5G バイト 

50,000 

100 

300 

小 

 

 

 

400 

100 

中 

中型 PRM 

12G バイト 

150,000 

300 

300 

中 

 

 

 

500 

300 

大 

 

 

 

750 

200 

超大 

大型 PRM 

24G バイト 

240,000 

600 

300 

大 

 

 

 

750 

300 

超大 

通常、Sun Management Center の小型サーバーは小型 PRM 構成に使用されます。中型サーバーは中型 PRM 構成に使用されます。そして、大型サーバーと超大型サーバーは大型 PRM 構成に使用されます。Sun Management Center の超大型サーバーは小型 PRM や中型 PRM にも使用できますが、利用できるディスク容量や予想される PRM データ収集要件によって条件は変わります。

PRM サーバーの構成例

次の表に、アーキテクチャの種類ごとに管理できるエージェント数の例を示します。この例では、各エージェントが PRM ごとに平均 300 個のデータプロパティを収集するとを仮定しています。 「1 時間ごとのデータ収集」列は、(1 時間ごとに) データを収集するのに必要な概算時間を示しています。「夜間処理」列は、収集したデータを処理するのに必要な概算時間を示しています。データを収集および処理するのに必要な時間は、サーバーのハードウェア、サーバーの活動、およびデータベース内の PRM データ数によって変わります。

表 C–6 サーバーの例: 管理対象のエージェント数

アーキテクチャ 

エージェント数 

PRM プロパティの総数 

PRM 構成の種類 

1 時間当たりデータ収集 

夜間処理 

小 

100 

30,000 

小 

2 分 

1 〜 2 時間 

中 

300 

90,000 

中 

7 分 

3 〜 4 時間 

大 

600 

180,000 

大 

7 分 

3 〜 6 時間 

超大 

750 

225,000 

大 

6 分 

3 〜 6 時間 

Performance Reporting Manager レポートの生成

さまざまなエージェント数、データプロパティ数、およびレポート期間 (4 時間から 1 か月など) を指定することによって、さまざまなレポートを生成できます。

通常のレポートは、生成するには数秒から数分かかります。実際にかかる時間は、次の要因によって変わります。

たとえば、Performance Reporting Manager アドオンが構成されている中型の Sun Management Center サーバーで、比較的簡単なレポート、たとえば 1 つのエージェントの 5 つのデータプロパティを 24 時間調べたレポートを生成するには、約 20 秒かかります。より複雑なレポート、たとえば、5 つのエージェントの 5 つのデータプロパティを 7 日間調べたレポートになると、生成するのに約 10 分かかります。


注 –

ここで、Performance Reporting Manager アドオンがインストールされている中型の Sun Management Center サーバーとは、450 MHz の UltraSPARC II CPU x 2 、1G バイトの RAM、および 1G バイトのスワップ領域を持つ SunFire-280R を想定しています。また、この SunFire-280R は Performance Reporting Manager 用に 300 個のエージェントを監視しており、エージェントごとに 300 個のデータプロパティを収集するものとします。


Performance Reporting Manager レポートのスケジューリング

レポートを生成するのに 30 分以上もかかる場合、午前 4:00 から午前 8:00 までの間にレポートを実行するようにスケジュールする方が賢明です。大きなレポートの生成を午前 4:00 以降に実行するようにスケジュールすることによって、通常の営業時間におけるSun Management Center サーバーの負荷を下げることができます。また、そうすることによって、通常、午前 12:00 から午前 4:00 までの間にスケジュールされる Sun Management Center の夜間作業と Performance Reporting Manager の作業が競合する可能性を少なくすることもできます。

性能に関する考慮事項

サーバーレイヤーのパフォーマンスに影響を与える状況や要因として、ほかには次のようなものがあります。

Sun Management Center コンポーネントの同時起動

サーバーレイヤーと多数のエージェントの「同時起動」は、サーバーレイヤーの性能に悪影響を与える可能性があります。また、何百ものエージェントを管理するサーバーレイヤーを初期化すると、コンソールの応答速度が低下したり、一時的に一部のエージェントにアクセスできなくなったりする可能性があります。

トポロジグループの構成

Sun Management Center サーバーコンテキスト内のトポロジグループの数が、次の値を超えてはいけません。

管理作業

Sun Management Center サーバーの活動は、次の要因によって変わります。

最後の 2 つの要因は、管理対象ノードがイベント処理の形で管理アクティビティを生成する傾向を大いに促します。

結果として、アラームしきい値を適切に構成していない場合、アドオンが存在しなくても、かなりの管理作業が発生する可能性があります。 逆にいえば、管理対象システムが安定したものでアラームしきい値も適切であれば、多数のアドオンが存在しても管理作業はわずかしか発生しない場合があります。

コンソールユーザー数

Sun Management Center の同時コンソールユーザーセッションが増えると、サーバーレイヤーの負荷がわずかに高まります。ここで、アクティブなユーザーは、小規模構成の場合は 5 人、中規模構成の場合は 10 人、大規模および超大規模構成の場合は 15 人であると仮定します。 また、ユーザーが実行している活動は、管理されたプロパティデータおよびイベントのブラウズや、データプロパティの属性の編集などであるとします。

ユーザーによって開始される作業の中には、処理が実行される間サーバーレイヤーのパフォーマンスに一時的に影響を与えるものがあります。

ユーザーによって開始されるこれらの操作の影響は、同時実行を避ける、大規模のオペレーションを細分化する、可能であれば ピーク時以外に作業を行う (あるいはスケジューリングする) などの方法で最小限に抑えることができます。

Java コンソールレイヤーのリソース

パフォーマンスを最大限に高めるには、Sun Management Center コンソールをサーバーレイヤーホスト以外のホストから実行する必要があります。コンソールは任意のホストに簡単にインストールでき、サーバーレイヤーへリモート接続できます。サーバーレイヤー構成として望ましいのは、ホストシステムをサーバーレイヤーアプリケーションの実行専用として使用することです。サーバーホストのサイズがほかのアプリケーション (Sun Management Center コンソールなど) の要件をサポートできるものでないかぎり、サーバーホストでそれらを実行することは避ける必要があります。

Sun Management Center コンソールは、Java テクノロジをベースとしたアプリケーションです。このコンソールは、Solaris 2.6 、Solaris 7 、Solaris 8 、Solaris 9、Solaris 10 のいずれかの Solaris オペレーティング環境が動作する SPARC システム、および Solaris 9 または 10 が動作する x86 システムでサポートされます。コンソールはまた、Microsoft Windows 2000 、Windows NT 4.0 Service Pack 3 または 4、Microsoft Windows 98、または Microsoft Windows XP が動作する Intel システムでもサポートされます。

Sun Fire プロキシ/プラットフォームエージェントのリソース

Sun Fire プラットフォームエージェントは、標準の Sun Management Center エージェントとは異なるインストール作業を必要とします。Sun Fire プラットフォームにはいくつかのドメインがあり、各ドメインには独自のハードウェア割り当てが行われています。各ドメインは、それぞれ独立した Solaris オペレーティング環境インスタンスを実行します。各 Sun Fire ドメインは、ドメインエージェントを実行します。

全体として見た Sun Fire プラットフォームは、ドメインに割り当てられた、そのプラットフォーム内のすべてのハードウェアから構成されていることになります。プラットフォームは、そのプラットフォーム内の System Controller (SC) ボードによって制御されます。

Sun Management Center ソフトウェアは、Sun Fire サーバーを管理するために Sun Fire サーバーシステムコントローラおよび Sun Fire ドメインエージェントと通信を行う Sun Fire プラットフォームエージェントを使用します。このプラットフォームエージェントは、エージェントによって監視される、Sun Fire シャーシの外部に存在する Solaris ホストに導入する必要があります。プラットフォームエージェントホストシステムが適切にサイズ設定されていれば、単一のホストシステムに複数のプラットフォームエージェントを導入して複数の Sun Fire サーバーを管理できます。

各プラットフォームエージェントは、平均して 5 〜 9% の CPU と 15 〜 18M バイトのメモリーを消費します。同じホストシステム上に導入されたプラットフォームエージェントの CPU とメモリーの消費は加法的で、ハードウェア要件を測る尺度として使用できます。エージェントは同じソフトウェアパッケージを共有するため、プラットフォームエージェントインスタンスが複数存在する場合のディスク容量要件は、少なくとも単一のプラットフォームエージェントインスタンスの場合の要件を超えます。

一般に、プラットフォームエージェントの CPU とメモリーのリソース要件は管理対象となっている Sun Fire サーバー構成のサイズと複雑さに比例します。Sun Fire システムの構成が大きいほど、プラットフォームエージェントホスト上のプラットフォームエージェントリソースをより多く必要とします。

システム要件

プラットフォームエージェントは、次に示すどちらのホストにもインストールできます。

個々のホスト上にインストールできるプラットフォームエージェントの数は、そのホストが Sun Management Center サーバーレイヤーホストであるかプラットフォームエージェントレイヤーホストであるかによって異なります。Sun Management Center の全体的なパフォーマンスと応答性を最大限に高めるには、サーバーレイヤーホストではなく専用のホストにプラットフォームエージェントを導入する必要があります。容量に余裕のあるマルチ CPU システムにサーバーレイヤーが導入されている場合は、プラットフォームエージェントをサーバーレイヤーホストで稼働させることができます。

次の図に、専用のプラットフォームエージェントホストへ導入した場合のアーキテクチャとサーバーレイヤーホストに導入した場合を示します。

図 C–2 プラットフォームエージェントアーキテクチャ

プラットフォームエージェントアーキテクチャ

複数のプラットフォームエージェントの起動

Sun Fire プラットフォームエージェントは、デフォルトでは 1 時間ごとに管理情報を最新状態に更新します。同じホストに複数のプラットフォームエージェントが導入され、同時に初期化される場合、エージェントは立て続けにデータ更新をする傾向があります。同時更新を試みるプラットフォームエージェントが多すぎると、ホストシステムの全体的な応答性が悪影響を受けかねません。

同じホスト上の複数のプラットフォームエージェントによる同時オペレーションの可能性を減らすには、すべてのプラットフォームエージェントを同時に起動しないことです。

専用ホストへの Sun Fire プラットフォームエージェントの導入

次の表に、一般的なハードウェア構成と、専用のホストシステムに導入できるプラットフォームエージェントの数を示します。

表 C–7 専用ホスト: Sun Fire プラットフォームエージェントの容量

代表的なハードウェア構成 

プラットフォームエージェントの最大数 

シングル 500 MHz UltraSPARC IIe CPU、RAM 1G バイト、スワップ 1G バイトの Sun Blade 100 

5 〜 7 

デュアル 750 MHz UltraSPARC III CPU、RAM 1G バイト、スワップ 1G バイトの Sun Fire 280R、Netra T4、または Sun Blade 1000 

14 〜 20 

プラットフォームエージェントのリソース使用はさまざまに異なります。この表では、オペレーションのピーク時にシステム容量が不足しないように十分な容量を残すことができる許容値の範囲を示しています。Sun Fire プラットフォームの規模が大きいほど必要となるプラットフォームエージェントリソースも増えるため、単一のホストで実行できるプラットフォームエージェントはわずかとなります。逆に、Sun Fire プラットフォームが小さいほど必要となるプラットフォームエージェントリソースは少なくてすみ、単一のホストで多くのプラットフォームエージェントを実行できます。

サーバーレイヤーホストへの Sun Fire プラットフォームエージェントの導入

Sun Management Center サーバーレイヤーを実行するホストシステムのハードウェアサイズ要件は、サーバーレイヤーによって管理されるプラットフォームエージェントの数とシステム内の管理アクティビティによって決まります。

Sun Management Center サーバーレイヤーと Sun Fire プラットフォームエージェント双方の稼働に対応できるのは、大規模のマルチ CPU システムの場合だけです。容量が小さいサーバーレイヤーホストにプラットフォームエージェントを導入すると、Sun Management Center の全体的なパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

1 日にホストあたりで 1000 個未満のイベントに対応する適度なレベルの管理アクティビティの場合、Sun Management Center サーバーレイヤーホストに導入できるプラットフォームエージェントの最大数は管理対象となるエージェントの数とマシンクラスによって決まります。次の表に、一般的なシステム容量を示します。

表 C–8 サーバーレイヤーホスト: Sun Fire プラットフォームエージェントの容量

管理対象エージェントの数 

プラットフォームエージェントの最大数 

 

100 

300 

500 

750 

なし 

Sun Fire 280R は、1G バイト RAM と 1G バイトスワップを使用したデュアル 750MHz UltraSPARC III サーバーホストを持つ Sun Fire 280R、Sun Blade 1000、または Netra T4 システムを示します。

Sun Fire への Sun Management Center の導入手順については、Sun Management Center Software Supplement for Sun Fire 6800/4810/4800/3800 Systems を参照してください。