この章では、パッチの監視モジュールについて説明します。このモジュールは、インストールされていないパッチについてのアラームを生成します。
この章の内容は次のとおりです。
このモジュールは、System Reliability Manager 3.0 では「パッチの管理」と呼ばれていて、バージョン 3.5 から「パッチの監視」という名前に変更されたモジュールです。System Reliability Manager 3.6 サーバーは、System Reliability Manager 3.0 のパッチの管理モジュールを実行するエージェントを従来どおり監視できます。
System Reliability Manager 3.6 のパッチの監視モジュールには、Sun のパッチ管理ソリューションである PatchPro ソフトウェアが使用されています。 このパッチソフトウェアは、Patch Manager とも呼ばれています。このパッチソフトウェアは、モジュールによって使用される利用可能なパッチに関するデータを収集します。パッチソフトウェアは、別途ダウンロードしてインストールする必要があります。詳細は、「パッチソフトウェアの入手」を参照してください。モジュールは、パッチソフトウェアがインストールされているかどうかを最初に確認します。パッチソフトウェアがインストールされていない場合、モジュールは利用できません。
(Solaris 10 のみ) パッチの監視モジュールは、Solaris 10 に付属している Patch Manager 2.0 を自動的に使用します。この Patch Manager 2.0 に、PatchPro ソフトウェアが含まれています。このため、パッチソフトウェアを別途ダウンロードして、インストールする必要はありません。
パッチの監視モジュールは、次のパッチ監視テーブルを表示します。
パッチの状態テーブル: 推奨するパッチに関する一般的な情報を表示します
パッチリストテーブル: 不足しているパッチおよびそれに関する情報を一覧表示します
パッチの監視モジュールは、インストールされていないパッチに関するアラームを生成します。利用可能なパッチのうちインストールされていないパッチの数を検出し、その数に応じたアラームを生成します。さらに、推奨するパッチを表形式で表示します。不足しているパッチについては、patches.list ファイルに保存されるため、このリストを使ってスクリプトを作成することができます。このファイルは、/var/opt/SUNWsymon/SysMgmtPack/patchmonitoring/patches.list です。
このモジュールは、24 時間が経過すると自動的に更新されます。デフォルトの設定を変更する場合は、属性エディタを使用してください。「属性エディタ」ダイアログボックスを表示するには、パッチリストテーブルの行上でマウスボタン 3 を押します。
インストール済みのパッチをチェックし、インストールされていないパッチを検知する
不足しているパッチを表形式で表示する
システムにインストールされているパッケージとパッチのリストを取得するコマンドを実行できる
インストールされていないパッチの数が一定のしきい値に到達した場合、アラームを生成する
パッチの監視モジュールは、パッチの状態テーブルに次のアラームを生成します。
状態の結果が ERROR の場合は警告アラーム
推奨パッチ数が 0 より大きい場合は警告アラーム
パッチの監視モジュールには、PatchPro ソフトウェア (旧称 Patch Manager) が必要です。このソフトウェアは、SunSolve (https://sunsolve.sun.com/patchpro) で、ダウンロード版が提供されています。使用している Solaris オペレーティング環境のバージョンに対応するソフトウェアをダウンロードしてインストールする必要があります。ソフトウェアのバージョン情報およびインストールマニュアルは、同じ Web サイトから入手できます。
この節では、パッチの監視モジュールのアクセス方法について説明します。パッチおよびパッケージに関する情報の表示方法についても説明します。
Patch Manager (PatchPro) ソフトウェアをまだシステムにインストールしていない場合は、ダウンロードしてインストールします。
詳細は、「パッチソフトウェアの入手」を参照してください。
パッチの監視モジュールをロードします。
モジュールのロード方法については、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』の「モジュールを読み込む」を参照してください。パッチの監視モジュールは、階層ウィンドウの「オペレーティングシステム」から利用可能です。
Sun Management Center 3.6 コンソールで、左区画にあるホスト名をダブルクリックします。
ホストの「詳細」ウィンドウのモジュールブラウザ表示で、「オペレーティングシステム」フォルダをダブルクリックします。
カテゴリが展開されます。
パッチの監視モジュールをダブルクリックします。
カテゴリが展開されます。
「推奨パッチ」をダブルクリックします。
パッチの監視モジュールは、右区画にパッチの状態テーブルとパッチリストテーブルを表示します。
パッチソフトウェアは、JavaTM テクノロジに基づきます。Java 実行時環境の正しいバージョンがシステムで検出されない場合、パッチソフトウェアによって正しいバージョンがインストールされます。
パッチの状態テーブルは、次の表に示すような、推奨パッチに関する一般的な情報を表示します。
表 4–1 パッチの状態情報
状態 |
次の値が可能です。
|
推奨パッチ数 |
システムに適用する推奨パッチの数。 |
パッチリストテーブルは、次の表に示すような、不足しているパッチとそれに関する情報をリストします。
表 4–2 Patch List 情報
パッチ ID |
パッチの識別番号。 |
形式 |
パッチに関する情報の要約。 |
要件 |
このパッチの前にインストールされている必要があるパッチのリスト。括弧内のパッチ ID は、システムにまだインストールされていないパッチを示します。 |
廃止 |
蓄積したパッチと交換するパッチのリスト。括弧内のパッチ ID は、まだインストールされていないパッチを示します。 |
パッチリストテーブルを表示します。
手順の詳細は、「パッチの監視モジュールにアクセスする」を参照してください。
パッチを表示している行でマウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューが表示されます。
「<PatchID> を参照しているインストール済みのパッチ一覧を表示します」を選択します。
検索表示が開き、選択したパッチを参照するインストール済みのパッチのリストが表示されます。
ホストの「詳細」のモジュールブラウザで、階層ウィンドウの「オペレーティングシステム」をダブルクリックします。
カテゴリが展開されます。
「パッチの監視」をダブルクリックします。
カテゴリが展開され、「推奨パッチ」が表示されます。
「推奨パッチ」でマウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューが表示されます。
表示するかどうかを選択します。
システムにインストールされているパッチのリストを表示するには、「インストール済みのパッチを表示します」を選択します。
システムにインストールされているパッケージのリストを表示するには、「インストール済みのパッケージを表示します」を選択します。
検索表示が開き、適切なリストが表示されます。