この章では、Solaris Container Manager 3.6 (Container Manager) ソフトウェアの実行時の問題点とバグについて説明します。
Solaris Container Manager 3.6 ソフトウェアでは、実行時に、次の問題が発生する可能性があります。
Solaris Container Manager 3.6 のコマンド行インタフェース (CLI) バージョンは、英語版しかありません。このバージョンは翻訳されていません。英語版であっても、インストール処理や機能は変わりません。
回避策: 英語以外のロケールでインストールを行うには、GUIでインストール (es-guiinst) と設定 ( es-guisetup) を行なってください。
英語以外のロケールを選択した場合、使用状況グラフのイメージのタイトルと見出しが英語で表示されます。これらは各言語に対応していません。
Solaris 8 OS を使用しているシステムでは、Container Manager で拡張アカウンティング機能が使用不可になっています。したがって、Solaris 8 システムでは、コンテナの CSV ファイルの拡張アカウンティングデータ (Exacct) 列は null になります。
エージェントホストの /etc/project データベース内のプロジェクトが、Sun Management Center のデータベース内のプロジェクトとプロジェクト ID が同じでプロジェクト名が異なる場合、プロジェクトは Container Manager で検出されません。Container Manager では、同じサーバーコンテキスト内のすべてのホスト間でプロジェクト ID が一意である必要があります。
projadd コマンドを使用してプロジェクトを作成しないでください。Container Manager だけを使用してプロジェクトを管理してください。
回避策: projadd コマンドで作成されたデフォルト以外のプロジェクトをエージェントホストの /etc/project データベースから削除し、Container Manager の新規コンテナウィザードを使用してコンテナを作成します。
ゾーン、プールまたはプロジェクトの、作成、変更または削除に失敗したときに表示されるエラーメッセージが不完全で、詳細が表示されません。次のような内容のエラーメッセージが表示される場合があります。
リソースプールを作成できない
ゾーンを作成できない
プロジェクト、ゾーン、またはプールを更新できない
有効なユーザーのコンテナを有効にできない
コンテナをホストに関連付けることができない
回避策: 上記のエラーが表示された場合は、次の点を確認してください。まず、ユーザーが有効な SunMC ユーザーであり、必要な管理者権限を持っている ( esadm、esdomadm グループに属している) ことを確認します。
次のコマンドを使用して、ユーザーが必要なプロファイルに関連付けられているかを確認します。
$ profiles <username>
必要なプロファイルは次のとおりです。
Solaris 10 - ゾーン管理、プール管理、プロジェクト管理
Solaris 9 - プール管理、プロジェクト管理
Solaris 8 - プロジェクト管理
必要なプロファイルがない場合は、次のコマンドを実行して (スーパーユーザーで)、ユーザーに関連付けられたプロファイルを変更します。
# usermod -P "<コンマ区切りの必要なプロファイル一覧>" <username>
システム上にプロファイルが存在しない場合は、次に示す形式で /etc/security ディレクトリの prof_attr ファイルに必要なプロファイルを追加します。
Pool Management:::Resource pool management profile:help=RtPoolMgmt.html
Project Management:::Manage Solaris projects:auths=solaris.project.read,solaris.project.write; help=RtProjManagement.html
次のコマンドを実行して、SCM モジュールでユーザーがローカルアクセスユーザーに属しているか確認します。
<BASEDIR>/SUNWsymon/sbin/es-config -M scm-container -s
ユーザーがアクセスリストに含まれていない場合は、次のコマンドを実行します。
<BASEDIR>/SUNWsymon/sbin/es-config -M scm-container -l <user_name>
Solaris Container Manager 3.6 ソフトウェアでは、実行時に、次のバグが発生する可能性があります。
エージェントがクラッシュし、scm-container* のファイルが /var/opt/SUNWsymon/cfg/ ディレクトリに残されています。エージェントが再起動したときに、最高のパフォーマンスではない場合があります。このような状況のときは、次のエラーメッセージが表示される場合があります。
「セキュリティ権限が不十分なため、操作を完了できません。」
次のコマンドを入力して、エージェント上のプロセスの状態を確認できます。
% ps -eaf | grep esd
回避策: パフォーマンスを向上するには、次のコマンドを入力します。
スーパーユーザーになります。
% su -
エージェントを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a
状態ファイルを削除します。
# rm /var/opt/SUNWsymon/cfg/scm-container*
エージェントを再起動します。
#/opt/SUNWsymon/sbin/es-start -a
サーバーの再起動後に Java Web Console が自動的に再起動しません。
Java Web Console を起動するには、次のコマンドを入力します。
スーパーユーザーになります。
% su -
root パスワードを入力します。
Java Web Console を再起動します。
# /usr/sbin/smcwebserver restart
今後は Java Web Console が再起動するようにします。
# /usr/sbin/smcwebserver enable
回避策: なし。
「新規ゾーン」ウィザードの「ロケール」ドロップダウンメニューから無効なロケールを選択すると、ゾーンの作成に失敗します。「ロケール」ドロップダウンメニューには無効なロケール値が含まれる可能性があります。
有効なロケールについては、『 International Language Environments Guide』の「Supported Locales」を参照してください。
回避策: 「新規ゾーン」ウィザードの「ロケール」ドロップダウンメニューから有効なロケールを選択します。ロケール値がわからない場合は、C (英語ロケール) を選択します。
アラームが発生しているときに、アラームバッジそのものではなく、アラームバッジのツールチップが表示される場合があります。
別の区画に移動してからアラームが発生しているオブジェクトのアイコンに戻ると、アイコンのバッジが正しく表示されます。
回避策: なし。
ブラウザの「戻る」ボタンをクリックすると、Container Manager から例外がスローされる場合があります。このリリースでは、ブラウザの「戻る」ボタンはサポートされていません。
この例外から回復するには、https://server_name:6789/containers を表示し、適切なページに移動します。
回避策: なし。
Solaris 9 オペレーティングシステムでは、newtask コマンドのバグが原因で、一部のプロセス (たとえばユーザー nobody で実行される JavaTM アプリケーション) がコンテナに移動しません。
回避策: ユーザー nobody で実行されるアプリケーションを、 newtask コマンドを使用して適切なコンテナ内で起動します。
# /usr/bin/newtask -p projectname command |
projectname はアプリケーションを起動するプロジェクト、command はアプリケーションを起動するコマンドです。
詳細は、newtask(1) のマニュアルページを参照してください。
次のいずれかの一致式を使用してコンテナ定義を作成してから有効にすると、エージェントホストがハングアップします。
n
ns
nsc
nscd
回避策: newtask コマンドを使用して、適切なプロジェクト内で nscd プロセスを開始します。
# /usr/bin/newtask -p projectname command |
projectname はアプリケーションを起動するプロジェクト、command はアプリケーションを起動するコマンドです。
詳細は、newtask(1) のマニュアルページを参照してください。
Solaris Container Manager 3.6 ソフトウェアをサーバーレイヤに再インストールする場合は、アンインストール時にデータを残してください。同様に、サーバーレイヤで再設定を行う場合は、データベースを再作成しないオプションを選択します。データを残さずにサーバーレイヤで再インストールまたは再設定を行った場合、以前に検出されたエージェントホストがデータベースに含まれなくなる可能性があります。
回避策: 再インストールまたは再設定を行ったあとにホストが見つからない場合は、次の手順でホストで Sun Management Center エージェントを再起動します。
エージェントシステムにログインします。
スーパーユーザーになります。
% su -
次のように入力して Sun Management Center エージェントを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a |
次のように入力して Sun Management Center エージェントを起動します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -a |