Sun Management Center 3.6.1 ユーザーガイド

Advanced System Monitoring モジュール

Advanced System Monitoring (ASM) は、ライセンス化された付加価値ソフトウェア製品です。この製品のインストールは、Sun Management Center 3.6.1 ソフトウェアのインストール時に選択します。ASM は、より総合的なシステム監視機能をサポートする追加モジュールを提供します。ASM には、ここで説明している次のモジュールが含まれます。

ディレクトリサイズモニタリングモジュール、バージョン 2.0

このモジュールを使用すると、エージェントがインストールされているホスト上の任意のディレクトリとそのサブディレクトリを分離してそれらのサイズを監視できます。サブディレクトリとリンクは、モジュールポップアップメニューからアクセスできるウィンドウを使用して再帰的に表示できます。


注 –

複数のディレクトリを個々に監視するには、Directory Size Monitoring モジュールのインスタンスを複数読み込むか、あるいはプロパティーテーブル内で追加ディレクトリ用の行を追加してください。詳細は、「ディレクトリサイズを監視する」を参照してください。


次の表は、ディレクトリサイズモニタリングのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–119 ディレクトリサイズモニタリングプロパティー

プロパティー 

説明 

インスタンス名 

特定モジュールまたはモジュール内の行を個別に識別するために Sun Management Center エージェント内で内部的に使用される単一の語句または英数字文字列 

ディレクトリ名 

監視対象となっているディレクトリの名前 

ディレクトリ 

ディレクトリが存在するかどうかのチェック 

ディレクトリサイズ (KB) 

ディレクトリの現在のサイズ (単位: K バイト) 

速度 (KB/秒) 

1 秒間にディレクトリがサイズを変化させる速度 (単位: K バイト) 

フォルトマネージャーモジュール、バージョン 1.0

フォルトマネージャーモジュールは、ハードウェアおよびソフトウェアフォルトを効率良く処理します。このモジュールはまた、詳細なフォルトレポートまたは選択されたフォルトのメッセージ記事を表示します。

フォルトマネージャーモジュールには、次の管理オブジェクトがあります。

次の表は、フォルトマネージャーのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–120 フォルトマネージャーのプロパティー

プロパティー 

説明 

フォルト管理デーモン 

フォルト管理デーモンの詳細を表示 

FMD 構成 

読み込まれたモジュールの詳細を表示 

FMD フォルトイベント 

メッセージ ID を付けて最近の 20 個のフォルトを表示。新しいフォルトごとにアラームが生成される。 

次の表は、フォルト管理デーモンのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–121 フォルト管理デーモンのプロパティー

プロパティー 

説明 

プロパティー 

フォルト管理デーモンのプロパティー。FMD プログラムパス、FMD プログラムバージョン、FMD プロセス ID。 

値 

フォルト管理デーモンのプロパティー値。 

次の表は、FMD 構成のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–122 FMD 構成のプロパティー

プロパティー 

説明 

モジュール名 

FMD モジュールの名前。FMD モジュールとしてはたとえば cpumem-diagnosis、cpumem-retire、fmd-self-diagnosis がある。 

バージョン 

モジュールのバージョン 

状態 

モジュールの状態で、active または failed のいずれか。active から failed に状態が変化すると、このプロパティーに対するアラームが生成される。 

説明 

モジュールの説明。 

次の表は、FMD フォルトイベントのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–123 FMD フォルトイベントのプロパティー

プロパティー 

説明 

日時 

フォルト診断の発生日時 

UUID 

フォルトイベントの一意な ID 

SUNW-MSG-ID 

http://www.sun.com/msg/ にある対応するナレッジ記事にアクセスするためのメッセージ ID

Procedureフォルトレポートを表示する

  1. トポロジまたは階層表示をナビゲートして、フォルトマネージャーの「FMD フォルトイベントテーブル」にアクセスします。

  2. フォルトレポートを表示するフォルトを選択します。

  3. マウスボタン 3 を押し、ポップアップメニューから「フォルトレポートの表示」を選択します。

    「検索表示」に、選択されたフォルトの詳細フォルトレポートが表示されます。

Procedureメッセージ記事を表示する

メッセージ記事には、フォルトの種類や重大度、説明、影響、推奨処理などの情報が含まれています。メッセージ記事は、特定のフォルトに対して適切な対策を取るのに役立ちます。

  1. トポロジまたは階層表示をナビゲートして、フォルトマネージャーの「FMD フォルトイベントテーブル」にアクセスします。

  2. メッセージ記事を表示するフォルトを選択します。

  3. マウスボタン 3 を押し、ポップアップメニューから「http://www.sun.com/msg のメッセージ記事の表示」を選択します。

    ブラウザが開き、次のサイトにあるメッセージ記事が表示されます。

    http://www.sun.com/msg/<SUNW-MSG-ID>

    ここで示す <SUNW-MSG-ID> は、メッセージ ID で、FMD フォルトテーブルの最終列を示します。


    注 –

    Java コンソールがシステムにインストールされていない場合、ブラウザにメッセージ記事は表示されません。


ファイル走査モジュール、バージョン 2.0

ファイル走査モジュールはホストを走査して、ユーザー定義パターンを検索します。ファイル走査モジュールの複数インスタンスを読み込んで、複数のファイルを走査できます。このモジュールでは、データプロパティー一覧のための行を追加する必要があります。詳細は、「データプロパティーテーブルに行を追加する」を参照してください。

ファイル走査モジュールには、次の管理対象オブジェクトが存在します。

次の表は、ファイル走査のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–124 ファイル走査プロパティー

プロパティー 

説明 

ファイル ID 

ファイル走査で使用されるパターンの名前 

パターンの状態 

表示されるパターンの状態 

走査テーブル 

ファイル走査で使用されるパターンの名前 

次の表は、ファイル ID のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–125 File ID プロパティー

プロパティー 

説明 

ファイル名 

走査の対象となるファイルの絶対パス名 

走査モード 

ファイル走査のモード 

開始時刻 

ファイル走査が当初開始された時間 

ファイルの統計情報テーブルには、走査対象となるファイルの概要が示されます。次の表は、ファイルの統計情報のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–126 ファイルの統計情報プロパティー

プロパティー 

説明 

修正時刻 

ファイルの最終変更日時 

ファイルサイズ (バイト) 

ファイルのサイズ (バイト数) 

行数 

ファイル内の行数 

1 秒あたりの行数 

1 秒あたりでファイルが変化する速度 (単位: 行) 

次の表は、走査のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–127 走査テーブルプロパティー

プロパティー 

説明 

行の状態 

行の状態 

パターン名 

ファイル走査で使用されたパターンの名前 

パターンの説明 

「Scan Results」セクションの「名前」フィールドに表示されるパターンエントリの名前。syslog ファイルにあるフォルトメッセージを探すには、説明の前に FMA を付ける。

正規表現のパターン 

ファイルを走査してエントリを探す場合に使用する正規表現パターン。syslog ファイルにあるフォルトメッセージを探すには、<token>: <value>:<value> の形式でパターンを指定する。ここで示す <token> は障害パラメータであり、<value> は障害パラメータの値です。

パターンの状態 

表示されるパターンの状態 (on または off)。off の状態は、表示されるパターンがファイル走査で使用されないことを示す 

一致 

パターンを含む行の番号 

Hardware Diagnostic Suite Version 2.0

Hardware Diagnostic Suite は、システムをテストしてハードウェア障害がないかを確認します。このモジュールが読み込まれていて、Hardware Diagnostic Suite ソフトウェアがインストールされている場合は、「詳細」ウィンドウ内の「アプリケーション」タブを使用してテストを開始できます。Hardware Diagnostic Suite の詳細は、『Sun Management Center Hardware Diagnostic Suite 2.0 User's Guide』を参照してください。

状態モニターモジュール、バージョン 2.0

状態モニターモジュールは、ホストの健全性を監視します。アラーム状態が発生すると、このモジュールは必要に応じシステムのパフォーマンスを向上させる方法をユーザーに示します。

たとえば、このモジュールは使用できるスワップ空間、予約されているスワップ空間、割り当て済みのスワップ空間、使用済みのスワップ空間などを監視します。次に、アラームメッセージの例を重大度の小さいものから順に示します。

ここでは、状態モニターモジュールによって管理される次のオブジェクトについて説明します。

次の表で説明しているように、状態モニターモジュールはシステムプロパティーを追跡して上記のオブジェクトがないか探します。

表 C–128 状態モニタープロパティー

プロパティー 

説明 

スワップ 

スワップ空間の詳細 

カーネル競合 

カーネル競合 (相互排他) 

NFS 

NFS クライアント情報を提供する 

CPU 

CPU 能力についての情報を提供する 

ディスク 

ディスク I/O 情報を提示する 

RAM 

ランダムアクセスメモリー (RAM) 情報 

カーネルメモリー 

カーネルメモリーの情報 

ディレクトリキャッシュ 

ディレクトリのキャッシュ 

スワップテーブル

次の表は、走査のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–129 スワッププロパティー

プロパティー 

説明 

使用可能なサイズ (KB) 

使用できるスワップ空間 

予約済みのサイズ (KB) 

予約されているスワップ空間 

割り当て済みのサイズ (KB) 

割り当て済みのスワップ空間 

使用中のサイズ (KB) 

使用されているのスワップ空間 

スワップ規則 

スワップの規則 

カーネル競合テーブル

次の表は、カーネル競合 (相互排他) のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–130 カーネル競合プロパティー

プロパティー 

説明 

相互排他時のスピン 

相互排他におけるスピン (最初の試行ではロックは取得されない) - すべての CPU の合計 

CPU 数 

CPU の数 

相互排他時のスピン規則 

相互排他におけるスピン (最初の試行ではロックは取得されない) - すべての CPU の合計 

NFS テーブル

次の表は、NFS クライアント情報のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–131 NFS クライアント情報プロパティー

プロパティー 

説明 

呼び出し 

受信された RPC 呼び出しの合計数 

不良呼び出し 

RPC 層によって拒否された呼び出しの合計数 

再送 

タイムアウトのために再送信された呼び出し 

不良 XID 

外部呼出しに対応していないサーバーからの応答 

タイムアウト 

サーバーからの応答を待機している間に呼び出しのタイムアウトが発生 

新規 CRED 

認証情報が再表示された回数 

不良 VERF 

応答における不正なベリファイアのために失敗した呼び出しの数 

タイマ 

タイムアウトが発生した回数が、呼び出しに対して指定されている最小のタイムアウト値を超える 

メモリーなし 

メモリー割り当てに失敗 

送信不可 

NFS/RPC 規則の送信に失敗 

NFS/RPC 規則 

NFS/RPC 規則の値 

CPU テーブル

次の表は、中央処理装置 (CPU) のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–132 CPU プロパティー

プロパティー 

説明 

実行待ち行列中のプロセス 

実行待ち行列内のプロセスの数 

待ちプロセス 

リソース要求をブロックされたプロセスの数 

スワップされたプロセス 

実行できるがスワップされた状態にあるプロセスの数 

CPU パワー規則 

CPU 能力の規則 

ディスクテーブル

次の表は、ディスクのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–133 ディスクプロパティー

プロパティー 

説明 

ディスク名 

ディスクの名前 

ディスク別名 

ディスクの名前 (例: c0t0d0)

ディスク待ち時間率 (%) 

サービスを待機しているトランザクションの平均数 

ディスクビジー率 (%) 

ディスクがビジー状態にある時間の割合 

サービス時間 (ミリ秒) 

ミリ秒単位で表した平均サービス時間 

ディスク規則 

ディスクの規則 

RAM テーブル

次の表は、ランダムアクセスメモリー (RAM) のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–134 RAM プロパティー

プロパティー 

説明 

ハンドスプレッド 

ハンドスプレッド (カーネルパラメータの 1 つ) ページの値 

スキャンレート 

ページ走査の頻度 

実メモリー規則 

実メモリーの規則 

カーネルメモリーテーブル

次の表は、カーネルメモリーのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–135 カーネルメモリープロパティー

プロパティー 

説明 

カーネル割り当ての合計失敗回数 

カーネル割り当てが失敗した回数 

未使用物理メモリー 

空いている物理メモリーの量 

カーネルメモリー規則 

カーネルメモリー規則の値 

ディレクトリキャッシュテーブル

次の表は、ディレクトリキャッシュのプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–136 ネームキャッシュ統計情報プロパティー

プロパティー 

説明 

キャッシュヒット 

以前にアクセスされたページが見つかった回数 

キャッシュミス 

以前にアクセスされたページが見つからなくなった回数 

DNLC 規則 

ディレクトリ名ルックアップのキャッシュ規則 

カーネルリーダーモジュール、バージョン 2.0

カーネルリーダーモジュールは、カーネル統計とあらゆるカーネル情報 (CPU 統計情報、システム読み込み情報、ディスク情報、ファイルシステムの利用など) を監視します。ここでは、カーネルリーダーによって管理されるオブジェクトのプロパティーとそれらの説明を示しています。

プロセスモニタリングモジュール、バージョン 2.0

ここでは、プロセスモニタリングモジュールのパラメータとそれらのプロパティーについて説明します。このモジュールでは、データプロパティー一覧のための行を追加する必要があります。詳細は、「データプロパティーテーブルに行を追加する」を参照してください。

一致するプロセスが見つかると、それらのプロセスによって消費される CPU 時間の割合と一致プロセスの数が表示されます。モジュールパラメータを変更する場合は、ポップアップメニューをアクセスしてエントリ名以外のすべてのパラメータを編集できます。詳細は、「ポップアップメニューを使用する」を参照してください。

プロセステーブル

次の表は、プロセス統計のプロパティーについて概要を述べたものです。


注 –

プロセステーブルに行を追加する場合は、次の表の最初の 5 つの行に情報を入力する必要があります。詳細は、「データプロパティーテーブルに行を追加する」を参照してください。


表 C–137 プロセス統計のプロパティー

プロパティー 

説明 

エントリ名 

プロセステーブルエントリの名前 (一意の名前でなければならない) 

名前パターン 

監視するプロセスのバイナリの名前に一致するパターン 

Argv パターン 

プロセスを実行するコマンドの引数に一致するパターン 

ユーザー指定 

プロセスを実行するユーザーの名前 

エントリの説明 

エントリの説明 (必須フィールド) 

プロセスコマンド 

プロセスの開始に使用するコマンド (該当する場合) 

プロセス数 

パターンに一致する、現在稼働中のプロセスの数 

システム CPU 使用率 (%) 

システムプロセスによって使用される CPU 時間の割合。この値は、さまざまな間隔で計算される使用時間による平均。この割合を UNIX ps コマンドの入力後に得られる値と混同しないでください。

ユーザー CPU 使用率 (%) 

プロセスによって使用される CPU 時間の割合 

仮想サイズ (KB) 

プロセスの合計サイズ (単位: K バイト) 

常駐セットサイズ (KB) 

プロセスの常駐サイズ (単位: K バイト) 

モニタリング状態 

on (行が有効になる) と off (行が無効になる) のトグル。行が無効になると、すべてのエントリは 0 (ゼロ) として表示される 

マイクロステート情報テーブル

次の表は、マイクロステート情報のプロパティーについて概要を述べたものです。

表 C–138 マイクロステート情報プロパティー

プロパティー 

説明 

エントリ名 

エントリの名前 (一意の名前でなければならない) 

CPU 待ち時間 

CPU 待ち時間の割合 

テキストページデフォルト時間率 (%) 

テキストページフォルトが発生する時間の割合 

データページデフォルト時間率 (%) 

データページフォルトが発生する時間の割合 

メジャーページデフォルト数 (毎秒) 

1 秒間に発生するメジャーページフォルトの回数 (テキストフォルトとデータフォルト) 

I/O 内の文字数 (毎秒) 

1 秒間に読み取りと書き込みが行われる文字の数 

強制コンテキストスイッチ数 (毎秒) 

1 秒間に行われる強制的なコンテキスト切り替えの回数 

取得した子プロセスの CPU 時間率 (%) 

親プロセスから切り離された子プロセスによって使用される CPU 時間の割合 

ユーザーロック時間率 (%) 

ユーザーロックに使用される時間の割合 

システムトラップ時間率 (%) 

システムトラップに使用される時間の割合 

総スワップ時間率 (%) 

スワップに費やされた時間の割合 

エントリの説明 

エントリの説明 (必須フィールド) 

Executable code Rule 

実行可能コードに適用される規則 

ファイルアクセス規則 

ファイルアクセスに適用される規則 


注 –

次のような状況では、CPU ごとの割合がきわめて高くなります。