Sun Management Center 製品は、管理オブジェクトの特定のデータプロパティーを監視します。データプロパティーは表形式またはグラフ形式で表示することができます。この章では、Sun Management Center が提供するグラフ形式を使用してデータプロパティーを監視するための基本的な機能を説明します。この章では、次の情報について説明します。
Performance Reporting Management (PRM) 製品は、複数のホストとプロパティーに対するグラフ定義を保存する機能、グラフをイメージとして保存する機能、履歴データに基づいてグラフを作成する機能などの高度なグラフ機能を提供します。詳細は、『Sun Management Center 3.6.1 Performance Reporting Manager User’s Guide』を参照してください。
表形式でのデータプロパティーの表示については、第 8 章「データプロパティーの監視」を参照してください。
「詳細」ウィンドウを使用して、特定のデータプロパティーの現在値 (指定ホスト上での使用メモリー量など) を表示することができます。該当する管理オブジェクトは、階層 (ツリー) 表示をナビゲートして表示できます。ホスト階層の最下位オブジェクトは監視されたプロパティーです。
デフォルトでは、監視されたデータプロパティーの情報は表形式で表示されます。ただし、インスタンスによっては、この情報をグラフ形式で表示した方が有益な場合があります。たとえば、時間関数としてメモリー使用を示すグラフを作成すると、メモリーの最高使用時が一目で分かるようになります。
Sun Management Center ソフトウェアでは、ほとんどの監視データプロパティーをグラフ表示できます。
「詳細」ウィンドウから、次のいずれかの方法で「グラフ」ウィンドウを表示します。
データプロパティーを含むテーブルセルでマウスボタン 3 を押して、ポップアップメニューから「グラフを開く」を選択する。
監視するデータプロパティーを選択し、「詳細」ウィンドウの最上部にある「グラフ」ボタンをクリックする。
「グラフ」ウィンドウが開きます。プロパティーの値は、時間関数として示されます。グラフは動的に作成されるため、「グラフ」ウィンドウを最小化しても継続して作成されます。ただし、ウィンドウを閉じるとグラフの作成は停止します。
次の図に、一般的な「グラフ」ウィンドウを示します。
データプロパティーテーブルのセルをクリックします。
たとえば、「オペレーティングシステム」から「カーネルリーダ (簡易)」、「システム負荷統計情報」へと階層をたどっていくと、「直前 1 分間の負荷平均」のテーブルセルを選択することがきます。
次のいずれかの方法でセルをグラフにコピーします。
テーブルセルでマウスボタン 3 をクリックして、ポップアップメニューから「グラフクリップボードにコピー」コマンドを選択する。
「詳細」ウィンドウで、「オプション」アイコンメニューから「グラフクリップボードにコピー」を選択する。
「グラフクリップボードにコピー」コマンドは、データ項目の単位が同じ場合にのみ使用できます。「グラフクリップボードにコピー」によって、クリップボードにデータが置かれますが、実際には、次の手順が完了するまでデータはグラフにコピーされません。
追加のプロパティーを作成する、「グラフ」ウィンドウに進みます。
「グラフ」メニューから「グラフクリップボードから追加」を 選択します。
2 番目のデータプロパティーが追加されます (図 9–2)。
1 つのグラフに同時に最高 5 つのデータプロパティーのグラフを作成できます。
「グラフ」ウィンドウの「グラフ」メニューから「保存されたグラフを開く」を選択します。
「グラフを開く」ダイアログボックスが表示されます。
リストから保存されたグラフを選択します。
選択したグラフを表示するには、「了解」ボタンをクリックします。
グラフ要求を保存すると、グラフパラメータは保存されますがデータは保存されません。そのため、グラフを開くと最新データでグラフが作成されます。
「グラフ要求を保存」機能は、グラフ化されたホスト名とデータプロパティーを保存します。一旦保存したグラフは、「グラフ」ウィンドウの内部からすぐに呼び出せるだけでなく、メインコンソールウィンドウの「ツール」メニューからもアクセスできます。新規にグラフを開くと、最新データのグラフが作成を開始します。
グラフのプロパティーを保存するには、「グラフ」ウィンドウの「グラフ」メニューから「グラフ要求を保存」を選択します。
「グラフ名の入力」フィールドにグラフの名前を入力します。
「保存」ボタンをクリックします。
グラフテンプレートを使用して、グラフの外観を定義することができます。グラフテンプレートを作成するには、1 つのグラフの画像を定義してからそのグラフのテンプレートを保存します。このときグラフテンプレートとして保存されるのは、データプロパティー、ホスト情報、テンプレートのみで、現在のグラフの状態は保存されません。同じ外観にするために新規グラフに定義済みテンプレートを適用する場合は、「グラフテンプレートを適用する」を参照してください。
グラフのプロパティーを保存します (「グラフパラメータを保存する」 を参照)。
グラフに適用したカスタム機能を保存するには、「グラフ」ウィンドウの「グラフ」メニューから「テンプレートの保存」を選択します。
「テンプレートの保存」機能を使用すると、グラフに追加したすべてのカスタム機能 (軸ラベル、ヘッダ、フッタ、説明文など) を保存できます。
「テンプレート名の入力」フィールドにテンプレートの名前を入力します。
「保存」ボタンをクリックします。
グラフテンプレートを使用して、グラフの外観を定義することができます。定義したグラフテンプレート (「グラフテンプレートを定義する」 を参照) は、複数のグラフに適用可能です。
「グラフ」ウィンドウの「グラフ」メニューから「テンプレートの適用」を選択します。
「テンプレートの適用」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで、保存されたカスタム機能を現在のグラフに適用することができます。
リストから保存されたテンプレートを選択します。
テンプレートを現在のグラフに適用するには、「了解」ボタンをクリックします。
デフォルトでは線グラフが表示されますが、棒グラフや面グラフを選択することもできます。
「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「グラフの種類」を選択します。
表示するグラフの種類を選択します。
棒グラフの場合は「棒」を選択します。
面グラフの場合は「面」を選択します。
線グラフの場合は「折れ線」を選択します。
「了解」ボタンをクリックします。
「グラフ」ウィンドウは、選択されたグラフタイプでデータを表示します。
「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「メインタイトル」を選択して、変更するラベルを選択します。
次のオプションのいずれかを選択します。
ヘッダを追加または変更する場合は「ヘッダ」を選択します。
フッタを追加または変更する場合は「フッタ」を選択します。
データ説明文を追加または変更する場合は「説明文」を選択します。
X 軸 (グラフの横軸) のラベルを追加または変更する場合は「 X 軸タイトル」を選択します。
Y 軸 (グラフの縦軸) のラベルを追加または変更する場合は「Y 軸タイトル」を選択します。
各オプションのダイアログボックスで、同様のパラメータを設定することができます。
タイトルテキストを変更するには、「文字」フィールドに情報を入力するか、情報を変更します。
タイトルのスタイルを変更するには、「書式」領域で、使用するスタイルを選択します。
デフォルトではほとんどのテキストがプレーンスタイルですが、ボールドやイタリックも選択できます。
フォントファミリーを指定してタイトルに適用するには、「名前」領域でフォントファミリー名を選択します。
デフォルトではほとんどのタイトルが Serif フォントですが、SansSerif や Monospaced も選択できます。
タイトルのサイズを指定するには、「サイズ」領域のスクローリングリストでサイズを選択します。
デフォルトサイズはタイトルの種類によって異なります。中心となるサイズは 10–14 ポイントですが、6 ポイントから 26 ポイントの間で指定することができます。
タイトルの向きを変更するには、「方向」領域から該当するボックスを選択します。
デフォルトはタイトルの種類によって異なります。たとえば 、ほとんどの X 軸のタイトルは水平方向です。選択可能な方向は次のとおりです。
横向き – 左から右方向
上下逆 – 右から左方向で反転
縦向き – 左向き、下から上方向
縦に反転 – 右向き、上から下方向
タイトルの周囲に枠を作成するには、「枠の種類」メニューからスタイルを選択します。
グラフの軸を編集する場合は、適切な値を指定するよう注意してください。最小値や最大値にグラフの作成が不可能な値を指定すると、通常ダイアログボックスに問題を示すエラーメッセージが表示されます。ただし、グラフ作成可能な値で結果的に作成された点が画面で確認できない場合は、エラーメッセージは表示されません。
X 軸に使用する値を変更するには、「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「軸」を選択します。
「軸の編集」ウィンドウが表示されます。
X 軸値の自動入力を使用不可にするには、「自動目盛り」の選択を解除します。
ウィンドウフィールドの「自動」の表示が数字に切り替わります。
該当する値を「表示時間 (分)」、「目盛り間隔」、「グリッド間隔」の各フィールドに入力します。
Y 軸に使用する値を変更するには、「軸の編集」ウィンドウから「Y 軸」タブをクリックします。
Y 軸値の自動入力を使用不可にするには、「自動目盛り」の横のチェックボックをクリックします。
ウィンドウフィールドの「自動」の表示が数字に切り替わります。
該当する値を「範囲最小」、「最大」、「大目盛り」、「小目盛り」、「グリッド間隔」の各フィールドに入力します。
変更を適用して「軸の編集」ウィンドウを閉じるには、「了解」ボタンをクリックします。
「枠」ウィンドウにアクセスするには、「グラフ」ウィンドウの「編集」メニューから「枠」を選択します。
2 つの領域を持つ「枠」ウィンドウが 表示されます。
「グラフ領域」はグラフ全体の枠に適用します。
「作図領域」はデータ部分の枠に適用します。
グラフ全体の枠を変更するには、「グラフ領域」欄の 「枠の種類」リストから枠の種類を選択します。
数種類の枠が用意されています。
データ部分の枠を変更するには、「作図領域」欄の「枠の種類」から枠の種類を選択します。
数種類の枠が用意されています。
枠の変更を適用して「枠」ウィンドウを閉じるには、「了解」ボタンをクリックします。
「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューは、さまざまなグラフコンポーネントを表示または非表示にしたり、 データの表示形式を変更したりする際に使用します。コンポーネントは、次の手順以外の順番でも表示または非表示にできます。
ライブデータ (現在のデータ) の表示を使用可能または使用不可にするには、 「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューで「ライブデータ」を選択または選択解除します。
ライブデータを使用可能にすると、グラフは継続的に最新データを更新します。
ライブデータを使用不可にすると、グラフは静的になり、ライブデータが再び使用可能にならないかぎり、グラフは新しいデータで更新されません。
ヘッダを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「ヘッダを表示」を選択または選択解除します。
フッタを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「フッタを表示」を選択または選択解除します。
X 軸と Y 軸 のタイトルを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「軸タイトルを表示」を選択または選択解除します。
X 軸と Y 軸 のラベルを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「軸を表示」を選択または選択解除します。
グリッドラインを表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「グリッドを表示」を選択または選択解除します。
データ説明文を表示または非表示にするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「説明文を表示」を選択または選択解除します。
グラフを回転させる場合は、次の手順で行います。
データ表示の順番を変更する場合は、次の手順で行います。
X 軸を反転させると、Y 軸がグラフの反対側に移動して、時間の配列が逆転します。つまり、グラフの左側には一番古いデータではなく最新のデータが表示されます。
Y 軸を反転させると、X 軸がグラフの最上部に移動して、時間の配列が逆転します。つまり、グラフの底辺部ではなく最上部により小さな値が表示されます。
回転値と反転値をリセットするには、「グラフ」ウィンドウの「表示」メニューから「表示リセット」を選択します。
グラフの特定領域を拡大するには、「グラフ」ウィンドウの「ツール」メニューから「ズーム」を選択します。
Shift キーを押したままマウスボタン 1 を押しながらドラッグして、拡大する部分を囲みます。
適切な大きさになったところで、マウスボタンを離します。これで選択した部分が拡大して表示されます。
グラフを元の状態に戻すには、「グラフ」ウィンドウの「ツール」メニューから「復元」を選択します。
通常グラフは現在の情報を表示しますが、グラフ上の情報を変換し、たとえば過去に遡って情報を表示することも可能です。