複数のシステムボードにインタリーブされているメモリーを使用している場合、それらのシステムボードを切り離すことはできません。これは、DR がまだボード間のインタリーブをサポートしていないためです。デフォルトでは、hpost(1M) はメモリーがインタリーブされているボードをセットアップしません。hpost(1M) ファイルの .postrc (postrc(4) を参照) から、以下の行を見つけてください。
mem_board_interleave_ok |
mem_board_interleave_ok が存在すると、メモリーインタリーブを使用しているボードを切り離せない場合があります。
ボードを切り離す前に、オペレーティングシステムによってそのボードのメモリーが空にされている必要があります。ボードを空にするということは、ボードのページング可能なメモリーをスワップ領域にフラッシュし、ページング不可能なメモリー (すなわちカーネルまたは OBP メモリー) を別のメモリーボードにコピーするということです。ページング不可能なメモリーを再配置するためには、そのドメインのオペレーティング環境を一時的に停止する、すなわち休止する必要があります。一時停止させる時間は、そのドメインの入出力構成と現在の作業負荷によって異なります。オペレーティング環境を一時停止するのは、ページング不可能なメモリーを持つボードを切り離すときだけです。したがって、ドメインの操作に重大な影響を及ぼさないためには、ページング不可能なメモリーが常駐する場所を把握する必要があります。ボードに常駐メモリーがある場合、オペレーティング環境は、コピー先のメモリーを他に確保する必要があります。
以下のように、dr(1M) コマンドの drshow(1M) を使用して、目的のボード上のメモリーがページング可能かどうかを判断することができます。
% dr dr> drshow ボード番号 mem |
またボード上のメモリーがページング可能かどうかは、DR Memory Configuration ウィンドウからも確認できます。DR Memory Configuration ウィンドウは、Hostview の中で切り離し操作を実行すると表示されます。DR Memory Configuration ウィンドウについては、「ドメイン情報の表示」で説明します。
常駐メモリーを切り離すとき、DR はメモリーのコピー先となる、ターゲットメモリー領域を選択します。DR ソフトウェアは、自動的に規則の遵守合計をチェックします。遵守合計を確認できない場合、DR ソフトウェアは DR メモリー操作の継続を無効にします。DR メモリー操作が無効になった場合は、以下の理由が考えられます。
ページング不可能なメモリーのコピーを保存できるだけの十分な容量がドメインにない
ドメインが他のボードのメモリーとインターリーブされている
Solaris 7、Solaris 8 では、ターゲットボードが見つからない場合は切り離し操作が拒否され、DR はシステムコンソールに以下の警告メッセージを表示します (詳細については、『Sun Enterprise 10000 InterDomain Network ユーザーマニュアル』を参照してください。
修正可能なメモリーエラーとは、システムボード上のメモリー (すなわち単一または複数の DIMM (Dual Inline Memory Module) やハードウェアの相互接続部分) に障害があり、修復が必要な状態を示しています。SSP が修正可能なメモリーのエラーを検出した場合は、診断データの保存を目的としたレコード停止ダンプの取得を開始するため、DR Detach 操作に影響が出る場合があります。したがって、レコード停止が修正可能なメモリーのエラーによって発生した場合は、レコード停止操作を完了させてから、DR Detach 操作を始めることをお薦めします。
障害の発生した構成要素によって修正可能なメモリーのエラーに関するメッセージが繰り返し表示された場合、SSP はレコード停止ダンプを複数取得します。この複数のダンプ取得が発生したときは、SSP 上のダンプ検出機能を一時的に停止します。実行中のダンプ取得が終了してから、DR Detach 操作を開始します。DR Detach 操作が完了したら、ダンプ検出機能を再開します。