Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル

切断関連の障害

切断関連のエラーメッセージの一覧を以下に示します。これらのメッセージは、システムログと SSP アプリケーションのいずれかまたは両方に送信されます。

表 A-3 切断関連障害のエラーメッセージ

エラーメッセージ 

推定される原因 

対処方法 

DR Error: Cannot detach board board_number. It has interface_name interfaces configured.

ドメインの操作に重要な意味を持つ 1 つ以上のネットワークインタフェースがボードに接続されているため、ボードを切断することはできません。ネットワークインタフェースは、プライマリ、SSP、AP、PBF インタフェースの任意の組み合わせが可能です。 

ifconfig(1M) コマンドを使って、インタフェースの役割を判別します。構成されたインタフェースがプライマリネットワークまたは SSP である場合は、手動で代替インタフェースに切り替えます (代替インタフェースが存在する場合)。プライマリおよび SSP 以外のインタフェースの場合は、そのままにしておくことで、Detach 操作が可能になる場合があります。操作が成功しない場合は、ドメインを停止し、インタフェースを別のボードに移動する必要があります。

DR Error: cpu0_move_finished: invalid board state

CPU の有効性に関係する通信プロトコル違反が発生しました。SSP の場合、CPU はボードから取りはずされます。DR ドライバの場合は、移動はボードに対する無効の操作です。 

なし 

ifconfig down failed.

ifconfig(1M) コマンドが、ネットワークインタフェースの停止に失敗しました。ifconfig(1M) コマンドは、ボードの切断前にネットワークインタフェースを使用中止および停止します。ボード上のネットワークインタフェースのいずれかが使用中である場合は、手動による操作が必要になります。

ドメインにログインし、可能であれば ifconfig(1M) コマンドを down オプションを付けて実行し、ボード上のインタフェースを手動で停止します。コマンドの手動実行により、障害に関する詳細な情報を取得できる場合があります。

ifconfig unplumb failed.

ifconfig(1M) コマンドが、ネットワークインタフェースの使用中止を設定できませんでした。ifconfig(1M) コマンドは、ボードの切断前にネットワークインタフェースを使用中止および停止します。ボード上のネットワークインタフェースのいずれかが使用中である場合は、手動による操作が必要になります。

ドメインにログインし、可能であれば ifconfig(1M) コマンドを unplumb オプションを付けて実行し、インタフェースを手動で使用中止にします。コマンドの手動実行により、障害に関する詳細な情報を取得できる場合があります。

Warning: Error return from /opt/SUNWconn/bin/nf_snmd_kill (return_value)

コマンドは失敗しました。いくつかのデーモンがネットワーク接続をオープンしたままになっています。これらのデーモンを停止してから、デーモンが制御するデバイスを切断する必要があります。 

return_value を分析して kill(1) コマンドが失敗した原因を突き止め、問題を訂正します。必要に応じて、ps(1) コマンドを使ってデーモンの PID 番号を取得し、kill(1) コマンドを使ってデーモンを手動で停止します。

Warning: Error return from /opt/SUNWconn/bin/pf_snmd_kill (return_value)

kill(1) コマンドが失敗しました。ネットワークデバイスの制御に使用されるデーモンがインタフェースをオープンしたままにするため、デーモンを停止してからデバイスを切断する必要があります。

return_value を分析して kill コマンドが失敗した原因を突き止め、問題を訂正します。必要に応じて、ps(1) コマンドを使ってデーモンの PID 番号を取得し、kill(1) コマンドを使ってデーモンを手動で停止します。

DR Error: abort_detach: board already drained

DR デーモンによる切り離し操作の終了中に、ioctl() の取り消しに失敗しました。このため、ボードは、メモリーがすでに開放されてしまったことを示す非参照状態にあるとレポートされました。

このエラーを復旧するには、まずボードを完全に切断する必要があります。ボードの切断が成功してから、DR 操作を再度実行してください。 

DR Error: abort_detach_board: invalid board state

ボードの有効性に影響する通信プロトコル違反が発生しました。SSP に関しては、ボードはドメインの一部で、その資源はすでに開放されたか、または開放されつつあります。このため、SSP は abort コマンドを発行して切り離し操作を停止します。ただし、DR ドライバおよびデーモンに関しては、ボードはドメインの一部ではありません。 

DR アプリケーションを終了してから、再起動します。 

DR Error: board configuration query failed.

DR デーモンが、ボード構成の有効性の確認に失敗しました。 

DR デーモンと DR ドライバのいずれかまたは両方を停止してから再起動します。このエラーが引き続き発生する場合は、DR デーモンを停止してから、modinfo(1M)、modload(1M)、および modunload(1M) コマンドをドライバに対して実行します。また、ps(1) コマンドを使って DR デーモンのサイズを確認します。DR デーモンのサイズが 300 〜 400 KB の範囲内にあれば、システムログから可能な限り多くの情報を取得して、このエラーについて報告してください。

DR Error: Cannot abort detach. Board detached from OS (detach completed).

このメッセージは、切り離し操作が完了したことを示します。これは、エラーメッセージ DR Error: abort_detach: board already drained に対して表示されるメッセージに続いて表示されます。

メッセージ DR Error: abort_detach: board already drained を参照してください。

DR Error: couldn't query cpu configuration

完全な切り離し操作の開始直前に、DR デーモンが CPU 構成を確認できなかったために、完全な切り離し操作が失敗しました。ボードの切断後、DR デーモンは CPU 構成に関する情報を参照して、ボード上の各 CPU の utmp および wtmp エントリを更新します。完全な接続操作は更新に依存しませんが、CPU 構成の照会機構が破壊された場合は、切り離し操作を続行すべきではありません。

DR デーモンと DR ドライバのいずれかまたは両方を停止してから再起動します。また、ps(1) コマンドを使って DR デーモンのサイズを確認します。DR デーモンのサイズが 300 〜 400 KB の範囲内にあれば、システムログから可能な限り多くの情報を取得して、このエラーについて報告してください。

DR Error: detach_board: invalid board state

ボードの有効性に影響する通信プロトコル違反が発生しました。SSP に関しては、ボードはドメインの一部で、その資源はすでに開放されています。このため、SSP は切り離し操作を終了しようとします。ただし、DR ドライバおよびデーモンに関しては、ボードはドメインの一部ではありません。 

dr_cmd_board_states コマンドを使ってボードの状態を検査し、問題の原因を判定します。ドレインと完全な切り離し操作のいずれかまたは両方を再度実行し、回復可能なエラーかどうかを判定します。DR デーモンおよびドライバを停止してから起動します。

DR Error: detach_board: invalid board state

ボード状態の適切なシーケンスをたどることが行われていません。これは、ボードがエラー状態に入ったか、イベントのドレイン - 切断シーケンス内での初期障害が適切にレポートされなかったことを意味します。 

dr_cmd_board_states(1M) コマンドを使ってボードの状態を検査し、問題の原因を判定します。ドレインと完全な切り離し操作のいずれかまたは両方を再度実行し、回復可能なエラーかどうかを判定します。DR デーモンおよびドライバを停止してから起動します。

DR Error: detach_finished: invalid board state

ボードの有効性に影響する通信プロトコル違反が発生しました。SSP に関しては、ボードはすでに切断されています。ただし、DR ドライバおよびデーモンに関しては、ボードはドメインの一部ではありません。 

dr_cmd_board_states(1M) コマンドを使ってボードの状態を検査し、問題の原因を判定します。ドレインと完全な切り離し操作のいずれかまたは両方を再度実行し、回復可能なエラーかどうかを判定します。DR デーモンおよびドライバを停止してから起動します。

DR Error: detachable_board: invalid board state

ボードの有効性に影響する通信プロトコル違反が発生しました。SSP に関しては、ボードはドメインの一部です。このため、SSP は資源を開放しようとします。ただし、DR ドライバおよびデーモンに関しては、ボードはドメインの一部ではありません。 

dr_cmd_board_states(1M) コマンドを使ってボードの状態を検査し、問題の原因を判定します。ドレインと完全な切り離し操作のいずれかまたは両方を再度実行し、回復可能なエラーかどうかを判定します。DR デーモンおよびドライバを停止してから起動します。

DR Error: detaching board would leave no online CPUs

ボード切断後にオンライン状態の CPU が存在しなくなるため、切り離し操作が失敗しました。 

ドメイン内の他のボード上でより多くの CPU をオンラインにするか、オンラインの CPU を保持するより多くのボードをドメインに追加し、ボードの切断後にも十分なオンラインの CPU がドメインに存在するようにします。 

DR Error: drain_board_resources: invalid board state

ボードの有効性に影響する通信プロトコル違反が発生しました。SSP に関しては、ボードはドメインの一部であるため、SSP は資源を開放しようとします。ただし、DR ドライバおよびデーモンに関しては、ボードはドメインの一部ではありません。 

dr_cmd_board_states(1M) コマンドを使ってボードの状態を検査し、問題の原因を判定します。ドレインと完全な切り離し操作のいずれかまたは両方を再度実行し、回復可能なエラーかどうかを判定します。DR デーモンおよびドライバを停止してから起動します。

DR Error: Remaining system memory (memory_size mb) below minimum threshold (minimum_memory_size mb) . . . .Not enough space

切断中のボードに対してメモリーを提供するには、ドメインが十分なメモリーを保持する必要があります。ドメインがボードの切断に必要なメモリーを保持していないために、切断操作が失敗しました。 

必要なだけ多くのボードを接続して、ドメイン内のメモリーが切断中のボード上でメモリーを保持するようにします。 

DR Error: Some devices not re-attached. Examine the host syslog for details . . . errno_description

切り離しの強制終了中に、デバイスをオペレーティング環境に再接続できませんでした。DR デーモンが、ボード上の 1 つ以上のデバイスのデバイスドライバと通信を試みている間にエラーが発生しました。 

システムログをチェックして再接続されなかったデバイスを特定します。可能であれば、問題を訂正してから、再び complete_attach(1M) コマンドを実行してボードを完全に構成します。このアクションが失敗した場合は、未サポートのデバイスにより障害が引き起こされたと考えられるため、ドメインを再起動するまでこの問題を解決することはできません。

DR Error: sysconf failed (_SC_NPROCESSORS_ONLN) . . . errno_description

sysconf(3c) システムコールが、ドメイン内でオンライン状態にある CPU の合計数を返すことに失敗しました。このため、ボードの切断後に、ドメインがオンラインの CPU を保持するかどうかを DR デーモンが判断できません。

このエラーの詳細は、sysconf(3c) のマニュアルページを参照してください。参照した情報および errno_description を使ってエラーの診断および解決を行います。エラーの解決後に DR 操作を再実行します。修正されたことを明確に識別できない場合は、DR デーモンを停止してから再起動し、DR 操作を再実行してください。