Sun Enterprise 10000 Dynamic Reconfiguration ユーザーマニュアル

DR モデル 2.0 と IDN

IDN 機能は、標準 TCP/IP プロトコルで相互接続されたドメイン間で通信することを可能にします。この機能を実現するために、IDN はハードウェア構成についての詳細な情報を保持し、ドメインの各メンバーのハードウェア構成を監視しています。

DR 機能は、ユーザーがオペレーティングシステムを停止せずに、ハードウェアを再構成することを可能にします。IDN が一貫した最新情報を保持するために、DR の実現には、IDN にハードウェア構成の変更をつねに認知させておく必要があります。

DR は、IDN からドメインへのリンクを切り離し、ハードウェアを再構成して、ドメインを IDN に再リンクすることによって、この機能を実現します。

ドメインのリンク切り離しと再リンクは、DR 処理の完全な取り付けと完全な切り離しの段階で行われます。DR はドメインが IDN のメンバーであるかどうかを調べ、この段階でドメインの切り離しと再リンクを行います。ユーザーによるなんらかの操作は必要ありません。ただし、メンバーであるドメインが認識されない状態である場合、特に、ドメインが無応答状態にある場合、リンク切り離し処理はできません。ユーザーが DR 操作を実行しようとしたときに、1 つ以上のドメインが認識されない状態である場合、IDN 内部にあるすべての認識されないドメインに対してリンク切り離しを 1 回の手順で実行する必要があります (これは、domain_unlink(1M) コマンドに認識されないドメインの名前をすべて列記して実行することを意味します)。

ドメインが IDN にリンクされていない間は、そのドメインに対する、またはそのドメインからのデータ転送はできません。ドメインは、SSP の domain_config(4) ファイルで定義された IDN のメンバーであり続けます。また、domain_status(1M) コマンドを使用した場合、IDN のメンバーとしてもリストに保持され続けます。


注 -

DR と IDN 間の相互通信のために、いかなる場合も、単一の Sun Enterprise 10000 システムにおいては、ただ 1 つだけの DR または IDN 操作が許可されます。


ある条件において、コマンドの強制オプションを使用する必要があるかもしれません。DR 操作の流れにおいて、domain_unlink(1M) に対して強制オプションを使用することもできます。IDN のメンバーであるドメインを使用している場合は、強制オプションの使用には十分な注意が必要です。強制オプションの詳細については、『Sun Enterprise 10000 InterDomain Networks ユーザーマニュアル』を参照してください。