Netscape Messaging Server 4.15
Patch 1

このリリース ノートは、2000 年 4 月 7 日に更新されました。


このリリース ノートには、Netscape Messaging Server 4.15 Patch 1 に関する重要情報が記載されています。製品の使用前に、このリリース ノートをお読みください。

重要: Messaging Server 4.15 Patch 1 は、パッチ バージョンとコンプリート バージョンの 2 種類のバージョンをご利用いただけます。Messaging Server 4.15 Patch 1 のコンプリート バージョンは、以前の Messaging Server のどのバージョンにでもインストールして使用できますが、パッチ バージョンは Messaging Server 4.15 にのみインストール可能です。バージョン 4.15 より古いバージョンの Messaging Server を使用している場合に Messaging Server 4.15 Patch 1 のパッチ バージョンをインストールするには、お使いの Messaging Server のバージョンを 4.15 にアップグレードする必要があります。

Messaging Server 4.15 Patch 1 は、次のプラットフォームで使用できます (必須パッチおよび推奨パッチについては、「Messaging Server チューニング ガイド」を参照してください)。

  • 必須パッチを備えた Solaris 2.6 for Sparc
  • 必須パッチを備えた HP-UX 11.0
  • Windows NT 4.0 SP4
  • 推奨パッチを備えた IBM AIX 4.3.2
  • Tru64 Unix 4.0d
  • Red Hat 6.0 (Linux 2.2)

Messenger Express からアクセスする場合は、Messaging Server 4.15 Patch 1 では Javascript をサポートするブラウザが必要になります。性能をより高くするために、Netscape では次のブラウザの使用をお勧めしています。

  • Netscape Navigator 4.7 以降
  • Internet Explorer 5.0 以降

Netscape Messaging Server 4.15 Patch 1 のインストールに関しては、http://docs.iplanet.com/docs/manuals/messaging/nms41/install/contents.htm を参照してください。

このリリース ノートの内容は次のとおりです。

このリリースの新機能

Netscape Messaging Server 4.15 Patch 1 を使用すれば、インターネット拡張サービス プロバイダ (ESP) やインターネット サービス プロバイダ (ISP) はビジネス クラスのメッセージング サービスを迅速に構築でき、すべての従業員、パートナ、仕入先や顧客と通信や商取り引きを行うことができます。

機能

Messaging Server 4.15 Patch 1 の機能は次のとおりです。

  • Solaris プラットフォームでの個人用アドレス帳のサポート
  • Messenger Express 用の認証済み SMTP
  • Messenger Express での Mailstone のサポート
  • 改良された Mailstone の UI

Messaging Server 4.15 の機能は次のとおりです。

  • 複数プラットフォームのサポート。
  • Federal Information Processing Standard (FIPS) 140a による、米国内のセキュリティのサポート。
  • メッセージング マルチプレクサによる SSL のサポート。これにより SSL 処理を Messaging Server から MMP にオフロードできるようになりました。
  • 負荷テスト ツールである Mailstone。このツールを使えば、システム管理者は負荷の大きい状態でのサーバの動作状況をテストして、Netscape Messaging Server の適正容量を判定できます。
  • Netscape Messaging Server の統合電子メール インターフェースである Messenger Express。Messenger Express の特徴は次のとおりです。

    • 何百万人ものユーザをサポートできる高いスケーラビリティ。
    • 高いカスタマイズ性と拡張性。
    • 広告が使用可能。
    • 次のような、主な電子メール サービス機能のサポート。

      • 初回ログイン時の、受信箱フォルダ、下書きフォルダ、送信済みフォルダ、ごみ箱フォルダの自動作成。
      • メッセージ ヘッダの表示。日付、差出人、サイズ、件名、タイプ (新規または開封済み) によるソート。
      • 受信メッセージの表示。返信、全員へ返信、転送。
      • 件名、差出人、本文、宛先フィールドを使った、フォルダ内のメッセージの検索。
      • メッセージの作成、添付ファイルの許可、LDAP 検索で検索された受取人の追加、優先度の設定、受け取りの返送。
      • フォルダの管理、作成、削除、名前変更。
      • アカウント集計。電子メール アドレスの表示、メールボックス割り当て制限、現在のディスク使用量。
      • 個人情報の設定。パスワード、優先言語、電子メール アドレスへの返信、vcard、テキスト署名、電子メール情報の転送、バケーション メッセージ。
      • その他の設定。ページ当たりのメッセージ数、削除スタイル (IMAP スタイルまたはごみ箱スタイル)、ログアウト時に削除メッセージを消去する、送信メッセージのコピーを保存する、下書き用にメッセージを保存する、メッセージ表示のラップ、色配合の設定、ツールバー設定 (アイコンとテキスト、アイコンのみ、テキストのみ)、表示フォント、フォント サイズ。
      • POP 取り込みにより、ユーザはリモート メールボックスからメッセージを取り込み、取り込んだメッセージを選択したフォルダに保存できます。

追加された設定オプション

各種の設定オプションが追加され、柔軟性が向上するとともに、既知の障害に対する対処法も強化されました。

注: パラメータを設定または変更した後は、必ずサービスを停止して再起動するか (MTA の場合)、リフレッシュするように (IMAP、POP、HTTP の場合) してください。

  • Messenger Express で、認証 SMTP メッセージの送信ができるようになりました。 (383050)

    次のパラメータが追加されました。

    local.service.http.smtpauthuser
    local.service.http.smtpauthpassword

    これらのパラメータによって、通常は Netscape Communicator を使用して受信する認証 SMTP メッセージを Messenger Express でも受信できるようになります。

    これが適切に機能するには、mshttpd に与えたユーザ ID およびパスワードがストア管理者のものであり、また store.admins リスト内に存在している必要があります (admin および admin など)。

    これらのパラメータを設定した後で、ローカル ユーザから受信したメールの Message View ウィンドウの差出人ヘッダの横に「Internal」と表示されるようになります。

  • メーリング リストからメッセージを受信した場合、必ず Resent-From ヘッダが追加されます。 (381555)

    次のパラメータが追加され、この動作を修正できるようになりました。

    local.service.smtp.smtp-router.addresentfrom

    このパラメータを no に設定した場合、メッセージの宛先がグループに指定されていると、このメッセージの受取人には Resent-From ヘッダが表示されません。その他の場合は、Resent-From ヘッダが表示されます。

  • MTA の抑制。 (386272)

    次のパラメータが追加され、MTA の抑制を調整できるようになりました。

    local.service.smtp.throttlethreshold

    制御キューのメッセージが 2,000 件を超えると、受信接続を受理する速度が抑制されます。これによって、キュー内のメッセージ数が膨大になることを防止することができます。

    抑制レベルを高く設定しすぎると、受信速度がサーバの能力を超えてしまい、受信したメッセージをすべて配信できなくなります。

    local.service.smtp.throttlethreshold パラメータによって抑制レベルは定義されます。このパラメータにデフォルト値は設定されていません。内部値は 2000 です。

    このパラメータによって、1 度に処理されるメッセージの最大数が定義されます。

  • 8 ビット ヘッダは、Messenger Express での Javascript エラーの原因となります。 (367500、368796)

    これらのエラーを避けるために、次のパラメータを設定できます。

    local.rfc822header.fixlang
    local.rfc822header.fixcharset
    local.rfc822header.allow8bit

    fixlang パラメータには、2 文字の言語 ID を指定します (例えば、韓国語には ko を指定します)。このパラメータは、文字セット名 (EUC-KR など) を指定する fixcharset パラメータと併用する必要があります。これらの 2 個のパラメータを設定すると、Messenger Express からその複数言語機能が失われてしまいますが、allow8bit パラメータを設定した結果として生じる Javascript エラーを避けられるようになります。

    local.rfc822header.allow8bitno に設定すると、ヘッダ内のすべての 8 ビット データは ? と表示されます。このパラメータを yes に設定すると、ヘッダが妥当性チェッカに通されます。この結果、有効な 8 ビット文字は完全な状態で表示され、無効な文字は ? で表示されます。

    これらのパラメータは特殊な状況以外では変更しないでください。詳細は、テクニカル サポートまでご連絡ください。

  • 高可用性を実現するため、もしくはどのサーバがメールを処理しているのか知る必要のあるマルチインスタンス環境で使用するための設定可能な受信ヘッダ。 (383012)

    次のパラメータが追加されました。

    local.service.smtp.smtp-accept.receivedcomment

    この列には、テキストと位置依存引数 (各 %) を組み合わせることができます。例:

    Field 1:Product Name      "Netscape Messaging Server"
    Field 2:Product Version   "4.15"

    このように、デフォルトのリリース構築受信ヘッダは、次のように表示されます。

    Received: from netscape.com ([207.1.151.156]) by <host>.<domain>.com
              (Netscape Messaging Server 4.15 Patch 1) with ESMTP id FOM48800.N00 for
              <user@netscape.com>; Wed, 19 Jan 2000 18:28:56 -0800

    local.service.smtp.smtp-accept.receivedcomment 設定パラメータを次のように設定すると、

    # ./setconf local.service.smtp.smtp-accept.receivedcomment "AOL-%s v%s msg-system1"

    次のような受信ヘッダが生成されます。

    Received: from netscape.com ([207.1.151.156]) by <host>.<domain>.com
              (AOL-Netscape Messaging Server v4.15 Patch 1 msg-system1) with
              ESMTP id FOM6N700.S00 for <user@netscape.com>;
              Wed, 19 Jan 2000 19:21:07 -0800

    200 文字を超える文字列の場合、200 文字以降の文字列はこのパラメータにより切り捨てられます。このパラメータを「""」と設定することができ、この場合、受信コメントには「()」と表示されます。

    プロトコル プラグイン プロパティに関連した拡張機能があります。

    SMTP_PPP_RECEIVEDCOMMENT:overrides comment per-connection
    SMTP_PPP_PRODUCTNAME:read-only access to the product name
    SMTP_PPP_PRODUCTVERSION:read-only access to the product version
    SMTP_PPP_INSTANCENAME:read-only access to the server instance name
             
  • service.listenaddr パラメータは、sendmaillocalhost SMTP ソケットをリスンすることを防止します。 (382098)

    次のパラメータを設定することで、この障害を解消できます。

    local.service.sendmail.port
    local.service.sendmail.listenaddr

    ポート番号の場合、sendmail は最初に local.service.sendmail.port に定義された値 (例えば 25) を探します。この値が設定されていない場合は、service.smtp.port に定義された値を探し、次に、smtp/tcp ポート番号を探します。これらの値がどれも設定されていない場合は、デフォルトで 25 になります。

    リスン アドレスを検索する場合、sendmail は最初に local.service.sendmail.listenaddr パラメータに定義された値を探します (例えば、localhost)。この値が設定されていない場合は、次に、service.listenaddr に定義された値を探します。どちらの値も設定されていない場合は、デフォルトで localhost になります。

  • MTA は、オリジナルのメッセージに関係なく、延期メッセージの本文をメッセージ ディレクトリに残しておくことが可能です。 (382456)

    競合条件のために、延期メッセージの本文がオリジナルに関係なくメッセージ ディレクトリに残ってしまう場合がありました。この障害は、解消されました。この障害を調整するための設定パラメータも使用可能です。

    service.smtp.fileretry パラメータは、エラーを発生させる前に、ファイルの内部名前変更を何度再試行するかを指定するために使用されます。このパラメータにデフォルト値は設定されていません。内部値は 30 です。

  • Messenger Express では、巨大なファイルがアップロードされると「File too large (ファイルのサイズが大きすぎます)」メッセージが表示される場合があります。 (382477)

    service.http.maxpostsize パラメータによって、サーバが受け付ける HTTP POST の最大サイズを定義できます。デフォルト値は 5MB です。

    アップロードされるファイルのサイズが service.http.maxpostsize で定義されている値より大きい場合、サーバは指定のサイズ以上のファイルをアップロードせずに、File too large エラー メッセージを戻します。

  • MTA の DNS キャッシュのオフ。

    DNS の動作の制御を強化する場合は、MTA による DNS のキャッシュをオフにできます。MTA の DNS のキャッシュをオフにするには、service.smtp.dnscachesize パラメータを -1 に設定します。

    ログのエントリによって DNS のキャッシュが無効化されたことが示されます。

  • MTA 内の LDAP クエリのスキップ (送信メール リレーに役立ちます)。 (379424)

    MTA の LDAP クエリをスキップするように service.smtp.smtp-router.remotemaildomains パラメータを設定できます。例えば、*.siroe.com と設定すると、<everything>.siroe.com はリモートとしてサーバに処理され、これらに対する LDAP の検索がスキップされます。service.smtp.smtp-router.remotemaildomains にアスタリスク文字 (*) を設定すると、すべてリモートとしてサーバに処理されます。

    このパラメータは、すべての正規表現を使用して設定できます。例えば、(*.siroe.com && *.company22.com) という値を使用して、これらのアドレスをリモートに設定できます。

  • MTA の代替ホスト。 (379426)

    MTA が「最後の手段として用いるホスト」を定義するには、service.smtp.smtp-deliver.fallbackhosts を、区切り文字として $ で区切った x:y のリストに設定します。x は、ドメインを指定する疑似正規表現を、y はホスト名または IP アドレスを表しています。

    y に複数の IP アドレスが設定されている場合、これらのアドレスは優先度が最も低い MX としてネーム サーバに処理されます。このドメインの「真の」 MX が停止している場合、疑似 MX IP アドレスが最上位に上がり、TTL の継続時間を通じてその状態が維持されます。

    このパラメータを *.<host> と設定した場合、遅延メールはすべて <host> に転送されます。

Messaging Server 4.15 Patch 1 の 4.15 からの修正点

各種の修正が 4.15 Patch 1 に加えられました。この修正には、4.15 に固有の修正はもちろん、4.05 Patch 1 や 4.1 Patch 2 での修正も含まれます。

次の修正が加えられました。

  • CERT Security Advisory CA-2000-02 - Messenger Express スクリプトに対する脆弱性。(384446)

    CERT の勧告 (http://www.cert.org/advisories/CA-2000-02.html) では、未確認の入力に基づいた、あるいは信頼のおけないソースからの悪意のある HTML タグやスクリプトを電子メールに含めるという 2 種類の攻撃方法を説明しています。

    Messaging Server 4.15 の Messenger Express 機能は、電子メールに埋め込まれた <IMG><APPLET><OBJECT><EMBED> などのタグを制限しないので、上記のような攻撃に対して無防備でした。今回の修正により、以前から取り除かれていた < SCRIPT> や「onHandlers」といったタグに加えて、これらのタグも取り除かれるようになりました。

  • セキュリティ勧告 ‐ バッファ オーバーフローに対する脆弱性。 (365955)

    ISS X-Force によって、Netscape Enterprise および FastTrack Web サーバに潜在的なセキュリティ上の欠点が発見されました。これは、Messaging Server の Messenger Express 機能にも影響を与えるものです。詳細は、http://xforce.iss.net/alerts/advise37.php3 を参照してください。

    この欠点は、Messaging Server 4.15 Patch 1 で修正されています。

  • service.listenaddr パラメータが Windows NT で機能しない問題。 (367548)

    Windows NT 上の Messaging Server 4.15 は、特定の IP アドレスに対応付けるための service.listenaddr パラメータに従いませんでした。この問題は、4.15 Patch 1 で修正されました。

  • AuthMailDomains で SMTP 認証が機能しない問題。 (364925)

    service.smtp.authmaildomain パラメータを設定してもこれらのドメインを使用して SMTP 認証を強制できなかった問題は、Messaging Server 4.15 Patch 1 で修正されています。

    このパラメータは、次のいずれかの方法で設定します。

       ./setconf service.smtp.authmaildomain "xxx. 0.0.0.0"
       (xxx.0.0.0.0 の値の間にタブを使用)
    または
       ./configutil -o service.smtp.authmaildomain -v - < tabfile
       (tabfile は、タブによって分けられたエントリを含むファイル)

    差出人に戻されたメッセージは、次のように表示されます。

       Your message was rejected by mail-host for the following reason:
          Authentication required for this domain

  • SMTP デーモンの処理増加に関する修正:
    • 受取人アドレスのローカルの部分が 50 文字を超えた場合の処理の増加。 (381297)
    • 内部バッファの開放の失敗による処理の増加。 (384075)
    • UBE フィルタでの処理の増加。 (381300)
    • PostAccept/PreDeliver プラグインにリークする DupMessage()。 (384590)
    • DNS 検索の失敗または DNS の誤設定による処理の増加。 (381303)
    • ヘッダに \r\n<LWSP> が含まれていた場合の処理の増加。 (381736)
    • DSN の処理時における処理の増加。 (381701)
    • メッセージに不良な MIME 分離タグが含まれていた場合のメモリの枯渇。 (383686)
    • Mailbox-Deliver がメッセージの追加に繰り返し失敗した場合のメモリの増加。 (385256)

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、SMTP デーモンによる不適切なプロセスの増加に関するいくつかの問題が修正されました。注: 以上の問題はいずれも、ロード キャパシティとは無関係です。

  • MTA キューに関する修正:
    • 延期メッセージの処理時における競合条件。 (382456)
    • mailq レポートでのファイル デスクリプタの不足。 (364238、369807)
    • エンベロープの書き換えで uid のエンベロープを . で囲むことはできません (RFC 準拠)。 (384892)
    • キューの処理 (mailq) によって NULL ポインタがデリファレンスする場合がありました。 (381492)
    • MTA 用に追加されたキューの抑制パラメータ。 (386272)

      MTA キューの抑制パラメータが追加されました。詳細は、追加された設定パラメータを参照してください。

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、SMTP デーモンのキュー動作に関するいくつかの問題が修正されました。

  • MTA の安定性に関する修正:
    • DNS 検索時およびネーム サーバ タイムアウト時におけるクラッシュ。 (370941)
    • 巨大な奇形メッセージの場合にクラッシュするパーサ。 (356432、383686)
    • 長い Received: ヘッダの構築時におけるヒープの破損。 (383012)
    • 有効、無効、および延期型の受取人が指定されているあるセッションの 2 番目のメッセージの送信時における障害。 (384340)

      通常は、1 セッションの間に 1 つのメッセージだけが送信されますが、1 セッションに複数のメッセージが送信され、この 2 番目のメッセージに有効、無効、および遅延型の受取人が指定されていた場合、MTA に障害が発生する可能性があります。

    • 内部バッファのオーバランによる障害。 (381354)

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、無効/奇形メッセージを扱う場合やネットワークの障害状態に対処する場合におけるいくつかの安定性に関する問題が修正されました。

  • stderr に出力される正規表現メッセージ。 (387574)

    受取人に次のアドレスが含まれていた場合、

    rcpt to:<"you.there"@ace.domain>

    stderr に次のエラー メッセージが送られます。

    Regular expression error -- compile aborted.Reason:
        Regular expression terminated prematurely.
        The erroneous expression is '\\'.

    4.15 Patch 1 ではこの問題は修正されており、このような受取人のアドレス形式によってエラーが発生することはありません。エラー メッセージを解析するその他の正規表現は smtp log に送られます。

  • MTA セッションでの最初の認証後、AUTH 状態が失われ、無視されます。 (381454)

    MTA の単一セッションの間に複数のメッセージが送信されると、最初のメッセージの後、認証の状態は失われ、無視されます。

  • メールの転送アドレスを設定した場合に、ヘッダが正しく書き換えられません。 (370855)
  • アドレスの完了時に service.smtp.defaultdomain が使用されない場合がありました。 (370136)

    アドレスの完了時に service.smtp.defaultdomain ではなく service.smtp.domain 設定パラメータが使用されることがありました。

  • 受け取った MTA が ESMTP をバナーに表示した場合しか使用されない EHLO プロトコル コマンド。 (384127)
  • SMTP ヘッダの不正な構文によって書き換えがループする場合がありました。 (369127)
  • RFC 822 がアドレス内の | (パイプ) 文字を受け入れます。 (387147)

    プログラム配信を起動するための簡略表記と以前は見なされていたのでサポートされていませんでしたが、Messaging Server 4.x では問題が解決され、RFC 準拠に関する問題も修正されました。

  • グリーティング メッセージのテキスト内の $ が正しく表示されません。 (363925)

    グリーティング メッセージのテキストに $ が含まれていた場合、メールボックスに配信されるメッセージでは /25 と表示されていましたが、$ と表示されるようになりました。

  • 新規メッセージのあとで同期するよう変更されたデフォルト メッセージの同期レベル。 (367509)

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、キュー内の各新規メッセージのあと、ファイル システム上のデフォルト メッセージの同期レベルが明示的に fdatasync() を実行しなかったことが変更されました。

  • ポート 25 以外では機能しないプログラム配信。 (386488)
  • SMTP デーモンがポート 25 をリスンしているにも関わらず、ポート 0 をリスンしているとログに記録されます。 (369684)
  • HA および複数のインスタンス設定に必要な設定可能な受信ヘッダのコメント。 (383012)

    詳細は、追加された設定パラメータを参照してください。

  • リストの拡張部分への Resent-From: ヘッダの追加の抑制。 (381555)

    詳細は、追加された設定パラメータを参照してください。

  • UBE およびプラグインに関する修正:
    • UBE フィルタでのメモリ リーク (381300)
    • PostAccept/PreDeliver プラグインで障害を起こす DupMessage() (384590、388305)
    • SMTP デーモンに障害を引き起こす恐れのあった Pre-SMTP-Deliver プラグイン API の問題の修復。 (383322)
    • 無限ループに陥る恐れのあったハイド ドメイン プラグイン。 (349599)
    • 間違ってログ エラー メッセージを切り捨ててしまっていたアンチリレー プラグイン。 (380375)
    • プロトコル テキストの RCPT TO: の間に空白があった場合に障害を起こしていたアンチリレー プラグイン。 (381967)
    • UBE フィルタ設定ファイルが 1024 行以上の場合の障害。 (365578)

      この制限は、10,000 行に上げられました。ただし、これほど多数の行のフィルタリングが必要な場合は、プラグインを使用することをお勧めします。

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、不特定多数宛てメール (UBE) のフィルタリングやプラグインに関するいくつかの問題が修正されました。

  • HTTP サービス (mshttpd、Messenger Express) に関する修正:
    • ヘッダの表示を妨害する不必要に挿入されていた境界線。 (369684)
    • アカウント集計へのメール代替アドレスの垂直表示。 (388202)
    • JPEG ファイルを保存するとデフォルトのファイル名が attach.msc になります。 (368005)
    • Collect External Mail を使用すると POP3 Communication Failure JavaScript エラーが発生します。 (380031)
    • nswmExtendedUserPrefs が空の場合に発生する mshttpd の障害。 (384914)
    • セッション データベースの破損によって mshttpd に障害が発生します。 (384915)
    • 括弧の数が一致しない場合に、ヘッダを解析する際のメモリ破損。 (370770、378747)
    • MacOS 上で Navigator を使用している場合、vCard が正常に表示されません。 (366862、378906)
    • 先頭の空白やタブを &nbsp; に変換した場合に、mshttpd にメッセージが切り捨てられる場合がありました。 (384691)
    • 空白のウィンドウを表示するオンライン ヘルプ。 (358361)
    • 検索リストからのデフォルト URL (Switchboard、Bigfoot) の削除。 (383045)

      Switchboard や Bigfoot アドレス帳サービスの検索が何の反応も示しません。これらの URLは、検索リストから削除されました。

    • ユーザおよびグループのディレクトリを複製すると、その複製したディレクトリにユーザ プリファレンスの変更を適用するための時間がかかります。 (368971)
    • Messenger Express による AUTH SMTP のサポート。 (383050)

      詳細は、追加された設定パラメータを参照してください。

    • service.http.maxpostsize が超過した場合の File too large エラー。 (382477)

      メッセージの作成時に添付可能なメッセージのデフォルトの最大サイズは 32K です。この設定は、service.http.maxpostsize パラメータで変更できます。

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、HTTP サービスの安定性および表示に関する多くの問題が修正されました。
  • ストア サービス (stored) に関する修正:
    • stored のループ。 (383377)

      状況によっては、stored がループしてしまうことがあります。この現象は、次のコマンドを実行した場合に発生することがあります。

         stored -v -v -1

      通常このコマンドはデータベースを 1 度しか通過しないので、同一のエントリが処理されているの場合、ループが発生していることを示しています。

    • 復旧時における stored の障害。 (385901)

      サービスのコアのいずれかがダンプし、開と閉の不一致な組み合わせが残った場合、stored が復旧時に障害を起こす可能性があります。

    Messaging Server 4.15 Patch 1 では、Store サービスの安定性に関する希な問題が修正されました。

  • IMAP サービス (imapd) に関する修正:
    • 不正な内部の日付の値を保持したメッセージによって imapd に障害が発生する場合があります。 (386867)

      IMAP セッション間に取り込まれたメッセージのうち、その内部日付が 1980 年以前のものは imapd に障害を引き起こす場合がありました。4.15 Patch 1 では、障害は発生せずに、違反したメッセージはログ エントリに出力されます。

  • メール マルチプレクサ (MMP) に関する修正:
    • Windows NT 上で、数時間後に MMP の反応が停止します。 (379498)
    • SSL を使用する ImapProxy が、非同期の書き込みによってハングします。 (381111)

  • ユーティリティ (mboxutilMoveUserupgradeserverstart) に関する修正:
    • deliver ユーティリティの -F オプションが作動に失敗します。 (381927)

      詳細は、発生の可能性のある障害と解決策を参照してください。

    • MoveUser ユーティリティが " (二重引用符) を使用したフォルダの処理に失敗します。 (367485)
    • mboxutil -r がフォルダを Windows NT 上の別のパーティションに移すのに失敗します。 (381674)
    • mboxutil -k が Windows NT 上で障害を起こし、unknown code 255 エラー メッセージが表示されます。 (358593)

      mboxutil -k が Windows NT 上で不正なコマンドを参照して実行されると、次のエラー メッセージが出力されます。

         Unknown Code ____ 255

      4.15 Patch 1 では、mboxutil -k は次の形式のエラー コードを戻します。

         No such file or directory

    • serverstart ユーティリティでは service.listenaddr が正しくサポートされていませんでした。 (349579)
    • upgrade ユーティリティでは、日本語のフォルダ名が文字化けしていました。 (379008)
    • sendmail では、service.listenaddrservice.smtp.port の値が無視されていました。 (382098)

      sendmail ユーティリティは、デフォルトで localhost およびポート 25 を使用します。現在、sendmail では、service.listenaddrservice.smtp.port の設定パラメータがサポートされているほかに、Messaging Server の複数のインスタンスも処理されるようになりました。また、次の設定パラメータを新規にサポートするようになりました。

          local.service.sendmail.port
          local.service.sendmail.listenaddr

      詳細は、追加された設定パラメータを参照してください。

  • Internationalization (I18N) と Localization (L10N) に関する修正:
    • 優先言語を日本語に設定すると、Messenger Express にログインし直すことができません。 (370739)
    • upgrade ユーティリティでの日本語のフォルダ名の文字化け。 (379008)
    • 優先言語を設定すると、Netscape に障害が発生する場合がありました。(368968、385666)

      優先言語を Messenger Express がサポートしていない言語に設定した場合、JavaScript のために Navigator に障害が起こる場合がありました。

      この問題を避けるために Messenger Express では優先言語の変更を強制する際にユーザをいったんログアウトし、ログインし直す必要がありました。

    • 符号化しにくい英語の文字列がエンドユーザのユーザ インターフェースに存在していました。 (367823、369245、381131)
    • 管理コンソールの中国語の設定が間違っていました。 (368103)

      次の値の代わりに

         userPage-zh=Chinese

      4.15 Patch 1 では、次の正しい値が参照されます。

         userPage-zh-CN=Chinese/China    userPage-zh-TW=Chinese/Taiwan

    • 生 8 ビット ヘッダによって Javascript エラーが発生します。 (367500、368796)

      詳細は、追加された設定パラメータを参照してください。

個人用アドレス帳

概要

個人用アドレス帳を使用すると、ユーザは、個人やグループを含む個人用アドレス帳のエントリの管理が可能になり、メール メッセージを作成する時にこれらのエントリにアドレスを指定できるようになります。

注: 個人用アドレス帳は、Solaris プラットフォーム以外ではサポートされていません。

ユーザはアドレス帳のエントリおよびグループを作成、編集、削除できます。

Messenger Express のメイン ウィンドウで、[アドレス] タブをクリックするとアドレス帳ウィンドウが開きます。このウィンドウで、次の操作を行うことができます。

  • アドレス帳のエントリの作成 (個人またはグループ)。作成するオブジェクトを選択すると、対応する属性 (姓、名、住所、電話番号など) を入力するための新しいウィンドウが表示されます。作成したエントリは、デフォルトのアドレス帳に追加されます。
  • アドレス帳のエントリの削除 (個人またはグループ)。グループを削除しても、そのグループのメンバーは削除されません。指定したグループ情報だけが削除されます。
  • アドレス帳のエントリの編集 (個人またはグループ)。選択したオブジェクトのすべての属性がウィンドウにリストされます。ユーザは必要に応じてこの属性を変更できます。グループの場合、現在および潜在的なメンバーからの選択を可能にするメカニズムが存在します。

インストール

Messaging Server 4.15 Patch 1 をまだインストールしていない場合、インストール手順の詳細は http://docs.iplanet.com/docs/manuals/messaging/nms41/install/contents.htm を参照してください。

注: Messaging Server 4.15 Patch 1 によって個人用アドレス帳のビットがインストールされますが、設定作業は一切実施されません。 個人用アドレス帳を実行するには、Messaging Server 4.15 Patch 1 のインストールに成功した後で次の作業を行う必要があります。

  1. pabinst.pl スクリプトを実行して、個人用アドレス帳を設定します。
  2. dssetup を実行して、個人用アドレス帳のディレクトリ サーバを設定します。

個人用アドレス帳の設定

perl スクリプトの pabinst.pl は、<serverroot>/bin/msg/install/bin ディレクトリにあります。このスクリプトを、次のように -d オプションを指定して perl で実行します。

# <serverroot>/install/perl <serverroot>/bin/msg/install/bin/pabinst.pl -d <serverroot>

次の一連の質問が尋ねられます。指示に従って質問に答えてください。

  • Do you want to (re)configure the Personal Address Book service (yes|no) [no] ?

    個人用アドレス帳を設定する場合は yes と入力します。設定を中止する場合は、no と入力するか、Return キーを押します。

  • Personal Address Book Directory Server Host name [<hostname>.<domain>] :

    個人用アドレス帳のサーバとなるディレクトリ サーバのホスト名を入力します。デフォルト値を使用する場合は Return キーを押します。

  • Personal Address Book Directory Server port [<port_number>] :

    ディレクトリ サーバの LDAP ポートを入力します。デフォルト値を使用する場合は Return キーを押します。

  • Personal Address Book Directory Server Base DN [o=<base DN>] :

    新規のベース DN を o=<base DN> の形式で入力します (例えば、o=pab)。デフォルト値を使用する場合は Return キーを押します。

    重要: ここで指定するベース DN は、dssetup を実行する場合に指定するベース サフィックスと一致させる必要があります。

  • Bind DN [admin] :

    cn=directory manager (またはこれに相当するもの) と入力します。デフォルト値を使用する場合は Return キーを押します。 例えば、バインド DN にはデフォルト値を、ベース DN には o=pab を使用する場合、このバインド DN は uid=admin, o=pab と設定されます。

    重要: ここで指定するバインド DN は、dssetup を実行する場合に指定するユーザまたはグループ管理者の UID と一致させる必要があります。

  • Password:

    バインド DN のパスワードを入力します。

    重要: ここで指定するパスワードは、dssetup を実行する場合に指定するユーザまたはグループ管理者のパスワードと一致させる必要があります。

    警告: ディレクトリ マネージャをバインド DN として使用する場合、指定したディレクトリ マネージャのパスワードが ASCII テキストとして local.service.pab.ldappasswd パラメータ内に顕示されます。つまり、configutil ユーティリティを使用すれば、通常のユーザでもこのパスワードを参照することができます。したがって、このパラメータにアクセス可能なディレクトリへのアクセス許可を、通常のユーザには与えないことを推奨します。

  • Personal Address Book Maximum Number of Entries [500] :

    個人用アドレス帳エントリの最大数を入力します。デフォルト値を使用する場合は Return キーを押します。

    この情報を入力すると、LDAP URL および バインド DN が表示されます。例:

    Summary of selections:
    PAB LDAP URL:ldap://<directory_server_hostname>:<directory_server_port>/o=pab
    PAB Bind DN:cn=directory manager
    Maximum Number of Entries: 500

    次に、設定を続けるかどうかを確認する質問が表示されます。

  • Continue PAB configuration with the above selections [yes] ?

    設定を続ける場合は、yes と答えるか Return キーを押します。継続しない場合は、no と答えます。

    個人用アドレス帳サーバが指定の入力値で設定されます。

  • The Messaging Server must be restarted for these settings to take effect.Restart now [yes] ?

    メッセージング (mshttpd) サーバを再起動する場合は、yes と答えるか Return キーを押します。再起動しない場合は、no と答えます。

個人用アドレス帳のディレクトリ サーバの設定

pabinst.pl スクリプトを実行して個人用アドレス帳を設定した後で、dssetup ユーティリティを使用して個人用アドレス帳のディレクトリ サーバを設定する必要があります。dssetup.tar ファイルを untar コマンドで処理して dssetup 実行可能ファイルを入手します。

# tar -xvf dssetup.tar

注: dssetup ユーティリティを Messaging Server 4.15 Patch 1 アーカイブ ファイルから個別にダウンロードすることも可能です。dssetup-4.15p1.tar.gz アーカイブ ファイルをダウンロードする場合は、このファイルの圧縮解除を行ってから、ファイルに含まれる dssetup.tar ファイルを untar コマンドで処理してください。必要となる dssetup バージョンが SunOS5.6 サブディレクトリに配置されます。

# gunzip dssetup-4.15p1.tar.gz
# tar -xvf dssetup-4.15p1.tar

すべてのファイルを抽出したら、ディレクトリ サーバがインストールされているマシン上で (/msg/SunOS5.6 サブディレクトリのどちらかから) dssetup を実行し、個人用アドレス帳スキーマを更新します。次の質問が表示されるので、指示に従って答えてください。

  • Do you wish to continue [yes]:

    作業を続ける場合は、yes と答えるか Return キーを押します。作業を中止する場合は no と入力します。

  • Directory server root [/usr/netscape/server4]:

    ディレクトリ サーバのルートの位置を入力します。

  • Messaging Server schema in the directory server appears to be up to date.
    Do you wish to update the schema anyway [y] ?

    yes と答えるか Return キーを押します。

    注: 初めて Messaging Server をインストールする場合は、この質問は表示されません。

  • Do you wish to configure this directory for Server Configuration [y] ?

    個人用アドレス帳には、サーバの設定ではなく、ユーザまたはグループのスキーマの更新が必要なので、no と答えます。

  • Do you wish to use this directory for managing Users/Groups [y] ?

    個人用アドレス帳のユーザまたはグループのスキーマの更新を続ける場合は、yes と答えるか Return キーを押します。

  • Please enter the Directory Administrator's DN [cn=Directory Manager] :

    cn=directory manager (またはこれに相当するもの) と入力します。デフォルト値を受け入れる場合は Return キーを押します。

  • Please enter the Directory Administrator's Password :

    ディレクトリ マネージャの (またはこれに相当する) パスワードを入力します。

  • Please enter the base suffix under which the Users/Groups data should be setup [o=<domain>.com] :

    o=<base DN> の形式 (例えば、o=pab) で入力して個人用アドレス帳の編成をセットアップします。個人用アドレス帳のエントリまたはグループ データはここに保存されます。

    重要: ここで指定するベース サフィックスは、pabinst.pl を実行したときに指定したベース DN と一致させる必要があります。

  • Do you want to enable anonymous search access on the Users/Groups suffix 'o=pab' [y] :

    yes と答えるか Return キーを押して、個人用アドレス帳の匿名検索アクセスを使用可能にします。

  • Please enter the Users/Groups Administrator's uid [admin] :

    admin (またはこれに相当するもの) と入力し、uid=admin,o=<base DN> というユーザが作成されたことを通知します。

    重要: ここで指定する UID は、pabinst.pl を実行したときに指定したバインド DN と一致させる必要があります。

  • Please enter the Users/Groups Administrator's Password :

    管理者のパスワードを入力します。

    重要: ここで指定するパスワードは、pabinst.pl を実行したときに指定したバインド DN のパスワードと一致させる必要があります。

  • Enter the Users/Groups Administrator's Password again to verify :

    管理者のパスワードを再入力します。

    この時点で、指定の全設定のリストが表示されます。リストの次に、次の質問が表示されます。

  • Do you want to continue [yes] :

    すべての設定が正しい場合は、yes と答えるか Return キーを押します。設定をやり直す場合は no と答えます。

    dssetup ユーティリティによってディレクトリ サーバ上の個人用アドレス帳スキーマが更新され、ディレクトリ サーバが再起動されます。

    dssetup の設定が完了したら、個人用アドレス帳のインストールおよび設定も完了です。mshttpd サービスを再起動すると新しい設定が有効になります。新規のユーザ アカウントは管理コンソールから作成することもできます。アカウント設定後、ユーザは Messenger Express にログインし、個人用アドレス帳の使用を開始できます。

設定

個人用アドレス帳の機能を有効にする場合は、local.service.pab.enabled パラメータを 1 に設定します。この機能を無効にする場合は、このパラメータを 0 に設定します。このパラメータはデフォルトで 1 に設定されています。

configutil を使用して local.service.pab.enabled パラメータを設定できます。例えば、このパラメータを 1 に設定する場合は、次のコマンドを使用します。

# ./configutil -o local.service.pab.enabled -v 1

その他の設定変数は次のとおりです。

  • local.service.pab.ldaphost

    このパラメータによって、個人用アドレス帳に使用する LDAP サーバ名が指定されます。

  • local.service.pab.ldapport

    このパラメータによって、LDAP サーバのポート数が指定されます。

  • local.service.pab.ldapbinddn

    このパラメータによって、LDAP サーバ上の個人用アドレス帳が使用するバインド DN (例えば、cn=Directory Manager) が指定されます。

  • local.service.pab.ldappasswd

    このパラメータによって、個人用アドレス帳が使用するバインド DN のパスワードが定義されます。

  • local.service.pab.ldapbasedn

    このパラメータによって、個人用アドレス帳のエントリの宛て先となるベース DN が指定されます。デフォルトは o=pab です。

  • local.service.pab.attributelist

    このパラメータは、個人用アドレス帳のエントリに新規属性を追加する場合に使用されます (存在していない属性を作成する場合など)。

  • local.service.pab.maxnumberofentries

    このパラメータによって、1 ユーザ ID 当たりのエントリの最大数が指定されます。デフォルトでは、このパラメータは 500 に設定されています。

保守

pabdelete ユーティリティは shared/bin にインストールされています。このユーティリティは、ユーザを削除した場合などにそのユーザのアドレス帳のデータを削除するために使用します。また、個人用アドレス帳をアンインストールする際に、アドレス帳のすべてのデータを削除する場合にも使用できます。

注: uninstall ユーティリティを実行する場合は、pabdelete ユーティリティを実行してアドレス帳のデータを削除する必要があります。pabdelete ユーティリティは、uninstall からは実行されません。

重要: pabdelete ユーティリティを実行する前に、このユーティリティに正しいアクセス権限が適用されているかどうかを確認してください。pabdelete のモードは 755 である必要があります。これ以外の場合は、次のコマンドを使用して pabdelete の権限を変更してください。

# chmod 755 pabdelete

pabdelete ユーティリティの構文は次のとおりです。

# ./pabdelete -D <binddn> -w <password> [options] <uid>

<binddn> および <password> パラメータは、それぞれバインド DN およびバインド パスワードを表します。また、<uid> は、削除する個人用アドレス帳の所有者のユーザ ID を表します。uid パラメータに ALL を使用すると、すべてのユーザが指定されますが、個人用アドレス帳の root は削除されません。

オプションの各パラメータは、次のとおりです。

オプション
説明
-h <host>
LDAP サーバ名または IP アドレス。
-p <port>
LDAP サーバの TCP ポート数。
-b <basedn>
個人用アドレス帳のベース DN。デフォルト値は o=pab です。
-n
この pabdelete 操作によって実行される処理をプレビューします。処理は実際には行われません
-v
詳細モードで実行します (標準出力への診断)。
-help または -H
使用状況に関する情報を表示します。

いくつかの使用例を次に示します。

# pabdelete -H
# pabdelete -D "cn=admin, o=siroe.com" -w xyz -b "ou=abooks, o=siroe.com" jsmith
# pabdelete -D "cn=admin, o=siroe.com" -w xyz -b "ou=abooks, o=siroe.com" -v -n ALL

既知の制限と問題点

Messaging Server 4.15 Patch 1 には、次の制限と問題点があります (製品の機能と使用法に影響する恐れのある、その他の問題点については、この文書の後半にある「発生の可能性のある障害と解決策」も参照してください)。

インストールとアップグレードに関する問題点

  • Messaging Server 4.15 Patch 1 に更新すると、service.pop.numprocesses、service.imap.numprocesses、および service.http.numprocesses パラメータはすべて 1 にリセットされます。 (387695)

    アップグレード後、必要に応じてこれらのパラメータを設定し直す必要があります。

  • Sun のクラスタ環境では、エラー メッセージが表示されずに、セットアップ インストール プログラムがハングします。 (387593)

    setup インストール プログラムは、論理ホストにアクセスできない場合 (Sun のクラスタが正しく設定されていない場合など) にハングします。

  • Messaging Server 4.15 Patch 1 Export バージョンは、Directory Server Domestic バージョンと同じサーバ ルートにインストールできません。 (350547)

    Messaging Server Export バージョン 4.15 Patch 1 は Directory Server Export バージョン (Netscape Messaging Server 4.15 Patch 1 に付属) と一緒にインストールしてください。あるいは、Messaging Server とディレクトリ サーバを別々のサーバ ルートにインストールします。

  • Messaging Server 4.01 から 4.15 Patch 1 へアップグレードする場合、「NLS ライブラリが見つかりません」という警告メッセージがインストール実行中に表示されます。 (379258)

    この警告メッセージに障害はなく、インストールに何ら影響しません。

  • ユーザおよびグループの Directory Server に書き込みアクセス権を持っているアカウントを入力すると、インストールが失敗します。 (356622)

    ユーザおよびグループの Directory Server で匿名検索が使用できない場合は、ユーザまたはグループ管理者のユーザ ID ではなく DN をインストール時に使用します。ユーザ ID が使用されると、次のエラー メッセージが表示されます。

    ERROR: Authentication failed.Either you have entered
           an invalid user ID or password, or the directory server
           is having some problem.Please check and re-enter.
    Press any key to continue.
             

  • LANG 環境変数が「ko」に設定されている場合、インストール中に次のエラーメッセージが表示されます。「assert:line 92, file enconv.cpp」 (367037、367214)

    インストールを開始する前に、LANG 環境変数を別の値に設定してください。このエラー メッセージは表示されなくなります。例:

    % setenv LANG C

  • シンボリックリンク ディレクトリまたはマウントポイント ディレクトリは、サーバ ルートとして指定できません。 (353740)

    このように指定すると、設定プログラムによって誤ったエラー メッセージが表示され、インストールが続行できなくなります。

  • Netscape コンソールは、Messaging Server が実行されているマシンに同じプラットフォームでインストールされますが、任意のマシンを使用して Netscape サーバをリモート管理できます。

    インストールされているプラットフォーム以外での Netscape コンソールを取得するには、http://home.netscape.com/eng/server/console/ で該当するプラットフォームの Netscape コンソールを取得してください。

  • Messaging Server 3.x で日本語フォルダ使っている場合 4.15 Patch 1 へアップグレード時、日本語フォルダを移行することができません。

    この問題が発生した場合は、テクニカル サポートまでご連絡しupgradeツールのhot-fix版を入手してください。

Netscape コンソールと Administration Server に関する問題点

  • Administration Server は root として実行される必要があります。 (341197)

  • Messaging Server のコンソールでは、使用するプロセス数の設定が多すぎるとシステムがハングする場合があります。 (369118)

    この場合、「仮想メモリ不足」というエラー メッセージが表示されます。Messaging Server のコンソールで使用するプロセス数を設定し直してください。

  • Netscape コンソールでは、接続設定に入力された数値が大きすぎる場合でも、警告メッセージはまったく表示されません。 (369126)

    入力された数値は、警告なしに最大整数値に変換されます。

  • Netscape コンソールでは、中国語 (簡体字) データを Solaris 上で処理すると、問題が発生します。 (367814)

    この制限に対する対処法は次のとおりです。

    1. 中国語 (簡体字) を処理するには、Windows NT で Netscape コンソールを使用します。
    2. コマンド ライン インターフェースを使用します。

  • アンインストールを実行しても、Netscape コンソールの JRE (Java Runtime Environment) は停止しません。 (337877)

    uninstall を実行する前に、すべての Netscape コンソールの Java 環境をシャットダウンする必要があります。uninstall の実行前に、Netscape コンソールのすべてのインスタンスを閉じて、終了します。リモート マシンで Netscape コンソールのインスタンスが実行されていないことを確認してください。

  • Netscape コンソールからヘルプ画面を起動するには、PATH 環境変数に Netscape ブラウザ クライアントを組み入れる必要があります。 (339214)
Linux に関する問題点

  • Linux の mshttpd デーモンは、負荷が大きいと停止する可能性があります。 (380796)

    この問題が発生した場合は、テクニカル サポートまでご連絡ください。

  • Messaging Server の起動後、多数のデーモンが実行されているように見えます。

    これは正常な動作です。Linux ではプロセス内のスレッドは、pstop 下のプロセスと同じように現れます。実際は、スレッドを多数持つデーモンが 1 つあるだけです。実際のスレッド数は、システム設定と負荷によって異なります。

  • JMailstone のマスタまたはクライアントを実行するには、Java の CLASSPATH を設定しておく必要があります。

    サーバが /usr/netscape/server4 にインストールされている場合、C-shell ユーザの設定手順は次のようになります。

    GUI を実行する場合

    cd /usr/netscape/server4/jmailstone
    ../bin/base/jre/bin/jre -green -classpath \
    ./JMailstone.jar:../bin/base/jre/lib/rt.jar JMailstone
             

    クライアントを実行する場合

    cd /usr/netscape/server4/jmailstone
    ../bin/base/jre/bin/jre -green -classpath \
    ./JMailstone.jar:../bin/base/jre/lib/rt.jar JMailclient
             
その他の制限と問題点

  • Messenger Express では、無効な年数が含まれたメッセージの日付が正しく表示されない場合があります。 (385657)

    2 桁の文字列で年数を表す方法 (「00」 など) は、RFC 882 および 1123 によって無効に指定されています。年数を表す 2 桁の文字列を送出した Messenger Express システムは正しい表示に失敗する場合があります。

  • Messenger Express および個人用アドレス帳では、表示名の引用符は受取人フィールド内のアドレスには表示されません。 (380488)

    さらに、Internet Explorer 5.0 を使用している場合に表示名フィールドに %22 (またはこれに類似した 2 文字の文字列) を入力した場合、二重引用符として符号化され MTA での SMTP エラーの原因となります。

  • 中国語が優先言語の新規ユーザを作成した場合、(エントリの作成時に姓と名を指定したとしても、)このエントリの [姓] フィールドおよび [名] フィールドには何も表示されません。 (387389)

    優先言語を中国語に指定する場合、「Chinese/China」または「Chinese/Taiwan」と指定する必要があります。

  • 優先言語が中国語の新規ユーザを作成した場合でも、このユーザには中国語のグリーティング メッセージでなく、英語のメッセージが送信されます。 (387704)

  • Messenger Express では、ユーザが明示的にセッションをログオフしなかった場合、ブラウザの終了後にセッションが完全に終了するまでの間に短い時間が存在することになります。したがって、ブラウザの履歴にアクセス可能な人物によって悪用される恐れがあります。 (379157)

    この問題を避けるために、ブラウザ ウィンドウを終了する前に明示的にログ オフするようにしてください。

  • セキュリティのため、UNIX Messenger Express ユーザはメール セッション終了後、ブラウザ ウィンドウを閉じることをお勧めします。 (380283)

  • サーバ プロセスがクラッシュした場合は、再起動する前にサービスをすべてシャットダウンしてください。このようにしなければ、他のプロセスがハングすることがあります。

    サーバ プロセスが突然終了した場合は、サーバを再起動する前に Messaging Server のプロセスをすべてシャットダウンしてください。このようにしなければ、残りのプロセスは、中断されたプロセスによってロックされるのを待っているため反応しません。

  • 大規模なメーリング リストの送信中にディレクトリ サーバがダウンした場合、メールの遅延は失敗し、メッセージは配信されません。 (370061)

    エラーの発生を告げるメッセージが、ポストマスタに送信されます。

  • 多数のフォルダはクライアントのメモリを枯渇させる原因になります。 (379459)

    Messenger Express は、クライアント上の使用可能メモリが枯渇する前に、一定数の参照可能フォルダ (128MB のメモリの場合は 200 未満) しかサポートしません。メモリが枯渇すると、画面のほとんどが空白になったり、ブラウザのステータス バーに Javascript エラーを告げるメッセージが表示されたりします。

    エラー メッセージをすべて表示するには、Location バーに「javascript:」と入力します。次のようなエラー メッセージが表示されます。

    Javascript Error:http://./fldr_fs.html, line 85 out of memory.

  • ユーザを Netscape コンソールで削除した後でも、そのユーザのアカウントで短時間 (デフォルトは 15 分) ログインできます。 (379080)

    認証キャッシュを使用可能に設定している場合は (性能上の理由から)、ユーザの削除を即刻有効にするにはサーバ上のすべてのサービスを再起動する必要があります。

    認証キャッシュを使用可能に設定していない場合は、service.authcachettl を 0 に設定し、すべてのサービスを再起動して認証キャッシュを永久に使用不可にします。

  • Netscape Communicator でリンクを送信し、Messenger Express でメッセージを表示しようとすると、メッセージの本文がブランクになります。同じメッセージを IMAP で表示すると、リンクが表示されます。 (370998)

    リンクの前にテキストを入力すれば、メッセージは問題なく表示できます。

  • HP-UX 9000/800 システムでは、SNMP のサブエージェントはマスタ エージェントと通信できません。 (370650、370694)

    HP-UX 9000/800 システムでは、SNMP を使用できません。

  • Outlook Express (バージョンに関わらず) のユーザが IMAP を使用する場合、開封済みのメッセージが未開封の状態に戻されることがあります。 (363547)

    これは、Outlook Express で同じメールボックスに対して複数の接続が誤って使用されることが原因です。

  • プログラム配信保留モードは作動しません。 (352333)

    保留ファイルを作成し、プログラムを保留すると問題は発生しません。ただし 1 度保留ファイルを削除すると、プログラム配信は作動しなくなります。

  • 代替キューに遅延して送信されたメッセージは、代替キューが削除された場合でもメイン キューに戻るようデフォルト設定されていません。 (358478)

    メッセージを含んでいる代替キューは削除しないでください。

  • Messaging Server 4.15 Patch 1 では、certmap プラグインはサポートされていません。 (337413)

  • 不特定多数宛てメール (UBE) プラグインの RUN コマンドと SCAN コマンドは無効化されており、サポートされていません。 (334886)

  • Reconstruct -r を実行すると、認証を受けた差出人の情報が失われてしまいます。 (115193)

    Netscape では、メッセージ送信を認証するために XSERVER を個人的に拡張することをサポートしています。メールボックスを再構築すると、認証を受けた差出人の情報がすべて破棄されてしまいます。

  • Messaging Server 3.x から 4.15 Patch 1 へのアップグレード プロセスが中断した場合は、サーバを起動する前に reconstruct -m を実行します。

    reconstruct -m コマンドは、矛盾するメッセージ格納を訂正します。

  • プログラム配信が作動するには、ログイン シェルが有効でなくてはなりません。 (326785、336039)

    プログラム配信オプションは、有効と見なされないシェルでは作動しません。UNIX システムの中には、/etc/shells ファイルに有効なすべてのシェルのパスが入っているものもあります。このファイルが見つからない、あるいは空の場合、メッセージが送信されているユーザの有効なログイン シェルは次のとおりです。

      /bin/sh
      /usr/bin/sh
      /bin/csh
      /usr/bin/csh
      /bin/ksh
      /usr/bin/ksh

    プログラム配信の詳細は、「Messaging Server Administrator's Guide」を参照してください。

  • ユーザの割り当て制限を変更しても、新しい制限はただちに有効になりません。 (319715)

    ユーザがすでに割り当て量を超えている場合も、制限はユーザがログインしたときに有効になります。つまり、ユーザは新規メッセージを受け取るまで、あるいはログオフして再度ログインするまで、「割り当て量超過」メッセージを受け取る可能性があります。

    割り当て制限を再設定した後にユーザにメールを送信することで、新しい設定を有効にできます。

  • 設定を有効にするには、サーバを再起動しなければならない場合があります。(341854)

    SMTP 設定はすべてサーバの再起動を必要とします。POP、IMAP、HTTP 設定の大部分はサーバの再起動を必要としません。

    設定についてのお問い合わせは、テクニカル サポートまでご連絡ください。

発生の可能性のある障害と解決策

この節では、Messaging Server 4.15 Patch 1 リリースの既知の障害と解決策が詳細に説明されています。障害の後にバグ報告番号が記載されている場合は、テクニカル サポートに連絡する際にその番号を知らせてください。

製品の機能や使用法に影響する恐れがあるその他の問題点については、前節の「既知の制限と問題点」および次節の「文書の訂正箇所」を参照してください。

インストールとアップグレードに関する障害と解決策

  • SSL を使用可能にせずにこの製品をインストールすると、対応するサーバが起動したときに、ログ ファイルにエラー メッセージが表示されます。 (363752)

    これらのメッセージは無視しても問題ありません。

    解決策: SSL はデフォルトで、すべてのサーバに対して使用可能になっています。エラー メッセージを生成せずに各サービスの SSL を使用不可にするには、次のコマンドを使用します (SMTP の SSL を使用不可にする場合など)。

    configutil service.smtp.sslusessl no

  • アップグレードの実行中に Messaging Server が、/etc/nsserver.cfg ファイルを適切に書き直すとは限りません。 (351603)

    解決策: Messaging Server を同じ Unix マシンに 2 回以上インストールした場合、/etc/nsserver.cfg ファイルの 1 行目に、使用する Messaging Server の <server-root> が記載されていることを確認してください。

  • アンインストール プロセスでは、代替キューおよびプライマリ以外のメッセージ ストア パーティションは削除されません。 (355963)

    キューが複数ある場合、アンインストール プロセスでデフォルト キューは削除されますが、代替キューは削除されません。パーティションが複数ある場合、アンインストール プロセスでプライマリ パーティションは削除されますが、プライマリ以外のメッセージ ストア パーティションは削除されません。

    解決策: 代替キューまたはサブパーティションはすべて、手動で削除する必要があります。

  • Messaging Server を 3.x から 4.15 Patch 1 にアップグレードする場合、自動返信メッセージとメール ルーティング テーブルのエントリは移行されません。 (357053)

    解決策: Messaging Server 3.x の情報を保存し、Messaging Server 4.15 Patch 1 用にエントリを作成し直す必要があります。

  • Messaging Server を 3.x から 4.15 Patch 1 にアップグレードする場合に、 3.x の /etc/netscape.mail.conf ファイルに複数の LocalMailDomain エントリがある場合、そのエントリは移行されません。 (357055)

    解決策: Messaging Server 3.x の情報を保存し、Messaging Server 4.15 Patch 1 用にエントリを作成し直す必要があります。

  • エンド ユーザ管理者のユーザ DN とグループ DN は設定できません。 (355146)

    解決策: エンド ユーザ管理者のカスタム DN を作成する場合、インストールの前にこれらのエントリを手動で作成しておく必要があります。エンド ユーザ管理者のグループ DN は、Enduser Administrators (「cn=Enduser Administrators」) という共通名で作成する必要があります。エンド ユーザ管理者のユーザ DN は、どの UID を使用して作成しても構いません。

  • ディレクトリ サーバをインストールすると、Windows NT 上で SNMP サービスを再起動しようとします。(357053)

    SNMP サービスの終了前に、Messaging Server によって従属サービスがすべて正しく終了されますが、同じマシンにディレクトリ サーバがインストールされていると、ディレクトリ サーバが SNMP サービスを再起動しようするので、インストールがハングしてしまいます。

    解決策: Windows NT システムに Messaging Server およびディレクトリ サーバをインストールする前に、手動で SNMP サービスを終了します。もしくは、ディレクトリ サーバを別のシステムにインストールします (リソースが競合しないことが推奨されます)。

Linux に関する障害と解決策

  • インストール実行中に、次のエラー メッセージが表示される場合があります。「ネットワーク ポート番号が不正です。」 (341627)

    このメッセージは、最初にテストしたポートが本当に使用されていない場合でも表示されることがあります。

    解決策: ポート番号を再度入力すれば、2 回目には受け付けられます。インストール プロセスが、ポートが使用中であると依然として表示されている場合は、そのポートで何か行われています。

  • glibc 2.1.1 には、SMP (対称型マルチプロセッサ) システムでマルチスレッド プロセスの SEGV 障害を引き起こす可能性のあるバグがあります。 (355966)

    解決策: glibc 2.1.2 にアップグレードします。

    実行している glibc のバージョンを確認するには、次のように入力してください。

    # rpm -q glibc

その他の障害と考えられる解決策

  • Netscape Messaging Server4.15 Patch 1 の imapd プロセスの CPU 使用率が 100% 近くになり、クライアントからの要求に応答できなくなる。(379417)

  • Messaging Server が IMAP のクライアントからのコマンド LIST%(ユーザが使用可能な Folder のリストを取得するために発行されるコマンド)が発行された時、ユーザの参照可能な Folder のリストを作成し、すべてのユーザのすべての mailbox に対しての ACL を確認するため imapd がほとんどのリソースをそれぞれの Folder の ACL を参照することに消費し、パフォーマンスに大きな影響を与える。
    (クライアントソフトが Communicator の場合、Login 時に自動的にこのコマンド (List%) が発行され、また File -> Subscribe メニューを選択した場合も、発行された為)

    解決策: Messaging Server のコマンドにて、Shared folder の機能を Off にする事により回避。

    configutil -o local.store.sharedfolders -v off

    http://help.netscape.com/kb/corporate/19991014-1.html

    注意: Shared folder の機能を Off にするこのコマンドは、実際に Shared folder の機能を使用不能にするのではなく、ユーザが LIST% を行った場合の検索機能を停止します。Shared folder 自体の機能は下記 URL 中の telnet command を手動で入力することにより可能。

    http://help.netscape.com/kb/corporate/19991013-5.html を参照

  • root やその他のローカル ユーザ向けのメールは配信されません。

    Netscape コンソールまたは MigrateUnixSpool ユーティリティを使用して、これらのアカウントをディレクトリ サーバに作成します。Messaging Server は、ローカル アカウントの /etc/passwd を調べません。

  • Windows NTでは、deliver コマンドの -F オプションは機能しません。 (381927)

    解決策: -F オプションと同義の -g オプションが追加されました。-g オプションを使用してください。

    # deliver -a <sender> -g \SEEN <recipient> < <test_message_file>

    注: Windows NT のシェルは引用符にバックスラッシュを使用しないので、バックスラッシュ (\) を 1 個しか必要としません。

  • ウィンドウ マネージャによっては、Netscape コンソールのログイン ウィンドウがロゴ ウィンドウの上に表示されません。 (367239)

    解決策: 他のウィンドウ マネージャを使用するか、次のように -x,nologo パラメータを設定して startconsole を実行します。例:

    # <server-root>/startconsole -x,nologo

  • NIS によって戻されたホスト名が DNS によって戻されたホスト名と異なる場合、認証が失敗することがあります。

    解決策: NIS の前に DNS を検索するよう、/etc/nsswitch.conf を編集します。次の行を変更します。

    hosts:files nisplus nis dns

    hosts:files dns nisplus nis
  • Windows NT では、複数の popd プロセスが実行されている場合、いずれのプロセスも TCP 接続を受け付けません。 (379203)

    解決策: service.pop.numprocessesserver.imap.numprocesses、および service.http.numprocesses をデフォルト値の 1 に変更します。

  • Messaging Server と Directory Server を同時にアップグレードできません。 (369067、369057)

    Directory Server には、Messaging Server のインストール情報が格納されています。アップグレード実行中、Directory Server は停止されインストーラには利用できません。

    解決策: 両方のサーバをアップグレードするには、単に Directory Server と Messaging Server を別々にアップグレードしてください。

  • この製品に付属の NativeToAscii のバージョンでは、Windows NT 上で韓国語および中国語 (簡体字) を使用できません。 (366604)

    解決策: NS_NLS_DATADIRECTORY 変数を設定します。

    1. <server-root>/shared/bin に移動します。
    2. テキスト エディタを開き、NativeToAscii.bat という名前のファイルを作成します。
    3. ファイルに次のように入力します。

      set NS_NLS_DATADIRECTORY=<server-root>\bin\msg\admin\bin
      <server-root>\shared\bin\NativeToAscii.exe %1 %2 %3 %4 %5 %6 %7 %8 %9
  • Messaging Server は、シンガポールの誤ったタイムゾーン情報を送信します。 (341272)

    解決策: /etc/NscpMsg スクリプトで、LANG= 変数の後に次の行を追加して Messaging Server のタイムゾーン (TZ) を設定します。

    # export TZ=GMT-8

  • Windows NT では日本語文字を使用したベース DN をサポートしていません。 (361497)

    Windows NT のインストール時は日本語のベース DN は使用しないでください。

  • 割り当て制限を超過したメッセージでバックスラッシュ (\) を使用すると、問題が発生する場合があります。 (352208)

    割り当て制限を超過したメッセージでバックスラッシュ (\) を使用すると、Messaging Server はメッセージを解析できず、そのメッセージはユーザに配信されません。

    解決策: 割り当て制限を超過したメッセージを指定する場合、メッセージにバックスラッシュ (\) を使用しないでください。

  • メッセージング マルチプレクサでは、certmap.conf ファイルで FilterComps の「e」属性が処理されない場合があります。 (337269)

    解決策: この問題は、certmap.conf ファイルの行を次のように変更すれば解決できます。

    #default:FilterComps    e, uid, ... 

    #default:FilterComps    mail, uid, ... 

文書の訂正箇所

Messaging Server 4.1 および 4.15 の文書には次のような訂正箇所があります。

  • Messaging Server 4.15 を CD からインストールする場合、インストール手順に追加ステップが加わります。 (380827)

    CD では、Messaging Server 4.15 ビットはすでに解凍されています。「Installation Guide」で説明されているように、untar 操作をする必要はありません。

  • 言語検索機能の使用不可 (367811、362966)

    MTA は国際的な機能を実行する場合に、「Administration Guide」で説明しているように使用言語を検索します。

    新しい設定可能なパラメータである local.service.smtp.sitelanguageonly を「はい」に設定すれば、MTA の言語検索機能を使用不可にできます。このようにすれば、gen.sitelanguage で定義した値が変更されることはありません。特定の言語でメッセージを自動生成する場合は、この方法をお勧めします。

  • Messenger Express のオンライン ヘルプに、Messenger Express UI のローカライズに関して誤った手順が表示されます。 (357517)

    その手順は次のように記載されています。

    ローカライズユーザ インターフェースをローカライズするには、mail-en.htmlmail-xx.html と名前をつけた新しいファイルにコピーします。xx はここでは、ある言語の 2 文字の省略形です。i18n 配列要素に対応するすべての文字列の値を変換します。オンライン ヘルプをローカライズするには、help.html ファイルを修正します。

    手順は次のように訂正されています。

    ローカライズ<server-root>/msg-<instance>/html ディレクトリには、各言語のディレクトリがあります。各言語のディレクトリには、i18n.js ファイルのコピーがあります。このファイルには、i18n 配列要素に対応するすべての文字列の値が入っています。文字列のペアを、該当する言語で置き換えてください。オンライン ヘルプをローカライズするには、help.html ファイルを修正します。

障害の報告方法

http://iplanet.com/support/index.html のテクニカル サポート サイトを参照してください。

関連項目

Messaging Server 4.15 Patch 1 のインストールの手順に関しては、http://docs.iplanet.com/docs/manuals/messaging/nms41/install/contents.htm を参照してください。

「Administrator痴 Guide」および関連文書は、http://developer.iplanet.com/docs/manuals/messaging.html に掲示されています。

すべての Netscape サーバのインストール手順とリリース ノートは、http://developer.iplanet.com/docs/manuals/index.html に掲示されています。

必要な情報が見つからない場合は、テクニカル サポートまでご連絡ください。

法律に関する通告
Messaging Server 4.15 Patch 1

Messaging Server 4.15 Patch 1 を使用するには、付属のライセンス契約で述べられている規約に合意する必要があります。

NSPR 3.1.x、NSS 2.6.2、LDAP SDK 3.1

Messaging Server 4.15 Patch 1 は次のソフトウェア モジュールで構成されています。NSPR 3.1.x、NSS 2.6.2、LDAP SDK 3.1。これらのモジュールのソース コードは、Sun Microsystems, Inc や Netscape Communications Corporation が制作したアップデートと同様に、Mozilla Public License (MPL) の条件のもとに Mozilla.org の Web サイトから入手できます。

この製品のライセンスは MPL とは異なります。MPL と異なる本製品のライセンス条件は、Sun Microsystems, Inc および Netscape Communications Corporation から提供されたもので、「初期開発者」や「貢献者」から提供されたものではありません (そのような条件は MPL に規定されています)。