この章では、Sun N1 System Manager のインストール時に表示されるエラーメッセージや発生する可能性のある問題の一覧と、その問題を解決する手順を示します。この章では、次の内容について説明します。
この節では、N1 System Manager の運用プロセスに関する情報を示します。
N1 System Manager を使って、Sun Management Server、Sun Control Station などのシステム管理ソフトウェアや、N1 System Manager を含むその他のシステム管理アプリケーションがインストールされたサーバーを管理しないでください。
工場出荷時状態のプロビジョニング可能なサーバーを検出しようとすると、N1 System Manager の検出処理が、プロビジョニング可能なサーバーに自動的に SSH アカウントと IPMI アカウントを設定しようとします。
検出処理では、次のように資格が設定されます。
表 4–1 SPARC アーキテクチャーのプロビジョニング可能なサーバーのデフォルトの資格
タイプ |
Telnet ログイン |
Telnet パスワード |
---|---|---|
Netra 240 および 440 |
admin |
admin |
Sun Fire V210、V240、V440 |
admin |
admin |
Sun Fire T1000 および T2000 |
admin |
admin |
表 4–2 x86 アーキテクチャーのプロビジョニング可能なサーバーのデフォルトの資格
タイプ |
SSH ログイン |
SSH パスワード |
IPMI ログイン |
IPMI パスワード |
SNMP 読み取りコミュニティ文字列 |
---|---|---|---|---|---|
Sun Fire V20z および V40z |
admin |
admin |
- |
admin |
public |
Sun Fire X2100 |
- |
- |
Admin |
admin |
- |
Sun Fire X4100 および X4200 |
root |
changeme |
root |
changeme |
public |
SSH と IPMI のログインアカウントとパスワードを指定してある場合、プロビジョニング可能なサーバーはユーザーが指定した資格を使って設定されます。資格を 1 つだけ指定した場合、もう一方の資格には、上記のいずれかのデフォルト設定が使用されます。
自動設定を無効にするには、検出を実行する前に次の行を /etc/opt/sun/n1gc/domain.properties に追加します。
com.sun.hss.domain.internal.discovery.initializeDevice=false
自動設定の無効化を有効にするには、N1 System Manager を再起動する必要があります。自動設定を無効にしたら、SSH アカウントと IPMI アカウントを設定するまでサーバーは検出されません。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「プロビジョニング可能なサーバーの設定」を参照してください。
N1 System Manager と ISP プラグインが含まれる N1 Grid Service Provisioning System の両方を使っている場合は、特定のサーバーへの OS の配備に、どちらかの製品を選択する必要があります。OS の配備に使う製品を選択したら、root ユーザーとしてオペレーティングシステムのコマンドを使い、他方の製品の DHCP サービスを手動で停止する必要があります。サービスを停止しなかった場合、OS の配備処理が不安定になったり、ネットワーク関連の問題が発生したりする可能性があります。
この節では、Sun N1 System Manager のインストール時に表示されるエラーメッセージと、発生する可能性のある問題の解決方法を示します。
[alert] httpd: Could not determine the server's fully qualified domain name, using 129.123.111.12 for ServerName scs-httpd: Fri Nov 19 12:47:34 PST 2004 : Daemon started (pid=1473 1485 1486.. |
システムファイル /etc/resolv.conf が正しく設定されていないので、システムでサーバーの完全指定によるドメイン名を判別できません。
対処方法:「/etc/resolv.conf ファイルを更新する」に従って /etc/resolv.conf ファイルを更新します。
Error waiting for SPS to start. |
/etc/hosts ファイルのエントリが間違っています。
対処方法:「/etc/hosts ファイルを更新する」に従って /etc/hosts を更新します。
An exception occurred trying to update SP-IPaddress. Please refer to the log file for more information. |
Sun Fire V20z サーバーのファームウェアのバージョン 2.2 以降では、PIC ファームウェアのアップグレードがサポートされていません。PIC ファームウェアのアップグレードは失敗し、ジョブのステップで上記のエラーメッセージが表示されます。
対処方法:Sun Fire V20z サーバーに PIC ファームウェアをロードしないでください。
Connect to management server url:443 failed (Connection refused) |
https://servername の形式 (servername は管理サーバーの名前) で Sun N1 System Manager サーバーの URL を入力すると、上記のエラーメッセージが表示されます。
原因:システムファイル /etc/resolv.conf が正しく設定されていません。
対処方法:「/etc/resolv.conf ファイルを更新する」に従って /etc/resolv.conf を更新します。
Fatal error: Command failed for target `Makefile' |
Writing Makefile for Locale::gettextMakefile out-of-date with respect to/usr/perl5/5.8.4/lib/i86pc-solaris-64int/Config.pm/usr/perl5/5.8.4/ lib/i86pc-solaris-64int/CORE/config.hCleaning current config before rebuilding Makefile... make -f Makefile.old clean > /dev/null 2>&1 || /bin/sh -c true/usr/bin/perl Makefile.PLWriting Makefile for Locale::gettext ==> Your Makefile has been rebuilt. <== ==> Please rerun the make command. <==false *** Error code 255make: Fatal error: Command failed for target `Makefile'
原因:システム日付が間違っています。
対処方法:システム日付を設定します。
システム起動時に dhcpd が起動しません。Sun N1 System Manager の設定を行っていない場合は、このメッセージは正常です。
対処方法:「N1 System Manager システムの設定」の説明に従って N1 System Manager システムを設定します。
プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアが古すぎる可能性があります。
対処方法:ファームウェアのバージョンを確認し、必要な場合は「プロビジョニング可能なサーバーのファームウェア」の説明に従ってファームウェアをアップデートします。
Sun Fire V20z または Sun Fire V40z のファームウェアのアップデートに失敗する。
原因:管理ネットワークスイッチでリンク速度の自動ネゴシエーションが有効になっていません。
対処方法:すべての管理ネットワーク接続について、管理ネットワークスイッチでリンク速度の自動ネゴシエーションを有効にします。
管理サーバーの IP アドレスが実際の IP アドレスではなく 127.0.0.1 に解決される。
原因:/etc/hosts に、管理サーバーの IP アドレスとサーバー名の割り当てがありません。
対処方法:「/etc/hosts ファイルを更新する」の説明に従って /etc/hosts ファイルを更新します。
プロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサにログオンできない。
原因:サービスプロセッサのアカウントとパスワードが不明です。
対処方法:ハードウェアのマニュアルに従って、サービスプロセッサのアカウントを工場出荷時の設定にリセットします。
この節では、管理サーバーの設定ファイルの問題を解決する手順を示します。
/etc/hosts を編集し、次の例のようにします。
# Do not remove the following line, or various programs # that require network functionality will fail. 127.0.0.1 localhost 111.222.333.44 machine-name loghost
ここで 111.222.333.44 は N1 System Manager サーバーの IP アドレスで、machine-name は N1 System Manager の管理サーバーの名前です。
たとえば、マシン名が n1manager で、eth0 に割り当てられている IP アドレスが 129.123.111.12 の場合、/etc/hosts ファイルで次のように設定する必要があります。
# Do not remove the following line, or various programs # that require network functionality will fail. 127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 129.123.111.12 n1manager loghost
/etc/hosts ファイルの更新後はシステムを再起動する必要があります。
/etc/resolv.conf を編集し、次のようにします。
nameserver server 1 IP address nameserver name server 2 IP address nameserver name server 3 IP address domain your-domain-name search your-domain-name
たとえば、最初の DNS サーバーの IP アドレスが 129.123.111.12、2 番目の DNS サーバーの IP アドレスが 129.123.111.24、3 番目の DNS サーバーの IP アドレスが 129.123.111.36 とします。組織のドメイン名が mydomain.com の場合、 /etc/resolv.conf ファイルには次のように入力します。
nameserver 129.123.111.12 nameserver name 129.123.111.24 nameserver name 129.123.111.36 domain mydomain.com search mydomain.com
プロビジョニング可能なサーバーの検出時の自動設定を無効にする手順は、次のとおりです。
/etc/opt/sun/n1gc/domain.properties ファイルを編集し、次の行をファイルに追加します。
com.sun.hss.domain.internal.discovery.initializeDevice=false
自動設定の無効化を有効にするには、N1 System Manager を再起動する必要があります。自動設定を無効にしたら、SSH アカウントと IPMI アカウントを設定するまでサーバーは検出されません。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「プロビジョニング可能なサーバーの設定」を参照してください。
この節では、プロビジョニング可能なサーバーのサポートされているファームウェアのバージョンの一覧、およびプロビジョニング可能なサーバーのファームウェアを確認、ダウンロード、およびアップデートする手順を示します。
次の表に、サポートされているファームウェアのバージョンをマシンの種類別に示します。
プロビジョニング可能なサーバー タイプ |
最小 |
推奨 |
---|---|---|
Netra 240 および 440 ALOM |
1.4 |
1.5.3 |
Sun Fire T1000 ALOM |
6.1.0 |
6.1.0 |
Sun Fire T2000 ALOM |
6.0.1 |
6.0.1 |
Sun Fire V20z および V40z SP |
サービスプロセッサ: 2.1.0.5 |
サービスプロセッサ: 2.3.0.11 |
Sun Fire V20z BIOS |
1.27.4 |
1.33.5.2 |
Sun Fire V40z BIOS |
1.27.4 |
2.33.5.2 |
Sun Fire V210、V240、および V440 ALOM |
1.4 |
1.5.3 |
Sun Fire X2100 SP |
4.0.9 |
4.11 |
Sun Fire X2100 BIOS |
1.0.0 |
1.0.3 |
Sun Fire X4100 および X4200 |
1.0 |
1.0 |
プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアバージョンを確認するには、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の「プロビジョニング可能なサーバーにインストールされているファームウェアアップデートを一覧表示する」の手順に従います。
N1 System Manager でファームウェアのバージョンを確認できない場合は、次のいずれかまたはすべてが原因になっている可能性があります。
プロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサの IP アドレスが設定されていないので、サーバーを検出できない。
管理プロセッサの IP アドレスが設定されているかどうかを確認し、設定されている場合は N1 System Manager からアクセス可能かどうかを確認します。
管理プロセッサの IP アドレスが正しくない場合は、ハードウェアのマニュアルに従ってプロセッサに IP アドレスを割り当てます。
IP アドレスが正しい場合は、次の項目に進みます。
プロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサのアカウント資格 (ログインアカウントとパスワード) が N1 System Manager で認識されない。N1 System Manager で使われている資格を確認し、プロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサのアカウントにアクセスしてみます。プロセッサのアカウントについては、「工場出荷時状態のサーバーの検出」を参照してください。
管理プロセッサにアクセスできない場合は、ハードウェアのマニュアルに従ってプロビジョニング可能なサーバーを工場出荷時の設定にリセットし、プロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサに IP アドレスを割り当て直します。プロビジョニング可能なサーバーのリセットが完了したら、サーバーで検出を実行します。『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の「サーバーの検出」の手順に従ってください。
検出に成功したら、ファームウェアバージョンを確認します。『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の「プロビジョニング可能なサーバーにインストールされているファームウェアアップデートを一覧表示する」の手順に従ってください。まだ N1 System Manager でファームウェアのバージョンを確認できない場合は、ハードウェアのマニュアルに従ってファームウェアをサポートされているバージョンにアップデートします。