N1 System Manager を使用してプロビジョニング可能なサーバーのラックを管理する方法には、次の 2 通りがあります。
コマンド行 – n1sh コマンド。デフォルトは n1sh シェルを使用する方法で、N1–ok> プロンプトを使用します。シェルモードにはタブ補完機能があり、この機能を使ってすべてのコマンドオプションの説明を参照することができます。詳細は、n1sh のマニュアルページを参照してください。管理サーバーのコンソールから man n1sh と入力します。n1sh のマニュアルページを表示するために、n1sh シェルを起動する必要はありません。
ブラウザインタフェース – コマンド行の機能のサブセットを提供する Web ユーザーインタフェース。ブラウザインタフェースには、コマンド行の区画を使用する n1sh シェルも用意されています。ブラウザインタフェースを使って管理作業を行うと、コマンド行区画に対応するコマンドが表示されます。コマンド行区画は、シェルモードにおける n1sh コマンドと同じ機能を提供します。
n1sh コマンドには、これ以外にも、管理コマンドを実行する 2 つの方法があります。n1sh -e オプション (すなわち、 UNIX® コマンドモード) では、UNIX シェルから一度に 1 つずつ管理コマンドを実行できます。 n1sh -f オプションでは、実行する管理コマンドからなるカスタムスクリプトを指定できます。詳細は、n1sh のマニュアルページを参照してください。管理サーバーのコンソールから man n1sh と入力します。n1sh のマニュアルページを表示するために、n1sh シェルを起動する必要はありません。
ここでは、N1 System Manager のコマンド行インタフェースを使用する際に役立つヒントを示します。
N1 System Manager コマンドの一般的な構文は次のとおりです。
command object [object-value] [object [object-value]]* [attribute[=][attribute-value]]* [keyword]* |
command – オブジェクトに対して実行する操作です。
object – 実行中の動作の基礎となる、システムで定義されたオブジェクトです。通常、動作の対象はコマンドの構文にある最初のオブジェクトです。
object-value – オブジェクトの値で、通常はユーザーが定義します。値に空白が含まれている場合は、引用符で囲む必要があります。
attribute – 属性。動作の実行方法に影響を与える、システム定義の省略可能なオブジェクトです。
attribute–value – 属性に対するユーザー定義の値です。値に空白が含まれている場合は、引用符で囲む必要があります。
keyword – 値のない、システム定義の属性です。
簡単にするため、属性という用語は一般的にオブジェクトとキーワードの両方を表すために使用します。
一般的な規則として、コマンド行インタフェースでは OS プロファイルやロール名などの、ユーザー定義の名前に対して次の文字を使用できます。[A-Za-z][A-Za-z0-9._\-]*
id キーワードは、N1 System Manager コマンド行で、一部の属性値 (主に server 属性値) の前に使用できる、オプションのキーワードです。このキーワードは、予約済みのキーワードと同じ名前である可能性がある属性値 (たとえば、all という名前のサーバー) を指定するために使用します。
等号 (=) は、 N1 System Manager のコマンド行で属性と属性値の間にオプションとして使用できます。等号は省略することもできます。たとえば、次の 2 つのコマンドは同じです。
N1-ok> set role MyRole description myDescription N1-ok> set role MyRole description=myDescription |
コマンド行ヘルプでは、等号を使用する形式を紹介していません。
n1sh スクリプトをカスタマイズして作成した場合、行頭でコメント用の文字 (#) を指定して、その行の文字が無視されるようにすることができます。詳細は、「N1 System Manager コマンドのスクリプトを実行する」を参照してください。
複数の属性値を指定できる場合は、N1 System Manager のコマンド行でコンマ区切りのリストで指定できます。次に例を示します。
N1-ok> set server serverA,serverB,serverC locator on |
コマンド行のヘルプでは、複数の属性値は、構文の中で次のような方法で表されています。set server <server>[,<server>...]
N1 System Manager のコマンド行では、単一引用符および二重引用符がサポートされています。必要に応じて、どちらの引用符もバックスラッシュを使用してエスケープすることができます。次に例を示します。
N1-ok> set role myRole description "Some Role that I've made up" N1-ok> set role myRole description='Some Role that I\'ve made up' |
n1sh の実行に使用する UNIX コマンドモードのシェルによっては、一部の特殊文字をエスケープする必要があります。たとえば、bash シェルでは、引用符は次のようにバックスラッシュでエスケープする必要があります。
$ n1sh set role MyRole description=\"Some Role that \\\"Paul\\\" made up\" |
エスケープする特殊文字の詳細は、該当のシェルのマニュアルを参照してください。
n1sh シェルモードでは、特殊文字をエスケープする必要はありません。したがって上記と同じコマンドは次のようになります。
N1-ok> set role MyRole description="Some Role that \"Paul\" made up" |
コマンド行でパスワードを表示しないようにする場合は、パスワード属性値として疑問符 (?) を入力できます。コマンドを入力したときに、パスワードの入力を求められます。例としては、rootpassword 属性と agentssh 属性があります。
ここでは、リモートシステムから有効なユーザーとして、N1 System Manager コマンド行 (n1sh シェル) にアクセスする手順を説明します。管理サーバー上で直接、このコマンド行にアクセスすることもできます。
管理サーバーの設定時には、スーパーユーザー (root) アカウントが作成され、システムデフォルトロール (Admin、ReadOnly、および SecurityAdmin) のすべてが付与されます。スーパーユーザー以外の有効なユーザーとしてログインする場合は、「N1 System Manager ユーザーを追加する」を参照してください。
リモートシステムから管理サーバーにログインします。
$ ssh -l user-name management-server |
user-name は有効な N1 System Manager ユーザーで、management-server は 管理サーバーのホスト名または IP アドレスです。
パスワードの入力が求められます。
ユーザーアカウントのパスワードを入力します。
N1–ok> プロンプトが表示され、ログイン時にロールを指定する -r オプションを使用していないかぎり、デフォルトの N1 System Manager のロールでログインが受け付けられます。
N1–ok> プロンプトが表示されない場合は、次のコマンドを入力してコマンド行にアクセスします。
# /opt/sun/n1gc/bin/n1sh [-r role-name] |
通常、スーパーユーザー (root) ユーザーアカウントのログイン名は、 n1sh シェルに自動的にログインするように設定されていません。
(省略可能) ユーザーアカウントに異なる N1 System Manager のロールが割り当てられている場合、ほかのロールに切り換えるには、次のコマンドを入力します。
N1-ok> set session role role |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「set session」を参照してください。
ここでは、Sun Web Console を使用して N1 System Manager ブラウザインタフェース にログインする手順を説明します。
管理サーバーの設定時、スーパーユーザー (root) アカウントが作成され、システムデフォルトロール (Admin、ReadOnly、および SecurityAdmin) のすべてが付与されます。スーパーユーザー以外の有効なユーザーとしてログインする場合は、「N1 System Manager ユーザーを追加する」を参照してください。
サポートされているブラウザは次のとおりです。
MozillaTM 1.4 以上 (Solaris 版、Linux 版、または Microsoft Windows 版)
Internet Explorer 6 以上 (Microsoft Windows 版)
N1 System Manager ブラウザインタフェースのユーザー補助機能には、画像および表の説明、キーボードによるナビゲーション、ツールチップなどがあります。
コマンド行区画の N1-ok> プロンプトにカーソルがあるときに矢印キーを使用すると、直前に入力されたコマンドや履歴内の次のコマンドを順番に表示できます。コマンド行区画の先頭にカーソルを移動するには、Shift+Tab キーを押してから、上矢印キーを押します。ブラウザインタフェース のコマンド行区画から別の場所にフォーカスを移すには、Shift+Tab キーを 2 回押します。
ほとんどの画面で、右上のヘルプボタンをクリックすると、その画面の説明を見ることができます。入力フィールドの下や、関連するチェックボックス、ラジオボタン、およびテキスト入力フィールドの下にも、短いヘルプテキストが表示されます。
管理サーバー上で、次の URL から Sun Web Console にログインします。
http://management-server |
management-server は 管理サーバーのホスト名または IP アドレスです。
ブラウザが自動的に URL https://management-server :6789 にリダイレクトされ、Sun Web Console のログインページが表示されます。
N1 System Manager のユーザー名とパスワードを使用し、Sun Web Console にログインします。
Sun Web Console の開始ページが表示されます。
Sun N1 System Manager のリンクをクリックして Sun N1 System Manager ブラウザインタフェース を起動します。
ブラウザインタフェース が表示され、デフォルトの N1 System Manager のロールでログインが受け付けられます。ブラウザインタフェースの概要については、『Sun N1 System Manager 1.2 の概要』の「N1 System Manager へのアクセス」を参照してください。
(省略可能) ユーザーアカウントに別の N1 System Manager のロールが割り当てられていて、そのロールに切り換えるには、コマンド行区画で次のコマンドを入力します。
N1-ok> set session role role |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「set session」を参照してください。
割り当てられたロールによって、N1 System Manager の特定の機能へのアクセスに影響する場合があります。デフォルトでは、N1 System Manager へのログインは、デフォルトロールで受け付けられます。
ロールについての詳細は、「ロールの管理」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
現在のセッションロールを表示します。
N1-ok> show session |
複数のロールを持っている場合は、特定の権限を必要とする作業を行うためにロールを切り換えることができます。
ロールと権限の詳細は、「ロールの管理」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
別のセッションロールに切り換えます。
N1-ok> set session role role |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「set session」を参照してください。
次のコマンドを入力して N1 System Manager のコマンド行を終了します。
N1-ok> exit |
n1sh シェルが終了します。
ここでは、ファイルに保存した N1 System Manager コマンドのカスタムスクリプトを実行する手順を説明します。コマンドごとにリターンコードが返されます。また、コメント用の文字 (#) を行頭に指定してその行の文字が無視されるようにすることもできます。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
管理サーバー上のデフォルトのログインシェルが n1sh シェルの場合は、この設定を変更する必要があります。設定を変更しないと、 n1sh コマンドを実行してスクリプトオプションを使用することはできません。
N1 System Manager コマンドを含むカスタムスクリプトを実行します。
# /opt/sun/n1gc/bin/n1sh -f filename |
filename は、カスタムスクリプトファイルへの絶対パスです。
以下は、n1sh-f コマンドを使って実行可能な n1sh スクリプトファイルの例です。
# n1sh custom script show group all create group RACK1 create group RACK2 create group RACK3 create group RACK4 create group RACK5 add group RACK1 server SERVER1 add group RACK1 server SERVER2 add group RACK2 server SERVER3 add group RACK2 server SERVER4 add group RACK3 server SERVER5 add group RACK3 server SERVER6 add group RACK4 server SERVER7 add group RACK4 server SERVER8 add group RACK4 server SERVER9 add group RACK4 server SERVER10 add group RACK5 server SERVER11 add group RACK5 server SERVER12 show group all