この節では、次の作業について説明します。
プロビジョニング可能なサーバーに OS プロファイルをインストールする前に、OS のイメージをコピーしておく必要があります。このコピーされたイメージは OS ディストリビューションといいます。OS のイメージは、管理サーバー上にあるファイル、あるいはネットワークマウントされているファイルシステムからコピーできます。OS ディストリビューションは、管理サーバーの次のディレクトリにコピーされます。
Linux がインストールされている管理サーバーの場合
Linux OS ディストリビューション: /var/opt/sun/scs/share/allstart/
Solaris OS ディストリビューション: /var/opt/sun/scs/share/allstart/jumpstart/
Solaris がインストールされている管理サーバーの場合
Linux OS ディストリビューション: /var/opt/SUNWscs/share/allstart
Solaris OS ディストリビューション: /var/js
サポートされるファイルの種類は次のとおりです。
CD ISO ファイル (Linux のみ)
CD 媒体 (Linux のみ)
DVD ISO ファイル
DVD 媒体
N1 System Manager は、Solaris OS CD および CD ISO ファイルのコピーはサポートしていません。コピーには、Solaris DVD または DVD ISO ファイルを使用してください。
サポートされる OS ディストリビューションを、プロビジョニング可能なサーバーの種類別に示した詳細な一覧は、「プロビジョニング可能なサーバーでサポートされているオペレーティングシステム」を参照してください。
OS ディストリビューションをコピーするには、create os コマンドに、OS キーワードを付けて使用します。構文およびパラメータの詳細は、N1–ok のコマンド行で help create os と入力するか、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「create os」を参照してください。OS ディストリビューションのコピー方法は、次の手順を参照してください。
OS ディストリビューションをコピーしたあと、フラッシュアーカイブを管理サーバーにコピーし、OS プロファイルのカスタマイズで使用することができます。フラッシュアーカイブのコピーにはいくつかの手動操作が必要になりますが、N1 System Manager でもっとも効率的に、OS ディストリビューションをロードできるようになります。「管理サーバーにフラッシュアーカイブをコピーする」を参照してください。
ここでは、コマンド行を使用して、一群の ISO ファイルから管理サーバーに OS ディストリビューションをコピーする手順を説明します。
ディストリビューションをコピーすると、デフォルトでは、同じ名前で OS プロファイルが作成されます。このプロファイルは、ブラウザインタフェースの「ショートカット」区画の OS プロファイル一覧に表示されます。また、N1–ok> プロンプトで show osprofile all と入力することによって確認することもできます。
アクセス可能な、または管理サーバーによってネットワークマウント済みのディレクトリに ISO ファイルをダウンロードします。
N1 System Manager は、Solaris OS CD および CD ISO ファイルのコピーはサポートしていません。コピーには、Solaris DVD または DVD ISO ファイルを使用してください。
/mnt マウントポイントのファイルシステムはすべて移動してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
次のコマンドを入力します。
N1-ok> create os os file file[,file...] |
詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「create os」を参照してください。
OS ディストリビューションがコピーされていることを確認します。
N1-ok> show os all |
OS ディストリビューションが表示されます。
次の例は、単一の Solaris DVD ISO ファイルから solaris_ver9 という名前の OS ディストリビューションを作成する方法を示しています。
N1-ok> create os solaris_ver9 file /tmp/solaris_9_dvd.iso ジョブ 7 を開始しました。 |
OS ディストリビューションのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
管理サーバーへの SLES 9 SP1 OS ディストリビューションのコピーは、次の手順で行います。
/mnt マウントポイントのファイルシステムはすべて移動してください。
SLES 9 ディストリビューションをコピーします。
# n1sh create os sles9u1 file /directory/SLES-9-i386-RC5-CD1.iso,/directory/SLES-9-i386-RC5-CD2.iso, /directory/SLES-9-i386-RC5-CD3.iso,/directory/SLES-9-i386-RC5-CD4.iso, /directory/SLES-9-i386-RC5-CD5.iso,/directory/SLES-9-i386-RC5-CD6.iso |
OS の作成コマンドが完了するのを待って、次の手順に進みます。
SLES 9 Update 1 ディストリビューションをコピーします。
Update1 を追加するときは、同じ OS プロファイル名を使用する必要があります。
# n1sh create os sles9u1 file /directory/SLES-9-SP-1-i386-RC5-CD1.iso,directory/SLES9/SLES-9-SP-1-i386-RC5-CD2.iso, /directory/SLES-9-SP-1-i386-RC5-CD3.iso |
OS ディストリビューションがコピーされていることを確認します。
N1-ok> show os all |
OS ディストリビューションが表示されます。
OS ディストリビューションのロード方法については、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
ここでは、コマンド行を使用して CD または DVD から管理サーバーに OS ディストリビューションをコピーする手順を説明します。
N1 System Manager は、Solaris OS CD および CD ISO ファイルのコピーはサポートしていません。コピーには、Solaris DVD または DVD ISO ファイルを使用してください。
複数のインストール CD から OS ディストリビューションをコピーする場合は、複数回 create os コマンドを実行します。たとえば 2 枚の CD で提供されている OS ディストリビューションをコピーする場合は、最初の CD を挿入してから、 create os コマンドを実行して、そのジョブが完了するのを待ちます。最初のジョブが完了したら、2 枚目の CD を挿入します。再度 create os コマンドを実行し、そのジョブが完了するのを待ちます。2 つ目のジョブが完了すると、OS ディストリビューションのコピーが成功したことになります。
SUSE Linux Enterprise Server 9 SP1 ディストリビューションをコピーする場合は、create os コマンドを複数回実行する必要があります。最初に、SLES 9 の基本ディストリビューションをコピーします。その作業の終了後、SLES 9 Update 1 ディストリビューションをコピーします。OS ディストリビューションを新しく作成すると、その OS ディストリビューションごとに、OS ディストリビューションと同じ名前を使用してデフォルトの OS プロファイルが自動的に作成されます。デフォルトのプロファイルが、例として示されます。多くの場合、使用しているハードウェアに合致するようにデフォルトのプロファイルを更新する必要があります。あるいは、単に新しいプロファイルを作成する方がより簡単な場合があります。show osprofile osprofile コマンドで、OS プロファイルの構成情報を確認できます。Update 1 ディストリビューションを追加するときは、同じ OS プロファイル名を使用する必要があります。
ディストリビューションをコピーすると、デフォルトでは、同じ名前で OS プロファイルが作成されます。追加されたプロファイルは、ブラウザインタフェースの「ショートカット」区画の OS プロファイル一覧に表示されます。また、N1–ok> プロンプトで show osprofile all と入力することによって確認することもできます。
/mnt マウントポイントのファイルシステムはすべて移動してください。
Disk 1 を挿入して次のコマンドを入力します。
N1-ok> create os os cdrom cdrom |
「OS ディストリビューションの作成」ジョブが開始します。ジョブ ID を書き留めます。ジョブが完了したら、次のディスクを挿入します。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「create os」を参照してください。
次のディスクの挿入を求めるメッセージは表示されないため、「OS ディストリビューションの作成」ジョブの完了と OS のディスク番号を確認しながら進める必要があります。ジョブが完了すると、イベントが生成されます。
Disk 2 を挿入して次のコマンドを入力します。
N1-ok> create os os cdrom cdrom |
必要に応じて、次のディスクの処理を続けます。
最後の「OS ディストリビューション の作成」ジョブが完了したら、次のコマンドを入力します。
N1-ok> show os os |
新しい OS ディストリビューションが表示されます。
プロファイルを使用して OS ディストリビューションをロードする方法は、「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
ここでは、コマンド行を使用し、サーバーまたはサーバーグループにフラッシュアーカイブを設定および配備する手順を説明します。
管理サーバーに OS ディストリビューションをコピーします。
「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」 または 「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。
フラッシュアーカイブファイルを作成します。
管理サーバーに Linux がインストールされている場合は、Solaris の完全インストール用のフラッシュアーカイブが、大きすぎてプロビジョニングできない場合があります。ファイルを圧縮するか、内容を減らしたより小さいフラッシュアーカイブを使用してください。フラッシュアーカイブの作成手順は、『Solaris 10 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』を参照してください。
スーパーユーザーとして管理サーバーにログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
次のいずれかの操作を 1 つ実行します。
管理サーバーに Solaris オペレーティングシステムがインストールされている場合は、/etc/dfs/dfstab ファイルの最後のコメントの下に share -F nfs -o ro,anon=0 -d "Flash Share" /jumpstart/Flash という 1 行を追加して変更します。
次に例を示します。
# Put custom additions below (Do not change/remove this line) share -F nfs -o ro,anon=0 -d "Flash Share" /jumpstart/Flash |
管理サーバーに Linux がインストールされている場合は、 /etc/exports ファイルの最後のコメントの下に /jumpstart/Flash *(ro,no_root_squash) という 1 行を追加して変更します。
次に例を示します。
# Put custom additions below (Do not change/remove this line) /jumpstart/Flash *(ro,no_root_squash) |
フラッシュアーカイブファイルを /jumpstart/Flash ディレクトリにコピーします。
次のいずれかを実行し、NFS を再起動します。
上記の 手順 3 でコピーしたフラッシュアーカイブファイルの場所を指定する OS プロファイルを作成します。
N1-ok> create osprofile osprofile os os rootpassword rootpassword flar flar description description language language timezone timezone |
flar 属性値は、フラッシュアーカイブファイルのパスとファイル名です。例: /jumpstart/Flash/archive1.flar。
OS プロファイルが作成されます。
次のコマンドを入力し、OS プロファイルの設定を確認します。
N1-ok> show osprofile osprofile |
OS プロファイルの詳細が表示されます。パーティションの設定が用途にかなっているかどうかを確認します。パーティションの設定および例については、「OS プロファイルを作成する」を参照してください。
サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードします。
「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
次の例は、フラッシュアーカイブファイルを使用する OS プロファイルの作成方法を示しています。
N1-ok> create osprofile solaris9_flar rootpassword admin description "solaris 9 with flar" os solx86 flar /jumpstart/Flash/S9-u7-req-v20z.archive |
次の例は、OS プロファイルにルートパーティションおよびスワップパーティションを追加する方法を示しています。
N1-ok> add osprofile solaris9_flar partition / sizeoption free device\ c1t1d0s0 type ufs N1-ok> add osprofile solaris9_flar partition swap sizeoption fixed size 128\ device c1t1d0s1 type swap |
次の例は、サーバーに、変更された OS プロファイルを配備する方法を示しています。
N1-ok> load server 192.168.73.2 osprofile solaris9_flar networktype=static ip=192.168.73.244 |
networktype 属性では、インストールされるホストの IP アドレスとして、192.168.73.244 を指定しています。
配備済みの OS プロファイルに OS ディストリビューションが関連付けられていても、そのデフォルト OS プロファイルを削除すれば、ディストリビューションを削除することができます。「配備済み」OS プロファイルとは、プロビジョニング可能なサーバーに現在インストールされているプロファイルです。
OS ディストリビューションに関連付けられているすべての OS プロファイルを削除してください。この作業には、OS ディストリビューションがコピーされたときに作成されたデフォルトの OS プロファイルの削除も含まれます。OS プロファイルが配備中で削除できない場合は、配備が完了したあとで削除します。。配備が完了すると、削除できるようになります。方法は、「OS プロファイルを削除する」を参照してください。
N1 System Manager にログインします。
詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。
次のコマンドを入力します。
N1-ok> delete os os |
ディストリビューションが削除されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 コマンド行レファレンスマニュアル』の「delete os」を参照してください。
使用可能な OS ディストリビューションを表示します。
N1-ok> show os all |
削除した OS ディストリビューションが表示されないことを確認します。