この章では、N1 System Manager 1.2 の管理サーバーを N1 System Manager 1.3 にアップグレードする手順を示します。Sun N1 System Manager version 1.1 から version 1.3 にアップグレードする場合は、この章の説明に従って、先に version 1.1 の N1 System Manager を version 1.2 にアップグレードする必要があります。
この章では、次の内容について説明します。
セキュリティーに関する警告: N1 System Manager によって Solrais オペレーティングシステムが配備された管理対象サーバーには、n1gc というユーザーアカウントがあります。n1gc ユーザーアカウントは不要であるため、「N1 System Manager version 1.2 の n1gc アカウントの削除」の説明に従って削除するようにしてください。
Grid Engine で管理対象サーバーを使用する予定で、管理対象サーバーの OS 監視機能または基本管理機能が有効になっている場合は、「Grid Engine で使用するための管理対象サーバーのアップデート」の説明に従って、Grid Engine を配備できるようにサーバーをアップデートします。
ここでは、管理サーバーの N1 System Manager 1.2 を N1 System Manager 1.3 にアップグレードする手順を示します。
N1 System Manager のインストールのバックアップを作成します。『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の第 3 章「バックアップと復元」を参照してください。
N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。
N1 System Manager のプロセスをすべて停止します。
Solaris の管理サーバーでは、「svcadm disable n1sm」と入力します。
Linux の管理サーバーでは、「/etc/init.d/n1sminit stop」と入力します。
N1 System Manager のプロセスがすべて停止するまで待ちます。
N1 System Manager のソースがあるディレクトリに移動します。
N1 System Manager の DVD からインストールする場合は、次のディレクトリに移動します。
Solaris SPARC ベースの管理サーバーの場合:
# cd /cdrom/n1_system_mngr/Solaris_sparc/Product/installer |
Solaris x86 ベースの管理サーバーの場合:
# cd /cdrom/n1_system_mngr/Solaris_x86/Product/installer |
Linux x86 ベースの管理サーバーの場合:
# cd /cdrom/n1_system_mngr/Linux_x86/Product/installer |
N1 System Manager のインストール ISO イメージからインストールする場合は、パス名の /cdrom を、マウントポイントのディレクトリ名に置き換えます。
「./install -u」と入力してアップグレードインストールプロセスを起動します。
ソフトウェア評価規約が表示されます。
規約に同意してインストールを継続するかどうかを選択します。
規約をよく読みます。インストールを継続するには「y」を、インストールを中止するには「n」を入力します。
アップグレードを継続すると、アップグレードスクリプトによって必要な Perl モジュールが確認されます。このプロセスが完了すると、アップグレードプロセスによって、管理サーバー上のコンポーネントのバージョンが、N1 System Manager 1.3 のインストールメディアのアプリケーションのバージョンと照合されます。そのあと、N1SM インストーラのアップグレードメニューが表示され、最新のコンポーネントとアップグレードできるコンポーネントが一覧表示されます。
次に示すように、N1SM アップグレードのメニューと、アップグレードされるコンポーネントの一覧の表示内容は、管理サーバーにインストールされているオペレーティングシステムによって異なります。
Solaris 10 の管理サーバー
N1SM Upgrade (version 1.2 to 1.3 on SunOS) 1. Install IPMI tool. [Up to Date] 2. Install JDK 1.5. [Up To Date] 3. Install service provisioning components. [Upgrade Available] 4. Install OS provisioning components. [Upgrade Available] 5. Install user interface components. [Upgrade Available] 6. Install service container components. [Up to Date] 7. Install N1 System Manager. [Upgrade Available] Non-interactive install in progress Executing current step: Install OS packages... |
Linux の管理サーバー
N1SM Upgrade (version 1.2 to 1.3 on Linux) 1. Install IPMI tool. [Up To Date] 2. Install JDK 1.5. [Up To Date] 3. Install Python. [Up To Date] 4. Install service provisioning components. [Upgrade Available] 5. Install OS provisioning components. [Upgrade Available] 6. Install user interface components. [Upgrade Available] 7. Install service container components. [Up To Date] 8. Install N1 System Manager. [Upgrade Available] Non-interactive upgrade in progress. Executing current step: Install IPMI tool... |
インストールプロセスによって各処理が順番に実行されます。処理が完了すると、処理の状態が、[Up to Date] に変わります。
手順に失敗するとそのことが通知され、処理の状態は [Upgrade Available] のままか、[Partially Run] に変わります。インストールプロセスを終了し、ログファイル /var/tmp/installer.log.latest で問題の原因を調べてください。問題が解決したら、アップグレードプロセスを再び実行します。
アップグレードプロセスが完了すると、すべての実行中の N1 System Manager プロセスが停止し、再起動します。そのあと、N1 System Manager のアップグレードプロセスが完了したことを通知するメッセージが表示されます。
インストールプロセスが終了します。n1smconfig ユーティリティーの実行を求めるメッセージが表示されます。N1 System Manager 1.3 には、N1 System Manager を再起動する前に設定する必要がある新機能がいくつかあります。「N1 System Manager の設定」の説明に従って n1smconfig を実行します。
次の節の説明に従って N1 System Manager version 1.2 の n1gc アカウントを削除します。
N1 System Manager によって Solrais オペレーティングシステムが配備された管理対象サーバーには、n1gc というユーザーアカウントがあります。n1gc ユーザーアカウントは不要であるため、削除するようにします。n1gc ユーザーアカウントを削除しても N1 System Manager 1.3 の機能に影響はありません。
n1gc ユーザーアカウントを削除する方法は、管理対象サーバーの基本管理が有効になっているかどうかによって異なります。
基本管理が有効になっている場合は、n1gc ユーザーアカウントを次のように N1 System Manager のコマンド行から削除します。
単一の管理対象サーバーの場合は、次のように入力します。
start server server command "/usr/sbin/userdel n1gc"
管理対象サーバーのグループの場合は、次のように入力します。
start group groupip command "/usr/sbin/userdel n1gc"
基本管理機能については、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。
基本管理が有効になっていない場合は、オペレーティングシステムのマニュアルでユーザーアカウントの削除手順を確認してください。
OS 監視機能または基本管理機能が有効になっている管理対象サーバーを Grid Engine で使用するには、事前にこれらの機能をアップデートしてください。
管理対象サーバーの OS 監視機能のアップデート:
単一の管理対象サーバーの場合は、次のように入力します。
add server server feature osmonitor upgrade=true
管理対象サーバーのグループの場合は、次のように入力します。
add group group feature osmonitor upgrade=true
管理対象サーバーの基本管理機能のアップデート:
単一の管理対象サーバーの場合は、次のように入力します。
add server server feature basemanagement upgrade=true
管理対象サーバーのグループの場合は、次のように入力します。
add group group feature basemanagement upgrade=true
基本管理機能と OS 監視機能については、『Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル』の「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。