Sun N1 System Manager 1.3 検出および管理マニュアル

イベント通知の設定

N1 System Manager には、N1 System Manager 内でイベントが発生したとき、あるいは管理対象サーバーで特定のイベントが発生したときに電子メールまたは SNMP によるイベント通知を送信する機能があります。必要とされるさまざまな状況に応じたイベント通知規則を作成することができます。イベントのデフォルト通知の設定は、インストール時に n1smconfig ユーティリティーを使用して行います。N1 System Manager のインストールと設定については、『Sun N1 System Manager 1.3 インストールおよび構成ガイド』「N1 System Manager の設定」を参照してください。

コマンド行で、追加のイベント通知を作成できます。発生する、または発生する可能性のあるイベントに基づく、イベント「通知規則」を作成するには、create notification コマンドを使用します。イベント通知を作成する項目に登録します。たとえば、別々のセンサーのイベントの通知を受け取るには、項目 Ereport.Physical.ThresholdExceeded に登録します。この項目は、別々のセンサーと 2 状態のセンサーの両方のイベントが対象です。項目の一覧およびイベントカテゴリと実際のイベントの対応については、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「create notification 」を参照してください。

SNMP トラップを使用してイベント通知を設定するには、 /opt/sun/n1gc/etc/SUN-N1SM-TRAP-MIB.mib にある SNMP MIB を使用します。SNMP MIB に関する詳細は、「MIB の監視」を参照してください。

イベントの種類ごとに、通知規則を使用し、電子メールまたは SNMP を通信媒体として特定の送信先にイベント発生通知を送信することができます。たとえば、管理サーバーによって新しい管理対象サーバーが検出されるたびに、イベントが発生したことを示すメッセージをポケットベルで受け取るようにする通知規則を作成できます。


create notification notification destination destination topic topic 
type type [description description]

このコマンド構文で使用する各項については、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「create notification 」を参照してください。

イベント通知の表示と変更

イベント通知の詳細を表示および変更するには、show notification および set notification コマンドを使用します。構文およびパラメータの詳細は、N1–ok コマンド行で help show notification または help set notification と入力してください。

Procedureイベント通知を一覧表示する

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> show notification all
    

    読み取り権限をもつイベント通知が表示されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「show notification」を参照してください。

Procedureイベント通知の詳細を表示する

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> show notification notification
    

    指定したイベント通知の詳細が表示されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「show notification」を参照してください。


例 6–19 イベント通知の詳細の表示

この例は、通知の詳細を表示するための show notification コマンドの使用方法を示しています。


N1-ok> show notification notif33
名前:        notif33
イベントトピック:  EReport.Physical.ThresholdExceeded
通知のタイプ:    Email
送信先:       nobody@sun.com
状態:        有効

Procedureイベント通知を変更する

ここでは、イベント通知の名前や説明、あるいは送信先を変更する手順を説明します。

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> set notification notification name name description description
     destination destination
    

    指定したイベント通知属性が、指定した新しい値に変更されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「set notification」を参照してください。


例 6–20 イベント通知名の変更

この例は、name オプションを指定した set notification コマンドを使用し、通知名を notif22 から notif23 に変更する方法を示しています。


N1-ok> set notification notif22 name notif23

イベント通知の作成、テスト、および削除

create notification または delete notification コマンドを使用すると、イベント通知を作成および削除できます。

start notification コマンドに test キーワードを付けて使用すると、イベント通知をテストできます。

構文およびパラメータの詳細は、N1–ok コマンド行で help create notification または help delete notification と入力してください。

Procedureイベント通知を作成、テストする

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> create notification notification topic topic
    type type destination destination
    

    イベント通知が作成されて有効になります。詳細と有効な項目については、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「create notification 」を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> start notification notification test
    

    テスト用の通知メッセージが送信されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「start notification」を参照してください。

    スクリプトによって引き起こされる通知を作成することもできます。詳細は、「スクリプトによって引き起こされる通知を作成する」を参照してください。


例 6–21 サーバーグループ作成の電子メール通知の作成

この例は、サーバーグループが作成されたときに電子メールで送信されるイベント通知を作成する方法を示しています。まず、『Sun N1 System Manager 1.3 インストールおよび構成ガイド』「N1 System Manager の設定」の説明に従って、n1smconfig ユーティリティーを使用して、SMTP 電子メールサーバーを構成する必要があります。

このイベント通知名を notif2 、送信先の電子メールアドレスを nobody@sun.com とします。


N1-ok> create notification notif2 destination nobody@sun.com
Lifecycle.Logical.CreateGroup type email

イベント通知が作成されたことを確認するには、show notification コマンドを使用できます。


N1-ok> show notification
名前      イベントトピック                             送信先              状態
notif2  Lifecycle.Logical.CreateGroup        nobody@sun.com   有効

テスト用に仮のグループを作成すると、イベントを起動できます。


N1-ok> create group test

通知の作成に成功すると、電子メールが送信されます。成功しなかった場合は、次のエラーメッセージが表示されます。


通知テストに失敗しました。

SMTP サーバーが正しく設定され、到達可能かどうか、および通知規則で使用している電子メールアドレスが有効かどうかを確認してください。



例 6–22 ハードウェアの健全性のしきい値を超えたときの SNMP 通知の作成

この例は、ハードウェアの健全性のしきい値を超えた場合に SNMP で送信するイベント通知を作成する方法を示しています。このイベント通知名を notif3 、送信先の SNMP アドレスを sun.com とします。


N1-ok> create notification notif3 destination sun.com
topic EReport.Physical.ThresholdExceeded type snmp

項目 (通知を引き起こすイベントの種類) は Ereport.Physical.ThresholdExceeded です。

イベント通知が作成されたことを確認するには、show notification コマンドを使用できます。


N1-ok> show notification
名前      イベントトピック                                  送信先       状態
notif3  EReport.Physical.ThresholdExceeded        sun.com   有効

show notification コマンドに通知属性値を付けて使用すると、表示するイベント通知を指定できます。


N1-ok> show notification notif3
名前      イベントトピック                                  送信先       状態
notif3  EReport.Physical.ThresholdExceeded        sun.com   有効


例 6–23 ハードウェアの状態が変化したときの電子メール通知の作成

この例は、サーバーのハードウェアの状態が変化したときに電子メールで送信するイベント通知を作成する方法を示します。ハードウェアの状態の変化には、電源の障害など、電源の状態の変化が含まれます。まず、『Sun N1 System Manager 1.3 インストールおよび構成ガイド』「N1 System Manager の設定」の説明に従って、n1smconfig ユーティリティーを使用して、SMTP 電子メールサーバーを構成する必要があります。

このイベント通知名を notif4 、送信先の電子メールアドレスを nobody@sun.com とします。


N1-ok> create notification notif44 destination nobody@sun.com
EReport.Physical.ThresholdExceeded type email

イベント通知が作成されたことを確認するには、show notification コマンドを使用できます。


N1-ok> show notification
名前       イベントトピック                                  送信先              状態
notif44  EReport.Physical.ThresholdExceeded        nobody@sun.com   有効

SMTP サーバーが正しく設定され、到達可能かどうか、および通知規則で使用している電子メールアドレスが有効かどうかを確認してください。


Procedureスクリプトによって引き起こされる通知を作成する

管理サーバーで Borne シェルのスクリプトの実行を引き起こす、イベントの通知規則を作成できます。 Borne シェルのスクリプトは root ユーザーが実行できる必要があります。

スクリプトは、出力 (stdout/ stderr) をログファイルに出力するように作成する必要があります。

イベントのフィールドは、次の環境変数としてスクリプトに渡されます。

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> create notification notification destination destination topic topic
    type script
    

    イベント通知が作成されて有効になります。destination は、通知の管理に使用する Bourne シェルのカスタムスクリプトの絶対パスです。スクリプトは root ユーザーが実行できる必要があります。詳細と有効な項目については、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「create notification 」を参照してください。

    N1 System Manager によって内部で引き起こされたイベントの結果としてスクリプトが実行される場合、スクリプトは root で実行されます。

    ユーザーによって引き起こされたイベントの結果としてスクリプトが実行される場合、スクリプトは、イベントを引き起こしたユーザーによって実行されます。

  3. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> start notification notification test
    

    テスト用の通知メッセージが送信されます。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「start notification」を参照してください。

Procedureイベント通知を削除する

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> delete notification notification
    

    イベント通知が削除されます。

イベント通知の有効化と無効化

デフォルトでは、イベント通知は作成された時点で有効になります。無効になっていたイベント通知を有効にするには、start notification コマンドを使用します。構文およびパラメータの詳細は、N1–ok コマンド行で help start notification と入力してください。

Procedureイベント通知を有効にする

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> start notification notification
    

    イベント通知が有効になります。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「start notification」を参照してください。

Procedureイベント通知を無効にする

  1. N1 System Manager にログインします。

    詳細は、「N1 System Manager のコマンド行にアクセスする」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    N1-ok> stop notification notification
    

    イベント通知が無効になります。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.3 コマンド行リファレンスマニュアル』「stop notification」を参照してください。