Solstice PPP 3.0.1 ユーザーズガイド

ログファイルについて

Solstice PPP のエラーメッセージとステータスメッセージは、ログファイル /var/opt/SUNWconn/ppp.log に書き込まれます。これらのメッセージは、接続が成功した場合はその進行状況を示します。接続が失敗した場合は、構成のどの部分が問題の原因となっているのかを特定するために利用できます。

ログファイルに最後に書き込まれたメッセージを表示するには、以下のように入力します。


prompt# tail -f /var/opt/SUNWconn/ppp.log

以下のログファイルの例は、Solstice PPP がローカルマシン上で正常に起動され、構成されたことを示しています。リモートサーバーとの接続が開かれ、その後切断されています。


11/13/95 18:00:48 - Link manager (359) has started 11/13/95
11/13/95 18:00:48 - Successful configuration
11/13/95 18:00:58 - Connection requested to miles
11/13/95 18:00:59 - Dialing number P365 ...
11/13/95 18:01:32 - Got modem connection
11/13/95 18:01:35 - LCP up on ipdptp0
11/13/95 18:01:35 - IP_NCP up on ipdptp0
11/13/95 18:01:35 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set
to 240 seconds
11/13/95 18:01:54 - Disconnect indication on ipdptp0
11/13/95 18:01:54 - IP_NCP down on ipdptp0
11/13/95 18:01:54 - LCP down on ipdptp0

Solstice PPP の構成における問題

Solstice PPP は、構成スクリプト pppinit によって作成された構成ファイルを起動時に読み取ります。これらのファイルがマシン上に存在しない場合は、Solstice PPP は以下のメッセージを表示します。


starting ppp (not configured)

以下のログファイルの例は、いずれかの構成ファイルにエラーが含まれているときに出力されるエラーメッセージを示しています。


11/13/95 18:53:22 - Link manager (460) has started 11/13/95
11/13/95 18:53:22 - parse_config_file: unrecognized symbol
inactivity_timeout
11/13/95 18:53:22 - parse_config_file: unrecognized symbol 180
11/13/95 18:53:22 parse_config_file: Errors in configuration file
/etc/opt/SUNWconn/ppp/ppp.conf

この例では、認識されないキーワードがファイル ppp.conf に含まれているため、ファイルの解析時に拒否されています。構成ファイルに問題が存在する場合は、構成ファイル pppinit を実行して構成ファイルを作成し直してください。それでも問題が解決しない場合は、システム管理者またはインターネットプロバイダにお問い合わせください。

モデム接続における問題

接続フェーズでは、まず最初にモデム接続が行われます。サーバーに接続しているモデムの電話番号をクライアントが送信し、両モデムが交信することによって接続が設定されます。

以下のログファイルの例は、モデム接続が失敗したことを示しています。


11/13/95 19:57:44 - Connection requested to miles
11/13/95 19:57:45 - Dialing number P365 ...
11/13/95 19:58:09 - remote host is busy

クライアントがビジー信号をサーバーから受信すると、"remote host is busy" というメッセージが表示されます。これは、別のクライアントがすでにサーバーモデムを使用しているか、または装置に問題があることを意味します。この例では、パルスダイヤルを期待していたオフィス交換機に対して、クライアントがトーンダイヤルを使用したことがエラーの原因です。

モデムの番号に直接電話することによって、モデムへのアクセスが可能であるかどうかを確認してください。モデムへのアクセスが不可能な場合は、発信している電話番号が正しいかどうかを確認してください。正しい番号を使用しているにもかかわらずビジー信号を何度も受信する場合は、システム管理者またはインターネットプロバイダにお問い合わせください。

PPP ネゴシエーションにおける問題

モデム接続の次に行われる接続フェーズ処理は、PPP ネゴシエーションです。クライアントとサーバーが交信することによって、PPP リンクの共通構成を得るためのネゴシエーションを行います。ネゴシエーションは可能なかぎり収束するように処理されますが、必須パラメータが一致しなかった場合は、ネゴシエーションが失敗します。

以下のログファイルの例は、PPP ネゴシエーションが失敗したことを示しています。


11/13/95 20:34:42 - Connection requested to miles
11/13/95 20:34:43 - Dialing number P365 ...
11/13/95 20:35:16 - Got modem connection
11/13/95 20:35:19 - LCP up on ipdptp0
11/13/95 20:35:19 - PPP error on ipdptp0: Negotiation of mandatory
options failed

この例では、サーバーが要求する IP アドレスとは異なる IP アドレスがエラーの原因となっています。PPP ネゴシエーションが失敗した場合は、システム管理者やインターネットプロバイダから入手した情報どおりの構成であるかどうかを確認してください。構成が正しい場合は、サーバー構成を変更する必要がある可能性があるのでシステム管理者またはインターネットプロバイダにお問い合わせください。

PAP 認証と CHAP 認証における問題

PAP 認証と CHAP 認証は、非認証クライアントがサーバーに接続することを防止するための認証方式です。PAP 認証と CHAP 認証のいずれかがサーバーで起動している場合は、システム管理者やインターネットプロバイダからパスワードと識別子が与えられます。 以下のログファイルの例は、クライアントが認証要求に応答できなかったことを示しています。

以下のログファイルの例は、クライアントが認証要求に応答できなかったことを示しています。


11/14/95 10:22:41 - Connection requested to miles
11/14/95 10:22:42 - Dialing number P365 ...
11/14/95 10:23:16 - Got modem connection
11/14/95 10:23:47 - PPP error on ipdptp0: Maximum number of
configure requests exceeded

この例では、サーバーが PAP 認証を要求し、クライアントがこの要求を拒否しています。指定回数だけ要求を行なった後、サーバーは PPP ネゴシエーションを開始しないまま接続を切断します。

以下のログファイルの例は、クライアントが認証要求に対する応答でまちがったパスワードを使用したことを示しています。


11/13/95 20:34:42 - Connection requested to miles
11/13/95 20:34:43 - Dialing number P365 ...
11/13/95 20:35:16 - Got modem connection
11/13/95 20:35:19 - LCP up on ipdptp0
11/13/95 20:35:19 - PPP error on ipdptp0: Negotiation of mandatory
options failed

この例では PPP ネゴシエーションが失敗し、サーバーが接続を自動的に切断します。

非活動タイムアウトにおける問題

非活動タイムアウトは、指定秒数を経過しても接続が未使用状態のままであるときに接続を自動的に切断します。つまり、接続がうっかりオープン状態のままになっていた時間の電話料金が請求されるという事態を防ぐことができます。ただし、非活動タイムアウトが短すぎると、必要以上に早く接続が切断されてしまいます。

以下のログファイルの例は、60 秒が経過したときにクライアントによって起動された非活動タイムアウトを示しています。


11/13/95 18:00:03 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set
to 60 seconds
11/13/95 18:00:14 - Interface ipdptp0 has timed out

接続が頻繁にタイムアウトする場合は、構成スクリプト pppinit を実行して構成ファイルを作成し直し、サーバーに対する発信の非活動タイムアウト値を増やしてください。

以下のログファイルの例は、何らかの理由でサーバーが接続を切断したことを示しています。原因としては、クライアント側の非活動タイムアウトより、サーバー側の非活動タイムアウトが短いことが考えられます。サーバーがクライアントを頻繁に切断する場合は、システム管理者またはインターネットプロバイダにお問い合わせください。


11/13/95 18:13:46 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set
to 240 seconds
11/13/95 18:15:47 - interface ipdptp0 has been disconnected