Solstice DiskSuite 4.2.1 リファレンス

DiskSuite による状態データベースの複製の使用

状態データベースの複製は、メタデバイス状態データベースのデータが常に正しいものであることを保証します。メタデバイス状態データベースの内容が更新されると、それぞれの複製も更新されます。この更新は、それぞれの複製に対して 1 つずつ行われます (システムがクラッシュした場合に、すべての更新内容が破壊されるのを防ぐためです) 。

システムが状態データベースの複製を消失した場合、DiskSuite は、どの複製に破壊されていないデータが格納されているかを判断しなければなりません。DiskSuite では、多数決アルゴリズムによって、この判断を行います。このアルゴリズムは、過半数 (半数 + 1) の複製が利用できれば、それらの内容は破壊されていないと判断します。このアルゴリズムを有効にするために、ディスク構成を設定する際には 3 つ以上の状態データベースの複製を作成しなければなりません。3 つの複製のうちの 2 つが利用できれば、多数決による意見の一致が得られることになります。

データを保護するため、すべての状態データベースの複製の過半数が利用できない限り、DiskSuite は機能しません。このように、このアルゴリズムはデータを破壊から守ります。

多数決アルゴリズムによって、次のように動作することが保証されます。


注 -

状態データベースの複製の数が奇数であれば、その値を 2 で割って小数点以下を切り捨てた整数値に 1 を足した値が過半数値となります。たとえば、複製が 7 個であれば、過半数値は 4 になります (7 を 2 で割って小数点以下を切り捨てると3 になり、それに 1 を足すと 4 になります) 。


ブート中は、DiskSuite は破壊された状態データベースの複製を無視します。破壊された複製を DiskSuite が作成しなおす場合もありますが、そうでない場合には、管理者が複製を修復するまで、その複製は無視されます。スライスのエラーによって複製が不良になった場合には、スライスを修復または交換してから、複製を使用可能にします。

すべての状態データベースの複製を消失した場合には、ディスク上のすべてのデータを失なってしまうことになります。したがって、多数の複製を別々のドライブやコントローラに分散させて作成しておき、最悪の事態を避けるようにしてください。最初の DiskSuite 構成情報とディスクパーティション情報を保存しておくのも良い方法です。

状態データベースの複製を追加する方法や、状態データベースの複製を消失した場合の復旧方法については、『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』を参照してください。