Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理

要件の決定

Sun Cluster 環境で Solaris Resource Manager を構成する前に、スイッチオーバーやフェイルオーバーにおいて、資源の制御と追跡管理をどのように実行するかを決定しなければなりません。すべてのクラスタノードを同じように構成すると、使用制限が主ノードとバックアップノードで同等に適用されます。

全ノードの構成ファイルにおいて、アプリケーションの構成パラメータをすべて同じにする必要はありませんが、最低でもマスターになる可能性があるノードでは、構成ファイルにアプリケーションのすべてを指定しなければなりません。たとえば、アプリケーション 1 は phys-host1 で実行しますが、phys-host2phys-host3 にスイッチオーバーやフェイルオーバーされる可能性がある場合、アプリケーション 1 は、この 3 つの全ノード (phys-host1phys-host2、および phys-host3) の構成ファイルに指定しなければなりません。

Solaris Resource Manager は、使用量や総使用量のパラメータを構成するという点では非常に柔軟性があり、Sun Cluster により受ける制約もほとんどありません。構成上の選択は、サイトの条件によって決まります。システムを構成する前に、次の節で説明する一般的なガイドラインを参考にしてください。

メモリー制限値パラメータの設定

Sun Cluster で Solaris Resource Manager を使用する場合は、アプリケーションの不要なフェイルオーバーやピンポン現象を予防するため、メモリー制限値を適切に設定しなければなりません。通常は、次のガイドラインに従ってください。

総使用量パラメータの使用

CPU 割当数、ログイン数、接続時間など、システム資源の総使用量を追跡するのに、Solaris Resource Manager のいろいろなパラメータを使用できます。ただし、特に指定しない限り、スイッチオーバーやフェイルオーバーが発生した場合、スイッチオーバーまたはフェイルオーバーされた全アプリケーションの総使用量データ (CPU 使用量、ログイン数、接続時間) は、新しいマスターノードで 0 から記録が再開されます。総使用量のデータは、ノード間で動的に移動されることはありません。Solaris Resource Manager の総使用量レポート機能の正確性を維持するために、総使用量の情報をクラスタノードから収集するスクリプトを作成できます。総使用量のデータを収集する際、どのマスターでアプリケーションが実行されるか分からないため、このスクリプトでは、アプリケーションの全マスターでの総使用量のデータを収集しなければなりません。詳細については、第 9 章「使用量データ」を参照してください。