名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 起動 | 通知 | 接続時間 | シグナル | ファイル | 属性 | 関連項目 | 診断 | 注意事項
limdaemon は Solaris Resource Manager モードのデーモンです。limdaemon は、通常は Solaris Resource Manager を構成し有効にするために srmadm を呼び出す直前、すなわちブートした直後のスクリプト /etc/init.d/init.srm (init.d(4) を参照) から呼び出されます。limdaemon は次の機能を実行します。
通知メッセージを受信し、人間が読めるテキストに変換し、宛先のユーザーの端末に配信します。
任意のログインまたはログアウトメッセージを受信し、現在進行中のすべてのログインセッションについて正確な記録を保守します。
現在進行中のログインセッションに関連するすべてのユーザーに対して、terminal デバイスカテゴリ内の接続時間使用状況を定期的に更新します。
接続時間制限に達したユーザーを検出し、そのユーザーをログアウトさせます。
syslog にアクションを記録し、メッセージに優先度のタグを付けます。
端末の接続時間使用量を更新しません。このオプションにより -e も暗黙的に指定されます。
ログインしているユーザーのすべての端末について、接続時間使用量が徐々に減少します。減少間隔は、-t オプションの引数で指定します (デフォルトは 1 分)。
すべてのユーザーのすべての端末について、接続時間使用量が n 分ごとに徐々に減少します。
端末の接続時間の制限をなくします。
ユーザーの端末が接続制限時間に達した後で、そのユーザーを強制的にログアウトさせるまでの猶予時間を n 秒 (デフォルトは 30 秒) にします。
現在実行中の limdaemon を停止します。これは、SIGTERM シグナルを送信することにより行われます。
システムログに追加されるすべてのテキスト行にユーザーが入力する tag を添付します。
指定した優先度でシステムログにメッセージを入力します。優先度は、数値としても、facility.level のペアとしても指定できます。デフォルトの優先度は user.notice です。limdaemon 自身が生成するエラーメッセージは優先度 daemon.error で記録されます。
n 分 (デフォルトは 1 分) ごとにログインしているユーザーのすべての l ノード内の端末接続時間の使用量と総使用量を更新します。ゼロは指定できません。
接続制限時間が経過したためにログアウトを行う warn 分 (デフォルトは 5 分) 前に、ユーザーに警告メッセージを通知します。
limdaemon が起動するとき、即座にフォークして、その親は終了します。呼び出しにシェルの & 文字を付ける必要はありません。プロセス ID は Solaris Resource Manager 1.2 および Solaris Resource Manager 1.3 では /var/run/.limdaemon.lock ファイルに ASCII 文字で書き込まれます。Solaris Resource Manager 1.0 および Solaris Resource Manager 1.1 では /tmp/.limdaemon.lock ファイルに ASCII 文字で書き込まれます。子プロセスは自分自身を制御端末から切り離し、自分自身を子プロセスが所有するプロセスグループに置いて、自分自身をキーボードから生成される割り込みから切り離します。syslog に通知メッセージを開いて書き込むとき、limdaemon は意図的にデバイスがその制御端末にならないようにします。
limdaemon は監査情報を syslog に書き込みます。-p と -m オプションを使用すると、指定したタグとともにメッセージの優先度も監査追跡に追加できます。
メッセージ優先度は、数値としても、facility.level のペアとしても指定できます。facility はメッセージを生成したシステムの部分を示し、level は優先度のレベルを示します。デフォルトの優先度は user.notice です。ログに追加されるすべてのテキスト行にユーザーが入力するタグを追加できます。
通知メッセージには、メッセージの原因となったユーザーと制限に到達した l ノードのユーザーの 2 つのユーザー ID が含まれます。limdaemon は、ログインしているすべてのメンバーと、制限されている l ノードが最上部にいるスケジューリンググループのグループヘッダーの端末にメッセージを配信します。useronly 条件で宣言されたメッセージは、メッセージの原因となったユーザーの端末だけに配信されます。
ログイン操作を行うと、limdaemon は、login が行われたデバイスのプロセス ID とコストを含む特別な login メッセージを受信します。login 操作を実行したプロセスは、Solaris Resource Manager によりログインヘッダープロセスとしてマークされます。このプロセスが異常終了した場合、異なる l ノードに移動したり、別のログイン操作を行なったりすると、一致する logout メッセージが受信されます。
limdaemon は、現在のすべてのログインヘッダープロセスとコストを正確にメモリーに記録して、ユーザーの接続時間使用量の更新に使用します。何らかの理由で limdaemonが終了した場合、この情報は失われます。
limdaemon は 60 秒 (または、-t オプションで指定した値) ごとにスリープ状態から呼び起こされ、現在ログインしている各ユーザーについて、そのユーザーが接続されているすべてのデバイスのコスト合計と比較しながら、接続時間使用量を累積します。-c オプションを指定しないと、各ユーザーの総接続時間使用量は各 l ノードに追加されます。
-d オプションを指定すると、limdaemon によりすべてのデバイスカテゴリの接続時間使用量が減少します。
-d オプションまたは -D オプションを指定すると、limdaemon によりすべての端末の接続時間使用量も徐々に減少します。-d オプションを指定すると、ログインしているユーザーだけの使用が徐々に減少します。このような減少は limdaemon が接続時間使用量を累積しているとき (-t で指定する) には常に発生します。-D オプションを指定すると、すべての l ノードの使用量が徐々に減少します。したがって、ユーザーが多いシステムでは実用的でない場合もあります。
-e オプションを指定しない場合、接続制限時間に達すると、limdaemon はユーザーにログアウトするように通知を送信します。猶予時間の 30 秒 (または -g オプションで指定した値) の経過後、limdaemon は、そのユーザーの l ノードに接続されているすべてのプロセスに SIGTERM シグナルを送信し、その 15 秒後には SIGKILL を送信します。
別のユーザーモードのプログラムから送信された特別な l ノード変更メッセージを受信したときは常に、その内部情報に影響を与える可能性があるすべての端末属性の変更が limdaemon に通知されます。属性を変更する必要がある場合、属性値を変更するすべてのユーザープログラムは必ず、正しい l ノード変更メッセージを送信しなければなりません。通常、このようなすべての属性は構成ファイル内において daemon 条件で宣言されます。各 l ノード変更メッセージには変更された l ノードのユーザー ID が含まれます。limdaemon は、指定された l ノードを再度取り出し、関連するすべての属性値を読み直します。つまり、1 つのメッセージで複数の属性の変更が limdaemon に読み取られます。
limdaemon は、ほとんどのシグナルをトラップおよび無視して、syslog に記録します。limdaemon が SIGHUP シグナルを受信した場合、構成ファイルが再度読み取られます。読み取りができなかった場合、limdaemon は、継続して実行されます。ただし、別の SIGHUP シグナルを受信し、構成ファイルの読み直しが行われるまで、メッセージの配信と接続時間の更新も行われません。limdaemon が SIGUSR1 シグナルを受信した場合、既存のすべてのログインヘッダープロセスを syslog に出力します。limdaemon が SIGTERM シグナルを受信した場合、limdaemon は正常に停止します。
システムコンソールデバイス
パスワードファイル
ユーザーログファイル
.limdaemon.lock ファイルは、現在実行中の limdaemon のプロセス ID に対応する ASCII 文字列です。Solaris Resource Manager 1.2 および Solaris Resource Manager 1.3 では /var/run.limdaemon.lock ファイルに作成されます。Solaris Resource Manager 1.0 および Solaris Resource Manager 1.1 では/tmp/.limdaemon.lock ファイルに作成されます。
logger(1), syslogd(1M), kill(2), syslog(3C), init.d(4), limadm(1MSRM), srm(5SRM)
『Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理』
すべてのエラーメッセージはシステムログファイルまたはシステムコンソールに書き込まれます。
このマニュアルページは、SunOS 5.6、SunOS 5.7、および SunOS 5.8 に適用できます。
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