メタディスクは、以下の 2 つの場合に、有効なパスから代替パスに自動的に切り替えることができます。
有効なパスに障害が発生した場合
有効なパスのコントローラを持つボードが DR の切り離し 操作によって切り離された場合。 DR Detach の際の自動切り替えは、Sun Enterprise 10000 サーバーでだけ可能です
Sun StoreEdge T3 ディスクを使用している場合は、DR 操作を実行する前に、手動切り替えを実行する必要があります。 この操作によって、T3 ディスクのパス最適化は無効となります。 後に、両方の物理パスが再度、利用可能となった際は、次のコマンドを使用することによってパス最適化を再有効化できます。
# apconfig -P sf:2 -a sf:2 -a sf:9 |
有効なパスに障害が発生すると、代替パスが使用可能な場合にだけ自動切り替えが試みられます。 障害の発生したパスは、使用不能または「試行済み」と記録されます。 試行済みパスは apconfig-S コマンドで特定することができます。
# apconfig -S c1 sf:0 P A c2 sf:1 T メタディスク名: mc1t5d0 mc1t4d0 mc1t3d0 mc1t2d0 mc1t1d0 mc1t0d0 |
この例では、現在、休止中のパスである sf:1 に、切り替えが試行され失敗したことを示す「T」が付いています。
試行済みフラグは、自動切り替え操作に関してだけ有効です (手動切り替え操作の場合には関係ありません)。 通常、AP 2.3.1 は試行済みパスへの自動的切り替えは実行しません。 この条件によって、障害が発生している 2 つのパス間で、切り替えの試行を繰り返すことを回避します。
試行済みフラグは、以下のどれかの処置によってリセットできます。
対応するドメインを再起動する
試行済みと表示されたコントローラを持つボードを DR Detach した後で、DR Attach を実行する
特定のコントローラについて、試行済みフラグを手動でリセットする
試行済みフラグの手動リセットの例を以下に示します。
# apdisk -w sf:1 |
この例では、sf:1 は試行フラグが true に設定されているコントローラです。 apdisk -w 機能は、慎重に使用してください。 このコマンドは試行済みフラグをクリアするだけで、コントローラやデバイスの潜在的な問題には対処しません。 このコマンドは、障害のあるパスが DR 操作による介入や再起動を実行しなくても復元された場合にだけ使用してください。 手動切り替えは、試行済みと表示されたパスに対してだけ実行できます。