Trusted Solaris リファレンスマニュアル (1M) : 保守コマンド

nfsstat(1M)

名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 表示 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目

名前

nfsstat- NFS 統計

形式

nfsstat

-cmnrsz

機能説明

nfsstat は、カーネルとのインタフェースである NFS と RPC (遠隔手続き呼び出し) の統計情報を表示します。さらに、nfsstat では、この情報を再初期化できます。オプションを指定しない場合、デフォルトは次のようになります。

nfsstat -cnrs

つまり、すべての情報を表示し、再初期化はしません。

オプション

-c: クライアント情報を表示します。NFS や RPC のクライアント側情報だけが表示されます。-n や -r オプションとともに使用すると、NFS だけまたは RPC だけのクライアント情報を表示できます。
-m: NFS マウントされたファイルシステムごとに統計を表示します。この統計は、サーバーの名前とアドレス、マウントフラグ、現在の読み取りおよび書き込みサイズ、伝送カウウント、および動的再伝送に使われるタイマーなどです。srtt 値は不整をならした往復時間、dev 値は推定偏差、cur 値はバックオフされた現在の再伝送値をそれぞれ表します。
-n: NFS 情報を表示します。クライアント側とサーバー側両方のクライアント情報が表示されます。-c や -s オプションとともに使用すると、クライアント側だけまたはサーバー側だけの NFS 情報を表示できます。
-r: RPC 情報を表示します。
-s: サーバー情報を表示します。
-z: 統計をゼロに(再初期化)します。このオプションを使用できるのはスーパーユーザーだけです。上のいずれかのオプションとともに使用すれば、統計を出力した後に特定の統計値をゼロにすることができます。

表示

サーバー RPC 情報には、次のフィールドがあります。

calls: 受信した RPC 呼び出しの合計数
badcalls: RPC レイヤによって拒否された呼び出しの合計数 (下記の badlen と xdrcall の合計)。
nullrecv: 受信されるはずの RPC 呼び出しが受信されなかった回数
badlen: 長さが RPC 呼び出しの最小サイズよりも短かかった RPC 呼び出しの数
xdrcall: ヘッダーの XDR 復号化ができなかった RPC 呼び出しの数
dupchecks: 重複要求キャッシュで検索が行われた RPC 呼び出しの数
dupreqs: 重複している RPC 呼び出しの数

サーバー NFS 情報には、受信された NFS 呼び出し (calls) と拒否された NFS 呼び出し (badcalls) の数、および行われたさまざまな呼び出しのカウントと割合があります。

クライアント RPC 情報には、次のフィールドがあります。

calls: 行われた RPC 呼び出しの合計数
badcalls: RPC レイヤによって拒否された呼び出しの合計数
badxids: 未処理の呼び出しに対応していない応答をサーバーから受信した回数
timeouts: サーバーからの応答を待っている間に呼び出しがタイムアウトになった回数
newcreds: 認証情報をリフレッシュしなければならなかった回数
badverfs: 応答内のベリファイアが正しくないために呼び出しが失敗した回数
timers: 計算されたタイムアウト値が、呼び出しに対し指定された最小タイムアウト値以上になった回数
cantconn: サーバーに接続できなかったために呼び出しが失敗した回数
nomem: メモリーを割り当てることができなかったために呼び出しが失敗した回数
interrupts: 完了までに呼び出しがシグナルによって割り込まれた回数
retrans: サーバーからの応答を待っている間に、タイムアウトのために呼び出しを再伝送しなければならなかった回数。非接続トランスポートを介した RPC だけに適用されます。

クライアント NFS 情報には、送信および拒否された呼び出しの数、CLIENT ハンドルが受信された回数 (clgets)、CLIENT ハンドルキャッシュに未使用のエントリがなくなった回数 (cltoomany)、さまざまな呼び出しとそれぞれの割合のカウントがあります。

-m オプションを使用すると、マウントオプションで設定されるマウントフラグやシステム内部のマウントフラグなどのマウント情報が表示されます。mount_nfs(1M) のマニュアルページを参照してください。

次のフィールドは処理の継続に関する情報です。

noresponse: サーバーが応答できなかった回数
failover: 新しいサーバーが選択された回数
remap: ファイルが新しいサーバーに対して再評価された回数
currserver: NFS サービスを現在提供しているサーバー。詳細は、NFS の管理を参照してください。

マウントオプションでは、次のマウントフラグが設定されます。

sec

sec次の値のどれかをとります。

none

認証なし

unix

UNIX 形式の認証 (UID、GID)

short

簡略な UNIX 形式の認証

des

des 形式の認証 (暗号化されたタイムスタンプ)

krb4

kerberos 形式の認証

hard

ハードマウント

soft

ソフトマウント

intr

ハードマウントで割り込み可能

nointr

ハードマウントで割り込み不可

noac

クライアントは属性をキャッシュしていない。

rsize

読み取りバッファサイズのバイト数

wsize

書き込みバッファサイズのバイト数

retrans

NFS 再伝送

nocto

クローズからオープンへの整合性なし

llock

ローカルロックが使用されている (ロックマネージャなし)

grpid

System V グループ id の継承

rpctimesync

RPC 時間同期

次のマウントフラグはシステム内部のものです。

printed: 「応答なし (Not responding)」メッセージが出力される。
down: サーバーが停止している。
dynamic: 動的転送サイズ調整
link: サーバーはリンクをサポートする。
symlink: サーバーはシンボリックリンクをサポートする。
readdir: readdirplus の代わりに readdir を使用する。
acl: サーバーは NFS_ACL をサポートする。さらに、マウント情報に関連する次のフラグがあります。
vers: NFS バージョン
proto: プロトコル

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0: 正常終了
>0: エラーが発生した

属性

次の属性の説明については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。

属性タイプ	属性値
使用条件	SUNWcsu