Trusted Solaris は、文字列を使用して、ユーザーがアクセスできる情報を特定します。この文字列を「機密ラベル (SL)」と呼びます。機密ラベルにも、認可上限の場合と同様に、格付け部分とコンパートメント部分があります。 機密ラベルは、ウィンドウのタイトルバーの角括弧 ([ ]) の中か、画面の下のトラステッドストライプという特殊な領域の中に表示されます。システム設定によってはまったく表示されない場合もあります。図 1-3 は、機密ラベルが表示されるように設定されたケースで、機密ラベルとトラステッドストライプがそれぞれ示されています。
システム内のサブジェクトとオブジェクトはすべて機密ラベルを持っています。「サブジェクト」とは、オブジェクト間に情報を流したり、システムの状態を変更したりする能動的な存在であり、通常はプロセス (実行中プログラム) を指します。「オブジェクト」とは、データを保持していたり、受け取ったりする受動的な存在であり、データファイルやディレクトリ、プリンタなどのデバイスを指します。プロセスで kill を使用したときのように、場合によってはプロセスがオブジェクトになることもあります。