Trusted Solaris 開発ガイド

独自のユーザーアクティビティ

独自のアプリケーションは、auditwrite(3) ルーチンを使用して、アプリケーションに固有の独自の監査イベントと監査クラスを作成し、監査記録を生成することによってユーザーによるシステム使用状況を監査します。

アプリケーションプログラマは、独自のアプリケーションで使用される独自の監査イベントとクラスを定義します。そのアプリケーションを使用するサイトのシステム管理者は、前述したファイルを設定することによって、新しいイベントとクラスを認識します。

アプリケーション内部では、監査イベントが生成され、監査トレールにレコード単位でログが記録されます。監査レコードには、監査イベントとその他の関連情報 (イベントを生成したプロセスのプロセス ID、イベントが発生したマシン、日時など) を持つトークンが含まれます。監査トレールは、カーネル、システムアプリケーション、および独自のアプリケーションによって生成された監査レコードがファイル単位で格納される場所です。次の図は、これらの要素とその関係を示しています。

図 9-1 監査トレール、ファイル、レコード、およびトークン

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auditwrite(3) ルーチンに渡すトークンを決定し、どの情報を監査レコードに記録するかを決めるのはプログラマです。独自のアプリケーションの監査レコードは、可能なかぎり高いインタフェース層で生成してください。そうすることにより、もっとも正確な情報が得られ、価値の低い監査レコードを生成しないように制限しやすくなります。