Trusted Solaris 開発ガイド

特権

特権をプロセスに設定すると、そのプロセスは、システムセキュリティポリシーによって禁止されている処理を実行できるようになります。Solaris 7 では、実効ユーザー ID: 0 (スーパーユーザー) によるプロセスには、システムセキュリティポリシーは適用されません。しかし、0 以外のユーザー ID によるプロセスは処理が限定されます。Trusted Solaris 7 では、スーパーユーザーは存在しません。どのようなユーザー ID のプロセスに対しても、特定のセキュリティ関連の権限が定義された、さまざまな特権を割り当てることができます。特権および特権によってプロセスが実行できる処理の一覧は、priv_desc(4) を参照してください。

ほとんどのアプリケーションは、セキュリティ関連の権限を実行する必要がないため、特権を使用しません。特権を使用するアプリケーションは、トラステッドコンピューティングベース (Trusted Computing Base、TCB) を使用するアプリケーション (以下、TCB アプリケーション) と呼ばれます。TCB アプリケーションでは、情報が不正に利用されることがないようにコーディングに注意する必要があります。どのような場合に特権が必要になるかの目安は、「セキュリティポリシー」を参照してください。次に示す特権プログラムのコーディングについての情報とガイドラインは、第 3 章「特権」を参照してください。