「システム認可範囲」は、管理者が使用する全機密ラベルと全情報ラベルのセットです。システム認可範囲には、ADMIN_HIGH と ADMIN_LOW の 2 種類があり、それぞれ label_encodings ファイルの規則で制約されています。システム認可範囲の規則は、システムが許可していないラベルの組み合わせを除外するためのものです。
次の図は、システム認可範囲として許可されているラベルが、規則によって制約される仕組みを示しています。
図 1-1 (a) は、格付け TS (「TOP SECRET (最高機密)」)、S (「SECRET (極秘)」)、C (「CONFIDENTIAL (マル秘)」)と、コンパートメント A、B の組み合わせ全種類を示しています。
図 1-1 (b) は、label_encodings ファイルの「REQUIRED COMBINATIONS」部分の規則の例と、その効果を示したものです。矢印が指しているのは規則によって除外されたラベルで、横線で削除されています。規則を表す構文「B A」は、B というコンパートメントを持つラベルには必ず A も含まれていなければならないことを示しています (ただし、コンパートメント A には、他のコンパートメントを組み合わせる必要はありません)。コンパートメント B には、A と組み合わされている状態だけが許可されているため、ラベル「TS B」、「S B」、「C B」はどれも正しい形式とみなされず、システム認可範囲から除外されます。