この章で解説する内容は、Sun のソフトウェアとハードウェアに精通したシステム管理者が実施することを前提に説明されています
Solaris Resource Manager は、通常、システム管理者がインストールと設定を行います。しかし、Sun Cluster はかなり複雑であるため、通常は Sun Service の専門家がインストールを実行します。インストールの手順を計画するときには、この点を考慮してください。
このマニュアルの解説では、Sun Cluster 3.0 12/01 のマニュアルを一部参照しています。これらの Sun Cluster のマニュアルは Sun Cluster 3.0 12/01 Collection および Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Collection に用意されています。
使用する Sun Cluster 3.0 が U1 以降のリリースである場合は、該当する Sun Cluster リリースのマニュアルを参照してください。
この節では、下記の 2 通りのインストール方法について解説します。
Solaris Resource Manager と Sun Cluster は、どのような順序でもインストールできます。
Sun Cluster および Solaris Resource Manager のインストールでは、いずれも /etc/system ファイルに変更を加えます。Sun Cluster のインストール後にこのファイルに何らかの変更を加える場合、起動時にこのファイル内の Sun Cluster 用の変更部にアクセスできなくなると、クラスタが想定外の挙動を示すことがあるので注意してください。
Solaris Resource Manager を停止したり障害追跡をする場合は、/etc/system ファイルの代わりにバックアップの /etc/system.noshrload ファイルを使用するようにしてください。なお system.noshrload ファイルにも Sun Cluster 用の変更が加えられていないと、この 2 つのファイルを交換することにより、クラスタに問題が発生することがあるので注意が必要です。
既存の Sun Cluster に Solaris Resource Manager をインストールする場合は、次の点を考慮してください。
既存のクラスタ内のノードの 1 つに Solaris Resource Manager 製品をインストールする前に、Sun Cluster のマニュアルのインストール手順を参照して、このクラスタのすべてのノードに Sun Cluster 製品をインストールして、完全に機能するようにしておく必要があります。
Sun Cluster のインストールの完了後、Solaris Resource Manager をインストールするすべてのノードを非クラスタモードで起動してください。Solaris Resource Manager のインストール手順では、各ノードを再起動する必要があります。クラスタノードを非クラスタモードで起動する手順の詳細については『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』を参照してください。
Solaris Resource Manager のインストール時でも、アプリケーションを継続的に利用できるようにするには、1 つのノードごとにインストールを実行しなければなりません。そして、ノードに Solaris Resource Manager をインストールする前に、ノードのすべてのアプリケーションをバックアップノードにスイッチオーバーしてください。資源グループをスイッチオーバーする方法の詳細については『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』を参照してください。
クラスタに Sun EnterpriseTM 10000 マシンがある場合、Solaris Resource Manager の機能が必要な各ドメインに、Solaris Resource Manager をインストールしなければなりません。
Solaris Resource Manager のリミットデータベースファイル (/var/srm/srmDB) はすべてのノードで一致する必要はありません。『Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理』の「Sun Cluster 3.0 環境における Solaris Resource Manager の構成」を参照してください。
2 ノードの Sun Cluster に Solaris Resource Manager をインストールする場合、30 分もかかりません。インストールの実行時間は、ノード数、ファイルシステム数、およびシステムの処理速度によって変わります。
上記以外には、特別な条件はありません。
すでに Solaris Resource Manager があるノードに Sun Cluster をインストールする場合は、次の点を考慮してください。
すべてのノードに Sun Cluster をインストールする場合、Sun Cluster のマニュアルで説明しているインストール手順に従います。
Solaris Resource Manager の構成ファイル (/var/srm/srmDB) はすべてのノードで一致する必要はありません。『Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理』の「Sun Cluster 3.0 アップデート環境における Solaris Resource Manager の構成」を参照してください。
インストールの実行時間は、ノード数、ファイルシステム数、およびシステムの処理速度によって変わります。Solaris Resource Manager がすでにインストールされていても、Sun Cluster のインストール時間は長くなりません。
上記以外には、特別な条件はありません。
1 つのノードに Solaris Resource Manager および Sun Cluster を最初にインストールする場合、これら 2 つの製品を同時にインストールすることはできません。これらのインストールについては「既存の Sun Cluster への Solaris Resource Manager のインストール」ないし「既存の Solaris Resource Manager 構成への Sun Cluster のインストール」に解説された手順に従ってください。