Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

エージェントレイヤのリソース

高度な管理および 監視機能を確立するには、ネットワーク内のすべての管理対象ノードに Sun Management Center 3.5 エージェントをインストールする必要があります。Sun Management Center エージェントは、Solaris バージョン 2.6、Solaris バージョン 7、Solaris バージョン 8、または Solaris バージョン 9 が動作するすべての SPARC プラットフォームワークステーションおよびサーバでサポートされます。Sun Management Center エージェントは、Solaris オペレーティング環境の x86 Platform Edition システムと Microsoft Windows システムでは利用できません。

CPU リソース

Sun Management Center エージェントがホストシステムに与える演算負荷は、最低限のものです。演算負荷は、定期的なデータ収集、アラーム規則の処理、アラーム予告、アラームアクションの実行、クライアント要求の処理といった通常の管理オペレーションによって引き起こされます。

負荷の量は、データの収集の頻度、収集されるデータ量、検出されるアラームの数、ユーザ要求の数などに比例します。したがって、消費される CPU リソースの割合は、システムに読み込まれるモジュールの数と種類、これらのモジュールの構成、およびホストシステムの演算能力によって決まります。

総合的なモジュールセットが読み込まれた、管理処理の多いローエンドマシンの場合でも、エージェントは CPU リソースのごく一部しか消費しません。

次の表に、CPU 使用率と RAM 使用率の概算を示します。

表 C–1 各システムにおけるエージェントの CPU と RAM の概算使用率

サーバの種類 

構成 

CPU 使用率 

RAM の使用率 (平均) 

重いまたは軽い 

最大 

最小 

平均 

サイズ 

常駐サイズ 

Netra X1 

軽い 

16.3% 

0.0% 

0.09% 

12M バイト 

10M バイト 

Sun Enterprise 420R 

軽い 

14.3% 

0.0% 

0.13% 

15M バイト 

14M バイト 

Sun Blade 1000 

軽い 

0.3% 

0.0% 

0.03% 

17M バイト 

16M バイト 

Sun Blade 100 

重い 

14.0% 

0.2% 

8.9% 

29M バイト 

29M バイト 

構成が軽いサーバは、以下のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

構成が重いサーバは、以下のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

  • 構成リーダ

  • 状態モニター

  • カーネルリーダ

  • MIB-II 計測

  • ディレクトリサイズモニタリング

  • ファイル走査

  • Hardware Diagnostics Suite

  • スクリプト起動用ウィンドウ

  • HP JetDirect

  • エージェント統計情報

  • MIB-II プロキシモニタリング

  • その他の各種モジュール (カスタムモジュールなど)

構成が重いサーバは、必要以上の規模となる可能性があります。マシンのサイズが大きいほど一般にプロセッサとディスクが増え、ハードウェア構成が大きくなります。これらの構成では、大規模マシンで動作するエージェントのメモリ消費量が多大なものとなります。

仮想メモリ要件

エージェントが使用する仮想メモリは、いくつかの要因によって決まります。とりわけ重要なのは、読み込まれる管理モジュールの数と、それらのモジュールによって監視される情報の量です。1 つのエージェントに多数のモジュールを読み込む場合は、必要となるメモリが増えます。同様に、大規模ディスクアレイを始めとする拡張性の高い資産を抱えるホストを管理するエージェントの場合、より多くの仮想メモリを必要とします。これは、エージェントを通して渡される管理情報の量が増えるためです。

一般に、デフォルトの管理モジュールセットが読み込まれたベースエージェントはサイズが 10M バイト未満であり、 物理メモリ内に常駐させる必要があるのは、10M バイトのうちのわずか 50 から 60 %です。

ハードウェア固有モジュールの可用性

Sun Management Center 管理モジュールのほとんどは、Sun Management Center エージェントを使用したあらゆる SPARC プラットフォームシステム間で移植できます。しかし、ハードウェア固有の高度な Sun Management Center モジュールの中には一部の Sun ハードウェアでサポートされていないものがあります。たとえば、プラットフォームに付属の構成リーダモジュールや動的再構成 (DR) モジュールはそのハードウェアプラットフォームを管理する高度な機能を提供しますが、それらのモジュールの機能が Sun 製品ファミリ内のあらゆるハードウェアシステムに適用できるとはかぎりません。

次の表に、各ハードウェア プラットフォームにおける Sun Management Center 管理モジュールの可用性を簡単に示します。

表 C–2 ハードウェア固有モジュールの可用性

ハードウェア 

構成リーダモジュール 

動的再構成 (DR) モジュール 

その他のすべての Sun Management Center モジュール 

SPARCStation 1、2、5、10、20 

不可 

不可 

可 

Sun Ultra 1、2、5、10、30、60、80 

可 

不可 

可 

Sun Enterprise 5、10、150、250、450、220R、420R、Sun Fire 280R、Sun Fire V480 

可 

不可 

可 

SPARCserver 1000、1000E 

可 

不可 

可 

SPARCcenter 2000、2000E 

可 

不可 

可 

Sun Enterprise 3x00、4x00、5x00、6x000  

可 

可 

可 

Sun Enterprise 10000  

可 

不可 

可 

Sun StorEdge A5x00、T3 

可 

不可 

可 

Netra T1、T1120-1125、T1400-T1405 

可 

不可 

可 

Sun Blade 100、1000 

可 

不可 

可 

Sun Fire、3800、4800、4810、6800、V880 

可 

可 

可 

管理モジュールのリソース

管理モジュールのリソース要件は、以下の要因によって決まります。

次の表に、Sun Management Center 管理モジュールのリソース影響について概要を示します。

表 C–3 Sun Management Center 管理モジュールのシステムに対する影響

モジュール 

影響 

エージェント統計情報 

フットプリントと CPU 負荷にわずかな増大を引き起こす 

構成リーダ 

管理対象ノードのハードウェア構成の複雑さに応じて CPU とメモリを使用する 

データロギングレジストリ 

ログ化されるデータ値の量に応じて、フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

ディレクトリサイズモニタリング 

監視対象のディレクトリの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視対象となるディレクトリの数とそれらのディレクトリ内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

動的再構成 (DR) 

フットプリントに対する影響がわずかであり、再構成処理を実施する場合のみ CPU を利用する 

ファイルモニタリング 

監視対象となるファイルの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視されるファイルの数とそれらのファイル内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

ファイル走査 (System Log) 

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

状態モニター 

リソースに対する影響が比較的小さい 

HP JetDirect 

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

IPv6 計測 

ネットワークインタフェースの数に応じ、CPU 負荷のわずかな増大と、 低から中程度のフットプリント増大を引き起こす 

カーネルリーダ 

管理対象であるファイルシステムや CPU などのシステムリソースの数と、この情報の更新頻度に応じ、CPU とメモリに影響を与える。カーネルリーダ (簡易) よりも多くのリソースを消費する 

カーネルリーダ (簡易) 

CPU とメモリにわずかな影響を与える 

MIB-II 計測 

ネットワークインタフェースの数、経路テーブル、ARP テーブル、および関連するシステムテーブルのサイズに応じ、わずかな CPU 負荷と低から中程度のフットプリント増大を引き起こす 

MIB-II プロキシモニタリング 

プロキシで監視された SNMP エージェントの MIB サイズに応じ、中程度のフットプリント増大を引き起こす。プロキシで監視された SNMP エージェント内の管理対象オブジェクトの数に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

MIB-II システム (簡易) 

CPU 負荷はほとんど起きず、フットプリントはシステムインタフェース、IP 転送、および IP アドレステーブルのサイズに応じてごくわずか増大する 

NFS ファイルシステム 

ホストマシンにマウントされているネットワークファイルシステムの数に応じてフットプリントのわずかな増大を引き起こす。CPU 負荷はわずかである 

NFS 統計情報 

フットプリントのわずかな増大と低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

プリントスプーラ 

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

Solaris プロセス詳細 

監視対象のプロセスの数に応じ、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視対象のプロセスの数とプロセスの開始と停止の頻度に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

Sun StorEdge A5x00 Array、Sun StorEdge T3 Array 

ストレージデバイスのサイズに応じ、フットプリントと負荷の中程度の増大を引き起こす